まつろわぬ神が性に忠実に生きるのは自然 作:一休
ギリシャに降臨し、メティスを食ってからというもの、ゼウスは何をするでもなく流浪していた。まつろわされたメティスはもはや地母神としての力はなく、神でありながら本質的に神から零落したような中途半端な状態になっている。
そして、いろいろと世界を放浪した結果、居ついたのは東京都立川の神社であった。
神社建築の扉を開けばオリュンポス。
見た目のみすぼらしさからは想像もできない豪華絢爛な仕様である。ちなみに、特殊な結界で仕切られているので、普通にしていればただの小さな神社に過ぎない。
「ちょっと、ゼウス。また、来てるわよ」
メティスが結界の中から神社内の様子を見て言った。
「何が?」
「あの正史編纂委員会とかいうの」
「あー。この島国の組織だな。ヘルメスの末裔どもか」
特に興味もないので、ゼウスはソファーに寝転がってファミチキンを齧りながら雑誌ファミコン通に目を通している。
「ほっとけばいいじゃないか。というか、こっちから下手に覗き込むと神気が漏れて気付かれるぞ」
「そうはいっても」
すでに何度か呪術師どもが境内に入ってきている。
その都度無視を決め込んできたのだが、さすがに不審に思われているようだ。
「というか、なんで神王たるゼウスが引きこもってんの?」
「いいじゃないか。神代だって戦争か女の子のところくらいしか外出しなかっただろう」
大体全知全能たるゼウスはここにいながら世の中の流れが分かってしまうのである。
「ま、気付かれたら気付かれたで別にいいしな。というか、なんで探ってんだそいつ等は」
「知らないの? 今、ここぱわーすぽっととかで盛り上がってるんだけど」
「なぜ?」
全知全能たるゼウスも、興味のない分野に関しては無視してしまうので、知らないこともある。知ることができるだけで、知ろうとしなければ知らないのである。
「この前、神社にお参りに来た娘の願いを気まぐれに叶えるから」
「だって、可愛かったじゃん。夢の中でヤッたけど、なかなかでしたな」
あのお下げの女の願いはなんだったか。女体化体質を何とかしたいだったか? まあ、それは冗談として、どうやら気まぐれに願いを叶えていることが人の間で噂になっているらしい。
「そりゃ気付かれるよな!」
「読んでる場合か!」
メティスに雑誌を取り上げられた。
「どうするの。このままだといつか小賢しい人間に見つかることになるけれど?」
「流れに身を任せるのも一興。とりあえず、日本から出る気はない」
世界には神殺しが六人いるらしい。何世紀かに一回くる当たり年である。で、極東にはまだ誰もいないのでこれ幸いと移住してきたのである。《鋼》の性が疼くけれど、それ以上に大事なことがあるのだ。
とりあえずメティスを抱き寄せていちゃいちゃしつつ、今後の予定を立てることにする。直近では、週間少年ジャンヌの発売日が近い。今日は金曜。土曜になったら神速で徳島まで行って最新号を買って帰ってくる。ダメなら日曜の新潟。月曜まで待つとかないわー。
膝の上でゴロゴロしているメティスの頭を撫でつつ、取り返したファミコン通の懸賞をどうしようか悩む。
「ん?」
メティスがごそごそとしているので、下を見てみると、ズボンのチャックを下ろして肉棒を取り出していたではないか。
「何をしている?」
「見れば分かるでしょ」
メティスはおもむろに肉棒を咥え始めた。
「ん、じゅぷ、ちゅ、じゅ……」
口に含んだ肉棒を吸いながら、舌を裏筋に這わせる。
ざらざらとした舌が刺激してくるたびに、ゼウスの半身は喜びに震えた。
「ん、ちゅ……ふふ、こんなに大きくして。昨日、あれだけしたのに」
「俺は枯れない体質だからな」
ゼウスはメティスを絹糸のような銀糸の髪を指で梳くようにし、それから彼女の頬を撫でた。
「あふん、ん、ちゅ、ん、れう、ちゅぷ」
メティスは目を細めて呆けたような表情を浮かべつつ、奉仕を再開する。
「淫乱な女だな」
下半身を走るぞわぞわとした感覚に囚われそうになりながらも、ゼウスは言った。
メティスはそう言われても、嬉しそうにするだけで反論することもない。こうしていながらも、メティスが昂ぶっているのが分かる。今のメティスはゼウスに何をされても快楽に感じるダメな小娘でしかない。しゃぶっているのであれば、尚のこと感じているだろう。
