BanG Dream! NIGHT STORY 作:黒マメファナ
私は飢えていた、乾いていた。いつからこうだったんだっけ、と思い出すと中学生の頃に付き合っていた人のことを、私の初めてのカレシを思い出す。
──ううん、もう顔も覚えてないや。小学校の時の同級生で、卒業の時に告白されて。付き合って……そしてお家デートした時にカレシのお兄さんにハジメテを奪われた。
「んぅ、ちゅ♡ んく、んは、れろ……あむ、んっんっ♡」
「久々だからってがっつくなよ」
「んく♡ あ……らって♡」
「ったく、クソビッチが。そこまでするなら飲めよ」
「……うん♡」
奪われて、その後にカレシともえっちをした。その時のリアクションが私はきゅんってしたんだけど、でもどれだけ腰を振られても、あんまり気持ちよくなくて。お兄さんの方がずっとえっちは上手で。私はその時、そっかと閃いて、そしてそれが受け入れられないということにガッカリした。
──身体はお兄さんと、気持ちはカレシと。分けちゃえば、幸せじゃない? えっちが上手だけど好みじゃないお兄さん、大好きなカレ、どっちもいればすごく幸せだったのに。
「あっあっ、ん、ぁ♡ あん、これ、ここ気持ちいい♡」
「はは、やっぱりお前のカラダは最高だな、花音」
「んむ、ちゅ♡ は、れろ……ちゅー、しないれ♡」
「なんでだよ、気持ちいいだろ?」
「……イッちゃうから♡」
「イケよ、自分から腰振りながらキスで」
「あ、んむ♡ んっんっんん──っ♡ ふぅ……ふ、ぁ、はぁ……♡」
それからもう何年経っても、私は満たされないまま、カレシいても平気で浮気をしちゃって、セフレとナマでセックスしちゃうビッチな女になっていた。まぁナマでするのはもう一年以上関わりがあるお気に入りのセフレだけだけど。
「あー、ナマは気持ちいいな」
「……ん♡ 出しすぎ……んく、じゅるる♡」
「とか言って、好きだろお前も」
「まぁ……ちゅ、んく♡ は、すき……♡」
「おっとその顔はムラっとするから」
「じゃあ、もう一回できるね♡ ほら、きて♡」
「……これで最後な」
「しょーがないなあ♡」
とか言いつついっぱいシてくれるけどね。そんなセフレや浮気相手、カレシと身体を重ね続けて、そろそろ卒業が近づいていた時だった。大学入学も決まっていた際、私は体調不良に悩まされていた。
「どうした松原?」
「あ、先生……ちょっと立ちくらみで」
「顔色悪いな」
羽沢珈琲店でよろめいたところにやってきたのは、清瀬先生だった。好みの童貞っぽさがないけど、他の先生にはない危ない光みたいなのがあって、とっても私は興味を惹かれて、羽丘の先生だけど何回かセックスしませんかって誘っていた。学生の時からお付き合いしてる奥さんがいるからパスって言われちゃうけど。昔は遊んでたって話で納得しちゃった。
「しんぱい……してくれるんですかあ? ふふ、もしかしてセフレになってくれる気になりました? 」
「冗談を言う元気があるみてぇで安心した……症状は? 」
「先生わかるんですか?」
「一応保健は大学の必須科目なもんでな」
「さっき気持ち悪くて……戻しちゃって、あと頭痛、とかお腹も」
「……それ、病院行け。つか連れてってやる」
「どしたのなっくん」
「おうみみ、イイトコ来た。松原がな──」
そうして一成先生と、奥さんで別の高校教師やってる未来さんに連れてってもらった病院の先生に私はびっくりなことを告げられた。いやいや、そもそもだけど連れられた先が産婦人科なんだからそれもびっくりだったんだけど。それはもう、何を言われてるのかわからないレベルだった。
「四週目だって! 一応、おめでとう?」
「……は、はい」
