BanG Dream! NIGHT STORY 作:黒マメファナ
悪夢のような日常から日菜に助けられ、一ヶ月が経過した。あの男を社会的に抹殺することは残念ながらできなかったけれど、今後一切私と、そしてパスパレに関わらないことを約束した。
「約束は守るたちでね、それは紗夜がよく知ってるよね?」
「……嫌という程ね」
それが、最後の会話だった。平和な日々を取り戻し、私は救われた。
──そう、救われたの。私は、あの蕩けるような快楽の世界から。男に媚び、調教され、身体を淫らに作り替えられるような日々から。
「あ……ん、あっ、あっ♡」
練習から帰り、すぐに部屋に引きこもる。そして私は自分の指を唾液で濡らし、脚を広げる。ショーツを脱ぎ捨て、指を入れるとピリピリと甘い電流が身体を走る。
「ん、んっあ、あっ♡」
自慰が増えたのは一週間前からだった。そして、今日は昼休み中にトイレへ向かい、イヤホンを耳に当てて慰めた。その時の音声、所謂オカズは──以前に彼に撮られた動画だった。
「私の……スマホで?」
「そう、後で見返してごらん……自分がどう見られて、命令されてどんな顔してるのかよくわかるよ」
そうして、彼は私が目隠しをしてフェラをする姿、そして飲んだ後に、四つん這いで腰を振りながらおねだりをさせられて、素股で擬似的に犯される姿だった。それを見ながら、時には聴覚だけで、自慰を繰り返していた。
「そうそう、教えてあげた通りに言えたら、イカせてあげるよ」
動画の中で彼がそう言うと、私は家のベッドで同じようにうつ伏せになり腰を上げてあの時と同じ言葉を、同じ動きをする。
「ご主人様のおちんぽください♡」
そして、動画の中の私は直接イチモツに性器を擦られ嬌声を上げる。動画は絶妙にそれが隠れて、あたかも本当に挿入されているようだった。
「イッ──っはぁ……はぁ♡」
でも、指では浅くしかイケない。私の指ではあの人のように気持ちよくならない。オカズがあっても、自慰をしようと、私は解消することのない欲に囚われていた。
そんな限界に近づいていた日の晩御飯の後、日菜は笑顔であのねと私に衝撃の事実を伝えてきた。
「おねーちゃん、もしかしたらあの男、捕まるかもって」
「……え?」
「芸能界とカンケーないおねーちゃんに無理やり脅迫して手を出したのは、やっぱりまずかったみたいだよ!」
嬉しそうに、そしてその目は私がこれで完全にあの男の呪縛から解放されると信じている目だった。きっと日菜は、私がどうなってしまっているかを朧気ながら察しているのだろう。もうこれ以上、自分の身体を汚さなくていいと、もう大丈夫なのだと安心させるように明るく振舞っていた。
「そ、そう……そうなのね」
「うん」
「ありがとう……日菜」
「おねーちゃん!」
──本当に、ありがとう日菜。あなたが教えてくれたから、私は漸く私がなにをすべきなのかを認識できたわ。
メッセージを送ると返事はすぐに来た。私のたった一言の短い文章に、同じように短い一言で。
「会いたい」
「おいで」
そして、書き置きを残した。もしかしたら帰ってこないかも知れないから。あの人の元に行くと、今度は自分の意思で、自分の理性に従ってあの人に会いに行くと。
──エレベーターの数字が増えていく文字盤を眺めていると、軽く発情し始めているのがわかった。期待している。あの人に……ご主人様に触れられることを想像して、期待していた。
「いらっしゃい紗夜」
「あ……ん、はい♡」
彼はするりと腰を、そしてスカートを捲られ、臀部を触りつつ私を部屋に招き入れる。それだけで、濡れていく。
いつものように彼の寝室に入り、私は制服のスカートを捲った。
