※この作品はR-18です。

ソードワールド1.0転艶記   作:北部九州在住

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あっ……


魔宮の門 あとしまつ その2

 大国オランの軍事大国化は周辺環境を劇的に変えた。

 ブリシスの魔術師が留学と言う形で持ち帰る体裁でブリシスへ送られたゴーレムは既にウッドゴーレム20体、ストーンゴーレム10体を超えており、ロドーリルとの戦いが変わろうとしていた。

 城壁を利用した防戦から国境沿いで押し戻す防御攻勢へ。

 工房が稼働している限りはこれらのゴーレムは無尽蔵に送られる訳で、このゴーレムたちの使い潰しに近い特攻にロドーリル軍は撤退に追い込まれたのである。

 オランはこれを強力に支援しつつ、魔戦士の迷宮を騎士たちに走破させて戦力の強化に邁進し、その戦力強化にアノスが不安を覚えるが、彼らの視線はアザーン諸島の赤き血の兄弟団に向けられていた。

 ファラリス信仰とかの海賊団の首領がヴァンパイアであると私がばらしたからに他ならない。

 彼らは宗教的教義からもアザーン諸島を放置する事ができなくなり、海賊団討伐の為の艦隊編成に追い込まれる事になる。

 こっちに来た海賊たち?

 サクッと潰しましたが何か?

 幹部連中を縛り首に、下っ端を釈放し、残りは美女化して肉便器にという処理を施したのはいいが、それによって得たガレオン船四隻が私の手元に。

 整備して財宝と共にルーファスの下で呪われた島に渡れるように現在も訓練中であるが人材の育成には時間がかかる。

 船員募集をオランだけでなくエレミアでもかけているが、これらの船が最低限使い物になるには半年はかかるだろう。

 既に得た『ゼラ』号と『水晶の輝き号』、更に海賊が持っていたもう一隻と合わせて七隻もの大艦隊の保持者となったが、まったく使い物にならないのは困る。

 一隻はルーファスにあげて呪われた島へ向かう用に使えばいいとして、アザーン諸島シナリオをアノスだけに任せるのに不安があったというのもある。

 『死せる神の島』のシナリオもあるし。

 そんな訳で、少なくともこの二つのシナリオだけは潰しておこうと決意し、その為にもこの艦隊の戦力化は急ぐ必要があった。

 

「よかったのですか?我が師よ。

 オランにここまで、肩入れをする事になって?」

 

 オランの賢者の学院でアルミンがぼやく。

 その学園の中庭には、バレン導師が持ち帰ったミスリルゴーレムが鎮座していた。

 魔戦士の迷宮によってコピーされた私のミスリルゴーレムである。

 

「いいんじゃない?

 バレン導師も馬鹿じゃないから、あれをばら撒きはしないでしょうし」

 

 なお、あのミスリルゴーレムには致命的な欠点がある。

 ゴーレムにつけられている『青の心臓』を外せば動かないというのが一つ。

 本来のゴーレム命令者であるオーファンに居るエゼットの命令が最優先されるというのがもう一つ。

 私にとってはこのミスリルゴーレムは対処可能な兵器なのだ。

 まぁ、ドラゴンがこのオランを焼いた時用の備えなのを知っているのは、今の所わたしだけなのだが。

 賢者の学院の門番も竜牙兵からストーンゴーレムに変わっており、学園が持つ戦力も格段に強化された。

 少なくとも民衆の蜂起でこの学院が落とされるという事だけはないはずだ。

 

「師よ。続きを」

 

 羊皮紙に書き物をしていたカルダモンが急かす。

 かねてからこの弟子二人は私が持ってしまった死霊魔術の秘奥義を文書化して残そうと嘆願しており、今回その機会を作ったというのがこの場だったりする。

 それは、このギルドを追放されたシャーリラへの供養も兼ねている。

 人体実験などを行う前に古代魔法王国で発展した死霊魔術を残す事で、そういう道に行く人間が少なくとも手を汚す可能性を減らすことになるだろうからだ。

 その為、この知識の文書化については賢者の学院の導師たちも立ち会っており、死霊魔術という禁じられた魔術の秘奥義に興奮しているのだが、ここでは話がそれるのでこれぐらいにしておこう。

 

「という訳で、死霊魔術の秘奥義である魂の……」

 

 語り終え、その書が賢者の学院の封印区画に収められるのを確認した後、帰るかと思った矢先に、一人の魔術師が大声で叫びながら走り去ってゆく。

 彼はたしかゴーレム工房でブリシスの魔術師への接待をしていたはずなのだがと思ったが、その叫びを聞いて納得する私が居た。

 

「大変だ!

 ブリシスの軍師ルキアルが職を辞して、ロマールに移るそうだ!!」

 

 そうか。

 早いのか遅いのか分からないが、彼はロマールに移るのか。

 膠着している西部諸国との戦いがどうなるのか知らないが、少しずつ時代が動くのを感じる。

 彼が暗躍を始めるというか、既に暗躍しているのだろうが、その盤面をどこまでぶっ壊せるのかというのがこれからの勝負となるだろう。

 オーファンにもテレポートでストーンゴーレムを送り込んでおくかなんて考えていたら、後ろから声がかけられる。

 

「ゼラニウム導師。

 素晴らしい知識の披露ありがとうございました。

 いずれこの知識が役に立つといいのですが」

 

 顔を見るが、いまいち覚えがない。

 とはいえ、声をかけられた以上はそれとなく返事を返す。

 

「本来なら消えるべき魔術ですよ。

 ただ、それでも人はこの力に惹かれるのでしょうね」

 

「自己紹介が遅れました。

 この度、ノーランド師の弟子になりました。

 ソグランと申します。

 我が師より、導師に我が師悲願の島の探索に協力願えないかとの手紙を持ってきまして……」




 そりゃあ海でこれだけ暴れたら、このあたりのフラグが立つわな。
 しかし、覚えているかチェック振ったら一ゾロが出てやんのorz
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