魔王城でおやすみなさい―MASEX!― 作:( ˘ω˘)スヤァーリンおじさん
とらわれの姫を幽閉する為に作られた、まーくん謹製の隠しエリア『
それには多くの魔物達の協力があり、中でも植物エリア「
植物系の魔物達に必要な陽光を供給している日照魔法陣の複製や、観葉植物を始めとした植物エリア特有の物資の支援。
さらには予算の話し合いでも、彼女がさらわれる姫に同情的だったからこそ、あの桁違いの額を確保できたともいえる。
まーくんもその時々でお礼を言ってこそいるが、近いうちに作戦行動が本格的に始まってしまう。
そうなればしばらくの間会えなくなってしまうので、一度きちんとお礼するべく、少年淫魔は植物エリアへと向かっていた。
(今日はたぶん、このエリアにいるはずなんだけど……)
事前にさっきゅんに頼んで、きちんとアポをとってもらっていた。
だがエリアボスが詰める場所は、当然領域の最奥にあり、まーくんも城内とは思えないほど、広い緑の空間を進んでいく。
(今回はネオ=アルラウネさんが十傑衆として出陣するけど、大丈夫かな……って、しょせん代理でしかない僕が思うのも失礼かな?)
魔王が姫をさらう前から、魔王城内の魔物達は慌ただしく、その時の為の準備に奔走していた。
姫をさらうのは、いわば人類への宣戦布告であり、それに対応するために魔王軍を前線に再配置しておく必要があった。
姫の奪還を名目に大規模な動員がされるであろう人類軍に対抗するべく、魔王城からも各前線に向けて増援を送ることが決定されている。
今回は女魔物達を主力とした増援部隊であり、その第一陣の指揮官に選ばれたのが、十傑衆の紅一点であるネオ=アルラウネだった。
そんな彼女の事を心配してしまうものの、それは力ある魔族に対して失礼な話だろう。
などと考えながら歩いていると、やがてまーくんは周りよりも一際巨大な大樹の根元までたどり着く。
(いつ見ても、大きな樹だなぁ……)
彼女の居室は大樹の上に作られていた。
根元には彫刻の施された瀟洒な扉が設置されており、内部の階段を昇った先には、魔法陣によって再現された陽光の煌めく空間が広がっている。
そこがエリアボス、ネオ=アルラウネの寝室だった。
天井はガラス張りになっており、光を余すことなく室内へと注ぐ構造になっている。
暖かみのある木調の壁には様々な花々が調和するように咲き誇り、少年の鼻孔に爽やかな甘い香りを届けた。
そして巨大な花の花弁に包まれた、ふわふわとした綿の大きなベッドに腰掛けるようにして、彼女はいた。
「ようこそ、お待ちしておりましたわ。『えりーといんま』さん――いいえ、まーくんっ♡」
彼女はその整った美貌に慈しみを込めて、少年淫魔の来訪を歓迎する。
その艶やかな唇は喜びからか上品な孤を描き、彼女が立ち上がるとその絹の様な光沢を放つ緑髪が、流れるように追従していった。
魔性の美女であるネオ=アルラウネを前にして、まーくんは思わず見惚れてしまうものの、すぐに我に返って挨拶を返した。
「こ、こんにちわ、ネオ=アルラウネさん。お忙しいところすみません。ご迷惑じゃなかったですか?」
「いいえ、まさかそんな、迷惑だなんて……まーくんならいつ寝室へ来られても、全く構いませんわ。それよりも――」
むぎゅ~♡と、唐突にネオ=アルラウネはまーくんを抱き締めた。
小柄なさっきゅんよりほんの少しだけしか違わない、華奢で小柄な少年淫魔の頭部は、成熟した女の豊満な胸部に、ちょうど良い高さで埋もれてしまう。
「ふぁっ!? ちょ、ネオ=アルラウネさん!? そんないきなりっ」
「んもう、二人きりの時は『アル』と……そう呼んでくださる約束でしょう? まーくん♡」
魔王城十傑衆エリアボス、最上位幹部であるネオ=アルラウネは、少年淫魔の前で、一人の女『アル』である事を望んでいた。
「普段はお互いに立場がある身ですもの。公私の区別それ自体は、仕方のない事ではありますけど……今はちゃんと、プライベートな時間ですのよ♡」
まーくんの身体が柔らかい女の感触に包まれる。
彼女の甘く優しい、それでいて男の欲望を刺激する女の匂いに、少年の頭がくらくらとしてしまう。
「あの、あ、アル、さん……その、僕、今日はお礼をしに……っ」
淫魔としての本能が強く刺激され、股間の逸物がズボンから飛び出そうなくらいに膨張していく。
それでも少年は理性を総動員して、本来の目的を告げる。
たとえまーくん自身、何となくこうなるんだろうなと予想はしていても。
「ええ、ですから私にお礼、してくださるんでしょう? まーくん♡」
瞳を潤ませてより美少女にしか見えなくなった少年の可愛らしい顔を、アルはその大きなおっぱいでぱふぱふする。
優しく慈悲深い女魔物として知られるネオ=アルラウネ。
だが今は植物族の魔物らしく、捕らえた獲物を絶対に逃がさないという食虫植物めいた雰囲気を感じさせた。
まーくんのふわふわした質の髪を優しく撫でるように抱え込み、意図的か無意識か、髪から伸びた蔓がひっそりと少年の逃げ場を塞いでいる。
(……あ、これ逃げられない奴だ)
まーくんは自身の運命を悟り、涙目を浮かべる。
だがその股間は実に淫魔らしく、これからの情事への期待にビクビクと震えてしまうのであった。
秘密の花園での秘め事が、人知れずに始まろうとしていた。