「セクシーな下着だね」
「あっ、ありがとう、ございます……♡」
「それで、ここに来たってことは」
「また、あの時のように、満たしてほしいんです♡」
「覚悟、できてるのかな? もうキミが盾にするものはない、今度こそ好きなように飽きるまでその身体で満足させてもらうよ」
「……あ♡」
そうだ、前と同じではない。今度は最後の理性で抗っていた本番の禁止、その効果ももう失われた。それでも望むならもう私に残された道は、一つしかない。彼は私にそれを手渡してきた。
「それを首に着けた瞬間、今度は時間制限も何も無い、文字通り俺のモノだ。二度と逆らうことは許さない」
「着けて……ください♡ ご主人様の手で、私の人生を終わらせてください♡」
「……紗夜」
「ん……っは♡ ん、っぁ♡ 」
それは最後の砦だった、甘く蕩けるようなキス。同時に服従を誓う口付けだった。首輪を付けられながら、舌を絡ませて、ベッドに座った彼に合わせてその膝の上に座り恋人にキスを求めるように首に手を回し彼の唇を舌でなぞる。
「あ、れろ♡ や……キス……♡」
「準備したらね」
「ん、はい……♡」
そう言って彼はいつものようにコップに注がれた水を持ってきた。そこに何かを垂らされる。変わらず無色で匂いもないけれど、一体なんなのかしら。
「紗夜、じゃあこれを飲んで」
「なんですか、これ」
「媚薬、いつも飲んでただろ? 」
「いつも……」
いつも、水を飲まされていた。そこに媚薬が混ぜられていたらしい。今の私には本来必要ないが、中身を知ったうえで、選択を迫ってくる。
──淫蕩に酔いたいんだろう? 飲めば叶えてやると。
「飲みます……飲ませて、ください……♡」
「いい子だ」
コップの中身を空にして、息を吐く。ただ、効果が出るには時間が掛かるらしい。そう聞いた時にはもう、私は彼の股間に手を添えて硬くなったソレを撫で始めていた。
「わかってるね紗夜」
「あ……んぁ♡ んく、ちゅ、服は、脱ぎますか♡」
「せっかくだから、下着姿を堪能しようかな」
「はい……♡」
制服を脱ぎ捨て、光沢のある生地にレースと紐の下着を晒す。そして、頭を低くして彼の股間に顔を埋め、息を吸う。待ち望んでいた久しぶりの感覚に私の身体は疼き始めていた。
「んん、はぁ♡ 」
「やらしい顔してるね、ほら紗夜の好きなおちんぽだよ」
「あ……おちんぽ、ください♡ ご主人様の、おちんぽ♡」
無意識に腰が揺れ、舌を出しておねだりをしてしまう。この刺激から、快楽から離れていたせいで、私は以前より強く、そして淫らなメスとなってしまった。もう、この人から、ご主人様から離れたくないと思うほどに。
「あむ、ん、ちゅ♡ んく、じゅるる……っんは♡ 」
「久しぶりのおちんぽに夢中って感じだね」
「んく、んっ、んっ♡」
すっかり咥え慣れたソレを私は夢中でしゃぶりつく。三ヶ月で調教されつくした身体は噎せ返る程の性欲に、嫌という程反応してしまう。もっといやらしい女だという目で見て欲しい。触りたい、犯したい、射精したいと思って欲しい。
「そろそろ出そうだよ、紗夜」
「ん、はい♡ ん、じゅる♡ ちゅ、んぅ、んっんっ♡」
味が濃くなり、より膨らんでいくのを感じるとそれだけで勝手にお腹が熱くなる。頭を撫でられると満たされるような気分になる。口の中を満たす性器が、愛おしくて仕方がない。
「出すよ紗夜、受け止めろ……っ!」
「んぐ──っ♡ ふぅ……ふ……ん♡」
「久しぶりの紗夜の奉仕がよすぎて、すぐ出ちゃったよ」
そんなことを言われると嬉しくて堪らなくなる。びくびくと脈動し口の中に精液を吐き出され、私はその味や匂いに酔っていた。収まると、ゆっくり口から離し、嚥下する。
