まつろわぬ神が性に忠実に生きるのは自然 作:一休
ゼウスは本当に数年ぶりに日本を飛び出した。
戦闘に特化した《鋼》の配下を得たことで、ボディーガードの役目を担わせることができるようになったからであり、外に目を向けてもいいだろうという心境の変化もあった。愛する妻と娘を日本に残すのは、そこをあくまでも拠点と考えているからである。
人間でも世界の裏側まで飛行機を使えば一日と少しで辿り着く。雷光の速度を持つゼウスとランスロットにとっては、どこであろうと気侭に出歩ける距離でしかなく、世界は文字通り神々の庭なのである。
「さて、ランスロット。ヤツはどこに潜んでいる?」
「おそらくはケルトの影響が強い範囲。主と繋がったことで、彼女との繋がりが絶たれてしまったのだ。申し訳ないが、細かい居場所までは掴めない」
「そうか。まあ、気長に探すとするか」
ランスロットをグィネヴィアから寝取ったことで、彼女の目的が見えた。ランスロットはグィネヴィアの無二の配下として共に過ごしてきたので、その目的をすべて知っていた。そして、ランスロットがゼウスに鞍替えしたことで、その情報はあっさりとゼウスの下に入ってきたのである。
ゼウスはランスロットを篭絡する際に、グィネヴィアを酷い目に会わせないと誓った。だが、酷い目に会わせないということは、手を出さないということではない。
「あまり日本で騒ぎを起こされるのは迷惑でな。摘み取らせてもらう」
獰猛な笑みを浮かべてゼウスは騎馬を従えて、空を駆ける。
ゼウスがやってきたのはスイスの片田舎である。
理由はケルトの文化圏ということに加えて、カンピオーネと接触する必要のない範囲だということである。イタリアに下ればサルバトーレ、バルカン半島にはヴォバンと南側には神殺しが多い。海を渡れば、ランスロットの仇敵アレクサンドルもいる。ランスロットとしては、彼らと戦いたいだろうが、《鋼》の性が専ら性行為に繋がっているゼウスはそんなことより大事なことがあるのである。
スイスのラテン語名はベルン周辺に住んでいた古のケルト民族、ヘルウェティイ族に由来する国である。この民族は、かの有名なカエサルと敵対して、ガリア戦争の引き金を引いた民族として有名だ。
「ふうむ。西洋の空気も久しぶりだ。帰ってきたという感じはするな」
まあ、スイスに来たのであれば寄らねばなるまい。マイエンフェルトに。
「しかし、主。何ゆえかような地に足を止めたのだ?」
「ふ、お前は知らぬだろうが、かつて日本中を涙させた芸術作品の舞台となったのがここなのだ」
さて、クララが立ったのはいったいどこなのか。あまり時間をかけると自分のクララが勃ってしまうではないか。まあ、そうなったら隣にいる配下に処理させればいいか。と、ゲスの極みなことを考えながら、ゼウスは散策する。腐っても神。その姿は、人の目に映ることはない。
「ま、待てよ」
ゼウスは今、凄まじいことを思いついた。
『まつろわぬ神』はその気になれば人の視界から消えることができる。鬱陶しい人間どもは、存在がはるかに格上の神々を認識することができなくなるのである。
ならば、公衆の面前でヤッても問題ない……?
