※この作品はR-18です。

トライアングルプリキュア!   作:鳳凰009

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第八話:トライアングル!

               第八話:トライアングル!

 

1、非情なる魔蛇月

 

 かなめ、なみの危機に、キュアフェニックスが帰ってきた!

 

(天女さんが来てくれた!)

 

 その頼もしい後ろ姿に、かなめ、なみ、そして二人の妖精は嬉し涙にくれるも、直ぐに周りにいるマケンナーの事を思い出し、

 

「フェニックス、お願い!もう時間が・・・マケンナーを」

 

 涙を拭いながら、なみはフェニックスに声を掛ける。なみの言葉を受け、周りのマケンナーを見つめたフェニックスは、既にマケンナーの胸のマークが黄色になっているのに気付くと、

 

「大丈夫!二人の思い・・・無駄にはしない!私が必ず救って見せる!!」

 

 フェニックスの力強い一言を受け、かなめとなみは、安堵の表情を浮かべた。それとは逆に、フェニックスを見たウワバミは、自分の顔を潰したフェニックスが現われた事で逆上し、フェニックスを罵り始める。

 

「貴様ぁぁ!よくも、よくも、あたしの前に・・・殺してやるぅぅぅ!!!」

 

 ウワバミの目が、金色に輝き襲いかかると、逆にキッとウワバミを見つめたフェニックスの目が、金色に輝く。嘗ての出来事を思い出し、思わずたじろぐウワバミに、強烈な右前蹴りを放ち吹き飛ばすと、

 

「今は、あなたに構っている時間は無い!フェニックスの名に於いて・・・この手に宿せ!ファイアーソード!!」

 

 フェニックスの手の上に、火が点ったかと思うと、それが見る見る剣の形へと姿を変えた。剣を軽くピュッと振ったフェニックスは、

 

「魔を焼き尽くせ!プリキュア!ファイアー・フェニックス!!」

 

 フェニックスが、ファイアーソードをマケンナーに向け投げると、剣はまるで生きているように蠢き、炎の鳥となって、マケンナーの群れを、次々聖なる炎で浄化していった。

 

 キュアフェニックスは、嘗てのように邪神の血に飲み込まれる事は、もう無かった・・・

 

 フェニックスは、一段階強さを増し帰って来た!!

 

 

 マケンナーにされた人々を、元に戻したフェニックスは、かなめ、なみを振り返ると、

 

「癒せ!聖なる翼よ!!プリキュア!ヒーリングフェニックス!!」

 

 両手を高々と上に掲げ、振り下ろしたフェニックス、それを合図にしたようにフェニックスの背の翼から分離したかのように、赤き真紅のフェニックスが羽ばたき、かなめ、なみをその翼で包み込むと、

 

「これは・・・力が漲ってくる!」

 

「もう一度、もう一度戦えるわ!!」

 

 かなめ、なみが、チュッチとティティに合図を送ると、頷いた二人から、プリキュアの力が照射される。二人のシャイニークリスタルが虹色に輝いた時、かなめ、なみが同時に叫ぶ、

 

「「プリキュア!デルタフラッシュ!!」」

 

 かなめとなみの身体をプリキュアへと変えていった。

 

「大地の使者・キュアアース!・・・参上!!」

 

「海洋の使者・キュアオーシャン!・・・見参!!」

 

 変身を遂げたアースとオーシャンが、フェニックスの両隣に並び立つと、互いに微笑み合う三人のプリキュア、

 

「三つの心を!」

 

「一つに合わせ!」

 

「「トライアングルプリキュア!」」

 

「・・・・・!?」

 

 アースが右手を横に、オーシャンが左手を横にしながらポーズを取るも、真ん中に居たフェニックスは、何の事か分からず呆然としていた・・・

 

「二人共・・・それは何?」

 

「まあ、名乗りだけじゃ寂しいと思って、あたし達二人で色々考えた結果」

 

「三人揃ったら、これで行こうという事になりまして・・・」

 

「そ、そうなの!?」

 

 アースとオーシャンが、少し照れながらフェニックスに語ると、思わず二人を見たフェニックスは、引き攣った笑みを見せた。

 

「クッ!まだこっちにはスゴイナーが居る!スゴイナー、プリキュア共を倒せぇぇ!!」

 

 半ばヒステリー気味に、兎形のスゴイナーに指示を出すウワバミだったが、三人揃ったプリキュアの前では、最早何の意味もなかった・・・

 

 フェニックスが肉弾戦でスゴイナーを圧倒すると、止めをアースとオーシャンに任せる。

 

「大地の力よ!」

 

「海洋の力よ!」

 

