まつろわぬ神が性に忠実に生きるのは自然 作:一休
リリアナが解放されたとき、すでに彼女はリリアナであってリリアナでなくなっていた。あまりにも激しい初めての記憶が、彼女の精神を蕩けさせる。思い出すだけで、身体が熱くなってしまう。
人間であるリリアナは、そもそもゼウスに抗うことができないのである。とくに、《蛇》に近しい魔女であるリリアナは《鋼》の強制力を強く受ける。
『まつろわぬ神』の探索隊は彼女を残して全滅。
そして、リリアナは、『まつろわぬ神』と出合ったことによる心身喪失ということになった。
様々な検査の後、リリアナはしばらく療養することに決まった。
《青銅黒十字》の次代を担う逸材であり、現在のトップの孫娘である。無理はさせられない。『まつろわぬ神』と出会い、仲間を殺されて唯一生き残るということがどれほど辛い経験だったか。魔術師である大人たちにはよく分かっていたのである。
リリアナがやって来たのは、イタリアのトスカーナ州にある小さな農村である。
傷心旅行というわけではないが、落ち着いた環境で心を休める必要があるという上の判断に従いながらも、行き先は自分で決めた。しばらく学校も仕事も休んでのんびりするつもりである。
アレッシアはどこにでもいるような普通の女子中学生である。トスカーナ州の片田舎の農村で生まれ育ち、今に至るまで都会に出た経験は一度もないという田舎娘だ。
顔立ちは整っているが、お洒落に疎く、憧れはあっても手が出せないので彼女の可愛らしさに気付く者は意外と少ない。
校則に定められた三つ編みのお下げ髪を腰まで垂らしていることを除けば、手を加えている場所はない。
それでも、目ざとい親友は、彼女の垢抜けた気配を感じ取っていた。
あの、礼拝堂とそこにいる犬にしか興味がないような田舎娘にも春が来たかと、親友は生暖かく見守っていた。
イタリアの学校は午前放課のところが多い。アレッシアの通う学校も例に漏れず午前中に授業を終えてお開きになった。部活動すら存在しないので、彼女はそのまま帰宅した。
そして、身支度を整えるとアレッシアは小さな礼拝堂に向かって歩き出した。十二世紀ごろに建てられた小さな石造りの礼拝堂だ。周りには何もなく、広々とした畑が広がっているだけである。
アレッシアにとって大切な場所。二人の恩人が、大切にした場所である。
一人目はテンプル騎士団系の老魔術師。
アレッシアの眠れる才能を引き出し、簡易的な魔術を教えてくれた人である。そして、もう一人。厳密には一柱というべきだろうが……
「あ、この気配……もしかして」
アレッシアは駆け出した。
田舎道を駆け抜けて、礼拝堂の中に飛び込む。そして、息を整えて中を見る。黒い聖母像の前に、黄金と白の衣装に身を包む青年が立っていた。
「おかえりなさい! ゼウス様!」
無邪気に、彼女はそう言って恩人の名を呼んだ。
アレッシアは魔術が使えるというだけのただの中学生だ。両親はおろか、系譜を十代遡ってみても魔術と縁のある者は出てこないほどで、代々この地で農業を営んできた。平々凡々とした日々の中で、魔術に出会ったのは幸運とも言えただろう。
アレッシアは礼拝堂の主が死んでからも、毎日ここを掃除して綺麗にし、老魔術師が残した使い魔のシベリアンハスキーの世話をしっかりとこなしていた。
とある不安を抱えながら。
ふらりと現れた青年は、この世の者とは思えないほど美しかった。アレッシアの周りにあれほど神々しい青年はいなかったし、テレビや雑誌で見る俳優やモデルと比べても、青年の存在感は圧倒的だった。
アレッシアは、彼を見た瞬間に『神』の存在を信じた。老魔術師が言い残した『まつろわぬ神』という超越者たち。礼拝堂の下に封じられているかもしれない者と同等の、いや、それ以上の存在。
そして、アレッシアは不躾にも、彼に頼んでしまったのだ。礼拝堂の下に眠る神様をどうにかして欲しいと。
その日、アレッシアは『主』を捨てた。
異教の神にすべてを捧げ、終生仕えると決めてしまった。
「はあ、あああ~~~~~~」
