※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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ターシャスの森 その4

「……ぁ」

 

 目が覚めると、洞窟ではなく天井が見えた。

 どうやら、エルフの集落らしい。

 窓の外には森と樹上集落が見える。

 

「起きたみたいだね」

「どれぐらい寝てた?」

「まだ一日経っていないわよ。

 喘ぎ声うるさ過ぎ。洞窟内に響いていたんだから」

 

 私たちの痴態を知らない羽根頭のパーティと、助けに来たエルフたちは赤面していたとか。

 椅子に座っていたクリシィは苦笑する。

 

「突入した時にゴブリンがヘタっていたのがかなり居たけど、一体どれぐらい出されたのよ?」

「数えている訳ないじゃない」

 

 そんなやりとりの後、私たちが嬲られている間の事をクリシィは説明してくれた。

 

「とりあえず、ユニコーンはエルフの里に保護されているわ。

 エルフたちにラムリアースの森林衛視隊も警備しているからまず大丈夫でしょうね。

 あの巣のゴブリンたちの数が多くて、埋葬に時間がかかっているのよ。

 貴方たちも起きたら手伝って頂戴ってのがルーファスの伝言」

 

「そんな伝言を残すって事は、その埋葬作業中?」

 

「ええ。

 精液臭に死臭に腐臭で大変なんだから」

 

 普通の物語では描かれないが、死体の処理はかなり大事である。

 死体が腐って病気になったりするし、この世界ゾンビというのがあるので、そんなものになったらゴブリン討伐の意味がなくなる。

 という訳で、埋葬はかなり大事だったりする。

 あそこに居たゴブリンたちは百匹近く居たはずなのだが、埋葬は森で追い付かずに森の外で焼く事すら検討しているとかで、猟師村やドノバの村からも人を出すらしい。

 

「そう。

 だとしたら、ユニコーンを奪うのは今夜ね」

 

「でしょうね。

 誰もが終わったと思った時ほど、警戒が緩くなる。

 仕掛けるなら今夜でしょうね」

 

 私とクリシィはニヤリと笑う。

 そのまま私は尋ねてみる。

 

「ディランは来ると思う?」

「来ないと思う」

「理由は?」

「勘」

 

 こういう時の女の勘は外れない。

 そしてフォーチュンテラーという占い師スキルを持つクリシィの言葉は一定の説得力がある。

 

「じゃあ、仕掛ける馬鹿は誰?」

 

「決まっているじゃない。

 オーファン側で、ユニコーンの角を欲しがる輩」

 

 強力な治癒能力があるユニコーンの角はそれゆえに欲しがる輩が多い。

 だからこそ、ディラン達は十重二十重に策を練ってきた。

 私やルーファスの篭絡だけでなく、ダークエルフと組んでラムリアースに繋がる街道に網を張るだけでなく、大きくなった戦力を隠そうともしなかった。

 それは、ユニコーン密猟をディラン達のせいにできるという訳で、多分そう言ってオーファン側の連中に粉をかけているのだろう。

 

「一応聞くけど、ディランの所に帰らないの?」

「今更戻った所でねぇ……ルーファスって男を知っちゃったし」

 

 クリシィは少しだけ視線を逸らして呟く。

 

「正直に言うとね。

 ゼラ。貴方の事ちょっと羨ましいと思った」

 

「あら?

 ゴブリン相手にも腰を振る肉便器でしかないわよ。私は」

 

「貴方、結局の所誰も見ていないでしょう?

 だから、肉便器を誇っていられる」

 

 図星の指摘に苦笑する私。

 それでもクリシィの指摘は続く。

 

「誰からも自由で、誰のものにもならない。

 誰一人届かない底辺の底で、貴方毅然と笑っているんでしょう?