メティスは、股が疼いているのを感じている。
こうしてゼウスの肉棒を頬張っていながら、これに貫かれたときを想像している。男の匂いが口いっぱいに溢れ、涎が止まらない。
口内でびくびくと震えている。どうやら、もう限界が近いらしい。
そして、熱い白濁液が放出された。
「んぶぅ、んじゅぶうううううううううううっ」
大量の精液が口の中を跳ね回り、喉に流れ込んでいく。メティスは目尻に涙を浮かべながら、これを飲み干していく。
メティスはその量に驚きながらも、決して肉棒を離そうとはせず、さらに奥に飲み込んだ。一滴たりとも零したりしないように、口と喉で味わい、尿道に止まるものまで吸った。
「んぐ、んぶ。こく、こく、ちゅ……ぷあ……ああ……あふあ」
メティスの口に精を吐き出した、ゼウスは銀色の前髪を掴んで顔を上げさせる。
「たく、こいつは」
口の周りを唾液で光らせて、メティスは微笑んでいた。
頬を朱に染め、メティスは身体を震わせている。ゼウスの精を摂取して、興奮のあまりにイッたらしい。
地母神とはいえ、彼女は処女神ではないし、どれだけヤッても彼女の神格にはあまり影響はないと思えたのだが、人格には影響したらしい。
「すっかり雌犬になったな」
「……ひゃい」
さて、どうしたものか。絶倫たるゼウスは、いくら出しても枯れることはない。メティスを落としてからというもの、彼女がダメになるまでやって、ダメになったら休憩という感じでやってきた。よって、次に進めなくもないのだが。
いや、どうにも気が進まない。
犬のようにうつ伏せのまま腰を浮かせてアピールしているメティスには悪いが、放って置くか。
「へあ、ゼウス?」
「お前が勝手に始めたことだしな、俺用事がある」
巨乳駆逐艦をドロップさせなければならないのだ。虚乳エロ女神に構っている場合ではない。
その気になれば、幻想を現実にできる気がするのだ。ゼウスパワーで、肉体と人格を再構成してみるとか。全知全能を舐めるなと、ゼウスは下半身露出のままデスクトップの前に移動した。
「ゼ、ゼウス。でも、わたし……」
「ああ、ずいぶんと濡れてるな」
女の匂いがプンプンする。
「とりあえず、これで紛らわせておけ」
ゼウスが指を鳴らすと、空中になにやら奇怪な文様が描かれ、そこから伸びた呪力がメティスの身体に絡みつき、尻穴に突き立った。
「ひぎやうッ」
メティスはビクンと身体を反らし、激しく呼吸する。
「な、なにを……?」
「見て分からんか」
ゼウスの言葉に、メティスは自分の尻に付いたものに意識を向ける。
それは、犬の尻尾であった。それがメティスの菊門に突き立っているのだ。
「発情した雌犬にはちょうどいいだろう。それに慰めてもらえ」
「ちょ、ちょっと。なんなのこれ」
「よくある玩具だ。人間は面白い物を考えるだろう。まあ、少しばかり俺流に趣向を凝らしているが」
メティスが文句を言おうと口を開きかけた瞬間、唐突に尻尾が蠢きだしたのだ。
「いぎぃぃ! な、何これッ! いきなり、お腹中でっ! あっばれてるぅぅぅう!?」
メティスはソファーの上で悶絶した。
尻穴から侵入した尻尾の先端部分が、不規則に暴れ、メティスの中を抉っているのだ。
「ああ、ああ、あああああっ!」
メティスは必死になって尻尾を抜こうとするのだが、尻尾を掴んで引っ張り出そうとしたら尻尾が激しく抵抗してきたのだ。
「んぎいいいいっ」
その所為で、メティスはまた達してしまった。
“だ、だめ。取れない。お腹の中に張り付いて、もごもごしてるうぅぅぅっ”
尻穴を拡張し、腸内の至るところを刺激してくる尻尾は力ずくで引き抜くことはできない。
半脱ぎのパンツは濡れて使い物にならず、太ももは大量の愛液で光っていた。
「ゼウス、ゼウス、これ、なんとかしええ」
「俺は今ゼウスではない。提督だ」
「意味わかんないこと言わないでェ!」
「ふむ、でもそんなに尻尾振って悦んでいるんだからいいじゃないか」
「これは、尻尾が勝手に動いてんのぉ! 止めてよう!」
メティスはソファーに置いてあったクッションを抱きしめるようにして必死になって耐えている。