「では行くぞ――――天・空・神・キャスト・オフ!」
瞬間、猛烈な呪力と共に、ゼウスの衣服が弾けとんだ。
「な、主!?」
どうしたことかとランスロットは驚愕に目を剥いた、
突然、自らの主が全裸になったのだ。それは驚くに決まっている。
「ふははははは、なるほど。これが開放感というヤツか。すっかり俺のクララもご機嫌だぞ!」
ランスロットに向き直ったゼウス。その下腹部から天に向かって立ち上がる肉棒が、激しい自己主張を行っていた。
「な、何故にそのようなことを?」
「ふ、よくよく考えてみれば、裸体などさして隠す必要もなかったではないか。オリンピックですら、当初は全裸だったというのに」
ビシッ! とゼウスは広げた左手の平を顔の前に置いてポーズを決める。
「おお、さすがは我が主、アカイアの最高神。なんとも魅惑的な肢体! 最高水準のダイヤモンドにすら勝る至高の輝き!」
ランスロットが感動に目を輝かせる。
「さすがは我が第一の騎士。そう、ミケランジェロの造型などこの俺の肉体に比べればまだまだよ。神域の芸術家も我が肉体に勝る像を生み出すことはできぬ。……さあ、もそっと近こう寄れ。王の寵愛をくれてやろうではないか」
調子に乗ったゼウスはランスロットを抱き寄せ、蜂蜜色の髪を梳くように撫でる。
「あ……主。かような場所で……」
「人目など気にすることはない。どうせ見えぬ」
ゼウスはランスロットの頬にキスをする。
「ん……!」
ぴくり、とランスロットは身体を震わせた。
ゼウスはランスロットの背後に回りこみ、服の中に手を入れる。豊満な胸を鷲掴みにして、秘所に指を差し込む。
「んふ、うっ」
乳首を摘み、捏ね繰り回す。ゆっくりと、焦らすように快楽を与える。一方、膣口の方はすぐに濡れ始めてきたので、激しく責める。
「早いな、ランスロット。ぐじゅぐじゅと、やらしい音が聞こえてくるぞ」
「い、わないでくれ。主。あれから、一度も愛して貰っていなかったのだぞ」
「餓えているのだな」
「ああ、餓えている。主の肉棒で、愛して欲しい」
ゼウスは秘所を弄っていた手を抜いて、ランスロットに見せ付ける。愛液に濡れたゼウスの手。すっかり、淫らな身体になってしまった。
「はあ、あ……」
ランスロットは舌を出して、ゼウスのキスをせがんだ。ランスロットの要求を受け入れて、ゼウスはランスロットに口付ける。愛撫も再開する。
「ふ、ん。あん、んむ。れる、んぐ、こく、……んふう……あ、るじぃ。はあ、もっと、くれあ。ちゅ、ちゅる」
ランスロットは甘えた声でゼウスを求める。熱い舌で、ゼウスの舌を捕らえ、形のよい唇で、ゼウスの唇をしゃぶる。溢れる唾液が流し込まれるが、それをうっとりとした表情で味わい、飲む。
ゼウスはランスロットの脚絆を下げ、尻を出させる。そして、尻穴に亀頭を差し入れた。
「んあっ」
ランスロットは、肛門から入り込んでくる異物感に目を見開いた。
「主……そこは、ちがっ」
「どうせ神には縁のない穴だ。気にするな」
何の準備もしていない状況で、ずぶずぶと肛門を押し広げて中に入ってくる。
ゼウスの言うとおり、排泄が存在しない『まつろわぬ神』にはここを使う機会がない。ゆえに、この穴に肉棒を突きたてるという行為そのものが想像の埒外にあった。
「お……お、ああっ、あ、が……」
苦しそうにランスロットは声を漏らした。崩れ落ちそうになる身体を、ゼウスが両手で支える。
「ランスロット。お前の尻穴も、なかなかの締め付けだ。今後、はこちらも可愛がってやるぞ」
耳元で囁かれて、ぞくぞくとしながら、ランスロットは笑みを零した。
「ああ、はい。主よ。ありがたき幸せ……うんっ、ふ、うふうぅ……」