「今、二人のプリキュアと共に!」

 

「聖なる力を解放せよ!」

 

 二人のプリキュアが、まるで光を吸収するように輝くと、

 

「「プリキュア!スパイラル・スパーク!!」」

 

 アースは右手を、オーシャンは左手を回転させていくと、回転が徐々に速くなりスパークし出す。二人は回転を止め、思いっきり腕を突き出すと、螺旋の渦が放電しながらスゴイナーを包み込んでいく。スゴイナーは消滅し、元の兎の姿に戻っていた。

 

(私が居ない間に、二人で合体技を編み出している何て・・・)

 

 驚きながらも、少し見ない間に成長した頼もしい仲間、アースとオーシャンを見つめるフェニックスだった・・・

 

「畜生!お前さえ来なきゃ・・・」

 

 フェニックスを憎らしげに見るウワバミだったが、背後の次元がざわめくと、魔蛇月が姿を現わす。魔蛇月を見たアースとオーシャンは、魔蛇月に対し、厳しい視線を向けた。魔蛇月は、そんな二人を見て口元に笑みを浮かべ見下したように、

 

「フン、さっきまで泣き顔だったのが嘘のようだなぁ!?ウワバミ、フェニックスが現われたとは言え、この失態、どう取り繕う?」

 

 魔蛇月からの刺すような視線を受け、震えだすウワバミ、

 

(ウゥゥ・・・ま、魔蛇月様が怒っていらっしゃる・・・)

 

 どう言いつくろうか考えるウワバミだったが、魔蛇月は、スゴイナーの種を手に持つと、念を込め、ウワバミに投げつけた。魔蛇月が、自分に加勢してくれたと思ったウワバミは嬉しそうに、

 

「魔蛇月様、ありがとうございます!魔蛇月様に加勢して頂ければ、プリキュアなど恐れるに足りません!!」

 

 ウワバミの言葉を聞き、フェニックスは初めて見る魔蛇月を見て、妙な感覚を覚えていた。

 

(あの男が彼女に加勢?とてもそのような雰囲気では無いような・・・)

 

 フェニックスの言葉を頷けるように、突然オーシャンが、敵である筈のウワバミに対し絶叫した。

 

「それに触れちゃ駄目!逃げなさい!!」

 

 ウワバミに逃げるように指示したオーシャンに、アースもフェニックスも、言われたウワバミも一瞬呆気に問られるも、

 

「ハァ?あんた何ビビってんのさ!魔蛇月様の授けてくれたスゴイナーで・・・エッ?」

 

 魔蛇月が投げつけたスゴイナーの種に触れた途端、種はウワバミの体内に吸収され始めた。何が起こったか理解出来ないウワバミは、魔蛇月に顔を向けると、

 

「ま、魔蛇月・・・様!?これは、一体?」

 

「分からんか?お前はもう用済みと言う事だ!せめてスゴイナーと同化し、プリキュアの一人でも倒してみるんだな!!」

 

「そ、そんなぁぁ・・・魔蛇月様、魔蛇月・・・さぁぁまぁぁ」

 

 ウワバミの身体が、醜く変貌していく・・・

 

 ウワバミの手が、足が、触手のように蠢きだし、上半身がウネウネくねりだし、最早、少女だった面影は消え失せていた。ウワバミは、魔蛇月によって、ミミズに沢山の触手が付いたような、醜い怪物へと変貌させられた・・・

 

「酷い!あなたの仲間でしょう!!何でこんな事を・・・」

 

 敵とは言え、惨たらしい姿に変えられたウワバミを哀れみ、オーシャンが魔蛇月を指差し問い詰めるも、

 

「仲間だと?フハハハ、笑わせるな!俺に仲間など居らん・・・俺の役に立てるか、立てないか、利用出来るか、出来ないか、所詮それだけの事・・・さぁて、オロチ八人衆と同化したスゴイナーがどの程度の者か・・・」

 

 魔蛇月の非道な行ないに、拳を震わせるオーシャン、ラミアを、そして今ウワバミを、自分の玩具のように弄ぶ、魔蛇月の事が許せなかった。

 

(この人・・・泣いている・・・)

 

 奇声を発し、スゴイナーと化したウワバミの心が読み取れ、オーシャンの心は痛んだ。すかさずオーシャンの手を握るアース、肩に手を乗せるフェニックス、

 

「此奴はラミアを馬鹿にし、みんなをマケンナーにして弄んだ!それは許せない!!けど、あんたにこの子を好き勝手にする権利は無いよ!!」

 

 魔蛇月を指差し、絶対許さないと啖呵を切るアースとオーシャン、フェニックスも頷くと、

 

