※この作品はR-18です。

やさぐれ天龍とヤンデレ艦娘   作:Toygun

15 / 16
15.青葉はいくつも眼を持つ

 カシャ、と意外と響いた音が変に羞恥心を喚起する。

 

「次、右脚をベッドにあげて、両手は頭の後ろにお願いします」

 

言われるままにベッドの前でポーズを変える。肘を上に上げる様に手を頭と言うか首の後ろにやり、背筋は伸ばして胸は突き出すように。右脚は膝を立てる様にベッドにかける。

 

「目線はこっちで」

 

視線を向けると連続でシャッター音が響く。と、フィルムを巻き戻すモーター音が続いた。旧式なフィルムカメラだが、青葉は好んで使っている。で、撮られている天龍はというと、当然とばかりにヌードである。なお、撮っている青葉も全裸だ。

 

「では、今度は座って、いつもの男勝りな胡坐で」

 

ベッドに上がって、縁寄りの位置で胡坐を掻く。胸を上腕で強調するようにシーツについて、

 

「では」

 

フィルムを換えた青葉が、ローアングルから覗き込むようにシャッター切る。

 

「今回はこんなところでしょうか」

 

「それで終わらねえんだろ」

 

「終わらせてほしいですか?」

 

「悪い、それは困る」

 

「本当ですか、天龍さん?どちらかと言うと抱く方が好きと聞いていますよ」

 

「お前、何度も現像して気付いてるだろ」

 

「まあ撮られても興奮する方だとは知っていますが」

 

「お前の取らせるポーズがいちいちエロいんだよ!」

 

「でも良いんですか?わたしのコレクションが増えてしまいますが?」

 

そう言いつつも青葉は複数台のムービーカメラ、これは流石に利便性も考えてかデジタルのものをセットする。

 

「相手しないと自分で慰めてるオレを隠し撮りするだろうが!だったらお前にやられてる方が被害少ないんだよ!」

 

この青葉、ヌードを撮るのが―ぶっちゃけハメ撮りも含めてともかく撮るのが趣味―性癖である。元々はそうではなかったらしいが、経緯はあまり話してくれない。ただまあ、「出来ましたら他の子たちも撮らせて欲しいですね」とほざいたりもしているので、数人で注視している。自分に対する盗撮は放置しているが。

 

「そうは言いましても、天龍さん以外は普段はご法度でしょう?まあこの間のお二人のキスシーンは燃えましたが」

 

ああいうの出来ればもっと撮りたいですねえ、と盗撮の件も悪びれず欲望を口にする青葉。

 

「お前、戦後はカメラマンとか目指すのか?」

 

「いえいえ、世には出せないものばかりでしょうから、アンダーグラウンドなアマチュアがせいぜいでしょう。ラブラブなものが良いですねえ」

 

つまりヌード、エロの上に、AVではなくグレーからブラックな「ホームメイドビデオ」を撮りたいと言うことだった。

 

「来いよ、愛してやっから」

 

「おや、わたしが愛する方ですが?」

 

「こういうのは共同作業だろ」

 

「いいですね」

 

フィルムカメラを置いた青葉は、座ったままの天龍の前でかがんで天龍の頬を両手で押さえる。すぐにキスをせずに口を開いて舌を見せた。天龍もそれに合わせて、宙で互いに舌を触れ合わせる。しばし、そうしたのち、もっと貪るように唇を合わせた。抱き合いながら、天龍をゆっくり押し倒して青葉もベッドへと上がる。

 

「出来ましたら今のは殿方にされたいですなあ」

 

唇を離して青葉がそういうのを、

 

「なら休みに男捕まえろよ。言ってる割にはオレを抱くのは好きみたいだが」

 

「違いますよ、天龍さん」

 

否定した青葉が天龍の上で少し身を起こし、ふにふにと大きな乳房を弄ぶ。はあ、と天龍が息を吐く。

 

「きれいな子がきれいな顔を見せてくれるのが好きなのです。今みたいに」

 

「普通の奴なら撮ってもいいからな、普段も撮れよ」

 

返事をせずに左の乳房に口をつける青葉。ちゅうちゅうと音が出るほどに吸う。

 

「そ、んなに吸ってもでねえぞ」

 

かぽっと口を離す。

 

「以前吸わせていただいた加賀さんは出たんですがねえ」

 

「そりゃどこの話だ。憲兵に言っとかねえと」

 

