さて、ニセ宝石については新人冒険者たちに任せるとして、私たちは本命の方に当たるとする。
そう。遺跡である。
「この近くにゴーレムを研究している遺跡があってね。
古代魔法王国崩壊時に封印されているのよ」
場所はナムゴーの村とエマの村の間の街道から離れた荒地で、封印されている事から本来ならば人が入れない場所である。
なお、シナリオではホブゴブリンが封印を破ってしまうのだが。
「結構建物らしき跡が残っているんだな」
ルーファスが朽ちた石柱を眺めながら感慨深く呟く。
馬車は街道から外れた建物跡に停める。
意味もなく建っている石柱がこのあたりに何かあった事を示している。
で、当然冒険者たちはこのあたりを探したのだろうが、何も見つからずにそのまま時が流れてという訳だ。
「じゃあ、この周辺を調べましょうか。
地図でも作りながら」
もちろんこの時点では封印がしっかり働いているので、おかしな所は見つからない。
だが、地図を作ると明らかに入れない場所が見つかる。
「おかしいですね?
まっすぐ歩いたはずなのに、私たちそれていますよ?」
「私も思った。
ここから先に行けないのよね」
「街道から外れててる上に、しっかりと調べないと通り過ぎるから分からない訳だわ……」
「よく見ると、獣たちも避けているみたいなのよね。
ほら、この足跡明らかに急に曲がっているし」
「これ、獣の足跡で場所が特定できそうね」
レンジャー技能を持っていたリーマ・マティアラ・ジーンの三人が一日かけて結論づける。
新メンバーのレイアとイジェルファもレンジャー技能を持っていたので、おおまかな場所の特定が一日できたのも大きい。
「で、どう攻める?」
その日、馬車を止めた所にキャンプして作戦会議の場にてラダが私に確認する。
タネを知っている私はあっさりと攻略手段を口にした。
「この丘、空からでも木々が邪魔で何も見えなかったのよ。
ゴーレムが暴走してもいいように、多分地下に施設があるはず。
周辺の洞窟を探しましょうか」
そこでアルミンが口を挟む。
実に言いにくそうに。
「あー。師よ。
言いにくいのだがな」
「何よ?」
後で聞いたがオランにていつの間にか使い魔を作っていたらしいアルミンはあっさりとこんな事を口にした。
「雇った連中、ニセ宝石の黒幕に返り討ちにあって捕まったぞ」
え!?
ぽかんとしている私に、アルミンが頭を抱えつつ続きを口にした。
「世の冒険者たちは師や俺ほど頭がいい訳ではないからな。
使い魔のカラスにそれとなく見張らせていたのだが、奴ら岩場の小屋でニセ宝石を見つけてその盗賊を捕まえたまでは良かったんだが、衛兵が盗賊と繋がっている可能性を失念していたみたいだな。
衛兵に濡れ衣を着せられて地下牢に入れられているぞ」
アルミンの報告に頭を抱える私。
地元の衛兵の士気なんて、アンフランの時に私たちが利用できたぐらいに低いのを忘れていた。
ましてやニセ宝石で大儲けをしているバレンザが懐柔を図らない訳がなく。
ちなみに、ゲームのシナリオで何で衛兵が仕事をしたかというと、オラン周辺の犯罪捜査を担当するストークという役人が居たからに他ならない。
村の名士であるバレンザが衛兵に吹き込んで新人冒険者を捕えさせた。
衛兵はオランからストークを呼ぶだろうから、その呼ぶまでの間に高跳びをするのだろう。
だとしたら、バレンザが次にするのは逃亡前の口封じである。
「仕方ないわね。
助けに戻りましょうか」
キャンプ側はマティアラに任せる事にして、私はフライトでルーファス・ラダ・ジーン・シャミナを運ぶ。
最低限の仕事ができるメンバーがこれだったりする。
こっそりとナムゴーの村に戻った私たちは、まずは金属細工職人のジョザを解放する事を目指す。
彼が捕らえられているのは岩場にある隠れ家で、岩場周辺を飛んだ際に灯りが見えていたので場所が特定できるのが大きい。
中に居た盗賊は三人で、あっさりと制圧。
次は、娘のティアラの救出である。
バレンザの屋敷の裏口から侵入し、近くでシースルーをかけるといるわいるわ盗賊たちが。
「……盗賊が四人に用心棒が三人。
ティアラって娘は多分あの娘ね。二階の奥の部屋。
助けられる?」
「ゼラ。それ私に言ってる?