「アース、オーシャン、あなた達は、スゴイナーと化したあの子をお願い!魔蛇月は・・・私が食い止める!!プリキュア!トライアングル・フラァァッシュ!!」

 

 フェニックスの叫びと共に、フェニックスのシャイニークリスタルが真紅に輝くと、シャイニークリスタルに、神獣フェニックスの姿が浮かび上がる。神獣フェニックスからの三角形の聖なる真紅の光が、キュアフェニックスを包み込むと、フェニックスの容姿が変わっていた。ブーツは黄色とピンクに、チャイナのような服装はそのままだが、真紅に輝き、翼は更なる力強さを増しオレンジ色に、腕のサポーターはピンクに変貌し、尾翼は変わらないものの、三本から四本へと増えていた。髪は真紅から少しピンク色に変わり、全身を光のオーラが纏っていた。

 

「フェニックス・・・その姿は一体!?」

 

「ひょっとして、神獣を?」

 

 アースとオーシャンの問い掛けに頷くフェニックスは、

 

「ええ、嘗てナーガによって、強制的にオロチの血に目覚めさせられた私は、お姉様やあなた達を傷付けてしまった。その時、力を貸してくれたのが神獣フェニックス!まだ未熟だった私は、フェニックスを纏うことが出来なかったけれど、私が修行の末、オロチの血に打ち勝った時、神獣フェニックスは、私を主として認めてくれた!!これが神獣フェニックスを纏った姿・・・プリキュア!スーパーフェニックス!!とでも言った所かしら?」

 

 フェニックスはそう二人に語ると、魔蛇月をキッと睨み付けた・・・

 

2、トライアングルプリキュア!

 

 キュアフェニックスが神獣を纏った事で、魔蛇月の顔付きが変わった。20年前、天女の母天音が変身したキュアスワンが、神獣フェニックスを纏い、自身と戦った時を思い出す。

 

(あの時のように、再び我が前に現われるとわな・・・だが、20年前の俺と一緒だと思うなよ!!)

 

 魔蛇月の目が金色に輝いた時、プリキュア達に戦慄が走った・・・

 

(何て凄まじい気なの・・・でも、私達は負けない!!)

 

 背中の翼を羽ばたかせ、フェニックスは魔蛇月に突進すると、激しい肉弾戦が開始された。拳と拳が、蹴りと蹴りが相殺されていく。激しい空中戦を続ける魔蛇月とフェニックスだったが、徐々にフェニックスが押され始める。

 

(流石に強い!お母様は、たった一人でこれだけの奴を追い返したとは・・・私は、そのキュアスワンの娘!!)

 

 更に気合いを込めたフェニックスが押し返し、互角の戦いを繰り広げる。

 

(此奴・・・神獣を纏っているとはいえ、俺と互角に渡り合えるとは・・・だが、20年前と同じだと思うなよ!!)

 

 魔蛇月の金色の目の瞳が赤く輝くと、魔蛇月の気が一気に膨れあがり、フェニックスを追い詰めていく。神獣を纏うフェニックスといえど、本気を出した魔蛇月の前では、劣勢に追い込まれていく。

 

 

「フェニックス!彼奴強い・・・」

 

 それを見たアースとオーシャンは互いを見つめると、

 

「オーシャン、あの子を浄化し、フェニックスの援護に向うよ!」

 

「ええ、でも油断しないで!あの敵も・・・強いわ!!」

 

 アース、オーシャンが、スゴイナーと化したウワバミに向き合う。自我を失ったスゴイナーは、無造作に暴れ回りのたうち回った。出鱈目な攻撃の仕方に、戸惑うアースとオーシャン、スゴイナーから無数の触手が、まるで毒の塊のような唾のような物を吐き出すと、それを受けた地表が、ジワジワ溶け始める。触手によって何度も叩き付けられ、ダメージを負っていき、迂闊に近づけず苦戦するアースとオーシャン、

 

「この子・・・自分の姿に、悲しみの声を上げている!」

 

「うん・・・あたしにも何となく伝わってくるよ!オーシャン!!」

 

 オーシャンに合図を送ると、アースの左手と、オーシャンの右手が互いにギュッと握りしめられる。

 

「大地の力よ!」

 

「海洋の力よ!」

 

「今、二人のプリキュアと共に!」

 

「聖なる力を解放せよ!」

 

 二人のプリキュアが、まるで光を吸収するように輝くと、

 

「「プリキュア!スパイラル・スパーク!!」」

 

 アースは右手を、オーシャンは左手を回転させていくと、回転が徐々に速くなりスパークし出す。二人は回転を止め、思いっきり腕を突き出すと、螺旋の渦が放電しながらスゴイナーを包み込んでいく。

 

 だが・・・

 

 スゴイナーから発せられる無数の触手が、二人の合体技、スパイラルスパークを打ち破る。呆然とするアースとオーシャンだったが、表情を引き締めると、

 

「まだまだ!」

 

「私達は!!」

 

「「絶対に負けない!!」」

 

 二人の闘志が、再び神獣を呼び覚ます・・・

 

 二人の雄叫びがハモった時、二人のシャイニークリスタルに変化が起きた!