はあ、とゼウスはため息をついた。
「条件を満たせば勝手に止まる」
「条件?」
「ああ、それそろじゃないか」
メティスがクッションの角に噛み付いて耐えているところにそれはきた。
脳を焼く、閃電。
尻尾がメティスの体内に電流を流したのである。
「あ、ぎひいいいいいいあああああっ」
激しすぎる衝撃にメティスはソファーから転げ落ちて、仰向けになった。
「あぎ……あぐが、はあ、はあ……な、にが」
何があったのかすら分からなかった。一瞬で絶頂し、気が付けば黄金の天井を仰いでいたのだ。おそらく、刹那の間、意識が飛んだ。
ぶしゅ、と股から透明な汁を噴いた。
「派手にイッたなおい」
メティスは呆然とゼウスを見上げた。
「今のは俺の電流だよ。言ったろ、趣向を凝らしていると。その玩具は、通常状態でお前の快楽のポイントや生態電流のパターンを探り、そして、ソレにあわせて適切な出力で電流を放つ仕掛けになっているんだよ」
「それってぇ」
「何がどうあっても気持ちよくなれる玩具ということだな。調教用だが、犬にはちょうどよかろう」
「と、止めるには」
「耐えろ」
「え?」
メティスはつい聞き返した。
「それは相手を絶頂させることを第一義とした玩具だからな。十回連続で電流に耐えられたら、自動的に敗北を認めることになっている」
「何、それ……」
十回連続で、と言ったか。
「一度でも果てたらリセットだからな。まあ、がんばってくれ」
「待って、待ってよ。あんなの、十回も耐えるなんてっ」
メティスが起き上がってゼウスにしがみ付こうとしたとき、狙い済ましたように電流が襲い掛かってきた。
「ひぎゃああああああああッ」
がくん、とメティスは床に這いつくばった。
「あ、があ……だめ、だ。こんな、十回もおおおおおおおっ!」
さらに電流が襲う。目の前がチカチカとする。一回たりとも耐えられない。
「あへ、あへえあ、あああ――――うあああああ、んぐ、ひああああああああ」
メティスは快楽に焼かれながら、床を転げまわる。
唾液と愛液を垂れ流しながら、独りで何時間も善がり狂ったのだった。
□
「納得いかんな」
ゼウスはデスクトップの前でむむっと眉根を寄せた。
理由は簡単で、目的のものが手に入らないからだ。鬼畜米帝にして、怒涛の重婚を成し遂げているゼウスをして、入手すらできぬとはいったいどうしたことか。
そして、一段落ついたところで、メティスが静かになったなと彼女のほうを見ると、もはや愛液なのか涎なのか涙なのか分からない水溜りの中で、動かなくなっていた。形のよい尻からは、尻尾が抜け落ちている。
「なるほど、気絶したことで機能を停止したか」
ゼウスは冷静に分析してから玩具を回収。権能でパパッと室内を綺麗にしてからメティスをベッドに運んで寝かせた。
「人間に使うのは、さすがにまずそうだな」
まあ、所詮人間なので、壊れてもいいかという思いもあるが、女神がこうなってしまうのなら人間用に調整の必要はあるだろう。
そう思っていると、突然、世界が闇に覆われた。
「なぬ」
闇の属性を持つ『まつろわぬ神』が日本に上陸したのである。
能力的にメティスと似通っている。人工の光を奪う、文明の天敵たる権能である。
暗闇を見通すゼウスの目には、なんの問題もないことである。ただ、光を放つ物の一切が使用できなくなるということは、当然にパソコンも停止するということである。
「おおおおおおおおおっ!?」
ゼウスは慟哭した。
パソコンに駆け寄り、電源ボタンを押す。連打。しかし、ダメだった。うんともすんともしない。当然だ。光そのものが封じられているのだ。
ア艦これ。ブラウザゲームだから大本が生きていれば大丈夫だろうが、権能による侵食だとどうなるか。それに、同時平行で進めていたゲームはセーブしていないのである。
「神は――――死んだ!」
床に手を突いて消沈する。そして、ふつふつとこの惨劇を引き起こした悪神に天誅を下すべきだと思い始めたのである。
「そうだッ! この俺は外敵をまつろわす《鋼》の剣神としてッ! この国の文化を、蛮神から守らねばならないィッ!」
ゼウスは誓った。この惨劇の主を成敗してくれると。死ぬよりも辛い目に合わせてくれると!