アレッシアはゼウスの腰の上に自らの腰を降ろして恍惚の声を漏らした。
ゼウスの肉棒を咥え込むのは、これが二度目。一度目は破瓜の痛みと初めて味わう快楽のために意識が飛んでしまったが、二度目の今回は大丈夫そうだ。ゼウスが加減してくれていることもあるが、性感すら知らないような初心な頃と違い今のアレッシアは中々に淫らな女になっていた。すべてはゼウスが彼女の幼い肉体に快楽を教え込んだことが原因である。
「久しぶりであろう。どうだね」
「は、あい。すごく、気持ちいいですぅ。お○んちん、久しぶりでぇ~。おなか、溶けちゃいそうですぅ」
アレッシアは下腹部に手を置いて、そこを摩った。
「えへへ、ゼウス様のお○んちん。ここに入ってます……ん、ぴくんて動いて、ああっ、ふ、ふとっくて、好きぃ」
アレッシアは辛抱堪らぬとばかりに腰を振り始めた。
ゼウスの首に腕を絡めて抱きつき、自らの腰をくねらせてゼウスの肉棒を責める。
「ふあ、んあ、ふあ、あああ、あ、ぜ、ゼウス様……どう、ですか……あ、ん」
「ああ、中々によいぞ。それに、ここも大きくしているではないか。成長期かな?」
「あ、そこは、あん! だめ、ですよ、そんなふうにしちゃ」
可愛らしい乳首をゼウスは唇で挟み、吸った。胸が以前に比べて僅かに大きくなっているのを見て取ったのである。
「すっかり淫乱になってしまったようだな。アレッシア」
「んあああ、そんな、これはゼウス様が……んあ、ふうぅん。ひうっ、あ、そんなにしたら……」
「俺にはわかるぞアレッシア。俺のいない間に、どうしていたのか。神を欺けるとは思うでない」
ゼウスはアレッシアの尻を叩いた。肉を打つ音が礼拝堂に響く。
「ああん! ご、ごめんなさい、ゼウス様! じ、自分でしてました! ひ、一人で、ああ、んん! ゼウス様のが、忘れられなくてぇ」
ゼウスがアレッシアの乳首を噛み、胸を激しく揉む。ぐじゅぐじゅと肉棒が出し入れされて、アレッシアは上下に身体を揺さぶられて鳴いた。
「どこでしたのだね?」
「ひ、あ、んん、ば、バスルーム。あと、ベッドの上で……んあ、はっ」
「他にもあろう」
尻を再び叩く。アレッシアは痛みよりも嬉しさを感じて嬌声を上げる。
「は、はいいい。ほ、放課後の教室で、つ、机の角で、しました!」
「ほほう、それはまた。気持ちよかったか?」
「す、ごく興奮しました。ひぐ、あ、あふん、あああっ、は、はげしっ、きゃああ」
自分の恥ずかしい過去を暴かれて、アレッシアは羞恥に顔を赤くする。さらにゼウスの肉棒が膣内で膨らみ、腹部を圧迫する。カリ首がゴリゴリと擦れ、愛液が掻き出されてしまう。
「んあああああ、んおおおおおおお!」
「そうれ、こんなのはどうだね」
ゼウスはアレッシアの尻を両手で捕らえると、思い切り肉棒の根元まで押し込んでしまった。
「ほぐあおああああがああっ」
「まだまだ」
その状態のまま、ゼウスはアレッシアを「の」の字に動かす。
「うあああああああああああああ、それぇ、それ好きぃ! すごすぎぃ!」
膣内で肉棒が様々な角度になるために、アレッシアの小さな膣内はむりやりに押し広げられ快感が増幅する。
よほど気持ちがよかったのか、アレッシアはこれで絶頂を迎えてしまった。
「う、あああ……」
「ふう、アレッシア。マリア像の前で淫らに乱れたものだなあ」
「え……あぁ」
アレッシアは目を見開いて黒いマリア像を視界に入れた。
禍々しくも神々しいマリア像。幼い頃から崇拝してきた信仰の対象。彼女は、もともと生粋の十字教信者。老魔術師に出会うまでは、神は天に在す父なる神以外にはいないと思っていた敬虔で素朴な信仰心を持っていたのである。
「あああ、申し訳ありません……マリア、様ぁ」
「ほうほう、君は確か棄教したはず。まだ、マリア像に祈るか」
「ひあ、ち、が。ゼウス様。今のは……んああああ」
強めに乳首を摘み上げる。
「幼い頃からの癖か。ならば、今のうちに抜いておけ。俺のモノになるのであれば、お前は俺に対してのみ祈らねばならぬ」
ゼウスの肉棒が二つに割れ、一方が触手のように伸びてアレッシアの肛門から中に入り込んでいった。