そうしている間にも、肉棒がランスロットの中に沈んでいく。太く、固いそれがありえない場所に入り込んでいる。そのことに、背徳的な快楽を感じて、ランスロットは戸惑う。騎士たるに相応しい行いとは思えない。子を作ることにも繋がらない。ただ純粋に、性感を得るためだけの行為。
「どうだ、ランスロット。初めてのアナルは?」
舐めるようなゼウスの問い。ランスロットは、震える膝に力を込めて、息を吐いた。
「はあー、んふうー。く、苦しい。が、こ、興奮する」
「よくできた。では動くぞ」
ゼウスは初めてのランスロットを気遣ったのか、ゆっくりと差し込んだ肉棒を抜いていく。
「ん……」
腹の中が擦られて、内臓が捻り出されそうだ。
膣内が切なく収縮する。男を欲しがっている。だが、ゼウスの大樹はランスロットの膣ではなくその後ろを貫いている。押し広げ、引っ掻き回している。
「んふー、んふー、んあ。くふぅー、はぁ」
ゼウスの律動はゆっくりとしている。まるでランスロットの尻穴を慣れさせるようにじっくりと開発が進められている。
ランスロットにも、それが分かる。これは、ゼウスの慈悲だ。乱暴にされない。優しくされている。それだけで、ランスロットは満たされた気持ちになる。たとえ、人間が往来する道の上で、尻穴を犯されているとしても、そんなことがどうでもよくなるくらいに、気持ちが昂ぶっている。
ゼウスがランスロットの首筋を舐め上げ、耳たぶを甘く噛んだ。えもいわれぬ快感に、ランスロットは目を細める。
「はあ、あぁぁぁん。主ぃ……気持ち、いいぃぃ……」
蕩けた声で、快楽を口にする。《鋼》の軍神の姿など、そこにはない。それは、まるで娼婦の如き顔であった。
「なら、もっと強くしても構わんな」
「ああ、頼む。主。このはしたない尻穴に、主の偉大さを教え込んでくれ」
ふん、とゼウスは笑い、一息に根元までランスロットの中に突き入れた。
「えぐっ」
ランスロットは息を詰まらせた。それでも、ゼウスは止まらない。一度、ランスロットの尻穴が大丈夫だと判断したからには、容赦なく快楽を貪る。
パンパンパンと、肉をぶつける音が響く。
「うおおおお、あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああっ!? んぎもぢいいいいいっ!? こんな、尻穴が、気持ちいいなんてぇぇぇええ!」
ランスロットは嬌声を上げて快楽に酔い痴れる。整った顔を蕩けさせ、だらしなく開け放した口からだらだらと唾液が糸を引いて地面に落ちる。
「あへえ、あへああ、ふあああ、尻があ、余の尻が、主にいぃ」
「ランスロット。尻の中に注いでやるぞ。ケツ穴を絞めろ」
「承知、したぁ」
揺さぶられる身体に鞭打って、ランスロットは尻穴に力を込めた。きゅうぅ、と締め付ける感覚に気をよくしたゼウスは、我慢することなくランスロットの中に射精する。
「ふわああああああっ」
ランスロットはゼウスの灼熱を腹の中に感じて、絶頂した。
「あ、あ、ああああ、主の精液が、余の中に……あはは、は……すごい、余の運命……我が、主ぃ」
ランスロットは笑みを浮かべて余韻を楽しんでいる。
ずるり、と引き抜かれる肉棒。ランスロットは、地面に両手を突いて、息を整える。
熱い精液が、尻穴から溢れ出てくる。相変わらず、途方もない量の精液を注がれたらしい。それだけ楽しんでもらえたのなら、配下として嬉しい限りだ。
「あ、主。まだ、こんなに、大きい……」
ランスロットは、跪いたまま、ゼウスの肉棒にキスをする。
それから、玉袋を口に頬張り、舌を可能な限り出して、棹を舐め上げる。
「れえろ、んあ、ぴちゃっ、ん」