ダーリンと組んで失敗した仕事ってないのよ」
こんな所でのろけるジーンだが、実際ラダと組んでティアラを救出できたのだからさすがである。
「じゃあ、ちょっとオランに戻って役人を連れて来るわ」
テレポートでオランに戻ってストークをテレポートで連れて来る。
ジョザとティアラの証言がありストークというオランの役人がいる状況でナムゴーの村の衛兵もバレンザを庇えず釈放。
復讐に燃える新米冒険者たちを指揮したストークは見事バレンザを捕える事に成功する。
そして、後始末まで見て、再度キャンプにフライトで戻る。
今回のフォローで使い潰した魔晶石は3つだった。
「少し寝るわ。
お昼になったら起こしてね」
全部片づけて昼から遺跡に突っ込むという私のバイタリティーにみんな唖然としたのは内緒だ。
そして、寝て起きてからの遺跡探索。
近くの洞窟を探ると、狼の巣になっていたがこれを排除して奥に進むと目の前に遺跡が姿を現す。
封じられた通路を壊して先に進むと、下位古代語の警告文が見つかる。
『この文を読む者に警告する。
君たちがここに居る事は災厄の始まりを意味している。
この地はいつわりの命を学び、生み出す場所であった。
ここで、様々な魔法生物が作られ研究されたのだ。
しかし、今、私たちの国は滅びようとしている。
魔力の暴走が起こったのだ。
原因はわからない。ただ、魔力が荒れ狂い、ここで生み出された多くの生物が、モンスターとなって私たちにはむかったのだ。
私たちはこの地を封印する。
2つの封印石を用い、二重の壁で隠してしまおう。
だが、この文が読まれている時、この封印は解かれてしまっているはすだ。
ここに、私たちが使ったものと同じ二つの封印石を収めておく。
これを使い、この地を封印するのだ。
以上だ』
この地を封印した古代魔術王国の賢者の為に少し目を閉じて黙祷する。
なお、これから行うのはその崇高な行為を無にする所業なのだが。
「さてと。少しここから長くなるわよ」
「師匠。聞きたくないんですけど、何をするんですか?」
カルダモンの何か察した顔にみんなの顔もカルダモンみたいになっているのが少しおもしろい。
壊されていない封印石の入った箱に座り、私はとてもいい笑顔で目的を告げた。
「この迷宮のゴーレムたちを全部支配下に置くのよ」
支配下にできたゴーレムたち
ウッドゴーレム 8体
スケルトン 1体
ストーンゴーレム 4体
かかった時間 3日
潰した魔晶石 11個
数百年にわたる封印は多くのゴーレムたちを朽ちさせていた。
それでも、ウッドゴーレムとストーンゴーレムをコマンドゴーレムによって支配下に置く事に成功する。
スケルトンはそのまま天に返してやった。
ボーン・サーバントの呪文を使えるし、骨が必要なのが難点なのだ。
人間の骨を入手しようとして墓あらしなんてごめんこうむりたい所である。
さすがに三日も経過すると、ニセ宝石の件も片付き、何かやっていると察したバレン導師と一緒に来た役人のストークが絶句していたりするのだが。
もちろん、この遺跡の番人であるマンティコアともお話済である。
「ここはゴーレム製造工場で、生きているんですよ」
特大の爆弾に絶句するバレン導師とストーク。
ここで私は魔術師ではなくオーファン王国の使者としてふるまう。
「これは、オーファン王国からオラン王国への好意と思ってください。
ブリシスへの支援、考えているのでしょう?」
先の未来だが、軍師ルキアルによってオラン王国は滅亡に追い込まれる。
一応復興するのだが、その際に国王は民衆に殺され、賢者の学院も大打撃を受ける事になる。
そういう時に強いのがこの手のゴーレムたちである。
民衆を蹴散らせる武力と融通がきかないが命令は絶対順守するという使い勝手はオランでの革命鎮圧に確実に役に立つだろう。
ブリシスとロドーリルの戦争はブリシスの敗北で終わるのだが、それについてオランはずっと後手に回る事になった。
その未来が覆せるのだ。
ブリシスの魔術師をオランに留学させて、彼らにこのゴーレムを渡してやるだけで、ブリシスの戦力は格段に強化されるだろうからだ。
さて、あの軍師はどう出るのだろう?
苦悶する二人を置いて、私たちはゴーレムを連れてオランに凱旋する事にした。
『ソードワールドPC』シナリオ『魔術師の丘』より
ゴーレム掌握の処理
六ゾロが出るまで振った。
ストーンゴーレムのデータ『ソードワールドSFC』より
モンスターレベル7
知名度12 敏捷度12 移動速度13 攻撃点6 打撃点16 回避点7 防御点13
生命点/抵抗値 40/17
精神点/抵抗値 -/15
特殊能力
一部属性魔術無効 武器クリティカル無効
打撃武器有効
ウッドゴーレムはオークの永続で処理
シャミナ
シャーマン4 シーフ1 コーティザン4
残り経験点4000
マティアラ
シーフ5 シャーマン2 レンジャー1 セージ1 コーティザン4
エルフ語習得
残り経験点500
リーマ
シャーマン3 レンジャー3 セージ2 コーティザン4
エルフ語習得
残り経験点1000
クリシィ
シーフ4 バード4 ダンサー5 フォーチュンテラー1 コーティサン3
残り経験点3000
ラダ
シーフ3 セージ4 プリースト5 (ラーダ)
ジーン
シーフ5 レンジャー2 ファイター3 コーティザン5
残り経験点3500
カルダモン
セージ2 ソーサラー3
アルミン
ソーサラー3 セージ3
残り経験点4000
レイア
ファイター5 レンジャー1
イジェルファ
ファイター3 レンジャー2
ゼラ
ファイター3 他スキルあり
残り経験点7500
ルーファス