「は、はいいいいい、んあ、くは、かはっ。あが、ぎああああ!?」
「初二本挿しよ」
「んぎいいいいいいいいいい、あああ、壊れ、る。壊れちゃいますぅうぅうぅううう」
「大丈夫だ。多少苦しいだけ、すぐに慣れる」
尻と膣内をゴリゴリと抉られ、アレッシアは身悶えする苦しさと快楽に襲われていた。そして、苦しさも慣れてきた途端に快楽に変わり、単純に二倍の気持ちよさが襲ってくる。もはや頭の中がチカチカして何も考えられなくなる。視界に映るマリア像も、どうでもいいと思えるほどに、彼女は追い込まれていた。
「んんー、ああああ、気持ちいいです! ゼウス様っ! ぐじゅぐじゅで、ふあああああああああっ!」
「たいした乱れよう。実によし……む」
アレッシアはふやけた笑みを浮かべてゼウスの唇に舌を伸ばしてきた。性的興奮から粘性を帯びた唾液が舌の上で光っている。
「はああ、はああ、れうす、さま。きす、してぇ。れろぉ」
れろれろと、アレッシアはゼウスの唇を舐め回す。これほどの逸材が地方に眠っていたかと、ゼウスは半ば感動した。
ゼウスは、アレッシアの頭を掴むと、その舌を吸い、唇にむしゃぶりついた。
「んんー、じゅるる、ぷちゅ、んああ……んふー、んふー、んふー」
アレッシアは息を荒げて舌を激しく動かす。ゼウスの口の中で、自らの舌を暴れさせる。舌を絡めて、じゅるじゅると唾液を啜った。
「ゼウス様の唾ぁ、美味しいですぅ~。んあはっ、あはあ、あー、あああ、きちゃううううう、むふうううう!」
ゼウスはそんなアレッシアの舌を今一度吸う。
アレッシアはそのまま白目をむいて、絶頂に達した。
「ふうううううううううううううっ!」
どさ、と脱力したアレッシアがゼウスに体重を預けた。ゼウスはアレッシアの膣内と尻から肉棒を抜き、その身体を白く染めた。いやらしい獣の臭いに礼拝堂が汚れていく。
「あへえ、……気持ちいい……です」
恍惚とした表情で、アレッシアは呟いた。
ゼウスはそんなアレッシアの頭を撫でる。
「それでは、アレッシアよ。紹介しよう」
「んあ?」
アレッシアがゆっくりと身を起こす。ゼウスが指し示す方向には、いつの間にそこにいたのか、青と銀の少女がいた。
「ひ、やっ」
アレッシアは脱力した身体に鞭打って立ち上がろうとし、腰砕けになって尻餅をついた。
「い、いいいいいいいつの間に!?」
「彼女の名はリリアナ・クラニチャール。この国では非常に有名な魔術結社に属する大騎士という位階にある魔女だ」
アレッシアは行為を除き見られて顔を赤くするが、ゼウスはお構い無しにリリアナの紹介をした。
アレッシアはすぐに服を纏って、尋ねる。
「魔女? 魔術師じゃなくて魔女ですか?」
「うむ。魔術師と魔女はまあ、ほとんど同じだが、魔女のほうがいろいろと幅広く術が使える。故あって、リリアナはしばらくこの村で暮らすことになるので、この礼拝堂を貸してやってくれ」
「わ、わかりました。ゼウス様」
アレッシアは頷いた。
「リリアナよ。近こうよれ」
「う……はい」
ゼウスに篭絡されたリリアナは僅かな逡巡の後に、ゼウスとアレッシアの下まで歩み寄った。
「よしよし、リリアナよ。見せてみろ」
「ッ……」
リリアナは目を瞑り、羞恥に耐えながら、命令どおりに下着を下ろしていく。
うわあ、とアレッシアが目を丸くした。
「アレッシア。感想は?」
「え、あ、えっと、リリアナさん、糸引いてますね」
「ッ」
リリアナは唇を噛んで目を背けた。
リリアナの下着はすっかり濡れて、愛液が秘所から滴り落ちていた。アレッシアとゼウスの情事を見て、興奮していたのだ。
「ゼウス様。この人も、巫女さんなんですか?」
「ああ、そうだ。俺に仕えるという点ではお前と同じだよ。アレッシア。まあ、順序で言えば、お前が先輩なのだがな……さて、リリアナ。どうしたい?」
「く、……う、ゼウス様のお○んちんをわたしにください……」
消え入りそうな声で、リリアナはそう言った。
そして、リリアナはマリア像の土台に手を突いて、ゼウスに尻を向けた。