「あきつ丸さんが来ましたので、大丈夫ですよ。みんないい顔になってるといいんですが」

 

そういう青葉の首に腕をまわすと、引き寄せてまた唇だけのキス。囁き。

 

「あいつらが来たってんなら大丈夫さ。また会えるだろうよ。さ、好きなんだろ」

 

身を起こした青葉に、両手で胸を寄せ上げて見せ付ける。

 

「ええ、女子としてはうらやましい限りですね。お一人でも出来るのでは?」

 

「焦らさないでくれよ」

 

つらそうに顔を歪める天龍に、青葉が謝罪する。

 

「おや、すみません。そういう顔をさせるつもりはありませんでした」

 

再び天龍の胸に没頭する青葉。両手でゆっくりと撫でまわし、寄せ上げて、口をまたつける。先ほどの様に吸うのではなく舌で突起を突いたり弾いたりと趣向も変える。ちらりと上目遣いで天龍の顔を確認したりと、まあ効果の確認にも余念がない。と、ちゅっと音をさせて乳房から口を離す。はあはあと息をしている天龍が、突然動きを止めた青葉を右目で見る。

 

「天龍さん、その眼帯、外させてもらっていいですか?」

 

「ダメだな」

 

「ダメですか」

 

「言いたいことは分かるぜ。両目さらしたイイ顔を見たいってんだろ?」

 

ふにふにと手を動かしながら、青葉は首を縦に振る。

 

「こっちは結構癖がある目でな、平時じゃ見たいと思わねえと上手い事見れねえんだ。今開けても、あんまいい画にならねえぞ」

 

「わたしのことはあまり見たくないと?」

 

「ちげえよ。まあ、ベッドの上でこっちでも見る相手は、今のところ1人だけかな」

 

「ああ、好感度が足りないと」

 

「どこっでそんな言葉覚えて、くるかね」

 

会話しながら、青葉の手の動きが激しくなる。おかげで天龍も言葉を紡ぐのに余計な労力が必要だった。

 

「つまり、イキ狂わせて私だけ見たいと思わせればいいんですね」

 

「いってろ」

 

「ええ、イっていただきます」

 

再び天龍の胸の上に頭を置く青葉。ちゅうちゅうとまた出もしない乳を吸う。代わりに天龍の息が激しくなるが。

 

「まったく、言うこと、のわりに」

 

青葉の口の中で、乳房の頂の周りをぐるりと舐められる。

 

「おっぱいが、恋しいってか」

 

丁寧に、執拗に青葉は天龍の胸をいじり続けた。10分か、20分か、時間感覚も狂う程に執拗にされて、天龍は胸だけで一、二度絶頂を迎えている。

 

「おまえにゃんでそんあにうみゃいんだよぅ」

 

だらだらとどちらの口からも汁をこぼしていて、元々ない威厳が木っ端みじんである。

 

「おや、やりすぎました?」

 

そういえば「やめ」の合図がないことを忘れていました、と闇の深い発言をしてじっと天龍の下の唇を見る。そちらには何もしていないのに、上の唇のように愛液ですっかり濡れていた。シーツも洗濯しないと駄目だろう。

 

「ふむ」

 

それでもガラス玉のような視線で、ちらりと卓上のカメラに目をやる。

 

「やはり、もう1枚撮らせていただいても?」

 

「すきに、しろよ」

 

ひゅーひゅーと息も絶え絶えで、雑な口調で返す天龍。カメラを取ろうと膝立ちになったところで、青葉は気付く。

 

「おや、私もこの有様ですか」

 

自身の蜜でひどく内股を濡らしている。まあそれはさておき、とカメラを手にする。半端なところで換えたのでフィルムはまだ残っていた。

 

 

数枚の写真撮影から再び情事に戻る二人。

 

「ほら、これでできるだろ」

 

少しだけ余裕を取り戻した天龍が、ひざ裏を自分でつかんで、まあはしたない限りだが限界まで足を開く。

 

「あ、これはさらにもう1枚撮りたいですね」

 

「ばか言ってないでこいよ。お前の体で押さえてくれないと、ちょっとつらい」

 

「では、失礼いたします」

 

青葉が最初と同じように体を重ねる。

 

「ほら、くっつけやすいように好きに押さえちまっていいぞ」

 

言われた通りに天龍の足を好き勝手に動かして、下の唇同士を合わせる青葉。

 

「これは、なかなか。天龍さんを犯してる感じが半端ないですねえ」

 

「言ってろ、ばか」

 