□
東京湾上空で激しい雷撃が迸った。
ゴウン、という衝撃波が、大波を起こす。
「まさか。この国にあなたがいようとは」
「ふん、感動の父娘再会といったところか」
ゼウスは雷撃の矛を右手に持ち、険しい顔を女神に向けた。
「アテナよ。なぜ、このようなことをした?」
女神アテナ。ゼウスとメティスの娘。知恵の女神であり、織物や学問の神としても知られる万能の処女神だが、最大の権能はやはり武神という側面である。特に、戦場の狂気を司るアレースに対して彼女は守護神的な扱いをされることから理性的な女神であると言える。
まつろわぬ神としてはメティスと同じ容貌の女神として降臨しているようだ。まあ、もともと三位一体思想でメティスの幼年期として扱われるだけに、変わらないのか。
「闇の女神たる妾が、闇を呼んで何が悪い」
「悪いとも。そのお陰で、俺のゲームが台無しではないか」
アテナは首を傾げる。
ゼウスはかつて遊び感覚で人間同士で戦争させたりもしていたが、この地で同じようなことをしていたのだろうか。それにしては、狂気を感じないが。
闇の鎌を油断なく構える。
「やり直すのに、どれだけ時間がかかると思っているんだ。まったく、これだから素人は」
ゼウスは呪力を高めながら、アテナを睨んだ。
「いずれにしても、悪いことをした娘には教育が必要だ。ごめんなさいと言えるように教えるのが親の勤めだしな」
「勝手に言っているがいい、ゼウス! 天王だろうと、妾を容易く破れると思うな!」
アテナが黒い鎌で斬りかかってくる。
ゼウスは当然のように雷撃で応戦。手に持っている矛を投擲して、アテナを落とそうとする。それを、アテナは読んでいたかのようにすべて避けると、フクロウの羽を背中に生やして加速した。
「ほう、なるほど」
ゼウスは軽々とアテナの攻撃を避ける。
「お前の先読みはメティスから受け継いだ知恵の権能なのだろうが、甘い。俺はメティスから知恵の権能のすべてを奪っている。どちらが上か、分かるだろう」
すれ違い様にアテナの背に電流を流した。
「ぐ、くはッ」
よろよろと落ちていくアテナに雷を落とす。
幾筋もの閃光を、アテナは空中で身を捻ってかわした。
「さすがに武神だな。メティスほど簡単にはいかんな」
地上に降りたゼウスはアテナにそう声をかけた。
「なぜ、そこで母上のことを」
「決まっているだろう。この世に降臨してから最初に犯したのがまつろわぬメティスだったからだよ」
「なッ」
アテナは絶句して、それから鎌の柄を握りこんだ。
「貴様は今生に於いても母上の仇ということだな!」
ゼウスはアテナの踏み込みを軽く受け止める。
「変な勘違いをするな。きちんと愛しているさ。今でも俺の城の中にいるよ」
「おのれっ」
アテナはメティスがゼウスにひどいことをされたと思っているようだ。心外である。お互いに楽しんでいるのだから、ひどいことなど何もないのだ。
ゼウスは距離を取り、アテナに向かって手を差し伸べる。手の平を上に向け、人差し指を曲げる。
「ッ」
アテナが首を振り、その肩口を雷撃の矛が掠めていく。
「よく避けた。では次だ」
ゼウスが雷撃の矛を受け止め、アテナに向かって弾く。空中で分解した雷撃は膜状に広がりアテナを包み込む。
「母なる大地よ。妾を守れ!」
言霊が大地を震わせ、土壁が盛り上がる。ゼウスの電撃を、この土壁が防いだのだ。
「守護神の面目躍如というところだな。ちなみに、俺がメティスから手に入れたのは何も知恵だけではないぞ」
ゼウスは空に手を挙げる。すると空から無数の光がアテナに向かって落ちてくる。
「む」
アテナは不審げにして、これを避けていく。光の正体は矢であった。
「サジタリウス……ケイローンだとっ! バカなっ!」
「俺はメティスから知恵を簒奪したことで、自分が倒した相手の権能を簒奪する力を得たのだ。これは、一月ほど前にギリシャで倒した神から得た力だよ」
ゼウスはアテナに向かって弓を構え、番えた矢を放った。
矢は真っ直ぐにアテナの心臓に向かう。
「く、アイギス。来るのだ!」
純白の楯が、アテナの前に顕現し、ケイローンの矢を弾き返してしまった。
