※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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魔宮の門 その6

 三隻の船の内、まともに動かせるのはゼラ号の一隻だけで、残り二隻は停泊させつつも人員の確保に努める事に。

 海賊幹部を粛清するとこのあたりの人材が枯渇するから痛し痒しである。

 とはいえ、面白い発見があった。

 記憶を消したとはいえ、体が覚えている事は反応があるのだ。

 まぁ、肉便器たちをぶっ壊す前に実験して判明したのだが、セイラ―スキル持ちがある程度動けた事で船長代理に任命する事に。

 夜は船員相手に腰を振り、昼はその船員を指揮するというスタイルで一隻船を動かす事に成功する。

 とはいえ、とうてい航海に使える訳もなく、訓練に明け暮れる事になるのだが。

 そして、まともに動けるゼラ号だが、訓練を終えてオランとカゾフの間で航海を始める事に。

 儲けはわずかだが、とにかく習熟してほしいのと、近くで何かあった時に使えるようにという配慮からである。

 

「コマンド・ゴーレム!」

 

 私?

 アルバイトとばかりにゴーレム工房にてストーンゴーレムを支配下に置いていますが何か?

 コマンド・ゴーレムで支配下に置いて、その上で『私の命令で私の指定する人間の指示に従え』と命令するので、このコマンド・ゴーレムが使える人間がネックになっていたりする。

 そんな訳で、できたストーンゴーレム5体はやってきたファルメス・ランズバードに譲渡する事に。

 この五体で兵士五十人分の価値があり、それは兵士五十人を他の場所に回す事ができる事を意味する。

 まぁ、バイト代としてウッドゴーレム8体を頂くのだが。

 これでゼラ号の櫂漕ぎは片舷8体となる。

 なお、ファルメス・ランズバードを案内するオランの騎士は先の冒険の後で騎士に取り立てられたトーラムだったりする。

 

「騎士様かぁ……」

 

「お?騎士様にほれたか?」

 

 軽口を叩くトーラムだが、彼の初任務がファルメスの帰国の護衛で顔は緊張が取れていない。

 もちろん、彼一人で護衛をするにはきついので私が使っていた新人冒険者を紹介していたり。

 こうやってコネと仕事が広がるのだろう。

 

「今から独り言を言うけど、北は思った以上にきな臭いわよ。

 気をつけてね」

 

「そっちは大丈夫なのか?

 海賊を退治してお宝をせしめたと聞いたが?」

 

「おたからはおまけで、本命はアザーン諸島の海賊よ。

 アノスも動く大掛かりなものになるわ」

 

「ごほん」

 

 ファルメスの護衛であるイッシュが咳ばらいをする。

 まぁ、彼に聞かせてやったようなものだからだ。

 彼は必然的にこう考えるだろう。

 

『オランは南の海賊と北のプリシス救援という難題を抱えているので、プリシスについてはこうやってゴーレムで支援し、軍の派遣は行わないだろう』

 

と。

 

「ありがとうございます。導師ゼラニウム。

 『遺跡解放者』の異名はこちらでも轟いていますぞ」

 

 ファルメスのお世辞にいつもの肉便器返しをしようと思ったのだが、その前に気になるワードがファルメスからこぼれる。

 

「我が国の軍師も導師のご活躍に興味津々で、今度は何を解放するのかと我が国の宮廷で話していた次第」

 

 まぁ、これだけ暴れたらそりゃ、耳に入るか。

 軍師ルキアルの動向が分かったのは収穫だった。

 彼の事だ、少なくとも私がアザーン諸島に注目している事は察するだろう。

 その時に彼がどう動くのか?

 軍師のお手並み拝見と思いながら、私たちはゴーレム工房を後にした。

 

 

 

 オランに帰って、港に泊めていたゼラ号に乗ろうとした所で声がかかる。

 

「ゼラニウム殿というのは貴方か?

 私の名前はアルハモンド・ラージャンス。

 今は冒険者をしているが、かつては北の国バイカルの貴族だった。

 お家復興の為に、貴方の力をお借りしたいのだ」

 

 きた。

 彼のシナリオの為に、カゾフの大掃除をしたのだ。

 そんな事はおくびに出さずに私はわざとらしく微笑む。

 

「なるほど。

 お話は分かりました。

 それで、お家復興のためにはいくらほどの資金が必要なのですか?」

 

 私の確認にラージャンスは少し考える。

 大金が必要なのは知っている。問題はその額だ。

 

「かつての領地を買い戻すに足りるだけの資金だ。

 多分百万ガメルもあれば十分だと思うが……」

 

「なるほど。分かりました。

 よろしければ、こちらへ」

 

 ラージャンスをゼラ号の船長室に案内して、金塊を三本テーブルに置く。

 これで120万ガメルは確定である。

 

「あなたの冒険の情報。

 金塊三本。120万ガメルで買い取りましょう」

 

「じゃあ私の得た情報は本物だったのか!?」

 

 ラージャンスの目の色が変わる。

 それは、彼が握っている離宮の情報が本物であるという証拠であると同時に、目の前の金塊に心が揺れているからに他ならない。

 

「財宝を見つけた後どうやって帰るつもりだったんですか?

 その財宝の換金は?

 復興すると言っても一人では大変でしょう。

 良ければ、ストーンゴーレムおまけにつけましょうか?」

 

 問題点を指摘し、目の前の金塊を指で触る。

 そして、金塊三本と私のストーンゴーレムを一体渡した事で、彼は冒険をあきらめる事になったのである。

 もちろん、彼の情報はしっかりと頂いたうえで。 




アルハモンド・ラージャンス
 ファイター4 セージ3 レンジャー2

 出身が北の国としか書いていないのでサイコロで出身国を決めて、バイカルとなった。
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