そして、ゼウスの肉棒が跳ねて、白濁液をランスロットの顔にぶちまけた。
「んはあ、あぁ、主の……粘つく、すばらしい……ん、ちゅ」
ランスロットは、顔についた精液を手で掬い、ぴちゃぴちゃと舐め始めたのだった。
□
「すっかり、俺の女になってしまったな、ランスロット」
「ふふふ、仕方あるまい。主のような男に抱かれては、女であることを自覚せずにはいられぬよ」
クールに振舞いながら、ランスロットは笑う。
「欲望のままに振舞うのが『まつろわぬ神』。ならば、余にも乙女としての欲があったのであろう。男に組みふされ、征服されたいという、浅ましい欲求がな」
それを、浮き彫りにさせたのか植えつけたのか、ゼウスという男に組み伏せられて、ランスロットは己の内から湧き上がってくる衝動のままにゼウスの身体を求めてしまった。
「この身はすでに男を知ってしまった。悩ましいものだ。かつての愛し子を差し出してでも、卿の寵愛を欲してしまうのだからな」
ささめいて、ランスロットはゼウスの胸に頬を寄せた。
そんなランスロットの背中を撫で摩り、ゼウスは微笑む。
「くく、心配するな。グィネヴィアもお前も無碍には扱わん。我が第一の騎士にして愛妾ランスロット」
「主……」
ランスロットは目を細めて、ゼウスの胸に顔を埋める。
「では、さっそく狩りと行こうか。我が騎士としての働きも見せてもらおう」
「承知。卿の望みとあらば、神殺しすらも屠って見せよう」
そうして、ランスロットとゼウスは目標を見定めて行動を開始した。
狩人は今、狩られる側になったことを自覚していた。
長き眠りから覚めて一月と経っていない。体調は万全とは言い難いが、それでもそこらの土地神程度なら容易く屠れるだけの力を取り戻している。
しかし、今回ばかりは相手が悪かった。
白銀の甲冑に身を包んだ、謎の《鋼》。強襲されてからこれまで実に二時間ほどを戦い続け、こちらの攻撃はろくに通らない。《蛇》に属する大地の女神であり、狩猟の神である彼女は、多くの敵を射殺してきた。しかし、これほどの敵と相見えたことはなかった。それでも敗北を受け入れるのは女神の矜持に反する。
森を駆け抜ける。騎士の神は、直線距離では他の追随を許さないが、こうして森の中に誘い込んでいれば、機動力が大幅に低下する。木々をすり抜ける弓術によって、的確な射を行いつつ、騎士から距離をとるために走る。
山野は狩猟神の独擅場だ。
まず、追いつかれることはない。
「よしよし、上手くいったな」
突如、真上から聞き覚えのない声が降りかかってきた。
「な――――!?」
瞬間、世界が白く染まった。
「ガアアアアアアアアアアッ」
全身を引き裂くような痛みに絶叫する。
空から降り注いだのは、一条の雷撃。木々を消し飛ばし、大地を蒸発させる天の一撃だ。だが、女神たる彼女には、呪力への耐性がある。たった一撃で命を奪われることはない。
「ぐ、くぅ……」
それでも、その一撃は強力に過ぎた。
うつ伏せに倒れる彼女には、次の一撃をかわす力は残っていない。騎士の神との戦いでの消耗が激しすぎたのだ。
「これまで、か」
否、まだだ。まだ、負けていない。
ふら付く足に喝を入れて立ち上がり、再び木々の間に姿を隠そうとする。周囲の木々は吹き飛ばされており、彼女の瞬発力を以てしても、一足飛びに森に飛び込むのは不可能。だが、やらねばならない。
「逃がさぬ」
声と共に、途方もない重圧が彼女を襲った。身体が無理矢理地面に叩きつけられ、拘束される。見えない力が背中といわず全身を圧迫しているのである。
「くあ、は、何者じゃ」
彼女は精一杯の強気で、攻撃主に問う。
「何者か、と聞かれたら、答えてあげるが世の情け」