ギリシャ最強の楯であるアイギスの楯は、アテナの象徴とも言える武器だ。ゴルゴンの顔を仕込んだことで、石化能力を得たという。
「人の物で遊ぶのはよくないな。返してもらおう」
ゼウスがそう呟くと、アイギスはアテナの手から消えた。
「な……」
「驚くことはないだろう。もともと俺の権能だ」
アイギスはゼウスがアテナに貸し与えた楯だ。ゼウスにも支配権はある。
「く、ゼウス! 神殺しのような真似を!」
「似たようなものさ。簒奪するのは《鋼》の宿命だしな。よし、興が乗ったぞ。二つ目を見せてやろう」
ゼウスに飛びかかろうとしたアテナは急に膝を突き、倒れた。
「な、が、これはッ!」
身体が重い。重力がアテナを地面に吸いつけているのだ。
「どうだ。シャマシュから奪った重力制御の力だ」
「そうか、これは、法典の……」
「その通り。罪は重さで表されるのだよ。それでは最後に、真のアイギスで終いとしよう」
アイギスの正体は風と雷そのものである。なぜならば、アイギスそのものがゼウスの権能の象徴である嵐という意味だからだ。
■
そして、アテナが目を覚ましたのは黄金の部屋だった。
「ぐ、なんだ、これは?」
アテナは柔らかいソファーに座らされているのである。裸に剥かれ、両腕は手首のところで一箇所に止められ、ソファーの背凭れについている鉄の棒に固定されている。頭よりも高い位置に手首が固定されているので、身体を隠すことができない。そして、両足は、M字開脚の形で荒縄で固定されている。
「ほう、目を覚ましたか。アテナ」
ゼウスがアテナが目覚めたことに気付き、声をかけた。
「ゼウス。貴様、これはどういうことだ……なっ!?」
アテナは、思わず目を見開いた。
そこにいたのは、ベッドに腰掛けた裸体のゼウスとその隣に傅き、肉棒をしゃぶるメティスであった。
「は、母上。……何を……」
「さっき言っただろう。メティスは俺の家いると」
メティスは頭を上下させて、卑猥な水音を響かせる。アテナは母の痴態を見ていられず目を背けた。それは、敗れた地母神の末路を如実に現していたからだ。
「ああ、抵抗しても無駄だぞ。そのソファーは今カウカーソス山の役割を担っているからな」
メティスは、目を背けたアテナに聞かせるように一際大きく肉棒を吸って、口を離した。
それから、メティスは立ち上がって、アテナの下にふらふらと歩み寄った。
「母上……」
アテナが震えた声で言う。
気の強い武神でも、さすがに身内ともなると違うのか。
メティスはアテナの眼前に顔を寄せ、うっとりとした表情で口を開けた。
「ッ」
メティスの口の中には、真っ白な液体が震えていた。
ゼウスの精液である。
「母上ッ。止め、母上ッ!」
アテナはメティスに抵抗し、ガチャガチャと拘束具を鳴らす。
だが、無駄だ。神代に於いて不死のプロメテウスを拘束したものと同様のソファーと鎖である。如何にアテナと雖も抜け出すことはできない。
メティスは両手でアテナの頬を押さえると、唇を重ねた。
「~~~~~~~~~~~~~っ!」
アテナが声ならぬ声を上げる。
メティスはアテナの口の中に舌を差し込み、びちゃびちゃと音を立てて舌を絡ませた。
「んちゅ、れう。ん……ぶじゅ、んちゅっ」
口の中に広がる生臭さと苦味。ゼリー状の精が口の中で震える不快感に思わず吐きそうになる。しかし、メティスがそれを許さず、唾液を送り込んでくる。口内はゼウスの精とメティスの唾液、そしてアテナ自身の唾液で一杯になっていて、口の端から溢れ出しそうになっている。
「んじゅ、じゅぶ、んん」
アテナはメティスに舌を吸い出され、甘く噛まれる。口の中の液体が吸い出されたかと思えば、纏めて送り返される。
「ふぐ、んく……んぐ――――んん!」
そして、アテナは堪えきれずに、こくん、とそれらを飲み込んでしまった。
「あ、あく……ぐうっ。げほ、げほっ!」
メティスはアテナから唇を離した。銀色の糸が二人の唇を結ぶ。
「く……なぜ、このようなことを。ゼウスは、あなたをまつろわせたのだぞ?」
「ふふ、アテナ。あなたは処女神だから、今まで何も知らないでいたのでしょうけど……まつろわされるのは、悪いことじゃないのよ」