「んく……っはぁ♡ ごちそう、さまでした……♡」
「まだでしょ?」
「あ、はい♡ キレイにします……っん、ちゅ♡」
丁寧に白濁液を舌で掬い、吸い付き、キレイにしていく。同時にまた硬さを取り戻してもらえるように舌で裏筋を撫で回し、キスを繰り返していく。
「紗夜、そろそろ効いてきたかな」
「んぁ、わかり……ません♡ 」
「ならこっちおいで」
「はい……♡」
立ち上がりベッドの上に膝を乗せると脚や臀部に手が這ってくる。不快さは感じない。むしろ、堪らなくなってしまう。そのまま彼の膝の上に誘導され、抱きしめられるだけで身体が目の前の男を求めるのがわかった。
「効いてるみたいだね」
「ん……っはぁ♡ ご主人様、あっ、いつもみたいに、イカせてください……♡」
「いつもみたいに、か」
「ぁあっ♡」
指でショーツ越しに擦られながら、胸を揉まれるだけで身体が跳ねる。媚薬を飲まされたと意識させられてるせいか、以前より敏感になってる気がする。布があるはずなのにくちゅくちゅと水音がしている。
「あん、指、入れてください♡」
「奥が疼くの?」
「ん、ぁ♡ はい……ほしい、ご主人様にイカされたいんです……♡」
自慰では満足できなかった絶頂がしたい。イッた後も擦られてすぐイク、あの感覚が忘れられなかった。こうして焦らされると、如何に私がこの人に開発されたのか思い知らされる。
「なら、裸になろうか」
「はい……♡ 」
下着も脱ぎ捨てて、ご主人様からもらった首輪だけになる。そして頬に添えられていた手に口付けをして、その手を下に、下に誘導する。
首を撫でられ、胸を揉まれ、お腹を撫でられ、そして、指が膣口に触れる。
「あ……♡ 」
「紗夜のやらしいおねだりが聞きたいな」
「ん、あ……おまんこ、指で掻き回して、っあ♡ もう、イキたくて仕方ないんです……♡」
「みたいだね、すごいぬるぬるだ」
「あっあっ♡ そこ、それ気持ちいい♡ ご主人様の指、気持ちいい♡」
どうして、こんなに自慰とは違う快楽なんだろう。媚薬のせい? それとも、そう考えが纏まらず、彼の指を膣に、そして舌を受け入れていく。その気持ちよさに電流が走りながら、今まで耐えてきた意味があったのだと感じた。
「ん、あ、あ♡ れろ、んぅ♡」
こんなの味わったら三ヶ月ももたなかった。一瞬で日菜のためだということも忘れてしまっていただろう。唇が触れ合う度に、舌が擦れ合う度に、この人に満足してもらうための女になるような感覚、今では幸福すら感じていた。
「はぁ、あっん、んっ♡ あ、もう、イキます、私、もう──っ♡」
「イケたね、紗夜」
「ん、ちゅ♡ はぁ、はぁ……はい♡ 」
「二杯目も大分、効いてきたね」
「あれにも、びやく……♡」
「そうだよ、紗夜が飲んでた水には全部媚薬混ぜてるから」
「……っ♡ 」
臀部を撫で回され腰が跳ねた。身体が熱く、目の前の彼を求める気持ちが強くなっていく。もう、もう私はご主人様を拒絶する理由を失った。私が何をしようと日菜はパスパレという居場所に留まれる。だからもう、我慢する必要もない。
「次は後ろからね」
「あ……はい♡」
いつものように枕に顔を埋めるようにうつ伏せになり、臀部を上げてとろとろに蕩け、濡れた秘所を隠すことなく晒す。彼はその前に膝立ちになり、指で陰唇を開き、膣口に直接、亀頭の鈴口でキスをしていく。
「ん……あっ♡」
「吸い付いてくるね、そんなに欲しいの?」
「そ、れは……♡」