「松原……だからやめとけって言ったんだよ」
「ふぇえ……」
──妊娠していた。相手は、うーん誰だろう。ちゃんとピル飲んでたのに。いやちゃんと飲んでても300人強に一人くらいはするんだって頭ではわかっているんだけど、その一人に入ったことが、ちょっとだけ信じられなかった。
「おめでとう! なら、しばらくハロハピはお休みね!」
「ちょちょ、ちょいこころ……そうじゃないでしょ」
「……ごめんね」
「気にすることないよかのちゃん先輩!」
「そうさ、私たちはいつだって、仲間なのだからね」
そもそも、ナマでセックスする相手が一人しか思い当たらなかった。カレシとは受験が忙しくてその時期会ってなかったし。
そしてなによりショックなことは、妊娠がわかった瞬間、それまで私とセックスしていた人たちが私から距離を取ったことだった。
「二度とボクに連絡しないで」
「……そんな」
「被害者ぶらないで、自業自得でしょう?」
カレシにも、この有様だった。私は満たされないまま、飢えたまま、乾いたまま、ひとりぼっちになった。
──全部、私の自業自得で、わかってる。そんなこと、わかってるもん。
「辛い話もするな、松原」
「……はい」
「お前の選択肢は二つしかねぇ、産むか……堕ろすかだ」
「なっくん」
「オレが言うしかねぇだろこんなの、オレだって言いたかねぇっての」
「私は……」
「お前が幾らクソビッチだろうが、自業自得だろうが、そりゃ望まねぇ妊娠だろ。けどこれには親の同意書と
「相手……」
「心当たりくれぇいるだろ」
恐らく相手であろう本人には、怖くて連絡できなかった。未来さんが手を握っていてくれなければ、先生の話すらまともに頷けなかったかもしれない。それくらい、私を愛してくれたはずの男性がみんな手のひらを返したことが、精神的にダメージを与えていた。
「ごめんなさい……ひとりで、連絡も」
「いいんだよ、なっくんもわたしも、花音ちゃんの味方だからねっ!」
「……はい」
恐る恐る、電話を掛ける。手が震えて、呼吸が浅くなる。そういえば、未来さんは子どもいるんだよね。その時はきっと、先生と二人で喜んだんだろうな、嬉しかったんだろうな、幸せだったんだろうな。
『どうした花音、またアレか? フラれたか?』
「……あのね、きいて」
『ああ』
「……妊娠、しちゃって……会えないかな?」
『あー、マジか』
「……っ!」
ちょっと淡白な驚きの声、たったそれだけで呼吸が浅くなる。心臓が痛いくらいに跳ねて、気持ち悪くなってくる。この人も結局、手のひらを返すんだ。迷惑だって突っぱねられるんだ。そんな絶望が私の身体を沈めていった。だけど、彼は。
『わかった。どこで話す? つか今から向かう』
「え……」
『なんだよ』
「う、ううん……えっと、あの、住所……送るね」
『おっけ、んじゃ』
先生のお家を指定して、二十分くらいして彼はやってきた。少し焦り気味で、けど未来さんや先生の顔見てペコリと一礼してから私に駆け寄ってきた。
「……ひでー顔してんな、花音」
「……うるさい」
会いに来てくれた、ただのセフレだったはずの彼が、彼だけが、私の助けてって叫びに声を返してくれた。それだけで安堵と緊張が解れて、涙が溢れてしまった。泣くつもりなんてなかったのに。彼も、そんな私の頭を撫でてくれた。
「というか最初に俺に連絡するだろフツー」
「……ごめんなさい」
事情を全て把握した彼はまず一言そうツッコミを入れられた。確かに、気が動転していたとはいえ、一番疑惑のある人物に連絡しなかったのは悪手だったな。素直に反省すると、彼もバツが悪そうにした。そして少しの沈黙の後で、今度は彼がなんと頭を下げてきた。なんのつもりだろうか?
