魔王城でおやすみなさい―MASEX!― 作:( ˘ω˘)スヤァーリンおじさん
まーくん達淫魔兄妹の住む部屋で、さっきゅんは腕組みをしながら珍しく口をへの字に結んでいた。
いつも「うがー」と口を開けっ放しにしている事を考えれば、その深刻さが十分に窺えるだろう。
「うーん……うがーっ!」
しかしすぐにぱかーっと口を開いて、呻き声を上げてしまう。
さっきゅんは悩んでいた。
そしてこんなにもさっきゅんの心を掻き乱すのは、最愛の兄、エリート淫魔のまーくんの事しかありえなかった。
(最近お兄ちゃんの様子が、なんだか変な気がする……っ!)
妹淫魔であるさっきゅんは、まーくんの変化に一早く気付いていた。
兄の様子が、なんだかおかしい事に。
さらわれた姫の専属世話係という、魔王様直々に命じられた大任。
忙しい事は十分に理解できるものの、兄の内心に起こっている微妙な変化を、さっきゅんは敏感に感じ取っていたのだ。
(それに最近、お兄ちゃんとエッチしてないし……うがー、寂しいよぉぉ……っ)
などと思いつつ、今朝も兄チンポから濃厚ミルクをごっくん♡しているのだが、さっきゅん的には本格エッチ(アナルセックス)はしてもらっていなかった。
しかも最近ではさっきゅんの方から誘うばかりで、まーくんからリードしてくれる事が減ったように感じてしまう。(
(これってまさか……倦怠期って奴!?)
などと兄妹に似つかわしくない発想をするさっきゅん。
だがさっきゅん的には至って真面目であり、夫婦やカップルは所詮他人同士でしかないが、他人でありながら妹にして貰った自分は一段上の関係であるという謎の理論で自信を持っていた。
けれどそんな自信も、新たに現れた脅威を前に呆気なく圧し折れてしまう。
それは魔王様がさらってきた人界の姫君。
愛しの兄が世話係を務めることになった、この世界で最も高貴なお姫様だ。
姫の世話係を始めてから、兄の様子はおかしくなったのだ。
(やっぱり原因って、人間のお姫様……だよね?
お姫様ってきっと、綺麗で優しくて皆にモテモテなすっごい女の子なんだろうなぁ……)
さっきゅんは未だ、くだんのお姫様と顔を会わせた事がない。
兄からは「さっきゅんによく似た、素敵なお姫様だよ」と聞いてはいるが、そんなお世辞で喜ぶほどさっきゅんは子供じゃなかった。
さっきゅんが姫に関して知っている事は少ない。
姫の身柄は魔王城にとって重要な機密事項なので、仕方ないといえば仕方ないのだが。
けれどそれが一般の魔物達の関心をよりいっそう引いてしまい、城内での姫様人気は留まる事を知らなかった。
なんでも謎に包まれたミステリアスな所がいいのだとか。解せぬ。
その影響か一部では「可哀そうなとらわれの姫様を牢から解放せよ!」などと声を上げる魔物団体が組織されたとか何とか……この魔王城、大丈夫かな?
姫が手慰みに作ったという枕や衣服、可愛い小物などはその全てがプロ顔負けの出来栄えであり、それだけで姫がただ者じゃないことが窺える。
その丁寧な仕上がりと可愛らしいデザインからとっても女の子らしい優しい姫様なのだろうと、魔物達の間では信じられていた。
さっきゅんもその一人で、姫様ブランドのファン第一号だ。他の魔物達相手にも古参面しまくりである。
何故なら姫の世話係である兄のまーくんが、最初に姫様ブランドのモニターとして選んでくれたのが、何を隠そうさっきゅんだったからだ。
売りに出される予定の可愛い衣服なんかは、何故かさっきゅんの体格に丁度良い物が多かった。
なので「ラッキー♡」とばかりに試着し、そのまま姫の作品を気に入ってしまったのだ。何だかモテ度も上がった気がする。
そうして問題がなさそうな物を売りに出しているので、さっきゅんは一番に触れる事ができたのだ。
ちなみにサイズ別の衣服は、姫様の気分次第で作られるため入荷待ちとの事だったので、他の女魔物達から非常に羨ましがられた。ちょっぴり優越感。
やがて姫様ブランドの規模が大きくなるにつれ、さっきゅんも兄の手伝いで売り子をやったり、運搬作業などの雑用を手伝っていた。
なんでも姫様の興が乗ったとか何とかで、半日で部屋一杯になるほどの品が溢れてしまったのだとか……その姫様、ほんとに人間???
その時の売り上げはかなりの物で、金貨袋が幾つも積まれたテーブルを見て、思わず
モテモテ淫魔らしからぬ態度だった。反省。
そんな風に、姫様はとらわれの身でありながら、色んな物を作っては魔物達に売り、お金を稼いでいる。
さっきゅんよりも遥かに高給取りな人質の姫だった。(ツッコミ不在)
落ちこぼれ淫魔である自分とはえらい違いだ、とさっきゅんは落ち込んでしまう。
淫魔としても、兄にはたくさん可愛がってもらっているが、他の魔物達からの反応は相変わらずさっぱりだった。
今日も食堂前で色気たっぷりに(※自称)声を掛けてもスルーされ、城内で遊んでいる『でびあくま』達にさえ無視される始末。
(もしかして私、嫌われてる???)
そんな風に落ち込むさっきゅんだったが、そんな場合ではないとすぐに立ち直る。
ポジティブなのがさっきゅんの良い所だ。以前に兄もそう褒めてくれた。
「そうだよ……お兄ちゃんは、誰にも渡さないんだからっ!」
兄が姫様に誑かされそうなら、妹である自分がそれを防いであげるのだ。
エリート淫魔である兄に限って有り得ないとは思うが、優しい兄の事だから、姫様に惚れられてしまっても不思議ではない。
そして恋する女の子が時に過激な行動に出る事も、物語ではよくある事だ。
そうなれば何だかんだで押しに弱い兄が、姫様に下半身を襲われてしまうかもしれない。(淫魔的発想)
「このままじゃ姫様に、お兄ちゃん取られちゃうっ!!」
通常であれば、それはさっきゅんの飛躍した被害妄想でしかなかったがまさかのドンピシャである。
そんな事は露知らず、さっきゅんは「うがー!!」と気合の声を上げた。
「私がお兄ちゃんの愛を、取り戻さなきゃっ!!」
――なおこの時、まーくんは姫様まんこに何度目かの膣内射精をびゅるるるるっ♡していた。
賢者タイムになったまーくんが自己嫌悪でのたうち回るまで、後少し。
( ˘ω˘)「さっきゅんは不憫かわいい」