※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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高レベルソーサラーはシナリオブレイカー


グードンの狂える神 その7

 今のメンバーは以下の通り。

 

 ゼラ

 ルーファス

 

 シャミナ

  シャーマン2 シーフ1 コーティザン2

 

 マティアラ

  シーフ3 シャーマン1 レンジャー1 セージ1 コーティザン2

 

 リーマ

  シャーマン1 レンジャー2 セージ2 コーティザン3

 

 カルダモン

  セージ1 ソーサラー2

 

 ラダ

  シーフ3 セージ4 プリースト1 (ラーダ)

 

 ジーン

  シーフ4 レンジャー2 ファイター2 コーティザン3

 

 クリシィ

  シーフ2 バード3 ダンサー4 フォーチュンテラー1 コーティサン1

 

 スナイプ

  ファイター2 セージ1 プリースト2 1(ファリス)

 

 フェリーナ (戦闘不能扱い)

  セージ4 シャーマン3 ソーサラー3 ファイター2

 

 さすがに気絶しているフェリーナを置いてゆく訳にも行かず、私たちが逃げ込んだ洞窟にリーマを残す事に。

 戦いの基本は数である。

 だが、この世界においての戦いの基本は質である。

 それはこんな感じでゴブリンを蹂躙していた。

 渓谷内に居たゴブリンは32匹。

 ルーファスの魔法剣によって斬り捨てられたのが26匹。

 この隔絶した剣技に誰も声が出ない。

 

「とりあえず、渓谷内の掃除はこれで大丈夫だろう。

 ……どうした?」

 

「いいえ。

 ルーファスってすごいなぁって」

 

 後でカルダモンに聞いたが、ターシャスのゴブリンの巣掃討でも似たような光景が繰り広げられたらしい。

 そんな感想を漏らした私は神殿の入り口に近づく。

 入り口を警戒するジーンがここの罠を解除した事のあるマティアラと共に罠解除をする。

 30メートルほどの通路には邪神像が並べられており、仕掛けられた感圧板を踏めばそこから矢が出るという仕掛けだ。

 なお、しゃがめばこの罠は意味が無かったりする。

 種も仕掛けも知っているので、罠の解除は容易だった。

 

「先頭はジーンとシャミナ。

 ルーファスと私はその後に。

 スナイプ司祭とラダ、シャミナとカルダモン、最後はクリシィで。

 行くわよ!」

 

 そして、まずは中央広間に突入する。

 円状の部屋に対になるように四つのドアがあり、正面通路は礼拝堂に繋がっておりそこからは輪姦された残滓の精液臭が漂ってくる。

 シースルーの呪文を使うと、奥に繋がる部屋の一つに盗賊たちが待ち伏せをしているのが見えた。

 ハンドサインで敵の存在を知らせる。

 シャミナがこんな時の為にと持ってきた炎晶石を取り出す。

 ドアのノブを持っていたジーンがタイミングを合わせて開けて、炎晶石を投げこんで閉めて逃げる。

 爆音と共にドアが吹っ飛び、中から燃えた物が飛び込んできた。

 

 盗賊×3

 

「ルーファス!

 礼拝堂の通路を押さえて!!

 残りはこいつらを始末するわよ!!」

 

「わかった!」

 

 奇襲にファイヤーボール、数で劣る盗賊たちに勝つすべはなかった。

 一方で、礼拝堂に向かう通路では、ルーファスが通路を押さえていたが苦戦していた。

 原因はダークエルフたちが隠れて弓を撃ってきたからだ。

 飛び道具というのは、こういう時に厄介である。

 

「こっちは仕留めたわ!」

 

 またシースルーの呪文をかけて状況を確認する。

 持っていた魔晶石が砕けて床に落ちる。

 封印の扉はスプリガンの怪力で少し開かれていた。

 人間一人ならば、なんとは入れる程度の隙間があった。

 

「残りは、スプリガンとギリアムとレイヴェンに盗賊が一人とゴブリンが9匹。

 ……まずい!」

 

