BanG Dream! NIGHT STORY 作:黒マメファナ
恋人未満な九歳差:奥沢美咲
ちゃんと関係を結んだ、とはいえあたしと幹人さんはやっとごっこ遊びから脱却したばっかりだった。出会って一年が過ぎて、そろそろ三年生が卒業だなという頃、あたしはとある悩みを抱えて、おそらくはまだ恋敵と言っていいだろう相手、杠葉先生に相談を持ちかけていた。
「そう、レスなのね」
「忙しいんですよ……マジで」
下世話だけど、結構これが重要だったりする。というか夫婦にもなってない恋人未満とか抜かしておいていきなりレスってどういうことなんだ。原因はもちろん幹人さんの多忙さだ。なんか、仕事ぶりが評価されて栄転するみたいで。そう言うとそう、と驚きの顔を僅かにのぞかせた。
「幹人くん、そんなに真面目だったかしら……」
「そりゃあたぶん昔よりは」
「なんだかんだ、向いていたのかもね、幹人くんには」
薬剤師試験落ちたからってのもあって最初は多分全然、ちょっと腐ってたところもあったんだろう。でも今は前向きに仕事をしている。そして熱心なのはいいし昇給まであるとかでお祝いもしたんだけど、最後にシたのいつだっけ、秋くらいだよってレベルなんだよね。
「……大変ね」
「そりゃあもう」
「きっと幹人くんも悶々としてるわよ」
「でも、疲れて仕事終わりは寝ちゃうんですよ……」
「なら……少し考えがあるわ」
おお、さすがは元カノ兼元婚約者。嫉妬を抑えてプライドをかなぐり捨てて相談してよかったです。そういって爽やかな笑顔をしたのが癪に触ったのか、幹人さんが翌日オフの夜、絶好のタイミングで美幸さんが気を遣って喜多見家に帰ってくれることになった際、なんかお姉ちゃんに渡しとけってと言われた袋を見て私は、あの人が結構根に持つタイプだということを忘れていたことを反省した。
「──いやコスプレかよ!」
思わず床に叩きつけそうになったその袋に入っていたのはキレイに折りたたまれた、多分新品のメイド服、スカート短めしかも黒いネコ尻尾らしきものがついてる。それ以外には、黒いネコ耳つきのカチューシャと、ちょっと透けるタイツ生地のニーハイ、まぁ予想通り、ここからが問題でガーターベルト、まぁまぁ、これはね。ニーハイの補助だからね、まだ許す。
──足首、手首につけるであろう赤いレザーのベルト、そしてベルト状の細いチョーカー。うーん、アウト! そしてまだ漁るとなんかメモが入っていた。
『なるべくエロい下着をつけることと、精液を飲む覚悟で挑むこと』
冗談じゃないんかい。というか杠葉先生に同じようなコスプレをさせてシたことあるのかな幹人さん……それはなんというか、うーん、業が深いなあたしの旦那様は。まぁちょいなんというか、強引というか支配欲に塗れてる気がするのは薄々気付いてたよ。うん。しばらく悩んで、とりあえずお風呂入って、ご飯作って幹人さんを待ち受けることにした。
「ただいま」
「おかえり、幹人さん」
「おう……腹減った〜」
「はいはい」
それからクタクタそうな幹人さんにご飯を振る舞って、それからお風呂に誘導した隙にあたしは意を決することにした。エロいやつエロいやつ……そういえば、こころに唆されてネットで注文、もといオーダーメイドしてもらったやつがあった。届いて恥ずかしさで後悔して奥に押しやってた。
「……あった、うわ、これ……かぁ」
でもこれで、幹人さんが興奮してくれるなら、レスが解消されるなら。そう思ってあたしは勇気を出すことにする。サイズがぴったりなことに言い知れぬ怖さを感じながら、幹人さんを寝室に呼んだ。うわ、めっちゃドキドキする。なんなら多分初めてシた時より緊張してる気がする。
「ふぁ、もう寝て……え?」
「……もう、寝ちゃうの……ん、ですか、ご……ごしゅじん……さま……」
「……え」
「なんか言って! お願いだからリアクションかツッコミをして!」
やっぱダメじゃんか! あの姑ポジション、ロクなことしないなホントに! そう思っていると何かを察したらしい幹人さんがおいでと、え、マジで? あれ、なんか雰囲気変わってない? そう戸惑いながらあたしを後ろから抱きしめる格好でベッドに座った。なんか、こうやって密着するのも久しぶりな気がする。
「最近、シてなかったもんな……ごめんな美咲」
「……いい、幹人さん、忙しいし」
「よくはねーだろ」