ザ、と彼女の前に降り立つ黄金の甲冑を着た男神。
「き、貴様、まさかゼウスか」
「…………」
ゼウスは口上を遮られてご立腹だ。
無言で倒れる女神に歩み寄り、頭に被っている熊の毛皮を剥ぎ取った。背の高い女神は顔貌が整っていてとても美しい。髪は黒く、衣服は腰布と胸を隠す肌着だけだ。
極めて始原的な信仰の下に確立した女神なのだ。
「な、にをするか」
「無論、狩りだよ。女神アルティオ。ヘルヴェチカの戦士の女神よ。以後は、俺にのみ仕え、俺のことだけを考えるがいい」
ゼウスはアルティオを仰向けに転がすと、腰布を取り払い、両膝を抱えて股を露にさせた。
「な、バカな。おのれ、離せッ」
「無駄だ。我が第一の騎士との戦いでずいぶんと消耗したであろう。すでに貴様には抗う力がないのだ」
「まさか、あれは……」
「猟犬に追い立てられる熊の女神というのも滑稽な話だ。なあ、アルティオ」
ゼウスはがちがちに固まった肉棒を、問答無用でアルティオの膣内に突き刺した。
「はぐ、があああッ」
「アルテミスと近しい神格のお前が俺に歯向かうなどできぬ。冥界の女王など捨ててしまえ。お前は今日、この俺にまつろわされたのだ」
破瓜の痛みが消える前に、ゼウスは腰を動かしていた。濡れてもいない膣内は肉の柔らかさこそあれ、動かすのは多大な苦労を強いられた。
「うああ、止めろ、動くでない! ぐうぅ! うがああ!」
「もうちっと、色気のある声は出せんのか」
「ぐあああああああ」
苦痛に呻くアルティオ。他の女神の時と異なり、今回は愛撫も無しに本番に入ったため、ゼウスも快楽以上に痛みが強い。
だが、
「くくく、尊大な冥府の女神が俺の一物に貫かれて泣き叫ぶ様はそそるものがあるのう」
「ふざけるでない。早くこの気持ち悪いのを抜けッ!」
「ますます苛めてやりたくなるではないか、それそれ」
「うぎううううううっ!」
アルティオの膣内を無造作にゼウスは犯す。身を守るためか、それとも徐々に身体が慣れてきたのか、ゼウスの肉棒の出し入れが、スムーズになっていく。それはつまり、
「どうしたアルティオ! 濡れてきたではないか!」
「う、ううう嘘じゃ! 妾にそのような、くうんっ!」
肉棒の先端が奥深くを突いた時、口を突いて出た甘い声にアルティオ自身が愕然とした。
「あ、ああ……」
「我が体液には女を蕩かす効能があるのでなぁ。こうしているうちにも先走りがお前の膣内へ染み込み、快楽を与えることになるぞ」
「い、嫌じゃ! 離れろッ! ゼウスッ!」
「い、や、だ、ね」
ゼウスは嬲るように腰を動かし続ける。アルティオの両足を持ち上げ、肩に担ぐ。そして、自身は圧し掛かるような体勢を取る。屈曲位と呼ばれる体位である。
これにより、肉棒が奥深くまで挿入されることになる。
「う、わがああああ、お、おぐに、くるぅぅうううう」
アルティオは足をばたつかせて逃れようとするが、その抵抗がますますゼウスの肉棒を深く差し込むことに繋がってしまう。
「いいぃいっぃいいいいいいっ。い、嫌じゃああ……奥を、叩くなぁあ゛あ゛」
「何故ダメなんだ? ん? 理由を言ってみろ、冥界の女王よ」
「う゛う゛う゛ぅぅああああ……あーーーーぁ゛ああ」
今の体位だと、ゼウスの肉棒が挿入されているところがアルティオにも見えてしまう。自分の守るべき場所に男の肉棒が猛々しく出入りしている様を見てしまう。目を逸らしても滴り落ちる愛液が自分の身体を濡らしていく。
「こんなにダラダラと涎を垂らして、いやらしいと思わんか、ええ? アルティオ」
ぐぐ、とゼウスはアルティオの膣内に肉棒を根元まで押し込む。