 それが羨ましいと思った」

 

「そうでもないわ。

 私も一応人なので。

 シャミナやマティアラやリーマと出会い、彼女たちが幸せになってほしいとは思っているし、こうやってこんな所で寝ている訳で。

 本当ならば、私は彼女たちを切り捨てるべきだった。

 それができない私は、最底辺にすらなれない半端ものの肉便器でしかないわよ」

 

 クリシィが真顔で尋ねる。

 それは、彼女がここに居る理由なのだろう。

 

「貴方、ルーファスのものにならないの?」

 

「なれない。

 そういう生き方を貫きたいから肉便器やっているのよ」

 

 いずれ、ルーファスは呪われた島に行き、そこで王になるだろう。

 その旅路に私は行くつもりはない。

 英雄の旅路を私で歪めるのは私が許せない。そんな理由で。

 いうつもりはないけど。

 

「私は、ルーファスの肉便器(もの)になるつもり。

 だから、私にもシャミナたちにかけた魔法をかけて頂戴。

 貴方が去るまで、貴方の隣で愚痴を言い合いましょう」

 

 笑って堕ちた事を認めるクリシィを見て私は気づいた。

 

「これって、友達宣言?」

 

「既に竿姉妹の仲なのに今更でしょう?」

 

 そして、二人して笑ったのだった。

 

 

 

「光よ!」

 

 私のライトの魔法に侵入者が照らされる。

 見るからに統率が取れていないあたり、こいつらディランじゃないなと確信する。

 

「動かないで!

 貴方たちは包囲されているわ!

 おとなしく武器を捨てて降伏すれば……」

 

「構う事はない!

 ユニコーンを奪い取れ!!」

 

 敵の誰かが叫び、戦闘が始ま……

 

「スリープ・クラウド」

 

 侵入者11人のうち、7人が眠る。

 更に残った4人も逃亡を企てるが、地の利を得ているエルフとルーファスの剣に勝てる訳もなく。

 ほぼ無傷で彼らを捕らえる事に成功したのである。

 

 案の定、彼らはオーファン側でユニコーンを狩ろうとしていた者たちだった。

 具体的に言うと、オーファン盗賊ギルドでアルケミストのグラントであり、オーファン王国の豪商であるホードレンであり、今回の警備責任者であるバルホー・ソクラン卿が買収されていたという最悪の事実が明らかになり、オーファン王国を揺るがす大スキャンダルに発展する。

 絵図面は、ホードレンやオーファン盗賊ギルドがファンドリアと組んでユニコーンの角をロマールに流すというシナリオで、ディランはファンドリア側で受け取る&護衛という所なのだろう。

 それが、彼自身が奪取しようと企んだ事でシナリオが狂い、私たちという逃げ出した駒の結果、完全に破綻に追い込まれたと。

 

 リプレイにユニコーン輸送のシナリオがあったけど、やっと納得した。

 こりゃ、オーファン王国内ですら信用できないわ。

 そんな事を思いながら、まだしばらく私たちのターシャスの森暮らしは続くのだった。

 

 

 




リザルト
 経験点500後払い+経験点1000

シャミナ
 シャーマン2 シーフ1 コーティザン2
 残り経験点1500

マティアラ
 シーフ3 シャーマン1 レンジャー1 セージ1 コーティザン2
 シーフレベルup
 エルフ語習得

リーマ
 シャーマン1 レンジャー2 セージ2 コーティザン3
 レンジャー・セージレベルup
 エルフ語習得

ヨツ
 レンジャー2 ファイター2 セージ1
 ファイターレベルup
 残り経験点500

ミック
 ソーサラー1 ファイター1 レンジャー1 セージ1
 残り経験点2000

サロウ
 シャーマン2 レンジャー1
 残り経験点1500

バジャー
 プリースト(ブラキ)2 クラフトマン5 (ウェポンスミス)
 残り経験点2000

スィートゲイル
 シャーマン1 シーフ1 レンジャー1
 残り経験点1500

カルダモン
 セージ1 ソーサラー1
 残り経験点2000

クリシィ
 シーフ2 バード3 ダンサー4 フォーチュンテラー1 コーティサン1
 バードレベルup
 残り経験点500

ゼラ
 ファイター2 他スキルあり
 ファイターレベルup
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