BanG Dream! NIGHT STORY 作:黒マメファナ
──この人は、わたしのことを「良い女だよ」と獰猛に笑む。そんなことを言われても、よく分からないし、感度が良くていつまで愛撫していても飽きない、何度でも犯してやりたくなる……そう言って触れられてしまうと、全てが快楽に変わってしまいそうになる。だからわたしはもっと欲しいという気持ち以上に拒絶の言葉を放ってしまう。
「……やめて、ください……んっ♡」
「はは、やっぱりキミが相手だと舞い上がっちまうみたいだ……嫌だった?」
「あ……え、えっと……その……嫌、では……ないです……んぅ、ぁ、はぁ……♡」
「燐子ならそう言うと思った……舌出して」
「……んぁ♡」
わたしが好きになった彼と瓜二つの顔を持つこの人は、気まぐれにわたしを呼び出して、辱めるような手つきと言葉で責めてくる。鏡越しに下着を見せるように要求してきたり、Roseliaの衣装を持ってこさせて、それを脱がすことなく様々な体位で一晩中犯したり……そうしてどんどんとわたしを堕として、淫らにして、わたしもそんな彼に溺れていった。
──まるでずっと願っていた、不満に思っていたことを、彼が叶えてくれるようで、「壊れやすい大切や宝石」ではなく……セフレ、という関係であっても「白金燐子という女」として扱ってもらうことに、いっそ幸福ですらあった。
「ん、ぅ♡ あ、はぁ……れろ、ふ……ぁ♡」
「さて……今日はどうやって堕としてあげようか」
「……あっ、や、むね……んっ♡」
「って言っても、もう感じ始めてるからなぁ……」
「っ、んぅ♡ はぁぁ……♡」
彼の指は気まぐれで、胸を弄んだと思えば、下着をずらして膣の浅いところを擦って、糸を引くいやらしい粘液をわたしの前に見せつけて……わたしの被虐心を煽ってくる。
──もっと、わたしを女にしてほしい。淫らなそれは抗いがたい本能的なもので、彼に与えられる淫行は、甘すぎる毒のようだった。
「……挿れて、ください……♡ おく、疼いて……もう……♡」
「……こうなったら、宝石、なんて燐子には似合わないな。女の匂いを撒き散らして、エロい顔で誘って……」
「わたしは……♡」
そう、わたしは……宝石のようにキレイではない。性欲に濁って、澱んで、乱暴に扱われて、犯されて悦んでしまう……変態なのだから。だからもっと……わたしを壊して。あの人に大切に、大切に扱われていた日々の不満なんて、何処かへ行ってしまうくらい。いつしか、そんな取り返しのつかない願望を胸に秘める程、彼との行為に、底なし沼に、はまりこんでしまっていた。
「白金さん」
「あ……ひ、ひかわ、さん……」
そんな、ともすればひと夏の誤ち、ともとれるあの日から数週間、季節が変わり秋がやってきた。図書委員であるわたしが、貸出、返却をする受付カウンターで本を片手にぼうっとしていると、静かで凛とした声が耳に響き、そちらを向いた。
氷川紗夜さん。Roseliaのギタリスト。自分にはギターしかないと誰よりも愚直に努力を続け、正確無比な演奏をする……
──どんなに強く在ろうとしても、ギタリストとして大成しても、その制服を剥げば……
「……どうかしましたか?」
「──っ、い、いえ……なんでも、ないです……」
いけない。氷川さんを、そんな眼で見てしまうなんて……彼女はきっと、わたしとは違うのに。けれど、思考にノイズが混ざる。いつものわたしとは似ても似つかない、加虐的で、淫猥な思考、彼女が男の性欲という波に呑まれたら、どうなるのだろう。気丈に振る舞うのだろうか、それとも……そんな、妄想に侵食されてしまう。
『んちゅ、ぢゅる……♡ はぁ、はぁ……これが、男性の味……ですか……れろ、んっ♡ 苦くて、しょっぱくて……けれど嫌じゃない……不思議な味だわ♡』
嗚呼、目の前の彼女も、剥いてしまえば
──欲求不満の発露にしては、あまりに下品で、顔にも口にも出さないよう、制御している。
「……はい、貸し出し期限は……二週間後、です……」
「ありがとうございます……それでは」
「はい……また、練習で」