 

 アースのシャイニークリスタルが、金色に輝くと神獣エイガーが、オーシャンのシャイニークリスタルがエメラルドグリーンに輝くと、神獣レヴィアンが浮かび上がった。

 

(汝らの思い確かに受け取った!)

 

(今のあなた達なら、キュアフェニックス同様、我らを纏うことが出来るでしょう!)

 

(さあ、我らを纏え!)

 

(プリキュア!トライアングル・フラッシュと叫びなさい!!)

 

 黄金の虎エイガー、エメラルドの龍レヴィアンの言葉に頷いた二人は、

 

「「プリキュア!トライアングル・フラッシュ!!」」

 

 その言葉を合図にしたように、アースのブーツが金色に輝くと、虎の模様のように黒いラインが浮かび上がる。徐々に金色の光が上がっていくとアースの服装も微妙に変わり、茶色と金色を主体とした服に変わっていった。

 

 オーシャンのブーツにエメラルドのような光が覆っていくと、横には鰭(ひれ)のような物が付属し、エメラルドグリーンへと変わる。徐々に光が上がっていくと、エメラルドグリーンと青を主体とした服装に変化し、腕のサポーターには鱗のような模様が浮かび上がった。

 

「何だと!?あの二人も再び神獣を纏ったと言うのか?」

 

 フェニックスと戦っていた魔蛇月は、二人のプリキュアも神獣を纏った事に驚愕する。

 

「二人も、神獣に認められていたのね・・・」

 

 フェニックスは、自分が留守にしていた約二ヶ月、逞しく成長したアースとオーシャンを見て目を細めた。

 

「クッ、これは急いで奴らを復活させねば・・・キュアフェニックス!並びに二人のプリキュアよ!勝負は預けたぞ!!」

 

 魔蛇月は次元の狭間へと去っていた・・・

 

 フェニックスは、神獣を纏った二人の側に舞い降りると、ニッコリ微笑み二人を称えた。微笑み返した二人は、スゴイナーとなって暴れ狂うウワバミを見つめると、

 

「三つの心を!」

 

 アースが、

 

「一つに合わせ!」

 

 オーシャンが、

 

「悪しき魔を討つ!」

 

 フェニックスが言葉を発し、

 

「「「トライアングルプリキュア!」」」

 

 アースが右手を横に、オーシャンが左手を横に、そして、フェニックスが右手を高々と上げてポーズを決めた!

 

「行くわよ、二人共!」

 

 フェニックスの掛け声に「はい」と頷いた二人、フェニックスは上空に舞い、アースは右側から、オーシャンは左側から回り込み、スゴイナーを攻撃する。無数の触手でプリキュアに攻撃を仕掛けるスゴイナーを、フェニックスは、ファイアーフェニックスで燃やし、アースは、新技サンダースラッシュで切り裂き、オーシャンは、アイスショックで触手を凍り付かせ、動きを止めた。

 

 上空からフェニックスが、両手の指先を三角のようにすると、嘗てキュアスワンが使った、クリスタルトライアングルでスゴイナーを閉じ込めると、

 

「今よ、二人共!」

 

 フェニックスの合図に頷いた二人が手を再び握り合うと、

 

「大地の力よ!」

 

「海洋の力よ!」

 

「今、二人のプリキュアと!」

 

「今、二つの神獣と共に!」

 

「「奇跡の力を解き放て!!プリキュア!シャイニングフレア!!」」

 

 アースとオーシャンから放たれた、光のエネルギー波は、三角形の水晶に閉じ込められたスゴイナーを直撃し、小規模な爆発を繰り返すと、スゴイナーは、元のウワバミの姿に戻るも、光と共に消え掛けようとしていた。フェニックスはウワバミに近づくと、

 

「敵といえ・・・私は嘗てあなたに酷い行ないをしてしまった・・・これは、せめてもの私からの償いの証・・・癒せ!聖なる翼よ!!プリキュア!ヒーリングフェニックス!!」

 

