幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
「…あいつら片付けが苦手で済むレベルじゃないと思うんですけど」
「それが妖精っていう種族よ。私が言っても聞かないわ」
例えるなら保母さんに群がってくる幼稚園児共だ。
ただしそいつら全員が出刃包丁を握っているものとする。怖すぎる。
まともに相手なんかしてられん。
「メイド長、せめて担当場所をずらすぐらいはしてもらえませんか?今回はまだ相手が二人だったからギリギリなんとかなったようなもので、このままでは死んでしまいます。正直あれなら一人でやった方がまだ仕事進みます。」
「う~ん…正直に言ってしまえばどちらでもいいのよね。貴方にも仕事の出来はそんなに期待していないし、生死についても。」
「さらっとひどい事言いますね!?俺が死んだらお嬢様が神社に遊びに行けなくなっちゃうんじゃないんです!?」
「それに関してはその方が私としては嬉しかったりするわ。」
ちくしょう役に立たねぇ巫女の保証。
そもそもそれについてもお嬢様周知してくれてないんだよなー。こいつは殺すんじゃないよって。
このままではいつぽっくり逝かされるか。霊夢さん…飴がちと足りなかったんとちゃいまっか。
妖精メイドに至っては言われてもすぐ忘れてそうだが咲夜さんに関してはちょっと違いそう。
多分だがしっかりと命令された場合は従う、だがそうじゃない場合は割と好き放題やる愉悦部タイプとみた。
「ただまぁ貴方には良い物を見せてもらった借りはあるのよね。」
そう言って咲夜さんが取り出したのは俺のコレクション。ただし消滅したはずの新刊だ。
そりゃあそうだよ。咲夜さんが俺と同類ならあの作品が無くなるのを良しとするはずがない。
ダメイドだって気づいたのが消えた後だったからあの時点ではわからなかったけど。
着弾前に時止めで回収したんだろう。これ残ってるのお嬢様も気づいてないんじゃないか。
だからって告げ口なんてしないけど。しても信用の差で無駄だし。本も失いたくもないし。
それを分かってるから咲夜さんもこういう姿俺に見せてるんだと思う。
或いは向こうからも同類の臭いをかぎ取ったか。
くそぅ…俺も読みてぇ。
もう本でもいいからおぜうニウム回収してぇ。
でも本は俺に触らせないように徹底されてるから無理だ。
「…じゃあもう妖精メイドと一緒云々はどうでもいいんで、その借りの分でお嬢様と少し会わせて貰えませんか。もう寂しくて寂しくて…いつまでお預けくらえばいいんだ俺は……」
「その気持ちはわからないでもないけれど…仮に貴方をお嬢様に会わせたとして何かメリットはあるの?」
こちらから提示できるメリットか。正直確かなものはほとんどない。
「そうですね…もし自分の世界と行き帰りとかできるようになったらですが、自宅には今回持ってきた分の優に5倍はお嬢様のコレクションがあります。それを進呈はできませんが共有なら。」
ただ帰れる可能性なんてそれこそスキマ妖怪言いくるめるぐらいしかないような気がする。
あの人説得できる材料とか皆無なんですけど。
ていうか時間跳躍まで出来るんかな?無理じゃね?
俺が知らんだけで時空間の境界をいじって~とか出来るかもしれんけど。
「次に俺はお嬢様が幸せならば、メイド長との仲をプッシュするのもありだと思ってます。」
それについては霊夢さんとの場合もそうだが。
とりあえず一回は協力する事を約束する。
「後は…それこそもしかしたらですが、俺と会わせることでまた図書館の時みたいなぽんこつお嬢様を愛でられるかもしれませんよ。」
「乗ったわ。」
流石同志咲夜話が分かるぜ!
そうよなお嬢様の魅力といったらやっぱりそのギャップよな。ビバカリスマブレイク!
「いいでしょう。お茶とケーキを用意してあげるから貴方がこの部屋に運びなさい。そうすればお嬢様と会えるようにしてあげる。」
この運ぶ台みたいなのなんて言うんです?サービスワゴン?
ふーん名称知らんかった。30へぇは取れそう。
お嬢様と会える!お嬢様と会える!!お嬢様と会える!!!
それだけでもう心はウッキウキだ。最高にハイって奴だ。
逸る気持ちを抑えて指示された部屋の扉をノックする。
「お嬢様~!お茶とケーキをお持ちしま…し、た?」
「貴方だぁれ?見ない顔だけど。」
いや確かにご令嬢という意味ではこの方もお嬢様で間違いはないんだけどさ。違うんよ。
謀ったな咲夜ァ!人の純粋な気持ちを弄びやがって!
つーか地下室にいるんじゃないんですか。紅EX後から出てきたのかなやっぱ。
警戒されてるのか妖精メイドの時なんか比じゃないぐらいに第六感反応してるんですけど。
これ逃げちゃダメかな?いや逃げた途端後ろからキュッとしてドッカーンされそうなんだが。
まぁつまり中にいたのはレミリア・スカーレットお嬢様ではなくフランドール・スカーレットお嬢様でしたとさ。
「えっと初めまして、最近館に身を置かせてもらう事になりましたポチと申します妹様。」
「初めまして!私はフランドール!フランでいいわ!」
「いえ流石にそこまでは。お嬢様にフランの名を気安く口にするな!とか言われちゃいそうですし、妹様で許してください。どうしてもお気に召さないなら変えますが。」
ぬいぐるみの熊を抱えてにこっと笑う妹様。フランちゃんうふふ。
あれ?ただのめっちゃいい子やん。狂気要素どこよ?
「ポチも人間?魔理沙や咲夜みたいに強かったりするの?」
「人間ですがあの二人が規格外なだけで私は弱いです。妹様のデコピン一発で死んじゃうと思うので優しく扱って下さいね。」
割れ物注意でお願いします。
そういうと妹様は残念そうにぶーたれてた。遊ぶ気満々だったのか危ねぇ。
「人間なのにどうしてウチに来たの?」
「それは話すと長くなる…なんて事はないな。かいつまんで説明しましょうか。」
とりあえず自分が外来人である事、館の近くに転移して放り出されてた事、お嬢様に惚れ込んで渋々ではあるが了承して貰えた事、気持ち厳しめに扱われてる事なんかを話す。流石にエロ本の件は省いた。
「とまぁこんな感じです。お嬢様には誤解されて嫌われちゃってるんですけどね…ハハッ」
「ふ~ん…ねぇポチ?なら私の従者にならない?私お姉様の咲夜みたいなの欲しかったの!」
なんですと?
人の物が欲しくなる現象ですかなこれは。お姉様ばっかりずるい的な。
ある意味出世みたいなもんなのかもしれんが妖精メイドと一緒の掃除より危険度高いかもしれないんだよなぁ。
「妹様、大変有難いお申し出なのですが私個人では判断出来かねます。少なくともお嬢様とメイド長の許可は必要かと。」
「じゃあお姉様がいいって言ったらいいのね?」
まぁそういう事になるわけですが…とここでいきなり扉がバァンと開かれた。
噂をすれば影が差すとでも言うべきか。現れたのは愛しの愛しのお嬢様。
ドタドタと走るような音が聞こえなかった事から文字通り飛んできたのかな。
防音しっかりしてるだけかも。
「フラン!その変態から離れなさい!」