今のところ、この妄想の被害者は学校でもよく顔を合わせる氷川さん。そして、外部の……近隣の男子校から合同企画のためにやってきている男子生徒と話していた白鷺さん。知り合い、というには少し親しげだったせいだろうか、わたしの願望なのだろうか、彼女の首にリードがつけられ、「待て」と主人である彼に制御されながら発情していく彼女が脳裏に浮かんだ。
──我ながら、おかしいと笑いすら込み上げてくる。
「……今日は、練習……終わったら、沢山……シてもらえる、かな……?」
ゲームよりももっと刺激的で、ずっと残るような……快感。初めは彼への罪悪感に、事後は泣いてばかりだったのに……あれ以来会ってないせいか、もう、そんな感情すらも、湧くことはなくなって、視姦されたい、ゆっくりといやらしい手つきで蕩けたい、男の人の象徴である男根に、狂わされたい。淫猥な妄想だけが、わたしを動かしていた。
「──っ、でる、ぞ……!」
「ぁ、あ──っ♡ ナカ、いっぱい……っ♡」
無責任に膣内射精され、わたしは身体を震わせた。逃がさないとばかりに奥に肉棒を押し付けられ、荒い息と一緒にどくどくと白濁を吐き出された。そんな陵辱さえ、今は快楽でしかない。
──繋がったまま、余韻に浸り、唇を重ね合わせる。
「はふ、ちゅ……ぅん、ぁ、はぁ……♡」
「どんどん良くなるなぁ……休憩したら、コレ……お風呂でキレイにしてもらおうかな?」
「んっ♡ はい……口と、胸で……キレイにします♡」
もちろん、それで終わるわけがない。キレイにする、なんて所詮はプレイの一環の言葉遊びのようなもので、カウパーを出す陰茎を胸で挟み込み、いやらしく吸い付く姿に興奮した彼がすることは、ひとつだ。口の中に射精するか、顔に射精するか、そうして精液にまみれたわたしをまた犯す……そんな愛すべき夜に、わたしは期待し、陰唇をひくつかせていた。
「それじゃあ、行こうか、燐子……」
「……はい♡」
腰を抱かれながら風呂場まで移動し、洗面台の鏡の前に立つと彼の手がわたしの胸に伸びているのが見えた。抵抗することなく、乳房を揉みしだきながら、リボンを解いた彼に上目遣いをする。
「ん、ぬぎ、ますから……♡」
わたしの言葉に彼はニィ、と唇に下弦の月を浮かばせた。また、彼の加虐心に火をつけた証拠だけれど、それ以上に、わたしが進んで恥ずかしいことをするという今の図に酔っている感覚があった。
既に幾多も抱かれて、視姦されると身体が勝手に反応してしまうことは彼も知っている。だから、衣服を剥いでしまうのではなく、自ら脱いでいく姿を鏡越しに、前と後ろからの逃げようのない視線を向けてくる。
──そんな彼に
「いつ見ても、燐子のこの瞬間は息を呑むよ……キレイだ」
「ん……っ、ぁ、や……♡」
熱い吐息を吐き、彼はわたしの太腿、その付け根を撫で回してくる。臀部にはまた硬さを取り戻したイチモツが押し当てられ……本能に訴えられるような手つきと腰に身体が熱くなる。
このまま洗面台に手をついて、誘えばきっと、ナカに挿入されて、犯してもらえる。けれどそれでは彼は満足してもらえない。それではわたしも、寂しくなってしまう。
「ま、まって……ください、あん♡ お風呂でキレイにしたら……好きにしても……いい、ですから……ん♡」
「……確かに、そっちの方が燐子も焦れてもっと具合が良くなるし……今は燐子がこのかわいい口を開いて、頑張って奉仕するところが見たいからね」
「はぁ……ぅ、ひゃい……ちゅ、ん、ふ♡」
口内に指が捩じ込まれ、舌を弄ばれながらも、わたしは受け入れる。後ろから責めてくる彼に重心を傾け、シャツのボタンを外していく。鏡に映った彼の視線はは、どんどん露わになっていく肌に刺さって……またきゅん、と下腹部が反応した。その興奮のままシャツを脱ぎ去る。
──後は、下着、お揃いのブラジャーとショーツのみになったわたしは、彼の手を下腹部に誘導しながらそして鏡越しの彼と目を合わせながら、フロントホックを外していく。
「子宮が疼いてるんだ? オレの種がほしい、って」
「は、はい……♡ だから、慰めて……ください、ぁ……ふぁ♡」
「いいよ。燐子の誘いなら……ノってあげる」
「ん、ぁ……ぅ♡」
抱きしめられながら外から下腹部を愛撫され甘い声が出てしまう。嬌声を上げながらも、なんとかブラが肩から滑り落ち、ショーツ一枚となったところで、露わになった乳房を、彼の手が包んだ。それと同時に下腹部を優しく撫でていた反対の手も、ショーツの中へと吸い込まれていく。
