魔王城でおやすみなさい―MASEX!― 作:( ˘ω˘)スヤァーリンおじさん
(……よしっ、行くぞ!)
まーくんは扉の前で気合を入れる。
ここは世話係用の詰所内。あと一枚扉を潜った先は姫様の居住スペースであり、当人と顔を会わせる可能性が非常に高かった。
お風呂やトイレなどの所用でいない可能性もあるが、普段の姫様ならまだベッドで眠っている時間だ。
けれどあんな事(ガチハメ交尾)があった後だ。まーくんの事を待ち構えている可能性もある。
(まずはちゃんと謝らないと……!)
かつてまーくんは、淫魔だからといって決して変な事はしないと口にした。
なのに結局は欲望に負け、淫らな
淫魔に対して無防備過ぎた姫様にも責任があるとは思うものの、それを口にするのは男らしくないと少年は思っている。
そもそも淫魔である少年を誘う様に、まーくんのチンポを過剰なまでにイライラさせまくったのは、恐らく姫様にとっても意図した事ではないのだろう。
性的な知識の薄さはあの交尾の最中に判明している。
ただ天敵を知らない草食動物が、肉食獣の前で寛いでしまっただけだ。
無知な女が性欲旺盛な男に犯されるのも珍しい話ではない。
しかしこの場合、肝心なのは姫様の気持ちであり、あれから冷静になって魔族への殺意に目覚めている可能性もなくはなかった。むしろ大いにありえる。
何故なら相手は統一人類王家の姫君。その高貴さと誇りの高さは、淫魔が一回犯したくらいで穢せるほど安くないはずだ。
最悪の場合、魔物絶対ぶっ殺モードに入った姫様と、命を賭けた修羅場になる可能性もあった。
(……それでも、逃げちゃダメだ)
さっきゅんに慰められたとはいえ、いざ対面するとなると緊張してしまう。
それでもまーくんは一人の男として覚悟を決め、扉の内鍵を開けて居住エリアへと入った。
だが姫様の元へと向かうその足は、踏み入れた一歩目から吊り上げられる結果となった。
天地が逆さになり、まーくんの体が宙を舞う。とったどー!(幻聴)
「ふぇええええっ!?!?」
突然の事態に少年は絶叫してしまう。
ぶれる視界の先には仁王立ちする姫様の姿が。
まーくんを待ち構えていたのは、捕縛トラップを拵えていた姫様だったのだ。
材料は刺繍や裁縫用に渡した布地を使ったものらしく、一部は観葉植物からもぎ取った物らしき蔓が見える。
よくよく見れば伐採した木(ネオ=アルラウネ贈呈のもの)を加工して滑車を作っており、それでまーくんを一本釣りしたらしかった。創意工夫に溢れるDIY精紳だった。
そして姫様は吊り上げたロープを固定すると、空中でぶらぶらと揺れる少年の元までやってきた。
(こ、殺される……っ!?!?)
絶体絶命のピンチに、まーくんの顔が蒼白になる。
視界が激しく揺れるせいで、姫がどんな顔をしているかわからない。
それがよりいっそう少年の恐怖を掻き立てた。
「な、ひ、姫様ぁあああっ!?」
まさか、いややはり、姫は殺意の波動に目覚めてしまったのか。
このまま嬲り殺しにされる事すら覚悟したまーくんだったが、そんな少年に姫はぽつりと呟いた。
「…………りないの」
「ふぇ? な、なんです???」
『りない』?
もしや嬲り足りないとか、苦しめ足りない……とか?
「ひぃっ!?」
思い付いてしまった最悪の事態。
(この姫様、まさか拷問する気では???)
先手必勝とばかりに拘束してきたのだ。
今の姫様はヤル気に満ち満ちている!
(ごめん、さっきゅん! 僕死んだ!)
ガチで殺される五秒前。
姫様にガチ殺距離まで近付かれたまーくんは、残される事になるだろうさっきゅんへと謝罪する。
妹を眷属にして早々死ぬ事になるとは、情けないやら何やらで後で蘇生されたとしても会わせる顔がなかった。
そして姫は、まーくんに手を当てて吊り上げられた際の揺れを抑えた。
上下が反転した視界の中、そこで少年はようやく姫と顔を合わせる。
姫の目にはまーくんが思っていたような殺意の波動など微塵もなく、むしろ今にも泣き出しそうなほど、その星の瞳を潤ませていた。
「なにか、ものたりないの。自分でいじっても、全然たりない。気持ちいいんだけど、君にして貰ったのと比べたら全然ダメ」
いつもの淡々とした口調ではなかった。
懇願するような、切なげな声。
姫はまーくんに向かって、哀願していたのだ。
「もう、我慢できない。こんなんじゃ、ちっとも眠れない」
一人で幾らしてもダメだった。
どこまでいっても完全には満たされない。
むしろスル度に切なくて、寂しくて、姫の子宮はザーメン恋しさに疼いてしまう。
この性欲を解消しない限りは、安眠なんてできるわけがなかった。
だから。
「……君とまた、セックスしたい」
もう一度、確かめたい。
繋がって、感じて、高め合って、熱く激しいあの快感を再び味わいたい。
「ッ!?!?」
あまりの急展開に絶句するまーくん。
だがそんなまーくんを待つ姫様ではなく、あっという間に両腕を拘束され、次に宙吊りから解放されたかと思えば、その華奢な身体のどこにそんな力があったのかと思うほどの力強さで引き摺られていき、あれよあれよという間にベッドへと拘束されてしまった。
「は、え……?」
(この姫様、手際良すぎでは???)
人攫いの経験でもあるのだろうか。とらわれの姫様なのに。
そして拘束されたまーくんに馬乗りになると、姫はまーくんの衣服を脱がせにかかる。
「だ、駄目ですよこんなっ! もっと慎みを……っ!」
性に目覚め、もはや
まーくんの乱れた執事服と涙目になった美少女顔が合わさり、その姿は今にもレイプされそうな性的被害者にしか見えなかった。
そして実際、まーくんは淫魔でありながら姫様にレイプされそうになっていた。
(なんで???)
まーくんには訳が分からなかった。
つい昨日の、この時間までは処女だった姫様が、なぜ淫魔である自分を逆レするまでに至ったのか。
だがそんなまーくんの困惑などお構いなしに、姫はまーくんのズボンからチンポを取り出し、その竿を握った。
「ちょっ!? ひ、姫様!?」
足りなかったものが目の前にある。
ならばもう、我慢する必要など欠片もなかった。
チンポの根元をぎゅっと握ると、姫様は目を爛々と輝かせながらその口端を歪めた。
「――君のチンポ、ちょうだい?」
まーくんのナニに、最大の危機が訪れていた。