「くく、信仰対象の眼前で行為に及ぶというのもそそるな。まあこの像はあくまでもカモフラージュのためのものでしかないのだが」
黒い聖母像は、この直下で封印されていたアルテミスの神獣を抑えるためのものである。もともとがギリシャ神話の神のために造られた歪な礼拝堂なのだ。
「アレッシアよ。よく見て、研究するのだ」
ゼウスはそう言って、リリアナの膣内に肉棒を押し込んだ。
「んああああああっ!」
礼拝堂にリリアナの嬌声が響き渡る。
「よし、根元まで入った。くく、よき肉だな、リリアナ」
ゼウスはリリアナの染み一つない尻肉をもみながらそう言った。そして、ピストン運動を開始する。
「は、ふ、ふ、ふう、ん、くあ……んあ……ぐ、ふわあっ」
リリアナの小さな身体が揺さぶられ、形のよい乳房が揺れる。じゅぼじゅぼという淫らな音が股から溢れ出て、愛液が太ももを伝っていく。
(これが、エッチなんだ……)
人の行為を生でみるのはアレッシアにとって初めてとなる。
ゼウスに愛してもらうのとも、教室で一人、誰かに見れらやしないかと思いながら腰をくねらせるのとも違う興奮がここにはあった。
(リリアナさん、真面目そうな顔して……すごい)
リリアナの顔はすっかりふやけてしまっていた。初め見たときの固い印象とは大違いである。
「んああああああああ、あ、あ、あぁあ、うはああああああ、ぎもぢいいいぃいですぅう」
リリアナもまた腰を振ってゼウスに応える。
(気持ちいいとかいっちゃってる。エッチな人だぁ)
リリアナの痴態を見て、アレッシアも身体が火照ってきた。
「ん、ふぅ……んっ」
自分でも驚くくらいあっさりと、自慰を始めてしまう。くちゅくちゅと、ゼウスに犯されたばかりだというのにアレッシアの膣口からは愛液が滲み出ていて、新たな肉棒を欲しがっていた。
「ふうんっ、んあ、ふっ、はっ、くふう」
アレッシアはとにかく指を突っ込んで秘所を掻き回す。さらに自分の胸を揉みしだいて興奮を高めていく。
そうしている間にもゼウスとリリアナの交尾は激しさを増していく。
「は、は、は、は、は、くうあっ、あひ、あひあ、んほああ、あ゛あ゛あ゛、じゅごすぎですぅうううぅっ」
ゼウスはリリアナの膣内を肉棒で抉りまわす。驚くほど柔らかい肉壁。それでいて、しっかりと肉棒に吸い付いてくるイソギンチャクのような蜜壷。今も、ゼウスの肉棒から精液を吸いだそうと懸命に襞を動かしている。
「実に健気な女だな、リリアナ」
ゼウスはリリアナの胸を後ろから抱きしめながら揉み、そして、耳を舐めた。
「んはあん、ゼウス様ぁ。そこはぁ」
「ダメか?」
「んい゛いれすうぅうう」
「はははそうか。いいか。ではもっとくれてやろう」
ゼウスは陽気に微笑み、腰を一閃。白い体液を叩き込んだ。
「あひいいいいいいいいいんっ!」
リリアナは愛液を噴き出してイッた。
「は、はひっ、ひ、ひはっ」
リリアナは仰向けに寝転がって身体を痙攣させていた。
その股にアレッシアが顔を寄せて、股から零れる精液を舐め取っていた。
「もったいない、じゃ、ないですか。ん、ちゅ、れろ、ぴちゅっ」
「ひ、は、んあっ」
ぷしゅ、とリリアナが再び潮を噴く。
「きゃっ。うわ、すごい……んちゅるる、んちゅ」
「あひ、ひ、はあん、も、やへて……」
「リリアナさん。感じやすいんだ。……じゅるるるるるる」
「んああああああああああんっ」
腰を暴れさせてリリアナがまた達する。
年下の少女に愛液と精液を吸われて、リリアナは多幸感に支配されてしまっていた。
そして、礼拝堂の扉が開け放たれる。
中に入ってきたのは、黄金の髪を風に靡かせる美貌の少女だった。
「リ、リリィ!? なんてこと……!」
その少女は、床に倒れて感じ続けるリリアナを見て絶句した。そして、その脇に佇む裸体の男を睨み付けた。
「あなた、こんなことをして!」
「エ、エリカ……ダメだ、その方は……」
「あなたが会ったって言う『まつろわぬ神』でしょう。分かっているわ」
エリカと呼ばれた少女が、剣を抜いてゼウスに向き直った。