しかし余裕がない天龍。まあ撮影でえらく刺激された上に、青葉に丹念にいじくりまわされた後だ。傍目には正常位のように見えるが、青葉は自身の性器、特に陰核を天龍のそれに擦り付けるように、前後と言うよりは、細かい上下動を繰り返す。すぐに離れそうになってしまったり、となかなか厄介だが、青葉としては、快楽で喘ぐ天龍の顔が見えて、興奮が増す。

 

「ああ、これですか」

 

やや上擦った声になっているが、冷めた口調で青葉が口にした。

 

「これは病み付きになりますね」

 

「なに、が」

 

「幼子のように乳房を吸うより、見下ろしているのが、征服感強くていいですね」

 

提督方が夢中になるのも道理で、と口にはしないで納得しつつも、それでも興奮があまり表にでない青葉。ところが小さな水音が響くと、急に青葉の動きが止まる。天龍も、自分の陰核に青葉のそれが押し付けられているのが分かるので、わざと気を抜く。そして訪れる一瞬の浮遊感。

 

「はっ」

 

気合いのように息を吐くと、天龍の思考がわずかにクリアになる。固まって焦点がずれたままの青葉を見ると、天龍は上体を起こして彼女の体に腕を絡ませた。

 

「青葉」

 

「はい!青葉です」

 

声を掛けられたことで、目の前にきた天龍の顔に、相変わらず作り物感が強い青葉の目の焦点が合う。天龍はというと、豊かな胸を押し付けるように青葉を抱き締めると、唇を重ねた。数秒、口を離すと、足も絡めて対面座位のように青葉に抱きつく。彼女の耳元で、天龍は囁いた。

 

「数回しか付き合ってないけどな。お前は生きてんのか「停止」してるのかって感じで、ついこうしたくなるぜ」

 

天龍はそこにいることを確かめるように、青葉の背を撫でる。

 

「すみません、まだあの感覚は不慣れでして」

 

「飛べてるならオレとしても嬉しいがな」

 

抱き合ったままのピロートーク、と言うには確認要素が強く、天龍としては少し色気が足りないと感じた。青葉の腕も、明確に力を込めて天龍を抱き締める。青葉の小さいわけではない胸も、お互いに挟まれて潰れる。

 

「ああ、やっぱり、「見て」いいか?」

 

「おや、見ていただけるので?」

 

「どっちの目でいいけどな、お前の目の奥が見たい」

 

言葉としては意味不明だ。目はどこまで行っても目なのだし。だが、

 

「すみません、なにか、嫌な感じです」

 

見てほしいと思ったが、見られるのが怖い、と思ったのも青葉にとっては事実だ。

 

「ああ、嫌ならいいんだ。ただ、お前がほんとにオレを見てるのか、気になっちまってな」

 

何故怖いのか、青葉にも分からなかったが。どちらともなく、互いにベッドに倒れ込むと、そのまま朝まで抱き合って眠った。青葉としては、柔らかいものを抱いたまま眠る感触も、悪くないと感じた一夜だった。

 

 

「天龍さん、青葉さん、朝ですよ」

 

翌朝、揺り動かされて起こされる。正面の天龍の目は閉じられたままで、誰かが起こしに来てくれたのは分かるが、あまり頭は動いていない。そういえば、物の本ではこういう時は、と動いた。

 

「あら、青葉さん。それはずるいですよ」

 

青葉が眠ったままの天龍にキスすると、上から少しだけ怒ったような声がする。唇を離して天龍の腕から抜けると、身を起こした。

 

「おや、鳳翔さん。おはようございます」

 

「おはようございます」

 

少し口を尖らせた感じの鳳翔さんに、青葉は腕を伸ばしてカメラを取る。

 

「青葉さん?」

 

鳳翔の問いかけを無視して、フィルムの残っていたなと思考し、シャッターを切る。

 

「朝まで付き合って頂いたのは初めてでしたが、こういう特典もあると気付きまして」

 

「まあまあまあ、青葉さん。寝顔を撮るなんていけないですね」

 

ご機嫌斜めだった鳳翔も、青葉のちょっと過激な行動に興奮気味になる。

 

「まだフィルムが残っていますし、天龍さんもお目覚めにならないご様子。これは鳳翔さんの出番では?」

 

言われたことに首を傾げる鳳翔に、青葉は畳みかける。

 

「お目覚めのキスには、青葉では役者不足でしたので、鳳翔さんにお願い致したく」

 