「あっ♡ や、ぁん……♡」
「ごめんごめん……燐子のストリップに、我慢できなくなってきちゃってさ……」
「んん、ぅ……♡」
期待に熱を持っていた秘所に触れられ、電撃が身体を駆けた。何も考えられなくなって、口を開け、舌を出し、洗面台に手を付き、ただ彼を受け入れていく。
いやらしい水音を立てながら、ナカを嬲られて、すぐにトんでしまいそうで……そこで、指は止まった。
「……え? な、なんで……ぁん♡」
「今ここで燐子をイかせるのって、めっちゃ簡単だけどさ……我慢させて口を使ってからイかせた方が……いい反応してくれそーだから、やっぱやめた」
「ぁ、そん、な……ぁ♡」
「ほらほら、パンツで最後だよ……脱いで」
「は……い……♡」
指が引き抜かれ、また彼にもたれかかるような体勢に戻る。今度は下着越しにアソコを後ろから指で愛撫されながら、耳許で囁いて……また、わたしを思いのまま、操ろうとしてくる。言いなりになってしまえば、もっとあの人から離れていってしまう。この人のモノに……この人の女に、変えられてしまうのに……もう今更、抗うことなんて、できない。
──ショーツに手をかけ、下に降ろしていく。何も纏わない、素のわたし。愛液に下着を汚し、糸引くその秘所を、わたしの本能を、晒していく。
「脱ぎ、ました……♡」
「よくできました。何回襲いそうになったかわかんないよ……ちゃんと、後でご褒美あげなきゃね」
「あ……ください……♡ たくさん、わたしで、射精……して……♡」
「もちろん、たっぷりマーキングしてあげるよ、燐子」
ナカにだけじゃない。口にも、顔にも、身体にも……いっそ匂いが染み付いてしまう程に、白濁を求めてしまっていた。
──あの人が知ったらどんな顔をするのだろう。幻滅されてしまう? それとも……欲情しては、くれないだろうか。
「それじゃあキレイに……じゃないね。好きなように、汚れてみて」
「……はい♡ あ、もう……こんなに、先っぽ……っ♡」
こんな風に、奉仕して、刺激したら……女として見てくれるのだろうか。覆いかぶさって、貫いて……孕ませたいと、思ってほしい。
──どんな風でもいいから、わたしを、男性という本能のままに見て欲しい。それで、どれだけ種を注がれても……構わないから。
「ん、じゅる……♡ は、れろ、はふ……きょうは、どこに、だして……くれますか……♡」
「顔、かな……? キミがそうおねだりしてるように見えたよ」
「……あ、ぅ……はい♡ かけて……ください、んっ、じゅるる……ふ、ぅん♡」
四つん這いで、彼の言うようにまるで、おねだりをするように、肉棒を口に含み、頭を振ってフェラチオを続ける。
鼻につくような匂い、苦くてしょっぱいカウパー……全てがわたしを惑わせる。
「燐子……そろそろだ……お望みの、精子だ……っ!」
「──ぁ♡ すご……い……におい、あついの……んっ、ぁ、かんじ、ちゃいます……っ♡」
どくどく、と脈動した男根の鈴口から待ち望んだ白濁液がわたしの顔に吐き出されていく。それだけじゃない。残った精子を頬に擦りつけられ、髪に擦りつけられ、舌に擦り付けてくる。顎を伝って身体にも垂れて、胸の谷間に流れ落ちたところを見られたせいか、今度は汚れている男根を挟んでと命令される。身体中が彼の精液で汚されている、犯されていく。もっと、もっと……わたしを駄目にして……ほしい。
「あーあ、すっかりべたべただね、燐子」
「は……はい……♡ せーし、どろどろで……わたし、おかしく、なっちゃってます……♡」
「ならもっとおかしくなろっか」
「はい……♡」
湯気で煙った鏡に手を付いて、自分と向き合う。頬と瞳は、これからの快楽への期待に熱を帯びて、後ろには立ち上がって、わたしの腰に手を添える彼の姿……同じように熱を帯びた、彼の歪んだ口許が映し出されていた。男根を陰唇に擦りつけられ、その熱は益々増していく。
「お……おちんちん……ください♡ もっと……ナカにほしい……♡」
「言われなくても……まだまだ、使ってあげるね」
「──っぅ、ぁ……あ、き、きた……おちんちん、はいっ、てぇ……や、あんっ、あっ♡」
浴室に響く、嬌声は、まるでいつものわたしとは違うヒトのようだ。彼を悦ばせるように淫猥に、誘うような喘ぎ声。