「あ、待ちなさいよ!」

「ゼラ姐さん!!」

 

 私はそこで口をつぐんで駆けだし、ジーンとマティアラが追いかける。

 レイヴェンが下に降りてゆくのが見えたからだが、それを言うと向こうにも高レベルソーサラーが居る事がばれてしまう。

 ギリアムのにやけた顔まで見える当たりシースルーの魔法も痛し痒しである。

 レイヴェンが邪神を復活させてしまえば彼らにとっては勝ちなのだろう。

 そうはさせない。

 私は炎晶石が炸裂した部屋を抜けて隣の部屋に駆け込む。

 呪文を唱えて、魔晶石がまたバリンと割れた。

 

「ライトニング・バインド!」

 

 私の目にはふらふらと邪神に向かって歩いていたレイヴェンが突然電撃の網に捕らわれ痙攣する姿が見える。

 もがいて先に進もうとする所を私の第二撃のライトニング・バインドか襲い、最後に痙攣して完全に動かなくなった。

 とりあえず敵のたくらみは防いだが、通路の戦いは膠着していた。

 弓に、ダークエルフが撃ってくるファイヤボルトに、ルーファスも隠れざるを得ず、撃ち合っていたシャミナは撃ち負けてラダに回復魔法をかけてもらう始末。

 

「あれ?

 これ、戦う必要がなくなった?」

 

「何か言った?ゼラ?」

 

「いいえ何も」

 

 敵の動きが見えるので、今のうちにとお宝漁り。

 礼拝堂から下への階段に繋がる扉をハードロックの魔法で封じて袋の鼠にした上で、ジーンとマティアラを連れてやばいものをさっさと漁りに行く私。

 

「鍵かかっているわね。罠はないみたい」

「待ってて。すぐ開けるから……開いた!」

 

 最初に入ったのは、炎晶石が炸裂した部屋から繋がっていた行き止まりの部屋で倉庫というかアトリエと言うかそんな部屋だった。

 

「あ。お宝発見」

「これ、セルジェイの物ですね。ほら、グードンの紋章が入っています」

 

「そのあたりは取っちゃ駄目よ。

 どうせ没収されるし」

 

 私の言葉にがっくりする二人。

 ダークエルフとの戦いは長期戦になろうとしており、そうなれば後ろから怒りに任せてやってくるだろうセルジェイ率いるグードン騎士団が来る訳で。

 あのセルジェイがそのあたりを見逃すとも思えなかったのだ。

 センス・マジックの魔法をかけて、私はあるだろうなと思った宝石と杖を手に取った。

 この二つだけはセルジェイの手に渡らせるのは怖かったからだ。

 『忘却の杖』と『信念のネックレス』。

 『忘却の杖』はその名のとおり特定の記憶一つを忘れる事ができるという物。

 これを持っていたのはフェリーナの夫であるクライトで、それがここにあるという事は、彼はスプリガンもしくはダークエルフに殺されたのだろう。

 この杖がないとフェリーナは救われない。

 そして、もう一つの『信念のネックレス』はつけた人が信じている事を対象一人に信じ込ませることができるというもの。

 セルジェイがそれを身に着けて私を見て、

 

「お前は俺の肉便器だ」

 

 なんて思ってしまったら、それ以降の私はセルジェイがこのネックレスを外さない限りセルジェイ専用肉便器として生きるなんて事が。

 という訳で、この二つは先に頂いてしまおう。

 

「下に行きましょう。

 本物のお宝とやばいものの処分はそこにあるわ」

 

 二人を連れて下に降りる。

 そこで、力尽きたレイヴェンの死体を見つけた。

 

「大地母神よ。

 この者にも安らぎを与えたまえ……」

 

 少しだけ彼の為に祈りを捧げると、ジーンが意外そうな顔をする。

 

「ゼラって本当に大地母神の信者なのね」

「私を何だと思っているのよ。

 基本的に扉は開けないでね。危ないから」

 