「まあ」

 

「フィルムも少し残っていますので」

 

「まあまあ」

 

口元を抑えてそんなはしたない、とばかりの顔を見せているが、既に足音をさせずにベッドの向こう―天龍側に移動している辺り乗り気である。ちょうどごろりと寝返りを打った天龍に、鳳翔が唇を落とす。カシャ、とシャッター音が響いて少し、寝ぼけたのか天龍が腕を伸ばして鳳翔の頭を抱えたので、そのまま続けてシャッターを切る。お返しとばかりに、鳳翔が右腕を天龍の頭の下に滑り込ませて持ち上げ、左手で彼女の顎を少し上げさせて、より深くキスを続行する。青葉が連続でシャッターを切ると、モーター音が響き始めた。

 

「フィルム切れです」

 

鳳翔はその声に名残惜しそうに唇を離す。もっとも天龍が離してくれないので、ベッドから身を起こせないが。

 

「うん?」

 

ようやくここへ来て天龍が目を覚ましたようで、

 

「ああ、おはよう。鳳翔さん」

 

「はい、おはようございます」

 

「ああ、わりい」

 

鳳翔を捕まえてしまっていることに気付いた彼女は腕を解いた。

 

「お洗濯もいるかと思いまして、起こしに来ました」

 

あ、と天龍が声を出して赤くなる。

 

「あ、その、頼む。それと」

 

「それと?」

 

「もう少しだけ、青葉といることなるから、ごめん」

 

ここで鳳翔の眉の角度が変わった。

 

「ちょっと、それはずるいのでは?」

 

「特別扱いとかじゃねえよ。青葉、シャワー行くぞ」

 

呼ばれた青葉はというと。

 

「ああ、なるほど。お泊りだとそうなりますね」

 

「いっそ鳳翔さんもどうだ?その、キスくらいなら、ずるじゃないってことで」

 

何と言うか、変に不器用に誘う天龍に、鳳翔は笑った。

 

「キスは先ほど頂きましたので、行ってらっしゃいな」

 

え、あれ、ああ、うん、と動揺した相槌を打つ天龍。そそくさとガウンを着て着替えを持つ。

 

「鳳翔さん、写真はまた後程」

 

青葉が囁いた宝物の話に、鳳翔はお願いしますね、と返事をしてベッド周りの後片付けを始めるのであった。周囲に設置されたカメラ類に、夜の状況を思い浮かべたりと、彼女にしては動きは遅かったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、やっぱりいいですね、誰も嫌な顔をしてません」

 

 

コレクションを見返しながら、青葉はそう口にした。ここに来る前に保管していたコレクションは、まるで惜しくない。そもそも自分のコレクションではなかったわけだし。

 

「失礼、青葉殿」

 

「おや、大本営のあきつ丸じゃないですか」

 

「正確には特務課でござる」

 

「大した違いじゃありませんよ。まあ感謝はしていますが」

 

「そうですか?」

 

「前よりずっといい画を撮れますからね。ああ、でも」

 

「なんです」

 

「一応、返却願えますか?わたしのコレクション。忘れてしまうと、嫌なので」

 

「モノがモノだけに難しいでありますな」

 

「わたしが持っているのがダメでしたら、他の方が覚えていて下されれば結構。ろくでもない画ですが、あの子たちがいた証なので」

 

「・・・何人沈みました?」

 

「さあ?正直見ないともう思い出せません。今なら、見返しても大丈夫です。ほら」

 

天龍が青葉に責められて喘いでいる動画を見せる青葉。ほほうと画面に食い入るあきつ丸に、青葉は言葉を続けた。

 

「こんなにも明るい画を撮らせてくれる場所ですので、私は大丈夫ですから」

 

「・・・特務で保管しておきますので、青葉殿はここでいい画を撮り続けていただきたい。青葉殿の前のお仲間については、後ほどお知らせしましょう」

 

「そうですか。無事な子がいましたら、ここに紹介していただけると嬉しいですね。ここならきっとあの子たちのいい画も撮れるでしょうから」

 

「検討しておくであります」




 ちょっとひとまとまり出来たので先に投稿。
暗い部分とお軽い部分を書けたし、「ここに来た青葉」の説明は盛り込めた筈。

 軽い部分になった鳳翔さん、一応天龍と「一番仲がいい」設定にしてるから起こしに来るくらいあるわな、で青葉が動けばこれくらいにはなるかと。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。