──もっと、見て。情欲をそそる女だという目で、全てを狂わせたくなるような目で……見て。その為なら、たくさん、喘いで、腰を振って……変態になってみせるから……
「燐子はすっかりえっちな子になっちゃったね」
「んっ、だ、だって……っあ♡ たくさん、犯されて……んぅ、あ……きもちい、って知った……から、あっ、あっ♡」
「なにが?」
「せ……せっくす……っん、あん♡ おちんちんで、おまんこ、あっ、ふぁ……突かれるの、んっ、や……きもちい……♡」
「……燐子が知ったきもちいセックスは、それだけじゃないでしょ? ほら」
「──あっ、んっ……っ、は、はぁぁ……♡ はい……♡」
剥き出しにされる。声に、指に、匂いに、味に……全部に、白金燐子という淫らな女の本能を剥き出しにされてしまって……今の彼になら、なにをされてもきもちい、そう思えてしまう。
「きす……も……♡ 舌、いっぱい舐められて、唾液……おいしくて、きもちい……♡」
「こう、かな?」
「んっ、ちゅ……♡ あ、ふぁ……っ、れろ、あっ♡」
キスだけじゃない。その手指で素肌に触れられるのも、熱い男根を奉仕するのも、卑猥な言葉に晒されるのも、どんなプレイも、全部がきもちい。全部に甘い痺れが、わたしを支配する。精液に塗れ、穢れているわたしに迷いなく唇を重ね、胸を弄ぶ彼が……愛おしい。
「あっ、んっ、は、っぅあ♡ もっと、もっと……あなたの、モノにして……くだ、さい♡」
「それは、弟じゃなくて、オレの女になるって宣言?」
「……っ♡ ん、ぅ……♡」
膣奥に押し付けられてゆっくり動かされながら問い掛けられ、わたしは直ぐにどちらとも答えられなかった。あれ程大切に、愛してくれる恋人である彼と、壊れてしまうくらい愛してくれるセックスフレンドの彼……わたしの恋人は彼ではなくて……けれど、そんな大切にしてくれた彼を裏切って、淫らなメスに堕ちてしまって……
──戻れない。もう、彼に大切にされていた宝石は穢れ、くすみ、砕けてしまったのだから。そうしたら、もういく道は……ひとつしかない。
「はい……あなたの、モノになります……♡ もう、あの人のところには……行きませんから……♡」
「……そう」
「んっ……魅力的なら、触って……愛でて、ほしかった……から♡」
「宝石扱いは不満だった?」
「はい……お行儀よく……より、乱暴でも……」
──乱暴でもいいから、恋人として、触れ合っていたかった。こんな簡単なことも伝えられないから、わたしは……やっぱり、わたしはあの人には相応しくなかった。だって、そんな質問よりも今は思いきり嬌声を上げて、触れられてる快楽を味わいたい……そう頭で声が響くから。
けれど、彼の腰は打ち付けられることなく。弱々しい声が上から浴室に反響した。
「……これで、よかったのか……これまでが、間違って、いた……」
「……?」
「わからない……けれどっ」
「──あっ、はぁぅ♡ きゅ、ぅに、おく……あっ、あっ♡ だめ、だめ、です……っ♡」
肩に何かが滑り落ちてきたけれど、激しい腰の動きにもうなにもわからなくなっていた。ほしい、彼の種が、ほしい。本能のまま、膣も思考も蹂躙されつくして、彼を欲している。
──彼ももう、限界に近い……それが分かると同時に耳許で声がした。
「射精すよ……燐子の、奥に……」
「はい、射精してくださいっ♡ おく……いっぱいにして、ください♡」
「りん、こ──!」
ドクン、と膣に収まった肉棒が脈動する。快楽に塗りつぶされ白んでいる思考の中に幸福感が混じり合う。よかった、よかった……わたしは、もっと求めていいんだ。
「はぁ……はぁ……♡ やっぱり……こちらの方が、わたしは好きです……ふふ♡」
「……赦して、くれるのかい?」
「嘘……は、よくない、けれど……今、幸せだから……♡」
茶髪の少し長い髪……ウィッグは、排水口近くに落ちてしまっていて、その下にある短く整った黒髪、眉を下げているのは、嘘を吐き続けていた故に、わたしに嫌われたりしてないか、という心配。
──会ってくれないはずだ。彼は、ずっとそこにいたのだから。
「……ひとつ、お願いが、あります」
「言ってごらん」
「……お仕置き、してください♡ 乱暴に、浮気をしたわたしに……あなたという本能を、刻んでください♡」
──最初から、