よくはない。よくはないけどさ。疲れてる人を無理やり起こすのは、なんかイヤだし。そうやって会話をしていると何気なくするりと手が、あたしの身体を這ってくる。あ、これはやばい。久しぶりだったし、ちょっと想像してみたりしてたからスイッチ入っちゃう。作戦成功ではあるんだけどさ。
「ガーターなんて、つかこんなコスプレ持ってたのか」
「ん♡ みきと、さん♡」
「美咲、いじめていいのか?」
「元々、結構、ねちっこ、っん♡ ごめん、や、あ♡」
服越しに乳首を指が確認するように往復して、摘まれる。敏感になってる、んだと思う。胸と脚だけで、こんなにゾワゾワってなること初めてだから。やがて幹人さんは両手の指で左右それぞれの乳首を弄んでいく。
「あっ、むね、ばっかぁ♡」
「いい反応するから、な」
「あん♡」
「ほら」
「ば、ばか……ばーか、っあ♡ あん♡」
「なんだよ、ご主人様にそんなこと言っていいのか?」
「や、それ恥ずかしいから、しないって、っん♡」
やっぱり、下着、言われた通りにしててよかったと思う。同時にあたしは幹人さんに抱えられて姿見の前に座らされる。鏡だけ見てろって言われた通りにしていると手がゆっくり視界の外から、迫ってくる。
「あ……あ……んぁあ♡」
「膝立てて」
「ん……あ、あんまりじっくり、見ないでよ……♡」
「透けてる……なにこれエロ」
「あっ、もう見るなぁ♡ ばーか、ばかぁ♡」
あたしが選んだ下着は黒の上下セット、上が乳首が透けてるノーパッドのブラ、そして下も透けるレースのTバックだった。出てきた思わぬセクシーランジェリーに、幹人さんは興奮したみたいで、無理やりあたしの脚をM字にこじ開けて、耳元で囁いてくる。
「エロかわいいな、これ」
「ん、ばか……♡」
「疲れも眠気吹っ飛んだし、明日休みだし……ゆっくりやるか」
「うん……あ♡ 幹人さん、キス、して♡」
「なら身体こっち」
「あ、んむ♡ ちゅ、んく♡ は、れろ……や♡ おしり、なで、っん♡」
幹人さんは本当に、えっちの時になるとギラギラする。膝立ち気味に頭の高さを合わせてキスしてると、手がお尻を撫でてくる。いや撫でるだけじゃなくて揉んだり、太腿の付け根を指でゆっくり撫で上げてきたり、やりたい放題だ。
「なぁ美咲」
「あっん、なに♡」
「せっかくメイドなんだからさ……やっぱり、プレイしない?」
「……ばか、へんたい、んぁ♡」
「明日、美咲のわがまま聞くから」
「あ、あっ♡ ほんと……?」
休みの日は最近ずっと、昼まで寝て、起きたと思ったらテレビ見て、あたしのことなんて全然構ってくれなかった。だから、そのご褒美にあたしは釣られる。一日、構ってくれるって思うと、ちょっといいかなって思ってしまう。
「ほんとだよ、だから、な?」
「あ、んぁ♡ やだ……♡ 」
「こんなにお願いしてもか?」
「ぅん、やだ……♡
「あー、なるほどな」
顔が、変わった。どうやら伝わったらしい。あたし、でもやばい方向にアクセル踏んだんじゃないかってことをひしひしと感じていた。けど、覆水盆に返らず、吐いた言葉は飲めずに幹人さんが持って行ってしまう。
「今日はメイドプレイな」
「……っん、うん♡ めいれい、して♡」
「よろしい」
「あん♡ んっ♡」
恥ずかしい、恥ずかしいけど、幹人さんの声に操られるみたいにプレイをする。キスも、途端に強引になって、舌が容赦なく入ってくる。幹人さんの性欲、割とあたしは好きだ。惜しむらくはもっと幹人さんから誘って欲しいってくらいで。
「みみ、ばっか、んっ♡」
「ならなにしたいのか言って」
「……ばか♡」
「じゃあやめるか」
「……調子乗ってる、あ、うそ、ごめんなさい、もっと触って♡」
隣に座っていた幹人さんに耳ばっかり舐められてたけど、今度はどことは訊ねられず、太腿の内側に人差し指が触れてくる。そのまま奥に奥にゆっくりと進んでいく。無意識に脚を広げて、待ってしまう。
「ほら、触ってほしいところ言って」
「……っ♡ お、おまんこ……触って♡」
「もっと」
「んっ♡ や、イジって♡ 指でカリカリして、あっ♡ それ、んん♡」
浅いタッチで擦られて腰が跳ねてしまう。あたしは、去年の冬に当時のカレシに無理やり迫られて、まだ濡れてないというか、そもそも怖いって言ってるのに入れようとしてきて、突き飛ばした。それが原因で家を飛び出して、幹人さんに会うんだけど。
