※この作品はR-18です。

轟沈しましたが悪運はあったようです(大井になりました)・裏   作:Toygun

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16.4 後日談4.4 特務課における情報鑑賞会

「悪い、なんか聞き間違えたかな」

 

大本営特務課内、部署の会議室にて、金田准将は加藤あきつ丸の報告に、つい確認を求めてしまった。残念ながら聞き間違いではなく、報告に対する肯定が返ってくるだけだったが。

 

「冗談のような話ですので、その反応は正しいでござるよ」

 

「薬物とかでそういうのはあったが、素でそれはなぁ」

 

艦娘向けの興奮剤の類は、特務課だけでなく複数の部署から報告が上がっており枚挙に暇がない。しかしながら艦娘自身の体質、または体質の変質は今のところ報告がなく、金田は思わずため息をつく。

 

「正直なところ、事情聴取をしているのか口説いているのか拙者自身も分からなくなるくらい話題が過激でして」

 

「嘘つけ、楽しんでただろ」

 

「同類と聞いていたので、あまり手加減しなかったのではありますが、なんと言うか反応が初々しくてついつい遊んでしまいましたな」

 

こう、聞くたびに真っ赤になって顔を隠すとか、最高でした、と加藤が口にすると、金田はうんざりしたように、苦言を呈す。

 

「よその娘さんからかってないで、とっとと女捕まえろよ。魚雷ぶち込まれねえ内によ」

 

「そうしたいのはやまやまなのですが、どうにも真面目なお嬢さん方としか縁がありませんで」

 

いわゆる複数いる転生者の一人のあきつ丸だが、普段そばにいる者はいわばノンケばかりで、百合の花に埋もれたい本人としては何とも不本意な環境であった。

 

「それでこの大井、お仲間って件は?」

 

筋骨隆々の大男、剛田准将の問いに加藤は答える。

 

「好きなMSは、と聞いたところ、むせる方じゃダメかと聞いてくるくらいにはこっち側ですな。少なくとも機動戦士シリーズが無いことに愕然としてまして」

 

「自己認識はどうなのかな」

 

禿頭・三白眼・太った体型におろしただけで地に着く丸太のごとき腕と、異形のような倉土准将の質問に、一応、こちらでと端末に動画を表示する。これまでの会話は重要事項の確認と、特務に置けるちょっとしたコミュニケーションであった。

 

『うん、そう、タウイタウイの第4。覚えてる出撃の日程からすると大体1年くらい?』

 

『覚えてるのは、北上さんと、えーと、巫女っぽい偽外人の金剛かな。他の子は、入れ替わりがひどくって。わたし、けっこう頑張ったと思うんだけど』

 

『覚えてる限りは男だったと思うけど、なんかもう、遠い昔で。宿舎が吹っ飛ばされて待機所で雑魚寝とか、ざらだったし』

 

『ああ、そういえば寝てると結構な頻度で枕にされてたわ。電に甘いのもそのせいかな。金剛も枕にされる仲間だったから、覚えてるのかも』

 

『魚雷の航跡が見えて、それで遮っちゃった。咄嗟に誰か抱えたけど、多分駆逐艦の子かな。ちょうど北上さんがこっちを見たし、行動としちゃ間違ってないでしょ。沈んだこと以外は』

 

「個人情報として必要そうなのはこれくらいで」

 

「どこの業者の作品だって毎回思っちまうんだよなぁ。ほんと艦娘の事情聴取は刺激がつええわ」

 

艦娘でもあるあきつ丸を除くと、一番若僧に見える金田がそう愚痴る。見た目が「金田」なのでご機嫌なマシンが欲しいと常々言っている彼だが、戦争が終わるまで叶いそうにもない。

 

「それなんですがねえ。診察時の動画がありまして」

 

「すまん、流石に俺らが見るわけには行かないんじゃないか?」

 

この中で唯一の妻帯者である剛田が指摘するものの、

 

「ちょっと編集して顔と検査状態だけにしたのがありまして」

 

「それ本人から見たら羞恥プレイだろ。やっぱまずくね?」

 

「どの程度の異常か見ておいて頂きたく」

 

実際に見ないと、感度が対魔忍またはサイボーグ級など納得がいくまい、と結局皆押し切られるのであった。本心ではちょっと見たい、というのも事実であったし。

 

 

 

キュ、キュと何かが擦れる音がスピーカーから響く。

 

『それじゃ触診からですねー…すみません、少し力抜いてください』

 

「この声は明石か。さっきのはゴム手袋の擦れる音か?」

 

動画では「触診中」と表示されているが、この時点で頭の辺りだけ映る大井は、声を抑えようと片手で自分で口をふさいでいる。診察台の一部が映っているのが生々しく、なんで産婦人科のアレがある?と見ている特務課の提督たちは思った。大井の手は今のところ左手しか見えないが、おそらく診察台のどこかを右手で掴んでいるのだろう。実のところ撮影時の大井の心境としては、両手で押さえなければいけない程、はしたなくはないという虚勢の部類だった。撮影機は高性能なようで、大井が聞かれたくない声もばっちり入ってしまっている。

