※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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オランへの旅

 普通に旅をするとオーファンからオランまでは二か月程度、下手すれば三か月かかる。

 だが、私が見つけた遺跡の転移ゲートを使うと、二週間ばかりで行けるのだ。

 便利な事この上ない。

 

「これを。くれぐれも粗相のないようにな」

 

「できる限り努力はいたします」

 

 今回の旅は長期になるので、王宮や魔術師ギルドに根回ししての出発となった。

 結果、行くのを良い事に王宮やギルドから手紙を押し付けられる事に。

 何かあったらオーファンの名前を出してもいいという事で引き受けたが、これもここでのしがらみと割り切ろう。

 

「じゃあ、出るわよ!出発!!」

 

 ファンから馬車でまずはターシャスの森に近いドノバの街へ。

 遺跡発掘から始まったこの村の発展は、今や城壁を構える城塞都市にまで発展したのである。

 人口も千人近くも集まっており、そのほとんどが冒険者なのはゲート向こうがケイオスランドである事を公表した事とオーファン王国正騎士ルージェンダルクを団長とした開拓団の募集をかけたからである。

 人や物資が集まり、それはこの街の急膨張に繋がった。

 吟遊詩人の中には、この街を西のパダと呼んでいるとかいないとか。

 

「よく来てくださった」

「こちらこそ。これからも苦労をかけると思いますが、よろしくお願いします

 

 まずは領主館で領主イールナムとミランディー夫人に挨拶。

 ミランディーにとっととくっつけと色々根回しとプッシュした結果、今回の結婚となった訳で。

 そのあたりもあって、私のご乱交にマーファ神官として気にはなるも口を挟ませない私の巧みな根回しが光る。

 

「ある程度はこのゼラ導師の尽力で、ケイオスランド向こうの砦の整備は行われているのだが、長期滞在ともなると色々あると思う。

 王からの勅命もあるし、できるだけ協力したい」

 

「こちらとしては、その言葉こそありがたい」

 

 騎士二人のやり取りの後、その遺跡に向かう。

 ターシャスの森にあった洞窟のさらに奥に遺跡があるので、どうやってそこに行くかが問題だったのである。

 

「……凄いなこれは」

 

 ルージェンダルクが感嘆の声を漏らす。

 新しくできた土壁の城壁の外れに作られたターシャスの森の洞窟に繋がるトンネル。

 馬車ごと洞窟に繋がる優れものである。

 馬車はそこで置いてゆくが、物資の搬送は上のターシャスの森に住むエルフを刺激しなくてよいから格段に楽になった。

 このトンネルが完成したからこそ、オランに旅だつという訳で。

 蒸気機関が本格化できたら、ここにトロッコ鉄道を引こうなんて考えつつ、洞窟内部に入る。

 

「ここが入り口。

 警備の竜牙兵を残していくから、うまく使ってね」

 

 ここには警備の竜牙兵を五体、ゲート向こうの砦にも竜牙兵を六体残して、その管理権をバルアーとフェリーナに渡す。

 ここの遺跡の管理は私なので、この二人だけでなくミックやチェペルも管理できるようにとの配慮だ。

 この五人で管理できないトラブルが発生したら、私が呼ばれるのだろう。

 

「できれば、これ置いていったらいいんじゃないか?」

「ただ、これがあるのとないのでは荷物持ちが違いますよ」

 

 今回のオランの旅に同行というか勝手についてきたのがカルダモンとアルミンである。

 オランの賢者の学院に行けるのだからとウキウキのアルミンに対して、元賢者の学院出身のカルダモンが戻るのは私の事を学院に知らせるとかなんとかで。実にめんどくさいのだが、善意から来ているのが分かっているので、まぁ放置している。

 で、その二人が言ったこれというのが、四大魔術師の塔でありがたくいただいたアイアンゴーレムである。

 なお、この遺跡にはストーンゴーレムも居てそっちの管理権もバルアーとフェリーナに渡していたり。

 

「ねぇ。ここの扉は閉じたままなのかい?」

 

 遺跡に入って、倉庫として使う部屋の説明をしている中、マーヴェル・テリストリアが厳重に閉じられたゲートの方を見て確認する。

 ガチガチに固めてハードロックで封印した行先は、地下世界。

 私を送り込んだ神の地であり、いずれ私が赴かなければならない地である。

 けど、私はそれを言わずに微笑んで一言。

 

「ええ。ここから先はまだ早いの」

 

 ケイオスランドの砦の中もある程度整備していて、長期滞在は可能にしてある。

 とはいえ、ゲートが無くなったら帰れなくなるので、テレポート持ちの魔術師は必須なのがこの開拓の欠点と言えよう。

 そんな訳で、ルージェンダルクたちと別れて、次のゲートで堕ちた都市へ。

 ここから先は冒険の時間である。

 

 

 

参加メンバー

 

 

ゼラ

ルーファス

 

シャミナ

 シャーマン4 シーフ1 コーティザン4

 

マティアラ

 シーフ4 シャーマン2 レンジャー1 セージ1 コーティザン3

 

リーマ

 シャーマン2 レンジャー3 セージ2 コーティザン4

 

クリシィ

 シーフ3 バード4 ダンサー4 フォーチュンテラー1 コーティサン3

 

ラダ

 シーフ3 セージ4 プリースト3 (ラーダ)

 

ジーン

 シーフ4 レンジャー2 ファイター3 コーティザン5

 