「くひ、は、あぐ……ち、違う。これは、違うっ。何かの、間違いじゃ……何かの……」
呆然と、アルティオは呟く。犯されて喜ぶ己が肉体の反応を、直視して受け入れることができないのである。
「悦んでいるではないか、ほれ」
ゼウスは差し込んだ肉棒をそのまま円を描くように動かした。柔らかい女の肉がゼウスの肉棒にゆっくりとかき回される。
「ふいあっ。ひはっ、はあ、う、うごかな、あひっ」
びくんびくんと、嬉しそうに腰が跳ねる。
「ははは、まるで楽器のようだな。それ、甘い雅楽を奏でてみよ」
「ふや、は、ひ、は、あが、くはああ、んあ、んお、お、あふあ、ひい」
ゼウスの動きに合わせて、アルティオは蕩けた声を漏らした。ゼウスはそんなアルティオの頬を両手で押さえ、口付ける。
「ん、ふ、ちゅぷ……んぐ!? ん、んーーー、ぷあ、あ、ぜう、す、貴様……妾を、ふぐふうん……」
「母なる女神ならば、母らしく俺の子でも孕んでみよ」
ゼウスはアルティオの顔を舐める。頬や唇に唾液を塗りたくる。まるで、この身体が己の所有物であるかのように。
「く、……ゆ、ゆるさぬ、ゼウス。ゆるさぬからなぁぁああ」
「そういうことは、その惚けた面を引き締めてから言いたまえ」
「んおおおおおおおおっ」
快感が頭をぐちゃぐちゃにしてしまう。ゼウスが動くたびに、おぞましい多幸感がアルティオの思考を容赦なく塗りつぶそうとする。
地に属する女神としての意地と、《鋼》への対抗心からアルティオは懸命の己を維持しようとしている。
「ぐあ、うあひい、……んぐあ、あぇああえいあっ。ゆ、さぶる、でない。妾は、このような、ことには、屈せぬぅぅううううっ」
白目を剥きかけながら、アルティオは主張する。もはや、誰に対する主張なのかも理解していないのに、意地だけで言葉を紡ぐ。
その不屈の精神に、ゼウスは口角を吊り上げて笑う。
「だが、気持ちはいいのだろう?」
ゼウスの素朴な問い。同時に奥深くを抉る肉棒。
「き、気持ちい、ぐないいっ。ぎもちよくない、よくないのじゃあああ。よくなっておらぬ、よぐなっでおらぬからなああああっ。むぐうっ」
ゼウスがその口を塞ぎ、口内に舌を押し込む。
唾液を流し込み、舌を絡めて蹂躙する。歯茎を舌先でなぞり、舌の裏を舐め上げ、びちゃびちゃと音を立てる。
「ふぐー、んぐー、じゅる、んは、むうー、んあぁぁー。ちゅ、ちゅる、んぐ……」
激しくキスをしながら、腰を打ちつける。
肉棒を動かすたびに、アルティオの身体はそれと分かるシグナルを発する。膣内が震え、襞が肉棒を離すまいと吸着してくるのである。女神本人の意思など、すでにこの身体には関係なくなっている。
「どこを責めればよいか、すでに分かっているぞ」
ゼウスはこれまでの経験を総合し、おそるべき腰技でアルティオの弱所を捉え始めた。まるで、これまでの行為は予行演習とでもいうように、的確に弱点を貫いてくる。
「ひ、ひゃうっ、そ、そこは、い゛ぃがん、ついては、ならんん。……ん、んあ、くひいっ」
「気持ちよさそうだぞアルティオ」
アルティオは揺さぶられる身体を固定しようとしているのか、ゼウスの両肩を鷲掴みにしていた。それが、男に甘えるような仕草なので、ますますゼウスは調子に乗る。
「うあ、うあん、ぬあ、ひが、んはああああああん、い、やああっ。そん、なところを、突いてはっ」
「ここだな。そおれ」
「あぎぃああああああああああああああああああああ」
腰を大きく震わせて、アルティオは潮を噴いた。
どしゃ、と脱力して、ぜえぜえと息も絶え絶えといった様子だ。
「あ、ああ……ちが、今のは……」
「イッたな」
「ちがう。……達しておらん。……妾が、そのようなこと……」