 そう言って、最初の部屋を通り過ぎる。

 この部屋の魔法の増幅器は生きている可能性があるのだが、この神殿そのものが封印される運命にある。

 見なかったことするのが正解だろう。

 そして左右の扉の内、左の扉を開けると、中に巨大な水晶球が鎮座していた。

 『遠見の水晶球』。

 世界のどこの風景でも見る事ができるが、今や発動の言葉は失われているとなっていた。

 

 ……知っているんだなぁ。

 

 私でなく、私と融合した古代魔法王国貴族当主のディアネーあたりだと。

 私は彼女の知識を借りて、発動の言葉を唱えた。

 水晶に映ったのはこっちに向かっているセルジェイ率いるグードン騎士団で、見た所この遺跡に着くのは数時間後という所だろうか。

 

「……すげぇ」

「凄いです……」

 

 呆然と見るジーンとマティアラだが、これ持って帰るのはテレポートしかないだろうなぁ。

 また魔晶石が割れるのは確定である。

 そして、目的の部屋に来た。

 

「たしか、炎晶石あと一つあったわよね。

 ここで使うわよ」

 

 さっきと同じ要領で部屋の中に、炎晶石を投げこむ。

 ファイヤーボールが炸裂した後に入ると、床に穴があいた部屋に何かの生物の死骸が転がっていた。

 

「ハンガー・レッグ。

 とりついて支配下に置く魔法生物。

 これも知らないと厄介なのよねー。

 じゃあ、帰りましょうか」

 

 

 

「退け!冒険者ども!!

 この場はグードン騎士団が預かる!!!」

 

 堂々たる偉丈夫であるセルジェイがそう叫ぶと、遺跡入り口で待っていた私の顔を見つけてにやける。

 馬を降りて、私を抱き寄せて乱暴に胸や尻を触る。

 

「何だ。肉便器。

 捕らえられて使われていたと思ったぞ」

 

「んっ♥

 捕らえられて、使われていた所を仲間に助けてもらいました。

 ですが、敵は強く、我々は奥まで攻め込むことができません。

 セルジェイ様。

 どうかお力をお貸しくださいませ」

 

 浅ましく媚を売れば、セルジェイはそれ以上詮索しない。

 顔にはさっさとこの遺跡に巣食う族を討伐して、私たちの体を貪りたいと書かれていた。

 

「見ておるがいい!

 俺の雄姿を!

 者ども続け!!!」

 

 かくして、攻め手交代となったのだが、彼らは遺跡の情報を何も聞かなかった。

 引き上げてきたジーンが私にぽつり。

 

「あれ、何時間持つと思う?」

「三時間で撤退かな」

 

 そんな彼らの雄姿をダイジェストでお送りしよう。

 

「ダークエルフが居るぞ!」

「通路の弓が邪魔だ!!

 盾を持って来い!」

「罠だ!

 酸の雨が降ってやがった……」

「巨人が居るなんて聞いていないぞ!!」

「デス・ストーカーだぁぁぁぁ!!!」

 

 死亡4。負傷14人。

 来た時と同じく、逃げる時も先頭で逃げ出したセルジェイを見ながら、回復に努めた私の声と共にみんなが頷いた。

 

「さぁ。第二ラウンドよ」

 

 回復の機会を与えず攻め続けた結果、魔力も矢も尽きかかっていたダークエルフたちの抵抗は明らかに弱かった。

 私のファイヤーボール連打でついに通路が突破されると、正面戦力に勝っていたこっちが押し込んでゆく。

 ジーンやマティアラやクリシィやスナイプ司祭の剣にダークエルフたちはついに倒れ、デス・ストーカーとスプリガンはルーファスの剣によって切り捨てられたのである。




 ハンガー・レッグの特性と『惨劇は突然に』 (『ふたりのラビリンス』収録)を読んでいると、「苗床エンドできるな……」と思ってしまった私。
 朝凪先生の『Victim Girls』シリーズにはとてもお世話になりました。
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