カルダモン

 セージ1 ソーサラー2

 

アルミン

 ソーサラー3 セージ3

 

 

アイアンゴーレム

 

 

 

「いつも思うけど大所帯だよねー」

「その分危険が少ないと思うべきだな。ここ落とし穴」

「ゲート向こうから板を持ってきて頂戴!」

 

 クリシィ、ラダー、ジーンの三人が罠の落とし穴を発見し、発動してもいいようにカルダモンとアルミンが木の板を敷く。

 

「ゼラ姐さま。

 これ、ゴーレム運べないのでは?」

 

 リーマの質問に私は壁をコンコンと叩く。

 そういう事も含めてのダンジョン探索の禁じ手を口にした。

 

「もちろん、トンネルを掘るに決まっているじゃない」

 

「それ掘るの私ですよね……」

 

 シャミナがぼやく。

 彼女がシャーマン4になったのはこういう時に凄く大きい。

 魔晶石もほぼ使い放題なのでこういう力技ができる。

 かくして、アイアンゴーレムが奥の部屋から出て来る。

 ダンジョンの奥から攻略と言うのは、つまり仕掛けが丸わかりな訳で。

 一人前のシーフが三人もいれば、よほどのことがなければ失敗しない。

 

「こっちの部屋は何もなさそうね。

 多分ここの魔術師の書斎みたいね」

 

 原作ではシーリンが捕らえられていたいた部屋はこの迷宮の主の書斎になっていた。

 たしか古代魔術王国の四大魔術師マッテンでゴーストに……

 

「何者だ!」

 

 出て来るのは分かっていたが骸骨あいてに私は上位古代語で語る。

 

(これは失礼を。

 死霊魔術一門のシャーリアと申します)

 

(おお。

 かの一門のご令嬢か。このような所に何用か?)

 

 アンバーローブとシャーリアの記憶から見た古代魔術王国の作法がここで狂った魔術師に少しの理性をもたらした。

 みんなを少し下がらせながら、上位古代語で話を合わせる。

 

(都市が堕ちたのです。

 その混乱で多くの人が死に、私は何とか出ようとしてここに来たのです)

 

(嘆かわしい。

 蛮族どもの攻撃にわが王国はここまでなすがままになるとは……

 ところで、儂の杖を知らないか?)

 

(探してまいりましょう。

 蛮族が入ってきております。

 扉を閉めておきますので、出たい時は声をかけてくださいませ)

 

 一礼して部屋から出ると書斎の道を板で塞ぎ『ハード・ロック』をかける。

 その作業が終わって、一息ついた時にジーンが声をかけてきた。

 

「何であのゴーストを殺さなかったの?」

 

「彼の持つ知識が大事になると思ってね」

 

 あいまいに説明したが、このマッテンという魔術師が研究していたのは混沌魔術。

具体的に言うと精霊の複合である。

 ……これ、魔精霊アトンに絡むんじゃね?

 あの騒動が始まる前に、少しでも情報を押さえておきたい。

 多分、ケイオスランドとも本来は絡んだのだろうし。

 という訳で、ひとまず封印で放置。

 それとなく、賢者の学園に伝える事にしよう。

 

「こっちは牢獄か。誰もいない」

「ここ隠し扉になっているわ!?」

 

 ラダとジーンの報告で隠れ部屋に踏み込むと、そこには封印の壺が一つ。

 これ、魔人が封印されている壺である。

 

「触らないように」

 

 回収して賢者の学園に封印してもらう事にしよう。

 なお、非売品だからこそ百万ガメルの値段がついていたり。

 かくして探索は続く。

 

「なんか先の部屋掘り下げになっているんだけど……」

「ウッドゴーレムを作って先行させましょうか」

「あ。天井から攻撃受けてる。

 イミテイターですね」

 

「戦闘準備!」

 

 先の部屋には竜の牙が8つあった。

 

 

「ヘルハウンドが居るな」

「これは潰さないとなぁ……」

「先にブロブが居るな」

「あれ、鉄を溶かすわよ。気を付けて!」

 

 もちろん、無事に撃破できた。

 さすが古代魔術師の未発見遺跡。

 魔晶石たくさんに、マジックアイテムが出てくる。

 あ。杖発見。

 マッテンの言っていた杖はおそらくこれだろう。

 

「私、使わないからあげるわ」

 

 私の一言にジト目のアルミンとカルダモン。

 なお、その杖はパワーワンド。エネルギーボルト無制限に撃てる優れものである。

 二人して押し付け合いつつ、レベルが低いカルダモンが持つことに。

 

「杖の力に頼っても、師に近づけんからだ」

 

 あれ?いつの間にかアルミンからも師認定されているのだが?

   

 

 

「出口だぁ!」

「あー。なんとなく見覚えがある山が……」 

 

 出口から出ると元々こっちの出身だったマティアラとリーマの声で、ここが予想通り堕ちた都市である事が確定する。

 そうなると、近くにパダの街が見える。

 

「とりあえず、今日はあそこに宿をとりましょうか」

 

 アイアンゴーレムは洞窟入り口に鎮座して、竜牙兵も作ってガチで防備を固める。

 多分これをしても突破されかねないのがこの堕ちた都市の冒険者たちなのだから。

 かくして、私たちのオランでの日々はパダから始まった。




ここのダンジョンマップ
 『混沌魔術師の挑戦』P139
 入り口からでなくゲート、つまりボス部屋からの攻略となる。
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