「まあ、いい。俺もまだ出してないしな」
「うぐはぁあ」
ゼウスが再び律動を開始した。子宮にすら届く深々とした挿入がアルティオの敏感になった身体を攻め立てる。
「まて、まって、今、動くのはぁ……くひ、くひあ、あへえ」
「ふん、今のお前の顔に比べれば、こっちのほうが幾分も締まりがいいわ」
ゼウスは、アルティオの口の中に指を差し込み、舌を引き出した。ぬるぬるとした舌を玩ぶ。
「ひは、ひは、……はぁ……あ、あ、ひ、はー、はー、ああぁ」
「んあ」
おまけに、アルティオの口の中に唾液を流し込む。舌を口の外で捏ね繰り回されているアルティオにこれを拒むことはできない。
重力に従って落ちてくる唾液を、口で受け止めるしかない。
「ひゃめ、あぎ、あん。んく」
喉を動かして、ゼウスの唾を飲んでいく。舌がその動きに合わせて蠢く。
ゼウスは、そんなアルティオの舌を咥えて、吸った。口の中で唾液を絡め、優しく噛む。
「んおおおおおおお、んおほおおおおおおおおおお」
もはや舌すらも性感帯とでもいいようにアルティオが悦ぶ。
そして、ゼウスは思いっきりアルティオを貫いた。
灼熱の精を、その子宮内に放出する。
「ふおおおおおおおおおおおおお、熱い、熱いいぃぃいぃいぃっ!」
アルティオは放心した様子で虚空を眺めていた。子宮に放出された灼熱。犯されて鋭敏になった身体。すべてが信じられなかった。このようなことを認められるはずがなかった。
「違う……これは、違う……間違いじゃ。このようなことが許されていいはずがない。……妾は、大地の女神……《鋼》などに、犯されて悦ぶはずが、ない……は、はは……」
光を失った瞳。茫洋とした眼差しはどこを見るともなく漂うばかりだ。
そんなアルティオを見下ろして、ゼウスはうむと頷いた。
「それでは準備運動はこれまでにして、本番といこうか」
耳を疑う発現である。
これには、身の危険を感じたアルティオが意識を浮上させる。
「が、ば、かな。……まだ、するのか?」
「無論。始まったばかりぞ」
ゼウスは大げさに胸を張り、未だ衰えを知らない肉棒をアルティオに見せ付ける。
「ひ、いあ……うああああああああ」
アルティオは這うようにしてゼウスから距離を取ろうとする。今の今まで犯され続けて、すでに呪力は空っぽだ。抵抗することなどできるはずがない。心は折れかけている。だが、まだ折れていない。偉大なる大地の女神としての矜持が、まだ残っている。だから、これ以上犯されるわけにはいかない。
這ってでも逃げなければならない。
そんなアルティオの足を、ゼウスは掴んで、引きずる。
「は、離せ。離せ、ゼウス!」
叫び、もがく。その度に、注ぎ込まれた子種が膣口から零れ落ちる。
「もったいないだろう。栓をしてやるよ。しっかりと俺の精を味わえ」
ずぶり、とゼウスは嫌がるアルティオの膣内に挿入した。
「あああああああああああああああああああああああああああああ」
アルティオは、絶望の嬌声を上げる。
「いらぬいらぬいらぬいらぬ! もういらぬ! 精液いらぬ!」
「そう言うな。せっかく活きのいい女神なのだからな。興も乗ったし、最後まで付き合ってもらうぞ」
ゼウスの言う最後が何回の後に訪れるのかアルティオには分からない。
だが、この男神のことだ。一回や二回では済まないだろう。終わる頃に、アルティオがアルティオでいられるとはとても思えなかった。
「嫌じゃああああああああああああああああああああああああああ」
饗宴は続く。
アルティオがどれほど拒もうとも、延々と繰り返される。次第に心が壊れ、悦に浸り、気絶しても尚、犯され続け、ありとあらゆる快楽を教え込まれてしまうのであった。