 

「なあ、ただの触診なんだよな」

 

テクニシャンに責められているレベルの表情の大井に、当然浮かぶ疑問を金田は口にした。

 

「遺憾ながら、拙者は元データを確認済みでござる。ただの触診でござった」

 

触診終了、の表示が出たところで少しだけ表情の和らいだ大井が映る。はあはあと涙目で荒い呼吸を繰り返している。

 

「ギリギリイかずに耐えきったって感じだな。顔だけで商品になっちまうぞ、これ」

 

剛田の感想に対してもっとひどいとあきつ丸が返す。

 

「序の口ですぞ。ネタバレで申し訳ありませんが、お仕事中の明石どのとの落差がひどくて、編集後の方がプレイ動画と言われても納得出来るレベルであります」

 

『それじゃ、いなづまちゃんが怖いのでちゃっちゃと次で』

 

『まって、もう少し休ませて!』

 

「この会話だけでひでえ」

 

金田の感想に、剛田が同意するように感想を続けた。

 

「一回イったあとに、やめてって言ってるようにしか見えんな」

 

『次は内視鏡ですから。色々触らなきゃいけなかった私の指よりはマシだと思いますよ』

 

『ちょ、つめた、なに?!』

 

『ただの潤滑剤ですよ。何分感覚とかないただの器具ですから。万が一傷でもつけようものなら殺されちゃいますし』

 

「おい、今単装砲か連装砲の稼働音入ったよな」

 

装填音を含む金属音を、剛田が指摘する。

 

「何分ご家族(笑)の方が立ち会っておりますゆえ」

 

背後で監視中の電について、苦笑しながらあきつ丸が言及した。

 

『あれ、入っていかない?うーん』

 

水っぽい音が入って、また大井がビクッと震えている。

 

『だから冷たいのよ、それ!』

 

『保存のため冷蔵されてましたし。遊ぶつもりならある程度は手を打ちますけどね、あくまで検査ですよ』

 

わざわざ一線引いてやってるんじゃ、との明石の気遣いである。

 

「うまく入らなくてローションを追加したのか」

 

『ちょっと緩めてくださいよ、検査できませんから』

 

両手で口をふさいだ大井がイヤイヤと首を振る。

 

『とっとと腹もケツもゆるめやがれです。器具ごとき搾ろうとするんじゃねーです』

 

「翠星石が…いる」

 

「アリスになれそうにもねえがな」

 

視聴中の提督たちの指摘も投げ槍になりつつある。重要情報のデータ確認にも関わらず、中身が性癖の偏ったAV同然だ。性的刺激で悶える少女の顔と声だけ、という内容のフェチズム全開の奴である。

 

 一旦口から手を離した大井が、呼吸を整えている様子が映る。目だけ下に向くと慌ててまた自分の口を両手でふさぐ。もう一度内視鏡を入れようとするのが眼に入ったのだろう。

 

「いやもうこの表情の時点で成人指定くらいそうだな」

 

「艦娘拘束診察とかまんまなタイトルになりそうだ。大井の顔だけで、何が行われてるか「妄想」が容易ってのがやべえ」

 

おそらくより深く内視鏡が入っているのだろうが、目を閉じ口を自ら塞いで耐えている大井からは、現在性交中と言われても違和感がない。んーんーとうなるような「嬌声」が音声として入り続けている。

 

『んー、目視でも異常はなさそうですねえ、って、いなづまちゃん、画面見づらいですから、あんまり押さないでください』

 

『内壁も、特になし』

 

『こっから先は流石に内でやるのは』

 

明石が何か言うたびに操作しているようで、その度に大井の頭が急に動いている。

 

『奥のはなんなのです』

 

『はい?あー、女の子同士だし言っちゃっていいかな。ちょっとお耳を』

 

「すまん、音声だけでも謝罪文出したくなった」

 

「一応恋人同士の類でも、中身まるっと見られるとかきつそうだな」

 

「しかも女の子一年生ときた。大井としての振る舞いは自然っぽいから、まあ大変だな」

 

女同士とはいえ、子宮口をガン見されたわけで、これは間接的にその事実を知った自分たちは有罪(ギルティ)ではないかと男たちは余計な心配をする。厄ネタを持ち込んだあきつ丸は、どこ吹く風とばかりにその件については知らん顔だが。どっちにせよ第13独立艦隊は特務麾下のため、詰んでいる話だ。

 

『目視だとここまでですね』

 

『ゆっくりと抜くのです』

 

画面外の電の指示に、診察中の明石が素っ頓狂な声をあげた。

 

『はい?』

 

『無造作に引き抜いてイかせたならそのままぶち込んで同じ目にあわせてやるです』

 

『ご無沙汰なので歓迎したいですけど、流石に前戯なしはつらいので、我慢しますか』

 

電の「俺の女」主張に、思わず欲求不満を吐露する明石だったが、仕事に専念する事にしたようだ。しかしながら、ずちゅ、ずりゅとゆっくり引き抜く音がする度、ぐったりしているのか半開きの目と口の大井が声とも息ともつかない音を、唾液まみれの唇から漏らす。じゅぽん、と大きな音がして、視聴中の提督たちも思わず前屈みになってしまった。