「ほう。お前、俺を神と知って挑むのか?」
「その娘で遊んでいいのは、友人であるわたしだけです。御身が神であるとしても、こればかりは許せない」
「ハハハ、気丈だな。エリカとやら。よかろう、少し戯れてやろう。そして、その後に、リリアナと同じく俺の恩寵をくれてやろう」
初めからエリカは勝負を捨てていた。
『まつろわぬ神』を相手に、単身で叶うとは思っていない。本来であれば、サルバトーレに連絡を入れるべきである。彼ならばよろこんで駆けつけてくれるだろう。だが、それをしなかったのはリリアナが犯されているという事実があるからだ。親友の墜ちた姿など、他人に見せたくはなかったし、サルバトーレが駆けつけてくるまでに、どれほどの苦難が彼女を襲うかと思うといてもたってもいられなかったのである。
敵は圧倒的な強者であった。
エリカは自他共に認める天才であり、努力も怠らない。魔術に関しては魔女であるリリアナに一歩譲るが他は完璧と言って差し支えない。大騎士の称号を持つものの中では若輩ながらも最も才ある少女として名を馳せている。
だが、そのエリカをして『まつろわぬ神』は天上の存在である。
戦いになどならない。
それを分かっているからこそ、戦わずに逃げる。リリアナを救出して。
「く……」
剣を巨大な獅子に変え、ゼウスに飛び掛らせる。ゼウスは面白そうに笑い、これを片手で受け止める。その隙に、エリカはリリアナの下に疾駆。そして、そこに普通の少女がいたことに驚きながらも彼女とリリアナを纏めて確保。魔剣を分割し、二頭目の獅子を用意して、その後ろに飛び乗って撤退する。
流れ作業のような見事な工程。獅子に神殺しの呪詛が込められていることも厄介である。
礼拝堂を獅子に乗って飛び出したエリカは背負うリリアナに尋ねた
「大丈夫リリィ?」
「ん……」
ぐったりとした様子のリリアナには生気がない。無理もない。彼女が恋愛に関して非現実的とも言えるほどの王道展開を夢見ていたとエリカは知っている。それは、断じてこのようなものではない。エリカは表情に出さないようにしながらも、内心は憤りで一杯だった。
だが、そんなエリカの胸の内をあざ笑うかのように、リリアナはエリカを後ろから抱きかかえると、服の下に手を入れて胸を揉み始めた。
「な、ち、ちょっとリリィ!? こんな時に、いったい何をしているの!?」
エリカは動揺し、慌ててリリアナを制止しようとする。だが、リリアナはエリカの耳元で囁く。
「大した技量だが、詰めが甘いのだよ。エリカ某」
それは、少女の声ではなかった。間違いなく、礼拝堂にいた『まつろわぬ神』の声。
「ま、さか、あなたっ!」
「くく、もう遅い。この勝負、俺の勝ちだ」
エリカの背後でリリアナの姿がゼウスに変わる。初めからエリカはゼウスの手の平の上だったのである。リリアナも名も知らぬ少女も、未だに礼拝堂の中にいる。エリカは謀られたのだ。
「く、このっ」
「無駄無駄。お前はすでに俺のモノなのだと知れ」
ゼウスはエリカの双丘を手の平で大いに味わう。乳首を摘み、乳房を揺する。
「ん、う、ふあ、く……お放しください、ふうっ」
「俺に敵対したお前を素直に帰すわけあるまい。このまま二人でランデヴーとでも行こうか?」
エリカの獅子がゼウスの神力に犯されて制御不能に陥る。ゼウスに支配権が移ったのだ。あ、とエリカの心に絶望が広がる。
「くく、まだ成長途上ながらも上品な娘よ。リリアナもよかったが、お前も人間の中では相当の上玉だな」
ゼウスはエリカの胸を玩びながら、首筋を舐め、耳を食んだ。
女神すらも篭絡するゼウスの技術に、エリカの頑なな心は次第に蕩かされてしまう。
「まさか、優しくしてもらえるとは思っていないだろうな。エリカ」
エリカとゼウスを乗せた獅子は村を一周回って礼拝堂に帰ってきた。その時にはすでに、エリカは虫の息である。ゼウスは割りと本気で、この娘の篭絡にかかっていたのである。こういう手合いは、厄介だ。全力で墜とす必要がある。
お前誰だよってキャラを取り上げてしまった。
じゃあ、次は宮間さんだな。