指とは違う感触と快楽、以前も味わった本能を揺さぶられるような甘いキス。擦るでもなく、かといって挿れるわけでもない。ただ臀部を手で撫で回し、肉棒の先端を膣への入り口に触れさせて、私を弄ぶだけ。そのまま私の腰を手で掴んで寄せれば、あるいは腰を前に出せば──犯せるというのに。
「あ、あっん、んん♡」
「やらしいダンスだね」
「いや、だって……っん♡ これ、勝手に……♡」
無意識に腰が揺れ、おねだりを始めてしまう。理性では止められず、彼が制していなければ勝手に腰を引き、既に私は彼のイチモツを咥えこんでいただろう。それを止めていた理由なんて、考えるまでもない。
「あ……ん、はぁ♡ ご主人様……♡」
「どうしたんだい紗夜?」
「んあぁ♡」
首を後ろに向けて腰を振るとさっきより深く、先端だけでなく亀頭が膣口に潜り込んできた。そのまま入り口を亀頭が出たり入ったりを繰り返すディープキスに私は彼のねらいがなんなのかと確信に変わる。敢えて、ご褒美を与えて私に教えたのだ。どうしたらいいのか、どうしたら──快楽に堕としてもらえるのか。
「ん、私の……お、おまんこに……ご主人様の、おちんぽ挿れてください♡ おちんぽでイカせてください♡」
これまで拒否し続けた本番行為、挿入し膣内の奥まで突かれるという行為を自分から望むという儀式めいたものが必要だった。そして、これを口にした瞬間、私は全ての建前を失った。
「もう、ご主人様以外なにもいりませんから……めちゃくちゃにして、いつでも使える便利なメスとして、飼ってください♡」
「いい子だ紗夜……」
これで、これで私は、ご主人様を守れた。彼を捕まえたりなんてさせない。無理やりなんかじゃない。私は私の意思で彼を受け入れたのだから。私はこれを望んでいる。全ての尊厳を奪われ、踏みにじられ、リードに引かれ一滴も余すことなく受け止めることを。
「ん、ぁあ……♡」
「教えこんだかいがあったよ、処女とは思えないほど、とろとろだ」
「あっ、嬉しい……です♡」
やがて腰と腰が触れ合う。膣が広げられるような異物感はそれすらも快感だった。彼は私の腰や下腹部を愛おしそうに撫で、具合を確かめていた。そして、その手はクリトリスへと伸びていく。
「ひ、ぁ♡ あん、あっ、ん、ん♡」
「そうだ、ただ穴を提供するだけじゃなくて奉仕するんだ、カタチを覚えて、専用になるようにな」
「は、い♡ 覚えます♡ ご主人様のおちんぽ専用のおまんこになるように、いっぱい、躾てください♡」
また、また調教してもらえる。じっくりと身体にご主人様のための反応を刻みつけられる。それは私にとって最上の喜びであるような感覚さえあった。この気持ちすら、ご主人様に調教されてしまっていた。
「紗夜の締まりは最高だよ」
「あっ、ん、ぁあっ♡ ありがとうございます……♡」
「これなら、何回でもイケそうだ」
「ん……っ♡ あ、ください……ザーメン、ご主人様の……っ♡」
少し前まで処女だったことも忘れて、彼のピストンに嬌声を上げ、されるがままに受け入れ、精液を求めていた。何度も絶頂し、射精してもらうために最高のコンディションになるように。
「あっ、あっあっ、ご主人様、ご主人様──っ♡」
「イクよ紗夜、イキっぱなしの専用まんこに、ご褒美の種付けだ」
「は、はい♡ ください、全部気持ちいいって、教えてください♡」
「っく、う──っ!」
「ぁあああ♡ あ、あん、はぁ……♡ 」
奥に押し付けられ、腰が跳ねる。奥まで全て彼の白濁に汚されるイメージは、それだけで絶頂しそうなほどの幸福感だった。
──ああ、これで、私は彼のモノになった。それを実感するように私は彼に、そして自分のナカから出てきた肉棒に口付けをした。
ここで一応区切り、後日談は期待しないで