「分からぬ。あなたが何を言っているのか、妾には分からぬ! とにかく、この拘束を解くのだ!」
アテナはゼウスに施された拘束具を外そうと躍起になる。だが、呪力も含めて封じ込まれた今、アテナはただの少女と変わらない力しかない。拘束から逃れる術などありえないのだ。
「だめよ。せっかく、お父さんがあなたを女にしてくれるって言うのに……」
「ッ!」
アテナは息を呑んだ。
女にする。それはつまり、ゼウスの目的は――――。
「離せ! 離せ! 離せェェッ!」
必死の抵抗をするアテナの股に、メティスは顔を寄せた。
「そうね。初めてだし、助けてあげる」
そう言って、メティスはアテナの未使用のソコに舌を伸ばした。
「ひっ!」
ぞわぞわとした感覚にアテナは悲鳴を漏らした。
「は、母上……!」
アテナは母の行動を恐怖と驚愕が入り混じった目で見るしかなかった。
「ちゅっ、れる、ぷじゅっ――――んじゅる、じゅじゅっ」
「ん、んくっ。は、は、上! 止めっ!」
「ふふ、アテナ。もしかして、感じているのかな?」
「違うっ! 気味が悪いだけだっ!」
「母親に向かってひどいことを言うわね。オシオキよ――――じゅうううううううっ」
「ふうううううううっくう!」
アテナは歯を食いしばって声を殺した。
自分の聖なる場所を、舐められているということが屈辱的であり、激しい恥辱を加えられているに等しかった。まして、アテナは処女神である。ソコだけは、絶対に守らなくてはならない場所なのだ。
「はっ、はっ、はっ……く、母上。そこまで墜ちたか」
「むしろ昇っているんだけど、知識も経験もないあなたじゃ、そう思えるわよね。んあ……んちゅ。アテナ。ここ、美味しいわ」
ぴちゃぴちゃと刺激を加えているうちに、アテナの秘所は程よい湿り気を帯びてきていた。冥界の女王に相応しい白い肌も、今では桜色にほんのりと染まっている。
「ふふ、何。やっぱり感じてんじゃないの。悪い娘ね」
「黙れ。これは、あなたとゼウスがしたことだろう」
ゼウスの精を飲まされたことで、身体は火照り始め、メティスの行為によってアテナの身体が反応した。それだけのことである。
「ゼウス。この娘の準備はいいみたいだけど?」
「ふむ。処女神がだらしなく股を濡らすとはな。アテナ」
ゼウスがベッドから立ち上がる。すでに、その男根は天を向いてそそり立ち、男の臭いを撒き散らしていた。
アテナはそんなゼウスを負けじと睨み付けた。
「お前は闇をばら撒いたことで俺の楽しみを壊した。その罪を償ってもらうぞ」
「妾は神として行動したまでだ。あなたにとやかく言われる筋合いはない!」
アテナは拘束され、母親に弄られてもなお頑強に抵抗の意思を示している。
「なるほど。謝罪する気はないんだな?」
「あなたのような節操無しに、何を謝る? 妾を甘く見るな!」
吐き捨てるように言うアテナに、ゼウスはむしろ嗜虐心を煽られたようだった。
「くく、ならば試してやろうじゃないか。お前の母が一度として耐えることのできなかった試練を乗り越えられたなら、解放してやるぞ」
ちょいと調子に乗ってアイマスクでもしてみようか。
ゼウスは意地の悪い笑みのまま魔眼殺しのアイマスクをアテナに装着した。
「何をするつもりだ?」
「さあ、お仕置きの時間だよベイビー……」
ゼウスは玩具を呼び出した。目隠しをしたアテナは何が起こっているのか分からない。今のアテナは呪力すらも封じられているのである。アイマスクには念には念をと魔眼殺しの力が込められていて、アテナは生まれて始めての完全な闇を経験しているのである。
メティスが息の呑み、震える。そう、それは、先ほどメティスを絶望と歓喜に漬け込んだ恐るべき玩具。
「メティスは雌犬だからお前は雌猫だ」
ゼウスが玩具を解き放つ。一直線にアテナに襲い掛かり、先端はその尻穴から体内へ侵入する。
「うぎ、いあっ! な、にをするっ!」
アテナが身を捩り、侵入者を追い出そうとするが、両手が自由の状態だったメティスですら抵抗できなかったのである。アテナではどうすることもできず、易々と奥深くまで入られてしまった。
「そっちも初めてのことだろう。精精楽しむといい」
