※この作品はR-18です。

アリアンロッド2E・リプレイ・トライリーフ   作:ちありす

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■Opening12■別れ

駆け走り続けていた逃亡者は身の安全を確信し、ようやくその足を止めた。

足元の三葉はどこまでも広がっている。背後の失った故郷へも、前方の未だ知らぬ世界へも。

 

 

 

GM:シーン7。アテナ、ラグナ。キミたちは滅びゆく王国より、からくも脱出し、逃げ延びた。

 

ラグナ:つら。

 

アテナ:つらい。

 

GM:キミたちが最後に見たふるさとの景色は、燃え上がる家々と、どこまでも広がるシャムロックの平原。そして、踏み潰されたシロツメクサの白い花。

 

ラグナ:うっ……。

 

GM:その花の意味する言葉を、キミたちは母より聞いたことがあった。

 

GM:「幸運」、「約束」。そして、「復讐」だ。

 

ラグナ:ひっ。

 

アテナ:はい。誓うよ。憎々し気に、小さくなりゆく平原を睨みながら。心に、復讐を。ゼダンをこの手で殺すと。

 

ラグナ:ラグナも復讐を誓うが、恐怖がある。

 

GM:さて、キミたちはこれより別れることとなる。己の実力を高めるためか……あるいは、また別の理由であってか。

 

アテナ:「……ラグナ。私、強くなる。強くなって、絶対にゼダンを殺す」

 

ラグナ:「アテナ……」止めたいけど、言葉が見当たらない。気持ちがわかるからこそ、止められない。

 

ラグナ:心臓付近の裏ポケットにしまってある、三葉の押し花を服の上から握りながら。

 

アテナ:うっ……つら……。

 

GM:アテナ。キミは北東の“水の街”クラン=ベルでは、モンスターコロシアムという闘技場、そして剣闘士による競技が行われているということを耳にしたことがあった。そこへ行けば、今よりもずっと強くなれるかもしれない。

 

アテナ:ではそう考えて、北東の方をじっと見据える。睨みつけるかのように。

 

ラグナ:ラグナもついて行きたいが、この容姿だ。おそらく受け入れられはしないだろう、と思ってる。

 

GM:そんなキミは、ふと。王国騎士団たちが話していた、ちょっとした会話を思い出す。

 

ラグナ:お。

 

GM:遠く離れた東の果て、ダイワと呼ばれる国は未だ戦乱の続く場所であり、見慣れぬ文化、見慣れぬ技術が存在するという。なんでも、「神を自らの身に降ろす術」なんてものまでもが、そこには存在しているのだとか。

 

ラグナ:カンナギのか!!

 

アテナ:カンナギだ!! そりゃ神の国だったら、そういう話は興味深いわな。

 

ラグナ:たしかに。すげえ。

 

GM:遠い東の、文化さえ異なる土地であらばキミのような姿の者でも、あるいは。受け入れられる、その可能性はあるだろう。そうでなくても、その未知の技術。もし習得することができれば、圧倒的な帝国の技術を上回れる力を得られるかもしれない。

 

GM:ダイワへと向かうことを決意するかい?

 

ラグナ:せやね。アテナちゃんを心配しつつ、心の中ではダイワへ行く決意を。

 

ラグナ:「……アテナ、俺はダイワへ行く」

 

アテナ:「……ダイワ?」きっと聞き慣れない。

 

ラグナ:「ここから東方にある場所だ。「そこでは『神を自らの身に降ろす術』なんてのがあるらしい」

 

シマダ:ダイワはいいですよ。平和の出がらしを啜ってるクソみてぇな国です。

 

アテナ:wwwwwwww

 

ラグナ:wwww

 

アテナ:「神、を……」

 

ラグナ:「こんな俺が行ける場所であるかは分からない。だが、あいつらに対抗するには、これぐらいの技を会得しなきゃ……太刀打ちできない」散々やられてたから、その強さは文字通り身に染みついてそう。

 

ラグナ:「アテナ、一緒に来るか……?」

 

アテナ:「ううん。私は剣闘士になる」

 

ラグナ:「剣闘士。クラン=ベルか」

 

アテナ:「東って、無限の砂漠を越えなきゃならないのでしょう。そんな先がどうなるかも分からない道を選ぶより、私は確実な方を取る」

 

ラグナ:どうなるかわからない道(´・ω・`)

 

GM:東方への道は、それはそれは長く険しいものだ。この時代、東方への航路なんてものはまだない。陸路しかないのだ。 *1 *2

 

ラグナ:そっか……。

 