 フェニックスは、再びヒーリングフェニックスを召喚すると、癒しの翼がウワバミを包み込んだ。フェニックスが再び羽ばたくと、ウワバミの潰れていた顔は、元の少女の顔を取り戻していた。自らの顔を触り満足そうに微笑みながら、ウワバミは光と共に消えていった・・・

 

 三人のプリキュアは、その姿を何処か寂しげに見つめていた・・・

 

 

 フェニックスとピッピも加え、アースとオーシャン、チュッチとティティは、ラミアの亡骸を引き取りに向うと、そこでオロチ八人衆の一人で、天女の父、羅蛇と遭遇した。表情を引き締めるアースとオーシャンに対し、フェニックスはペコリと羅蛇に頭を下げると、

 

「お父様・・・あなたのお陰で、何とか二人を救う事が出来ました!その事は感謝致します・・・ですが、まだ真実を話しては下さらないのですね?」

 

「もう間もなく、お前達にも私の本心を語る時が来るだろう・・・キュアアース、キュアオーシャン、ラミアが世話になったな・・・後は俺が弔おう!!」

 

 フェニックスは、父である羅蛇への蟠(わだかま)りはもう無くなっていた・・・

 

 フェニックス、羅蛇の会話を聞き、顔を見合わせながら驚いた二人は、

 

「フェニックスに、天女さんに、あたし達の状況を知らせたのは、羅蛇、あなただったの?」

 

 アースの言葉に「そうよ」と頷くフェニックス、

 

「それに、ラミアさんを弔うって・・・一つ聞いても良いですか?」

 

 オーシャンは何処か硬い表情ながら、羅蛇に対し質問をしてみると、羅蛇は言って見ろとオーシャンを促した。

 

「魔蛇月はこう言っていました・・・ラミアは、俺と羅蛇、ナーガが作りし人工生命体だって!ひょっとして、あなたなら・・・ラミアさんを生き返らせる事が、出来るのではないですか?」

 

「本当、オーシャン?」

 

 オーシャンの言葉に驚くアース、フェニックスも驚きの表情を浮かべ、父羅蛇の返答を待っていると、

 

「そういう意味では、ラミアを生き返らせるだけならば可能だ!だが、それはお前達が思っている事とは違う!」

 

 ラミアを生き返らせる事が出来ると聞き、嬉しそうな表情に変わったアースとオーシャンだったが、羅蛇の意味深な言葉に表情を曇らせる。戸惑い顔のオーシャンは、

 

「どういう事でしょうか?」

 

「ラミアは、お前達を助ける為に、体内に闇の力を吸収しすぎた。仮に甦らせても、もうお前達が知っているラミアでは無いという事だ!言わば、ラミアという器の中に、別の人格が宿るといえば分かりやすいか?それこそ、最初に魔蛇月が俺に頼んだ、感情を持たない忠実なる破壊マシーンと化す者・・・闇の力で再び甦らせるとはそういう事だ!!それは、ラミアも、お前達も望む事では無いだろう?」

 

 羅蛇の言葉に、返す言葉を失うアースとオーシャン、ラミアを見つめる悲しげな視線を見て、フェニックスも自分の事のように胸が痛んだ。だが、何かを思い付くと、フェニックスが羅蛇に質問をした。

 

「お父様・・・もし、もし、彼女を、光の力で闇の力を中和したとすればどうでしょうか?私同様、完全に闇の力を消し去る事は不可能でしょうが、天空、大地、海洋、三人のプリキュアの力を使えばあるいは・・・」

 

「プリキュアの力を、ラミアに分け与えようと言うのか?確かにそれならば可能性はあるが、三人の女神が認めまい・・・だが、可能性が全く無い訳では無いだろう!俺がラミアを弔おうと思っていたが、どうやら余計なお世話だったようだな!ラミアの亡骸は、お前達に託そう!!」

 

 羅蛇はそう言い残し、次元の狭間へと去っていった。

 

 その姿を見送った三人のプリキュアは、手を握り合うとラミアの胸に翳し、念じ始めた。

 

「天空の力よ!」

 

「大地の力よ!」

 

「海洋の力よ!」

 

「「「そして、偉大なる三人の女神達よ!我らに力をお貸し下さい!!」」」

 

 フェニックスは真紅に、アースは黄金に、オーシャンはエメラルドグリーンに輝き、プリキュアの力を、ラミアに向けて解放する。だが、ラミアの心蔵が再び動き出す事は無かった。オーシャンは、ラミアの亡骸をフリージングして凍らせると、一同はラミアを連れ、柳生家に向うのだった・・・

 

 ラミアが必ず目を覚ますと信じて!!

 

 

             第八話:トライアングル!

                  完

 

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