幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
博麗神社は昼を少し過ぎた頃には後にした。
何しろもうお嬢様がいい加減に限界だったからだ。
こっくりこっくりと船漕いでる癖して貴重な機会なんだからもっと堪能すると言ってはきかず、何度ぐしぐしと目をこすっていたか。はーくそかわ。
しまいにゃ「ここで泊っていけばいいのよ。」とか滅茶苦茶言い出す始末。
それを決めていいのはお嬢様じゃなくて家主の霊夢さんです。
答えは「寝るなら帰って寝なさい。」だった。
寝顔堪能できるチャンスかもしれんと「お昼寝ぐらいダメですかね?」と援護してみたはもののダメだった。
こりゃまた以前に何かやらかしてるな?
仕方ない。
お嬢様~?分かってるんですか~?このまま寝ちゃった場合。
お嬢様だけなら咲夜さんが運んでいけるでしょう、見るからに軽そうだし。
んで俺はどうするの?って話ですよ。
お嬢様愛しの霊夢さんと俺を一緒に神社に残して行く事になるんですよ?
それで本当に大丈夫だと思ってるんですか~~?と、ここまで告げた所で飛び起きた。
信用の無さがよくわかるってもんだ。
お嬢様の中での俺は悲しい事に相手問わずに襲い掛かるド変態ってなもんなんだろう。
もし仮にそうだったとしても博麗の巫女相手に俺がどうこうできるわけもないんだが。
夢想封印どころか座布団の一枚で天に召されそう。いややらんけどね?
ちなみにこの例えでは相手がお嬢様の場合だったとしてもやらない。いややりたいけどね?
相手の都合も無視してするならそれはもうただの獣だ。俺はきちんと同意したうえでしたい。
そういった本はたくさん持っていたし興奮もしたが実際するのとでは話が別だ。
ただのヘタレだとかDTの拗らせとか言われても知らん。
俺は一途でありたい男ポチだ。
ちなみに赤の他人が浮気やハーレムとかする分は知ったこっちゃない。
他人に強制する気はさらさらないが、自分だけは同じ轍は踏まないとあの時誓ったのだ。
「へぇ中々いい仕事するじゃない、その調子で頼むわね。」
これを言ってくれたのがお嬢様だったら良かったんだが、後ろから肩ポンしながら告げたのは霊夢さんだった。
お嬢様起きてくれないと俺帰れませんからね。
霊夢さんに運んでもらうわけにもいかんし…てか出来るんかね?
陰陽玉の上に乗せられたりしそう。しがみついても簀巻きより怖いわ。
そしてそれを見ていたのは逆にお嬢様。当然面白いはずがない。
「何で!あんたが!霊夢と!仲良く!してんのよッ!」
帰り道の空中で鎖ごと振り回される俺の簀巻き。眠くてイライラしてるのもあるんだろう。
とんでもないアトラクションだったが好きなようにさせてあげた。
お嬢様の気が少しでも紛れるならそれが一番だ。
そんなつもりは一切なかったんだけどなぁ。
だが今は何を言っても俺の気持ちがお嬢様に届く事は…決してないのだろう。
あれ。思ってたより結構傷ついてんのかな俺。なんからしくない気がする。
夕方前に紅魔館にたどり着く。
今度はゆっくりと降ろしてもらえたのは助かった。行きのは地味に痛かったからな。
「私はパチェの所に行ってくるわ、言っておきたい事もあるし。その後すぐに休むから供はいらない。」
「畏まりました。」
「俺も行きます。約束ありますし。」
「好きにすればいいわ、出来るものならね。」
そのままあっという間にいなくなるお嬢様。
そりゃそうか。
速度出せば俺がついていけるわけもなし、そして連れてく義理もなし、か。
でも低空飛行はやめときましょうね?後ろからドロワ丸見えなんで。
今のがカメラに写らなくて良かったな。写ってたらお前オナネタだぞ。
いやまぁ吸血鬼だからどっちにしたって無理なんだけど。だが脳内フォルダには即保存した。
そういや神社の行き帰りで咲夜さん、あんたお嬢様の前や横じゃなくて後ろを飛んでたのは…
「…………。」
「…………。」
視線を送ると目が合ってなんか無言で頷いてた。
俺も頷き返しておいた。
いいよねドロワ。でもショーツも捨てがたい。
「あー…っと、これからお世話になるなら咲夜さんよりメイド長とお呼びした方がいいんでしょうか?」
「どっちでもいいわよ好きにして。」
「ではメイド長で、以後よろしくお願いします。」
「ビシバシ行くから覚悟しときなさい。」
お手柔らかにお願いしますよっと。
しかし何任される事になるんだろねぇ…。
軽い家事ぐらいなら昔から家庭の事情でやってたからいいけどもこのバカ広い館全部掃除するような体力流石にないぞ。空間拡張ちっとは抑えてくれればいいのに。
とりあえず今すぐやってもらう事はないから図書館行くなら行ってきていいとの事。
あ、付いてきてはくださらない?やっぱり?行けっかなー…途中で迷いそう。