「いや……正直、責任とか、妊娠した場合とか、あんまり考えてなかった。なのに……あークソ、言葉みつかんねぇけど」
「ふえぇ……?」
「なんだ、イイ男いんじゃねぇかよ、松原」
「うーん、イイ男ではなくないかななっくん。仮にも社会人で未成年にゴムつけないんだよ?」
「確かに、じゃあクズだな」
「クズだとイイ男になっちゃうじゃん?」
「……みみのイイ男基準がおかしいだけだっつうのソレ」
そこでイチャイチャしないでほしいです。ってそうじゃなくて、なんだか彼はフツーの反応だった。嫌悪するわけでもなく、嫌な顔するわけでもなく、ただ私のことを、事実を受け止めて、受け入れている。そして、よしっと彼は立ち上がって私に向かって手を差し伸べてきた。
「……なに?」
「なにって、責任を取るんだよ。いや、俺に取らせろ」
「私は……産む、なんて」
「どっちにしても……いや、お前にそんな選択を迫るなんて絶対にゴメンだ」
「セフレの、くせに」
「抱え込まなくていいんだよ花音。第一、お前の子だけじゃなくて、俺の子でもあるんだからな」
先生は認知してくれるんなら別にいいんじゃねぇのと早速投げやりになっていた。最低、最悪、もう未来さんにこの前日菜ちゃんにまた迫られてデレデレしてましたって言いつけてやるんだから。
──息を吸う。吸って、吐いて……その手を握った。彼のことなんて好きじゃなかった。ううん、好みじゃなかった。だって相手はセフレで、すぐセックスしたがるし、軽薄だし。もっとまっすぐで、私のどうしようもないところ全部を愛してくれる人と一緒にいたかった。
「裁判沙汰にならねぇように、同意だったことだけは弁護してくれよ」
「……そっちこそ、浮気はほどほどにね? というか不倫だからね……?」
「わかってるよ、んなこと」
先生と未来さんにはなるべく協力することも言ってくれた。ハロハピのみんなも、千聖ちゃんも手を差し伸べてくれる。そもそも私、一人じゃなかったんだなぁ。そう考えると自分では望まないと思っていたお腹の命も、とっても愛おしくて。あなたは望まれないことなんてないんだ、ちゃんと祝福されて生まれてこれるんだという安心感があった。
「つか」
「ん?」
「なし崩し、みてぇな雰囲気出てるけど……正直ラッキーって思ってるとこもあるんだよな」
「ラッキーって、なにが?」
「セフレじゃなくて、ちゃんとお前を愛せるってことだもんな」
「……ふふ」
「あ、今笑ったかお前?」
「だって……ふふふ、ふぅ……でも、二人目はまだ先ね、せめて大学卒業してからだから」
彼はびっくりするくらい真面目になっていった。女遊びもしなくなっちゃったし、セフレは全部お別れしたって。私が妊娠したことで認めたくなくて逃げていた気持ちから、どうせ真面目に相手をしてもらえないって気持ちから言えなかったことを彼は私に向かってまっすぐ、本当にまっすぐ口にしてくれた。
「俺はお前を本気で、真っ当に愛してる……花音を幸せにしたい」
「……うん、私も……大好きだよ」
「俺は今までのカレシと違って、旦那だからな、結婚相手として、絶対にお前の不倫は許さねぇよ。俺だけ見てろよクソビッチ」
「はあい、その分……旦那さんとしていーっぱい、私のこと満たしてね♡」
後は、そうだなあ、ちゃんと結婚式挙げたいな。ウェディングドレスって憧れてたんだよね。いつか大好きな人に着せてもらえたらいいななんて思ってたけど。その夢も、彼は叶えてくれるって約束してくれた。ああ、なんだこんなに近くにいたんだね。
──これからもずっとずっと、私のことを愛してね、私の運命の人、私の元セフレさん。
それからもう三年の時が過ぎて、私は名義上は松原のまま彼と、愛おしい我が子と一緒に暮らしていた。流石に大学は一年入学は遅れちゃったけど、ハロハピの活動と、子育てと学校、そして……夫婦の営みをこなしていた。
「んん♡ ちゅ、んく……は、きす、れろ♡」
「脚広げろ」
「ん……♡ や、あぁっ♡ いきなり、指……♡」
「濡れてるくせに」
「あっ、それ、んぁ♡ それきもちいい……♡」
偶にはデートでも行ってらっしゃいとこころちゃんに甘えて、預けて、私はホテルで彼の指を受け入れていく。すっかり元気に育ったけど、やっぱり家だと途中で起きちゃうこととかあって、あんまり集中できなかった中での久々の、彼とセフレ関係だった頃のようにセックスの快楽に喘いでいた。
「乳首勃起してるな、ほら」
「ん、かりかり気持ちいい♡ あん、やだ、それすき♡」
