幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
「で、あんたがそのレミリアの言ってたお土産?」
「アッハイ外来人のポチです初めまして」
そう話す霊夢さんの横にはマタタビキメた猫みたいに甘えるお嬢様がいた。
それを霊夢さんは鬱陶しそうにぐいーーっと押しのける。
ははーん成程。ぼんやりと相関図が見えてきたぞ。
今のところ一方通行しかないけどな。〇ィィィ原くゥゥゥゥゥゥンってか。
そうなるとそこのメイドとしちゃあ複雑だろう。
一見済ました顔してるつもりなんだろうがハンカチ食いしばってグギギってなってる幻影が俺には後ろに見える見える。
俺?あんま舐めんなよ。
俺はレミ霊だろうがレミ咲だろうがレミマリレミパチュめーレミレミフラレミさと神子レミと古今東西どんなカップリングだってへっちゃらだ。
ただおぜう側が生やされるのが許せないだけだ。
おぜうさまが幸せならそれでいいんだ。そのはずだったんだけどなぁ。
ちょっとだけ胸にちくちくしたものが残った。
「ポチぃ?また随分と個性的な名前してんのね。犬じゃないんだから。」
「お嬢様に名付けてもらいました。」
「ちょっと?私が名付けたわけじゃないんだけど?」
「最後に決定したのはお嬢様なんで事実です。」
一応こっちでもポチは犬って認識でいいのか。
「じゃあ元々の名前も別にあるのね」
「ありましたけど言いたくありません。知りたいなら『勘』でどうぞ」
「ふーん…」
尚あっさり当てられた模様、ちくしょう。
巫女の勘狂ってんだろ。
「で、聞きたいんですけど俺なんで神社に連れてこられたんですかね?」
「前に霊夢が外来人見つけたらなるべく殺さずに連れてきてって話してたからよ!」
褒めて褒めてって感じで頭を差し出すお嬢様。面倒くさそうに撫でる霊夢さん。
いいなぁ…。
俺も撫でたいがそれをするとあの嬉しそうなお嬢様の笑顔が曇る。
それだけは許されない。ぐっと手を引っ込める。
まぁとにかく俺が今生存出来てるのは霊夢さんのお陰によるところもかなり大きいらしい。
つか10割かな?と思ってたら別にも理由があった。
「まぁそういう事なんだったら今日は追い返さずにいてあげるわ」
ほえ?なんじゃそら?
そこら辺もうちょい詳しくとお願いすると教えてくれた。
なんでもお嬢様が霊夢さんを慕うようになったのは紅魔異変後らしい。
まぁここまではいい。普通の紅のEDだ。
それからお嬢様は毎日神社に通い詰めるわけだがそれが2週間どころかいつまでたっても続いていたと。外来人云々についてはそのタイミングで聞いていたとか。
流石に霊夢さんも我慢の限界で、いい加減用もないなら来るんじゃないと突っぱねたらしい。
そして来るにしても時間を空けろと、有事を除いて最低3か月の間隔を設けることになったと。
ちなみに以前外来人と偽ってその辺の人間を攫って連れてきた事もあるらしい。
それはアカンわ。いろんな方面に怒られたろ。
で、今回は最後に会ってからまだ24日程しかたってないと。
成程ねぇ。神社に今遊びに来るには俺というダシが必要だったわけだ。
渡りに船って感じだったのかもな。
俺の外来人としての証明はいるかって聞いたら服装も違うし『勘』で分かるからいいとの事。
かくかくしかじか並に便利だな巫女の勘。
…まさか転移の原因がお嬢様が神社に遊びに行きたいが為に、運命を操る程度の能力で因果律をどうこうして別世界から俺を喚び出した、とかないよな?
