「うっ……!」
日も沈みかけている時間の学び舎。
放課後、今日は人気のないトイレに籠って夕方の日課を行っていた。
夕方の日課は月咲の悪戯にシフトしていると言ったが、月咲に呼び出されない日は、自分の手で処理をしている。
隆起した器官を外気に晒すと幹を握って目を閉じる。
はぐむんと月咲からの悪戯を思い出しながら手を動かすと、あっという間に達した。
小さく呻くと共に器官から白濁を放ち、トイレットペーパーで受け止めて後始末をする。
自慰を繰り返していれば学習することもある。
ぼくは自慰後の掃除の手間を省く工夫を覚えた。
事前に器官の先端にトイレットペーパーを被せれば白濁が飛び散らずに済む。
天音月咲は敵となってしまったが、保健室で味わった快感は忘れられない。
自慰の際に月咲から悪戯された記憶を思い出しているのは、我ながら情けない。
はぐむんからの悪戯だけでも強烈だったのに、それを超える悪戯をされたせいだ…
(二人があんなこと…するから……)
体に刻まれた歪んだ快楽は日常生活に影響を与えている。
器官が生えてからというもの、ぼくは男性が女性に抱く劣情に悩まされ続けているのだ。
朝は自宅で、昼は学び舎のトイレで、夕方も昼と同じ場所で性衝動を鎮める毎日。
悩みは性衝動そのものだけではない。
白濁の匂いは強烈で、自分では気を付けていても周囲には分かってしまうらしい。
昼の自慰で白濁の始末に手間取った際、扉の向こうにいる女子が匂いに気づいたほどだ
あの時、ぼくが匂いの発生源だと気付かれなかったのは不幸中の幸いだった。
最近はストレスから白濁を放つ回数も増える一方だが、原因は分かっている。
一つは、二木市の魔法少女から情報提供を強いられ、協力させられていること。
神浜市の魔法少女の情報と引き換えに安全は保証されているが、それを良しとしてるわけではない。
ネオ・マギウスの仲間を殺した二木市の魔法少女は憎い敵だ。
けれど、力の差という現実の前に、ぼくたちはあまりにも無力で現状に甘んじている。
もう一つは、同じ神浜市内の魔法少女からも強請られているのだ。
旧・マギウスの白羽だった天音月咲に―――
天音月咲への評価が変化した翌日。
ぼくも彼女の弱みを握るべく情報を集めてみたが、分かったことは三つだけ。
彼女がぼくより四歳年上で、双子の妹がいて水名学園に通っていて、実家は竹細工工房であること。
誰でも知っているようなことしか分からず、今まで他人へ無関心だったことが悔やまれたが今更過ぎた。
そんなある日、転機が訪れる。
「Hellow,shigure.Nice to meet you」
「な、ないすとぅーみーちゅー……」
「do you have a minute?」
「……いえす。……ふーあーゆ?」
「my nemae is Ashley Taylor」
アメリカから来たという一人の海外留学生が現れたのだ。
彼女はアシュリ・テイラーと名乗った。