※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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少しだけ時間を狂わせている。
ただ、これをするとあの王子様も出てしまうという諸刃の剣……
まぁ、その時は女遊びを教えたのをぜラにすればいいか。


四大魔術師の塔 その1

 『四大魔術師の塔』の主のナバールはアウザール商会の支援を受けていた。

 当然そこからのアポイントメントを取っての訪問をという事を考えている訳で。

 という訳で、アウザール商会の本店に顔を出したのだが……

 

「うわっ!うわっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 アンバーローブをつかんで目をランランに輝かせているお子様というかお嬢様が一人。

 該当する人物が思いつくのだが言わないでおこう。

 

「凄い!このローブ何?

 こんなの見たことない!!」

 

 そりゃないだろうよ。古代魔法王国の貴族のローブだぞ。これ。

 これで国が買えるお値段である。

 

「お嬢様。そろそろ……」

 

 やっとメイドが引き離してくれた。

 その後、彼女の父親だろう商会の当主がやってくる。

 

「お久しぶりです」

 

「ええ。この間ぶりですね。

 ところで導師。

 貴方が管理している遺跡についてお話があるのですが」

 

 商会の主人はしっかり商人の目をしていた。

 ターシャスの遺跡のゲートがケイオスランド経由でパダに繋がることを彼にも話していたからだ。

 

「上手い商売の話を考え付きましたか?」

 

「これが思った以上に。

 ターシャスの森が思った以上に厄介で」

 

 遺跡のあった洞窟から森の入り口のルート近くにエルフの聖地があるのだ。

 このルートを当然エルフは嫌がっていたので、次善の策として洞窟からトンネルを掘ってドノバまで繋げるかと考えていたり。

 そういう意味でも、地下採掘技術の向上が見込める蒸気機関の普及は必要なのだ。

 なお、本命は紡績なのだが、これについてはまだ研究中である。

 

「今の所は、手紙などを中心にオランとの郵便を考えていますが、堕ちた都市から先の探索の予定は?」

 

「難しいですね。

 堕ちた都市の探索は一流の冒険者が必要になるでしょう。

 また、ケイオスランドの方も問題があるんですよ」

 

「というと?」

 

「この移動は古代魔法王国のゲートを使うのですが、これが機能しなくなった場合使えなくなります。

 両方が使えなくなったら、搬送者がケイオスランドに取り残されるという最悪のケースが起こりかねないのです。

 ケイオスランドは記述も少ない何が起こってもおかしくない地です。

 ここの遺跡の整備をしなければ、安全に使えないでしょうね」

 

「なるほど。

 その整備の支援についてはうちの商会でも協力できるか検討いたしましょう」

 

「ありがとうございます」

 

 遺跡の防御は大金がかかる事業の一つだ。

 それでも、その先に財宝があると分かっているのならば、人はこんなにもたやすくお金を出す。

 ケイオスランド開拓がどういう形になるか分からないが、万一ゲートが使えなくなった時を考えて食料や道具をおいておいてあげたいものである。

 そんなやり取りの後、ナバール師への紹介状を頂く。

 その帰り道に王城に行き、ナバール師が居る塔の近くの村であるベレーヌの領主サムソンの紹介状も頂く。

 この手のクエストでこういう紹介状は大事である。

 

「よろしいか?」

 

 帰る前に声がかけられる。

 みると兵士の一人が少し申し訳そうな声で私に尋ねる。

 

「何か?」

 

「失礼だが、子供を見なかっただろうか?

 ロルトという子で、侍女ジャニスの息子なのだが見つからなくてな」

 

「見かけませんでしたが、それが何か?」

 

「そうか失礼した。

 あのいたずら坊主め。何処に行ったんだか……」

 

 ん?

 その名前聞き覚えがあるな。

 しばし考えてポンと手を叩く。

 

「もし!

 お願いがあるのですが、この城の空井戸に私を連れて行ってくれませんか?」

 

 結論から言うと、ロルトは生きていた。

 そのため、彼が古井戸に落ちて死に、レプラコーンによるささやかな騒動は発生する事はなかった。

 

「痛い!いたい!!

 お尻叩かないで!!!」

 

「このおばか!

 落ちたら大変なことになったのよ!!

 この魔術師様が魔法をかけてくださらなかったら、大変なことになっていたんだからね!!!」

 

 で、そのロルトは母親であるジャニスにお尻を叩かれているのだが。

 事前にフォーリング・コントロールを準備しておいてよかった。うん。

 見つかって驚いた瞬間に手が滑って落ちていったのだから。

 

「本当にありがとうございました。

 ごのご恩は絶対忘れませんとも!」

 

「気にしないでください。

 きっと、この子の運が良かったのでしょう」

 

 私が謙遜して去ろうとすると兵士と侍女たちとジャニスが一斉に礼を取り、ロルトは強引に、私も当然のように礼を取って、現れたメレーテ王妃に敬意を払う。

 

「頭をお上げなさい。まずはお礼を。

 ロルト。これだけの人に心配をかけた事を忘れてはいけませんよ。

 導師ゼラニウム。私からもお礼を言わせてください」

 

「王妃のお言葉誠にありがとうございます。

 王宮の安寧に一役買えたようで何よりです」

 

 変な所で王宮周りのコネがもりもりと増えているのだが。

 オーファン足ぬけする際にはロマール以上に厄介になりそうなのがまた……




 アイラ顔見世。
 王宮の話は『レプラコーンの涙』より。
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