私たちが『死神』から奪ってきた飛行船だが、ジョン・ベインズの尽力もあって利用の目途がついたのは喜ばしい事だと思う。
まぁ、アウザール商会の支援もあったのが大きいのだが。
そんな飛行船の定期航路が決定する。
オーファンとタラントの航路で、途中半分耳の森に停泊する航路である。
「ターシャスの森の上を飛ぶのはちょっと……」
というターシャスの森のエルフたちに配慮したのが一つ。
もう一つは、ファンドリアを刺激したくなかったという理由だ。
最短ルートはターシャスの森を超えマナール湖を南下してマエリムの森からタラントなのだが、これはファンドリアの勢力圏の近くを飛ぶわけで。
元が宿敵のこの二か国で何かあって戦争というのは本末転倒という訳だ。
その一方で、元四大魔術師の塔がある半分耳の森で停泊するのは、この塔があるのが大きい。
灯台として使わせてもらい、晴れた日に安全にクロスノー山脈を越えようという訳だ。
オーファン側からは小麦や豆などの食料を。タラント側からは鉱石や薬草などを運ぶ事になる。
儲けについてはそれほどでもないが、飛行船の運行実績を積みたいのと、タラントに圧力をかけているロマールへの圧力という政治的判断からこの航路は選ばれた。
一方で、ジョン・ベインズの蒸気機関はグードンにて稼働を始め、その採掘は順調に進んでいるらしい。
半分耳の森の方だが、オーファンあたりで募集をかけた所、二十人ばかりのハーフエルフの入植者が応募し、四大魔術師の塔を中心にミックやサロウやフレアあたりが頑張って村を作りつつある。
塔の管理者になったマイシリカは灯台守として飛行船の運行に関わり、その収入が村を潤すという訳だ。
飛行船停泊時の水や食料の補給や船員の休息が半分耳の森の収入源となるだろう。
「で、皆さまには引き続き依頼をお願いしたいのです」
今や完全に有名になった『明日に吹く風』だが、私が強引に主張した事でルーシェンダルクにオーファン王国正騎士称号を授与する事が決まった。
本人は欲しがらなかったのだが、これを渡さないと国家プロジェクトに参加できないのである。
という訳で、彼ら『明日に吹く風』のメンバーであるルージェンダルク、マーカス
、ジェドン、バルアー、チョルブ、シムシャーラの六人に、今まで探索していた『羽頭+α』であるライス、チェペル、リーライナ、オスター、ヨツ、ミック、サロウ、
バジャー、スィートゲイルの八人を王宮にて引き合わせる。
「転移ゲートの先にあるケイオスランドの調査及び開拓……」
バルアーが考え込みながら私の依頼内容を告げる。
転移ゲート向こうのケイオスランドの砦の警備とその周辺の開拓は、個人でするにはあまりにも大きすぎる。
という訳でオーファンの旗を使うためにも、ルーシェンダルクに騎士になってもらったのである。
『明日に吹く風』が砦に常駐してケイオスランドの調査、『羽根頭+α』がドノバに常駐して物資搬送などのバックアップをする。
資金面についてはアウザール商会の全面支援が約束されていた。
「何でお主自身がせんのじゃ?」
ジェドンが胡散臭そうな目で私を見る。
このプロジェクトを主導したのは間違いなく私だからだ。
私があっさりとその理由を告げた。
「あまりに忙しいので手が回らないんですよ。
飛行船に蒸気機関、魔術ギルドの仕事で手一杯で、男に抱かれるのも寝る時間を減らしてやっているんですよ」
「そこは寝たらいいのでは……」
ライスの突っ込みを私は黙殺して話を続ける。
それも引継ぎが多く終了し、このケイオスランドが最後の懸念だったのである。
「私は少し旅に出るので」
旅=冒険なのを理解できない人間はこの中に居ない。
つまり、また大きな冒険が始まるのだろうと察した全員に私は苦笑する。
「それですよ。それ。
で、みんなが私に注目して動きにくくなってしまいました。
ほとぼりを覚ますためにも、ケイオスランドのゲートを利用してオランに行こうと思っています」
ミックがぼそっと呟く。
「この人、向こうで注目されないと思っているあたり抜けているよなぁ……」
「何か凄い事を向こうでもやって、こっちに数か月後に届くのに銀貨十枚」
「賭けにならないじゃない」
リーライナが冗談を言い、シムシャーラが突っ込むのが聞こえるが私はまた笑顔で黙殺する。
「という訳で、報酬は青天井。
未知の大陸ケイオスランドで領主になるもよしよ。
断る人は居る?」
私の確認に、断る人は居なかった。
それを確認して私は待機させていた人物を呼ぶ。
「入ってきて」
その人物、『死神』の魔術師であるマーヴェル・テリストリアを見て、私以外の人間は敵意を隠さないが、私は間に入って敵意をそらす。
「一応ギアスはかけているから敵対はしないはず。
これでも高位の魔術師だから、私が助命して助けたの。
まぁ、裏切ったら処分は任せるわよ」
「こちらも助けてもらった恩と、裏切りの粛正のリスクぐらいは理解しているつもりよ」
渋々だが敵対はしないと杖を持たずに両手をあげて降参ポーズをみせるマーヴェル。
彼女をねじ込む為に、ルージェンダルクを正騎士にしたと言ってもいい。
騎士ならば王国の法による処理が使えるからだ。
あと、ゲートが使えない時の対策も兼ねている。
テレポートが使えるのはソーサラー7レベルなのだが、主力ソーサラーのバルアーは5レベルなのだ。
マーヴェルはソーサラーとシャーマンが6レベルにファイターが4レベルというガチで使える人材である。経験を積んでソーサラー7レベルになって開拓が安定化する事を期待したものである。
「という訳で、経費を前払いで渡しておくわ。
うまく使ってね」
デクリーズ・ウェイトで軽くした宝箱を机に置くと、興味津々のグラスランナーのチョルブがジェドンの制止の前に開けてしまい、その黄金の光に一同唖然とする。
王国直轄プロジェクトである。これでも安い方だろう。
「……娼婦って儲かるのね」
「明らかに違う種類の報酬でしょう。これ」
スィートゲイルのボケとオスターのつっこみを私は聞かなかった事にした。
……あと二本あるし。これ。
金の延べ棒
『バブリーズ・リターン』では四十万ガメル以上。
今回の報酬と飛行船の王宮譲渡費用に蒸気機関と交易路の報酬まとめてドンである。
所持金額八十万ガメル以上。換金時にサイコロを振る予定。
リザルト
シナリオ終了経験点3000点
シャミナ
シャーマン4 シーフ1 コーティザン4
マティアラ
シーフ4 シャーマン2 レンジャー1 セージ1 コーティザン3
エルフ語習得
残り経験点500
リーマ
シャーマン2 レンジャー3 セージ2 コーティザン4
エルフ語習得
クリシィ
シーフ3 バード4 ダンサー4 フォーチュンテラー1 コーティサン3
残り経験点2000
ラダ
シーフ3 セージ4 プリースト3 (ラーダ)
残り経験点2000
ジーン
シーフ4 レンジャー2 ファイター3 コーティザン5
残り経験点3500
ゼラ
ファイター3 他スキルあり
残り経験点3500