「むねも、揉んで♡」
「わかった」
「あっ、手、気持ちいい♡ すき、んっ♡」
幹人さんが初めての人、というか幹人さんしか知らない。だけど、このゆっくり浅く触られてだんだん蕩けていくのが、あたしは好きだ。特に下は、丁寧に濡らされるくらいがいい。怖いって気持ちを欲しいって気持ちに変えてくれた最初の指遣いが、好きだから。
「今日はご奉仕してもらおうかな」
「ん、うん♡ あたし、きょうは、メイド……だもん♡ 幹人さんの好きなこと、命令して♡」
「なら、美咲が出して」
「……うん♡」
幹人さんのボクサーパンツはもう、苦しそうに盛り上がっていて、それを解放してあげる。最初見た時は、恐怖だった。でも、幹人さんのこれは、お腹がきゅんってなる。大好きな人の性欲の象徴、あたしをめちゃくちゃにしたいって欲望。あたしはそれにご奉仕をしていく。
「ん、ちゅ♡ まだ、上手じゃないけど……♡」
「大丈夫……美咲がしてくれるってのが、興奮するんだから」
「……んぅ♡ 口に出したかったら、命令、してね♡」
「エロメイドだな」
「ん、ばーか♡」
舌を這わせて、キスして、勃起した肉棒がぴくって反応するのが、なんか面白くて。経験値の浅いあたしの口でも、悦んでくれてる。興奮してるのが伝わってきて……あたしもムラムラしてくる。
「ん、んっ、んぐ……っぅ♡」
「おい、大丈夫か」
「ん、ちゅ♡ ぷは、幹人さんの、おっきいから……♡」
「誰かと比べて?」
「ばーか……あたしの口と……おまんこに比べてに、決まってるじゃん♡ 幹人さん以外と、シたことないって♡」
とはいえそのせいで大きさの話をあんまりしすぎるなよって別の男の人に言われたことを思い出した。あの人とあの人で割と下世話……ってそれは前から知ってたけど。実は杠葉先生からは女性視点の、清瀬先生からは男性視点の行為についてリサーチしてる。どっちも高校教師なのが、なんだかなぁというところだ。
「じゅるる──っん、はぁ♡ ほんとはメイドとえっちって、しちゃだめなんだよ
「そういうプレイだから、いいじゃんか。それに
「だからだめって言ってるんだけどね……っん♡」
まぁそれはホントに主従だった時の話。あたしの本当の立場は、言うならまぁ……ほら、奥様なわけだし? うん、まだ結婚とかしてないけど。そんなのどうでもいいや。気を抜いたらちょっと、夢中になっちゃいそうだ。
「ちゃんといつもより念入りに洗っといてよかった……」
「んっん、んく、はぁ♡ なんで……今日に限って、れろ♡」
「え、なんとなく」
「そっか──っん、ちゅ♡ んく、んっんっ、んぅ……♡」
「ちょ、え、吸い付きやば……!」
びくびくってして、カウパーが溢れてくる。苦味が口に広がるけど、それを吸って嚥下すると、無意識に腰が揺れる。今日やばい、メイド服のせいなのかな、めちゃくちゃにされたい。幹人さんのしたいを全部受け止めたい。
「それ、やば、まじでイクって」
「ん、んっぅ♡ じゅるる……んく、んっ♡」
「え、待って……口に出して、いいの?」
「んーん♡ ぷは、命令、して♡」
「……口でも受け止めろよ」
「はい……っあむ♡ んっ、ん、ん……っ♡」
そう、もっとさらけ出して。幹人さんが実は理性で抑え込んであたしに優しくしてくれてるの知ってるんだから。元カレのことなんて気にせずに、あたしとえっちしたいって思って欲しい。
「で、る……っ!」
「ん……っんく♡ ん、じゅる、っは♡ 飲んだ……飲みましたよ、ご主人さま♡」
そのまま射精されたのを飲んでみせると、幹人さんの目の色が変わり始める。気遣いが薄く、あたしをどうにかして喘がせたい、めちゃくちゃにして気持ちよくなりたいって目に変わってきた。
「あ、美咲……!」
「あっ♡ また……おっきく♡ ん、ちゅ♡ 次は、どうしますか? また口……それとも♡」
「いいんだな美咲」
「なんでも♡」
「じゃあ今度はコッチでご奉仕してもらうよ」
「あっ♡ はい、もう、準備できてます……っあん♡」
お尻を撫でられて、そのままショーツを脱ごうとしてズラすだけと言われて幹人さんに跨る。あたしが自分から入れるのを見る幹人さんの目は完全に性欲に満ちていて、嬉しくなる。いいよ、今晩は。すきなようにして、幹人さんの気持ちいいえっちしよ。あたしへの気遣いなんて忘れて、ただ肉棒で喘ぐあたしをみて悦ぶところ、見せて。