「ふざ、けるな。こんなことで妾がどうにかなるとでも!?」
「なるかもしれんし、ならんかもしれん。それはお前次第だ」
ゼウスの言葉にカチン、ときたアテナはなんとしてでも体内から追い出そうとする。だが、そんなささやかな抵抗など意味がない。侵入した猫の尻尾はアテナの腸内を検分するかのように動き出す。
「うきゅっ! あ、あ、何をしている!? 妾の中で、動くなっ! ああああぁぁっ!」
アテナが腰を揺らす。扇情的な光景だ。
「やっぱりすごい玩具ね。ねえ、アテナ」
「母、上。これを、止めるのだぁ! くひいいっ! あが、あくう!」
視界が塞がれているために、何が自分の身体を蝕んでいるのか分からない。知恵の権能も封じられた。このような経験は今までになかった。まったく外部の情報が得られない中で、アテナはおぞましい想像をついついしてしまう。他者に触れられてはならない場所を穿り返される屈辱。いったい、この身体に何が入り込んでいるのか分からない恐怖。そして、何よりも鋭敏になっていく身体が恐ろしい。
腹の中を貪られ、ジュクジュクと秘所が潤っていくのが嫌でも感じられてしまう。
「はああ、はあああ。おのれ、ゼウス。おのれえぇ! 許さぬぞ、妾にこのようなっ、ああ。止めろぉ! 動くなぁ!」
アテナの秘所からとろとろと汁が出てきてソファーを濡らしている。
処女神とはいえ、一皮剥けば女だ。
「さて、そろそろ来るぞ」
ゼウスは酷薄な笑みでもがくアテナを見下ろしている。
腸内を犯しているゼウスの何かは、アテナの情報を精査して、彼女を降伏させる最適解を導き出す。
そして、閃電が弾けた。
「く、はっ?」
アテナの呼吸が一瞬だけ止まった。
「あぐあああああああああっ。いいいいいいあああああああああああっ!?」
びくんびくんと、アテナは腰を跳ねさせ、盛大に潮を噴いた。
初めての絶頂である。
「あ、ああ? はあ、はあ、うあ……?」
ぐてん、とアテナは脱力する。未だかつて経験したことのない快楽に脳の理解が追いつかなかったのである。
「ふふふ、アテナ。どうだった? 始めての絶頂は?」
「ぜっちょう、んぐ、これが……ぜっちょう……」
夢見心地のまま、アテナは唇を動かした。
だが、たった一回で許されるようなものではない。
「ひ、ぎっ?」
アテナは奥歯を噛み締めた。
腹の中で、さらに動き出したのだ。
「ま、待て。今、動いては……ぎ、いあああっ!」
尻尾は容赦なくアテナの中を這いずり回る。アテナは首を振って拒絶の意を示すものの、誰も助けてはくれない。この場にいる者はアテナの痴態を楽しんでいるのだから。
「あああああ! 母上! 母上! 止めて、くれえええええっ! あぎああああああっ!」
電流がアテナの身体を絶頂に導く。休む間もなく、腸内で暴れまわる。
メティスは嬌声を上げるアテナの耳元で囁いた。
「それ、止めて欲しい?」
「あ、ああっ。と、めて。はは、あ、いぐっ、ぐううううううっ」
電撃に苛まれる中で、メティスの言葉に期待を寄せる。
この快楽地獄から逃れる術を母親は知っているのだ。この口調はそういう口調である。ならば、聞き出せば、この責め苦は終わる。
「はっ、はっ、はっ。お、教えて。母上。おぐ、くあ……」
「教えてくださいでしょう?」
「教えてください。母上ぇぇぇ!」
ビリビリと幾度目かの電撃。アテナはまた秘所から潮を噴き、舌を突き出してイッた。
「あ、あああ」
「よく頑張ったわね。アテナ」
メティスはアテナの頭を優しく撫でた。
「その玩具の止め方ね。簡単よ。……電撃に十回耐えること、なんだって」
「は……」
アテナは母の言葉が理解できなかった。したくなかったとも言い換えられる。
「う、そだ。そんな……」
「大丈夫、あなたは地母神なんだから、死にはしないわ」
それはつまり、メティスは助けてくれないということで、一回だけでも耐えられない快楽に、十回連続で耐えねばならないということ。
アテナの心に絶望の闇が広がっていく。
「あ、あああああああっ!」
アテナは絶叫した。
腹の中で、尻尾が律動を開始したからだ。同時に、電撃が襲い掛かってくる。絶頂。ダメだ。とても耐えられない。思考が焼かれ、身体は快楽以外を感じない。喉は裂けんばかりに声を張り上げている。