いや流石にないよな。
そこまで出来るんなら霊夢さんを直接ベタ惚れにするとかのが早そうだ。
でもスキマではなかったと思うんだよなぁアレ。
目だらけの空間じゃなかったし…俺のは真っ白い光って感じだったし明らかに違う。
いやまぁそれならそれでいいんだけど。
間接的にでも求められたのなら嬉しいし、選ばれたのはラッキーだって思うし。
本当にお嬢様が求めていたのは霊夢さんだったとしてもさ。
実際の所なんてわからんけど俺の中ではそういう事にしておこう。
頭の中でぐらい都合のいいように考えてたって罰は当たらんだろう。
「ちなみにお嬢様はなんでそんなに霊夢さんが好きなんです?」
「うん?ある程度力を出しても押しのけてきたから興味もったってのはあるかしらね。いやあの時は全然全力じゃなかったけど。」
お嬢様の気を引くには実力を示す必要がある、と。
悲しいなぁ…悲しいなぁ…パンチングマシンで100とか普通に出すぐらいでは望みが薄い。
「ねぇお嬢様?俺昨日お嬢様撃退しましたよね?俺に惚れてくれません?」
「寝言は寝てからほざきなさい。あんなの無効に決まってるでしょ。」
「へぇ…レミリア、あんたこんなのに負けたんだ。意外とやるとか?」
「霊夢!?私負けてないからね!?」
いや退けたのはホントだぞエロパワーで。
やっぱりダメか~。いや全然期待してなかったよ?全く。ほんのちょびっとしか。
「で、どうするのあんた。博麗の巫女の務めに迷い人を帰すっていうのがあるから帰りたいなら送るわよ?」
「うーん…質問に質問で返してアレなんですが一体どういう感じに送るんです?それを少し知りたい。」
なんでも博麗大結界とやらを操作して人の通れる穴を作って外に放り出す、という形を取るらしい。
ただそれではこの幻想郷の外側に行けるという事であり、最低でも十数年単位の時間跳躍を挟んでいる俺では帰れない。
もしもその穴を通った瞬間転移した元の場所に戻るといった仮定でも、俺の消えた場所は車道のど真ん中だ。
真夜中ならともかく大多数の場合帰った瞬間車に轢き殺される未来が見える。
…やっぱり帰るのは無しだな。
そこまで帰りたいわけでもないし帰りを待ってくれている人がいるわけでもない。
「残るなら残るでいいけど人里に住むの?送ってくぐらいまでならしてあげるけど」
正直生命の安全を考えるんであれば断然そっちなんだよなー。
よっぽど気が狂ってるような馬鹿じゃない限りさ。んでまぁ俺はその馬鹿である。
答えなんて初めから決まっている。
「ん~~…お嬢様、俺出来る限りの仕事しますんで紅魔館に置いてくれません?」
「却下よ!!!」
ダァンとちゃぶ台を叩くお嬢様。
いやまぁそう言われるとは思ってたよ。うん。悲しくない。ないったらない。
「いやでも没収されたの取り返したいですし、パチュリー様との約束もありますし。」
「あれはもうこっちの物だからこっちがどうしようが勝手でしょ!?パチェとの話ならアンタ自身がどうにかしなさいよ!」
んな無茶な。
俺一人じゃ森すら越えられんのやで。ここから会いに行く事すらできんわい。
普通は実験台の契約なんてなかった事にしちゃうのが一番なんだろうが、俺は約束事は極力守ろうとする男、ポチである。
ほら悪魔は契約を重視するっていうしさ?好きな人の種族見習おうとするのは当然でしょ。
じゃあ一人で森越えろって?言ったろ極力だ。絶対は守らん。出来ない事はしない。
あーだこーだ言ってるとにんまりとした顔で霊夢さんが助け舟を出してくれた。
「いいじゃない別に。レミリア、あんたの所で置いてあげなさいよ。」
「霊夢!?嫌よ!何でそんな事言うの!?」
「あんたも纏わりつかれる厄介さ、いい機会だからちょっとは知るといいと思うわよ?分かりやすく言うと私から見たレミリアはレミリアから見たポチみたいなもんだって事。」
「私が……これと同類………?」
おいそこのお嬢様。わなわな震えてこの世の終わりみたいな顔やめーや。俺だって傷つくんやで。
恐ろしい子…!じゃないんだよ。うわっ…私の年収、低すぎ…?でもないんだよ。
「ただそれだけじゃ殺して終わりってなりそうだから制限を課すわ。五体満足で生かしたままにする事。その代わりたまには様子見に私が遊びに行ってあげる。破ったら神社に遊びに来るの禁止で、どう?」
「うぅぅぅううぅぅぅぅうぅ………!!!!」
おおおすげぇ。カリスマガードで葛藤しておられる。
変態は嫌だが霊夢から館に来てくれると。お嬢様の中の天秤が揺れ動く。
俺としては万々歳だ。命の保証ができた上に紅魔館に留まれる。
「ポチだってレミリアの事好きなんでしょ?見てた限り」
「え?控えめにいって愛してますけど?」
さらっと返すとなぜか引かれた。
「……ごめん。ちょっと言い過ぎたわ。五体満足は抜いてあげる。」
「うぅぅぅ…それならなんとか。」
おいどうして条件が悪くなった!?
俺なんもおかしな事言ってないやろ!?
霊夢さんはいついつに行くという事を告げてないのがミソ
魔法の言葉、行けたら行く