シマダ:行くだけでも命がけだな。

 

ラグナ:「……すまない。クラン=ベルには、行けそうにない」翼を見て言う。

 

アテナ:「いいよ。大丈夫。私は一人で強くなってみせるから」

 

ラグナ:「アテナ……。……ひとり、じゃない。俺もいる」

 

アテナ:「…………」

 

ラグナ:「一緒にはいられないが、それだけは……覚えていてくれ。アテナはひとりじゃない」抱きしめて言う。

 

アテナ:「……うん。ありがとう」抱きしめ返す。表情は変わらない。本人は微笑んでると思ってる。

 

シマダ:ヒエッ。こう、自分が思ってる表情と実際の表情違うやつすき。

 

GM:わかる。

 

ラグナ:「こんな姿になっちまったけど……」

 

ラグナ:「(それでも、まだ、アテナが家族だって思っていてくれるなら……おれはまだ、がんばれる)」

 

ラグナ:表情が死んでしまったアテナを見て、めっちゃかなしい。でも抱きしめ返してくれて嬉しくて、強く抱きしめる。ゼダンやアロイスの言葉が脳裏によぎるが、まだ大丈夫、耐えられる。

 

シマダ:長男だったから耐えられた……(ry

 

ラグナ:www

 

アテナ:wwwwww

 

GM/ “神聖皇帝”ゼダン:『そなたが大人しく身を差し出せば、散る必要の無かった生命だ』

 

GM/“天の眼”アロイス:『皇帝陛下であれば、そんなお前の身であろうと……それはそれは大切に扱ってくださるかもなぁ?』

 

GM/“天の眼”アロイス:『そんなご様子だと、お仲間からも恐怖されているんじゃないか? 得体の知れぬバケモノだ、ってな!』

 

GM:そう、彼らは言っていた。

 

ラグナ:アテナに悟られぬよう、唇を噛み締めて。翼が微かに震えている。

 

アテナ:「ううん。ちょっと姿が変わったって、ラグナはラグナだよ。私の家族の……ラグナだよ」

 

ラグナ:「これをちょっとって言うか……おかしいなアテナは」

 

アテナ:「……そうかな」表情も声も淡々としてる。今までだったら、もうちょっと感情的であったろうに。

 

GM:しんどいなぁ。

 

ラグナ:しんどいなぁ。

 

シマダ:ひ、すき。

 

ラグナ:www わかる。

 

GM:わかる。

 

アテナ:「私も頑張るから。ラグナも……頑張ってね」

 

ラグナ:「……あぁ。離れても、一緒に……頑張ろう。……ありがとう……気をつけて」

 

アテナ:「うん。……ラグナも、気をつけて」

 

GM:キミたちは別れる。離別ではなく、一時、道を異(こと)にするのみ。

 

ラグナ:アテナの背が見えなくなるまで見送ってから、王国を見て、ダイワへ飛び立つ。

 

アテナ:振り向きもせずに真っすぐクラン=ベルの方見て歩く。

 

GM:いずれその道は交わり、再会の時が来る。それまでキミたちは各々の道にて、各々の試練を受け、己の力を高めていく。

 

ラグナ:「(ごめん、父さん、母さん……アテナを守れなかった)」飛びながら我慢してた涙を流すよ。

 

シマダ:軌跡が……。

 

GM:飛行と共に流される雫は星の光を受けて、平原の三葉へと落ちていった。

 

 

 

夜空に輝くは三日月。満ちゆく時の始まりを思わせる形。

何十回目の満月を迎えた先で、彼らは再会を果たすのか。彼らはどのような時を刻みゆくのか。

広がる三葉に、それを知る術はない。知るのはただ、ふたりの誓い、それだけであった。

 

 

 

*1:
無限の砂漠:エリンディル西方大陸の東、東方世界との交易ルートの間に広がるイフォラハガル砂漠、通称“無限の砂漠”と呼ばれる砂漠地帯のこと。魔法的な転移・移動を阻害する磁気のようなものが発生している。TG.P114、基本ルルブ②P189、PWG.P64・123等参照。ちなみに“無限の砂漠”の新興国家であるキルディア共和国は聖暦996年建国である。

*2:
陸路しかない:聖暦1009年舞台である公式リプレイ「キャプテンRED」1巻P175に、「東方と西方間の海洋航路は開拓途上。両地域の交流は、タフな冒険商人や国家同士の派遣船団に限られているのが現状」とあるため、聖暦999年であるこの時代に航路は存在しないとちありすGMは設定付けた。

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