 

「なんでお前まで前屈みなんだよ」

 

「モノは失くしましたが動きの癖はそう抜けませんよ」

 

あきつ丸も前世は男性だったらしい。

 

『でも大物が残ってるんですが』

 

「つーかガチ感じまくりでもイってないってのも、なんかすげえ?」

 

「後ろで監督してるちっこいのが、手を止めさせてるんだろ」

 

画面内の大井は、先程から快楽に悶えるものの、一度も前後不覚に陥った様子は見せていない。

 

「でも検査器具でこれはなあ。胃カメラは苦しかったが、いくら下に入れてもここまではねえだろうし」

 

「ケツの方だと個人差あるそうだが」

 

幸運にもそっちは未経験の者ばかりだったらしく、口々に大体異常性は認識した、と言い始める。

 

「もう停めようぜ。ちょっとこれ以上は可哀想すぎる」

 

「イったらちっこい恋人から罰ゲームだろ?」

 

「一応、この後は複数の明石どの合作の自動内診機が控えておりまして。度々中断してどうにか耐えきっておりました」

 

「やめやめ」

 

「感度が異常ってならここまででいい。合意とは言い難い痴態の観察を、外野が勝手にやるのは駄目だわ」

 

年頃の娘の望まぬ痴態を、最後まで鑑賞なぞしたら妻に殺されるわ、と剛田が妻をだしに拒否する。

 

「ちんこは勃つけど、あとで罪悪感で自棄食いしそうだし、僕もいいんだな」

 

大食いの倉土もやめ、と宣言する。

 

「ではガチやばい部分は飛ばしまして、オチといきますか」

 

「「「おい」」」

 

あきつ丸のあんまりな言い分に、つい全員が突っ込むのであった。

 

 電源ノイズや空調の稼働音が響いている工廠。背後からピンク色の髪の女性─明石がデスクワークをする様子が映っている。タイピングにマウスのクリック音が響く。

 

「一転して実況系かホラー導入部みたいになったな」

 

画面端に映る非常灯がホラー感を増している。

 

「明石がナニか馬鹿でもやるのか?」

 

『よう、どうだ?』

 

特務も聞いた声が響いた。くるっと明石が椅子ごと振り向くと、ちょうど背が映った女性を立って迎え入れる。

 

『もー、ひどいじゃないですかー』

 

親しげに背に手を回して、二本のアンテナパーツを頭につけた─天龍を抱き締める。

 

『全然順番が回ってこないのに、あんな仕事振ってくるなんてひどいですよー。我慢するの大変だったんですよ?』

 

『オレも振っておいて気付いてよ。埋め合わせの手付けに気を紛らわすくらいなら、とついでに確認に来たんだが』

 

『確認がついで、ですか?』

 

『そこは見栄くらい張らせろよ。オレとお前の仲だろ』

 

女を優先する振りくらい理解してくれ、と天龍が白状する。

 

『そういう部分はマメだから、離れられなくなるんですよ。で、今晩が手付けですか?』

 

『次の非番、まるごとお前にやる。ルール違反だが、ろくでもない仕事振っちまったの確かだしな。まあ他に欲しいもんとかありゃ希望を聞くが』

 

『それで騙されてあげますよ』

 

少しだけ背伸びするように、明石の顔が天龍の頭の向こうに隠れると、しばらく水音が響く。やがて明石の顔がまたカメラに見えるようになると、ちょっと待ってくださいねー、と彼女が口にして、カメラに明石の顔が寄ってきた。きれいな唇が接写状態になると、カメラのマイクに唇の音を残して画面がブラックアウト、「No Signal」の表示だけになる。

 

「かんっぜんに成人作品じゃねーか!」

 

それも本番が映らねえ詐欺タイトルの!と金田が悪態をつく。

 

「天龍ちゃん相変わらずだなぁ」

 

13艦隊の責任者、天龍は所属艦娘の「欲求不満」の解消も業務に含んでいるのだが、その現場の一端を目にすると、剛田としても呆れるしかない。

 

「ブラックコーヒーが欲しくなるんだな」

 

食べるのも甘いものも大好きで、妖精さんにお菓子を配ったりする倉土だが、唐突な惚気オチに口の中をさっぱりさせたくなったようだ。

 

「ちなみにこの動画の編集、当の明石どのの編集でして、オチは八つ当たりの類いだとご理解頂きたく」

 

あきつ丸の情報に、同階級だが特務課責任者の金田は答える。

 

「自分の休暇の邪魔はするなよって意思表示だろ。久しぶりに「恋人役」としっぽり出来るからな。邪魔が入らねえようにこっちの仕事を片付けるとするか」

 

その言葉と共に、全員が関連資料のチェックを始めるのだった。

 

 

 

 

 

 




 なんかさらに内容が膨れた。エロ回というよりは背景説明回ですが。明石もそんなに理解してるキャラじゃないけど、結構勝手に動いてくれるな。書いてる鎮守府の爛れた女関係も説明しやすいし。
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