「花音」
「んぁ、んぅ♡ ん、ちゅ♡ はふ、ながいきすしながら、いじって♡」
後ろから抱きしめられてキスされながら、乳首とおまんこをいじられる。唾液と舌がいっぱい入ってきて、気持ちよくて蕩けちゃう。イケないくらいの焦れったい快楽で、酸欠で頭ぼーっとしちゃうくらいのキスをされて、そうしたら私は大好きな旦那さんに操られるがままに彼の好きなフェラ抜きをさせられる。
「んぁ……あむ♡ んく、ちゅ、ん……っじゅるる♡ もう、おっきくしすぎ……♡」
「久々で興奮やばいんだよ」
「わたしも……っん♡ んっぅ、んく、じゅるる♡」
「吸い付きえぐ、っあーでも気持ちいいよ」
以前と同じなんだけど、やっばり意識が変わってるせいか頭撫でられるのもなんか、きゅんってしちゃうな。前からこの人のフェラするのも精液飲むのも不快じゃなかったけど、今はもう、興奮してもらえて幸せだ。
「出すぞ花音、ちゃんと飲めよ……!」
「ん──っ♡ ん、ふ……んぁ♡」
出されて、それをゆっくり嚥下するのも見せてあげる。同時に射精したばっかりのイチモツを扱いて、飲み干したらおねだりするように舌を這わせていく。ああ、やっぱり私はセックス好きだなぁ。気持ちいいし、どんなお酒よりも酔えちゃう。そして、今は相手にストレートに気持ちを伝えられるから。
「ね、いれて♡ 昔みたいに逆らえないやつ、したいなあ♡」
「待ってろ、ゴムを……ってなにしてんだお前」
「ゴム、いいから♡ ナマがいい……♡」
「……性懲りもなく?」
「む、いいじゃん……ナマで、だめ?」
「卒業まで、じゃなかったのか?」
「やだ……今度は、ちゃんとあなたが好きって気持ちで、孕みたいなあ♡」
跨って竿におまんこを擦り付ける。ほら一応、ピル飲んでるし? 万が一またそれでも妊娠しても……今度は素直に喜べるから。そうやって誘うと彼もギラギラした目で私を押し倒してくれる。
「ほしいか?」
「ほしい♡ きて♡」
「何がほしいかちゃんと言えよ」
「男の子♡」
「……そこまで飛躍してないっての」
「えへへ、旦那さんのせーし、いーっぱい、おまんこにかけて♡」
「……花音!」
「んぁ、あっ♡ ひぅ、ん♡」
いっぱい煽って、ちょっと落ち着きすぎちゃった彼を昔の猛獣さんに戻してあげる。強引で、でも丁寧で、セフレのクセに自分しか知らない私の弱点にぐりぐりっておちんちん押し付けて主張してくるあの頃の彼に。
「昔は寝バックさせるのに貢いでたな」
「ん、ね♡ あん♡ あっ、あっあっ♡ だって、きもちよすぎて、堕ちちゃうって、思ってたから♡」
「そっか、なら今は遠慮なく堕ちろよ……俺の花音、俺だけの花音」
「──んぁあああ♡ うん、堕ちる♡ すき、すきにおかして♡ あん、んぅ♡ あっあっそこ、そこやばいよお♡ イク、く──っぁあ♡」
「イケ、愛してるよ」
「──っ♡ いま、それだめ♡ ずる、っあ、あっ♡ わたし、も♡ すき、だいすき♡ 」
快楽と幸福の海にさらわれて、私はひたすらに喘ぐ。彼に愛されて、今までのどんなセックスよりも気持ちよくて、今までのカレシやセフレなんかを全て塗りつぶして、彼一色に染められていく。身体だけじゃなくて心も彼に奪われた私は、掻き回されてイッて、言葉でも嬲られてを繰り返していた。
「イクぞ花音、ここで孕まなくてもいいけど、絶対、今度は俺以外の選択肢ねぇからな」
「うん、うん♡ 私を愛して、満たしてくれるのは、あなただけだからあ♡ きて、イキッぱなしのおまんこに、しゃせーして♡」
「く、あ……花音、花音!」
「──っぁああ♡」
ぎゅっと抱き締められるカタチで奥に突き刺さった肉棒がドクドクと脈打つ。後先考えなさすぎってまた怒られそう。でも、幸せだなあ。何回もナカに出されて、私はその幸福感に意識をトバした。
「やっぱ、えげつねぇよお前の性欲」
「うん」
「うんじゃねぇ……ったく、月イチで限界だってこんなの」
「じゃあ月イチこれがいい」
「……卒業してからな」
「はあい、ふふ……」
「なに笑ってんだ」
「ううん、シてくれるんだなあって」
「俺はお前だけのもんだからな」
私はビッチで、どうしようもなくセックスジャンキーで、こんな私を独り占めしてくれるヒトなんていないって思ってた。いてくれたらいいなって。
──これからもいっぱいワガママ言うし、すぐえっちしよって言うけど、嫌な顔……はするけど愛してくれる。元セフレのあなただけど、これからもずーっと、一緒にいてね。大好きだよ。