※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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底辺冒険者姉妹の里帰り その5

「止まれ!

 その馬車、どこに行く?」

 

「これは騎士様。

 私どもはエナンチェ男爵夫人より、商品を国境沿いの村に運ぶ途中でして」

 

 国境沿いになると、ファンドリア王国の巡回騎士に止められる事が増えて来る。

 よほどの事がない限りは、これでパスできる。

 頑張って腰を振って、紹介状を書いてもらったかいがあるというものである。

 なお、国境沿いになると、台詞がこうなる。

 

「これは騎士様。

 私どもは『ロス・ぺラス沈黙の紳士』会館の許可を得て、オーファンに商品を売りに行くところでございます」

 

と。

 

「帰りは西部諸国経由ね。これは」

 

 なんとか国境を越えた所で、私は安堵のため息をついてぼやく。

 あんな魔境でおちついて腰を振り続ける事なんてできはしない。

 

「けど、どうするんだ?」

 

 ルーファスが馬車を動かしながら尋ねる。

 さすがに、国境沿いで何があるか分からないので、皆緊張しつつセックスもなしで先を進んでいる。

 

「お゛っ♥……ひぎぃ♥♥……お♥」

 

 クリシィ以外は。

 彼女は完全に堕とすまではきっちり調教しておかないと、ディランの所に逃げられてこちらの足取りを全部ばらされる危険があったからだ。

 裸で縛って口枷をつけて媚薬を投入したまま箱詰めで放置。

 

「予定通り里帰りはさせるけど、国境を越えたら二手に分かれる予定」

 

 まずは、マティアラとリーマの里帰り組。

 この森出身のエルフであるスィートゲイルを案内に、姉妹と同じハーフエルフであるミックとサロウが同行する。

 スィートゲイルが居るから、森に入ってしまえば多分安全だろう。

 で、残りは街道を進んでオーファン王国の王都ファンを目指す。

 里帰り組と合流するのもここだ。

 

「無理してユニコーンに絡まなくていいのよ。私たちは。

 帰りは西部諸国経由だし、接触してきた交易商ギルドも盗賊ギルドも私たちを駒の一つとしか判断していないからね」

 

 あのあたりの連中は、基本成功しても失敗しても生き残るように賭けている。

 今頃はファンドリアに来たディランに釘を刺しているあたりだろうか。

 ディラン達も私たちを売り払う事を考えなければ、協力も考えたというのに……

 

「私たちの生存については、とりあえず問題はなし。

 マティアラとリーマの里帰りも多分問題ないでしょう。

 ユニコーンに無理して絡む必要はないし、とはいえ、ディランたちに嫌がらせぐらいはしてあげようかなという所で」

 

「いやがらせ?」

 

 ルーファスが楽しそうに尋ねる。

 私の顔を見てその楽しそうな顔はどういう事か後で問い詰める事を心にメモして、私はその嫌がらせの手段を告げた。

 

「ファンドリアから大規模な密漁団が来るって、チクるのよ。

 オーファンへ」

 

 ファンドリアにとっての悪夢は、以下の情報がオーファンに届く事だ。

 

 

 

 『ダークエルフ』が『ターシャスの森』で『ユニコーン』を狩る。

 

 

 

 逆に言えば、この三つの情報を揃わせない事で、オーファンの動きを掣肘できるのだ。

 

 

『ダークエルフ』が『ユニコーン』を狩る。

 

 これは、ダークエルフと対立しているエルフの故郷の一つであるターシャスの森にダークエルフが入らないという誘導ができる。

 戦力的に不利なだけでなく、地理的にも不利なダークエルフにとってターシャスの森の戦闘は避けるという選択肢は十分にありなのだ。

 特に、保護されたユニコーンがラムリアースに送られるの知っているから、オーファンとラムリアースの街道で襲った方が、まだ成功は高い可能性がある。

 この情報を流せば、街道警備の為にラムリアースの動きは鈍る。

 

『ターシャスの森』で『ユニコーン』を狩る。

 

 現在、オーファンが対処しているのがこの路線であり、ターシャスの森のエルフと協力してユニコーンの確保とターシャスの森への冒険者の許可ない者の侵入を禁止している。

 この方針だとディランと戦うのはオーファンで雇われた冒険者となるだろう。

 で、ファンドリアで密漁団が組織された事をオーファンにチクるとどうなるか?

 オーファン側は冒険者を雇うなどして警戒する訳で、それは監視しているだろうファンドリア側にも報告されるだろう。

 それを無視して突っ込むディランだったらお手上げだが、頭があるのならばここでダークエルフを分離する。

 先に上げた『ダークエルフ』が『ユニコーン』を狩る情報がここで活きるのだ。

 ダークエルフたちをオーファンとファンドリアの街道に配置して保険とし、あくまで密漁団の体を取ってターシャスの森に侵入しようとするだろう。

 

『ダークエルフ』が『ターシャスの森に』入る。

 

 これだけは話がユニコーンから離れる。

 エルフとダークエルフの戦争であり、それはオーファンとファンドリアの戦争に拡大しかねないからだ。

 この情報もオーファンで流す。

 こんな感じに。

 

「もし、ダークエルフがターシャスの森を攻めた場合、オーファン王国は黙ってはいない。

 ターシャスの森にダークエルフ討伐の騎士団を派遣するだろう」

 

 ここまでおぜん立てして、なおディランがダークエルフを連れてターシャスの森に入ってくるのならば、それはもう英雄か馬鹿のどちらかだろう。

 成功したら英雄の仲間入り、失敗したら馬鹿野郎として歴史に刻まれるという感じで。

 現在、私たちとディランの間には2日の余裕がある。

 ディラン達はファンドリアに入って、最後の確認と『百顔のラミア』や交易商ギルド館主から釘を刺されているあたりだ。

 

 彼らがここに来るまでにそのあたりの情報をバラまいてファンまで逃れたらこっちの勝ちである。

 国境を越えてしばらくすると、前方に騎士の姿が見える。

 旗はオーファン王国で騎士とその従者で6人ばかりか。

 

「止まれ!

 私はオーファン王国ドノバの領主イールナムである。

 そこの隊商、名前と目的地を告げよ!!」

 

 若々しい新米騎士を見て『彼、この時期に既に赴任していたのか』と『あ、別のシナリオが進みだした』と頭を抱えたいのを我慢しつつ、私は笑顔で名前と目的地を告げたのだった。

 




リザルト
 長くなるので途中経験点として皆に500点配布。
 シャミナ・マティアラ・リーマ・クリシィはコーティサンレベルUP
 以下レベルアップ後


シャミナ
 シャーマン1 シーフ1 コーティザン2
 残り経験点1500

マティアラ
 シーフ2 シャーマン1 レンジャー1 セージ1 コーティザン2
 レンジャー・セージ新規習得 エルフ語習得 残り経験点500

リーマ
 シャーマン1 レンジャー1 セージ1 コーティザン3
 レンジャー・セージ新規習得 エルフ語習得 残り経験点500

ヨツ
 レンジャー2 ファイター1 セージ1
 残り経験点500

ミック
 ソーサラー1 ファイター1 レンジャー1 セージ1
 残り経験点500

サロウ
 シャーマン2 レンジャー1
 レンジャー習得

バジャー
 プリースト(ブラキ)2 クラフトマン5 (ウェポンスミス)
 残り経験点500

スィートゲイル
 シャーマン1 シーフ1 レンジャー1
 レンジャー習得

カルダモン
 セージ1 ソーサラー1
 残り経験点500

クリシィ
 シーフ2 バード2 ダンサー4 フォーチュンテラー1 コーティサン1
 残り経験点500
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