「ゼウス、止めろ。これを止めろおおおおおおお!」
ゼウスゼウスとアテナは叫んだ。もはや、この地獄から解放してくれるのは、発案者のゼウスしかいないのだ。
「なんだ。もう降参か。冥界の女王なのだろう。もう少し頑張れんのか」
「うあ、うあ、ああああっ! あ、あなたの望みは? 望みはなんだ?」
アテナの心は折れていた。この責め苦から逃れられるのであれば、ゼウスの膝下に屈することも仕方がないと思えるくらいには。
「望み? そんなものはない」
「な……」
「取引でもしようと思ったか? まだ、自分のしでかしたことが分かっていないようだな。お前は俺の怒りを買ったのだ。これは、お前への罰だ。強いて俺の望みを言うのなら、お前がそうして絶叫しているのが俺の望みだ」
「そ、んあっ! あああ、もう動くなあああっ! 動かないでくれえぇぇぇ!」
ゼウスは笑い、アテナは叫ぶ。
「さっきも言っただろう。そのソファーはカウカーソス山だと。ならば、お前の未来も分かっているんじゃないか」
カウカーソス山はプロメテウスを縛り上げた山である。ゼウスの怒りを買ったプロメテウスはそこで鎖に繋がれ、肝臓をハゲタカについばまれ続ける刑を受けた。その責め苦はプロメテウスが死ねない身体のために、ヘラクレスが救い出すまで半永久的に続いたという。
そして、アテナを救い出す者は残念ながら存在しない。
つまり、永遠にこのまま――――。
「あ、い、無理無理無理だああああっ! そのような、うあ、あぐああああ、助けっ、ああああ、ゼウスううううっ!」
「俺はお前に求めるものなどないぞ。メティスから知恵の権能を得た上に、メティスがここにいるのだ。同じような容貌と権能を持つお前が俺に何を差し出す?」
ゼウスの問いに、思考を真っ白に染められたアテナは唇を噛んで僅かに抵抗した後、
「し、処女が、ある」
そう言ってしまった。
「ほう、処女神が処女を捨てるのか?」
「く、……す、捨てる。ゼウスに、捧げる! だから、妾のこれをなんとかしてくれぇぇっ!」
アテナは己のすべてをさらけ出して叫んだ。
「まあ、よかろう。神代より守り続けてきた処女だ。相応の価値がある」
そう言って、ゼウスはアテナの両膝に手を添えて、そそり立つ男根を入口に当てた。
「へあ? ま、待て、ゼウス。まだ……」
「ふん」
アテナの静止を無視して、ゼウスはアテナの中に侵入してしまった。
「ああああああああああああああああああああああっ!」
アテナは背中を反らして絶叫した。舌を出し、涎を垂らす様は意地汚い娼婦さながらである。
結合部から血が滲み出してくる。
「なんだ、お前。ずいぶんと濡れているな処女神」
「ふあ、ああぐ、んあ、あああああ」
アテナの膣内は、初めてとは思えないほどあっさりとゼウスを受け入れ、吸着してきたのである。
「あー、あー、ああああああ」
アテナは口を大きく開けて息を吐き出す。もはや放心状態だ。前と後ろから責め立てられているのだ。初めてがこのような形では、どうにかなってしまうのも仕方がないと言える。
「さて、いくぞ。アテナ。初中出しだ。受け取るがいい」
「んあ?」
アテナがそれを理解する前に灼熱がアテナの中に注ぎ込まれた。
「ひ、ひぎいいいいいいいいっ!」
同時に、尻尾が電撃を放ち、アテナを内側からズタズタにしてしまう。
ずるり、とアテナからゼウスは愚息を引き抜いた。そして、尻穴から尻尾が抜け落ちる。
「はー、はー、はー、んぐ、ふああぁぁ……」
脱力したアテナの拘束が解けた。腕が自由を取り戻し、足は解放される。アテナは、ソファーに倒れこんだ。
「初めてならば、このくらいか。ほら、最後だ」
ゼウスは呆けたアテナの顔の前に肉棒を突き出した。
「んあ……れう、んちゅ……」
アテナはその先端にキスをして、ゆっくりと口に含んでいった。
外道ゼウス。興が乗ったので、人気のアテナ。一家が揃いました。
次は誰にしようかな。もしかしたら、本編とは関係のない短編になるかもです。カンピオーネからもはみ出すかも。
都合により護堂さんはいません。そういう世界です。