幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
「いい加減に変態呼ばわりは勘弁してもらえませんかお嬢様。折角頂いた名前があるんですからそちらで」
「うるさい!変態は変態じゃない、あんたは黙ってなさい!」
「ポチは変態なの?」
ほら教育に悪い事になる。
俺は変態じゃありませんよ妹様。仮に変態だとしても変態という名の紳士ですよ。
あれ?つまり変態なのか?
「ポチは違うって言ってるけど。ねぇお姉様、ポチいらないんだったら私に頂戴?」
「ダメよフラン!その男に近づいちゃダメ!貴方が汚されるわ!!」
なんて事言い出すんだこのお嬢様は。
何度も言うように大前提として仮にしようと思っても出来ません。実力的に不可能です。
そしてお嬢様以外の誰かとそういった事したいとは思いません。
「従者が欲しいんだったら妖精メイドの一人でも付けてあげるからそっちで我慢しなさい!」
「だってあの子達じゃ言う事聞いてくれないんだもん、イヤよ。ねぇお姉様、どうしてそんなにポチの事が嫌いなの?ポチはお姉様の事大好きだって言ってたよ?」
「あんたこの子に何吹き込んでんのよッ!?」
お嬢様にぐいっと胸倉を捕まれる。ぐええ。
吹き込むだなんて心外な。俺はただ自分の気持ちを正直に話しただけなんですって。
エロ本の件はちゃんと抜いてますから!
「ねぇいいじゃないお姉様。それか咲夜頂戴。そうすればポチもお姉様と一緒で嬉しいよね?」
「個人的にはそれが最高ですね。理想形です。」
「ダメよ!それだけは絶対ダメ!!認めない!!」
まぁ流石にそこまでいけるとは思ってない。
というか妹様。俺咲夜さんみたいに何でもできるわけじゃありませんからね?
代替品にもならんと思うよ。
咲夜さんに出来て俺に出来ない事が多すぎる。そしてその逆はほぼないようなもんだろう。
ほぼって事は何かはあるのかって?おちんちんだよ言わせんな。妹様にする気はないが。
「ねぇどうしてそんなにダメなの?お姉様自身が嫌がるだけじゃなくて私と一緒なのもダメなのは何で?」
「私としては妹様の従者になるもならないもどちらでも構いませんが…仮になったとしても手出したりはしませんよ。何度も言ってる事ですが。」
「信用できないわ!私と同じようにフランにもしてたじゃない!!」
はぁ???
なんの事だ?身に覚えがないぞ。
おっぱい揉む事件だって未遂に終わってる筈だ。
それどころかお嬢様だけでなく妹様にも手を出したという事になっている。Why?
「私妹様に何かしました?」と確認すると当然のように「ううん。」と首を振って答えてくれる。
当たり前だ。さっき会ったばっかだ。
一体どういうこった?
…待て、今お嬢様はなんつった?
フランにも『してた』、だ。『しそう』や『してそう』じゃない。
まるで何かを見てきたような……してた。シてた?
・・・・・・・・・・・・・・・
はっはぁ~ん……。成程成程?
人の事散々変態だとか、けだものだとか言っておきながらそういう事をしちゃいますか?
表紙一枚で真っ赤になっちゃうような初心なお嬢様が、まさかそんな事をするだなんて俺も想像すらしてませんでしたよ。
アレが性の目覚めにでもなっちゃったんですかねぇ~?
まぁ精神年齢10歳で男の場合ならお猿さんになっても仕方ない頃だとは思いますよ、うん。
女の子の場合は知りませんけどね。
誰にも見られてないとこなら平気だって思ってたんですか?
興味沸いちゃったんですか?そういうのムッツリスケベっていうんですよ?
お嬢様…貴方、
アレを…お嬢様モノのR-18同人誌を。
「ッ!??やっちょ、違ッ!!」
俺の視線の変化で自分の失言に気づいたのかお嬢様が慌てて否定する。
でもその態度は何にも違わないんだよなぁ~。
俺の同人誌を買う基準はお嬢様が登場してるか否かだ。
つまり単体モノに限るといった事ではない。それにすると数が少なくなりすぎちゃうんだよ。
でまぁ妹様も一緒にされてるような奴は確かに今回買ってたのにも混ざってた。
アレを読んだんだろうきっと。そしてそれを真に受けちゃったと。
いやぁお嬢様?
こっちばっかり見てくれるのは嬉しいですし助かりますが、今警戒するのは俺じゃないと思いますよ?
「ねぇどういう事?私ポチに何もされてないよ?お姉様は何をされたっていうの?」
そう、妹様への説明が必要なのである。納得のいく説明が。
「違う…違うの!」とか言いながらずいずいと追いつめられていくお嬢様。
どうして攻撃で追いつめていくフランちゃん。う~んフラ×レミもいいものだ。
さっきまで睨みつけてたはずのお嬢様は、今や捨てられた子犬のような目で俺を見つめていた。
助けてくれ。そういう事だろう。
俺もあの時はパッチェさんに縋ったのだ。結果は報われなかったが。
ねぇお嬢様、あの時の俺の気持ちわかりました?
あれだけは知られるわけにはいかないってなるでしょう?ね?
まぁここまでピンチなんだ。助けてあげればある程度の好感度も回復するんだろう。
そうすれば待遇だって少しは良くなるかもしれない。いいことずくめだ。
だ が 断 る
俺は目を瞑り、無言で首を横に振った。
「ッ!????」
まさか俺に断られるだなんて思っていなかったのか、お嬢様は絶望していた。
…まぁ完全に放置はしないけどさ。少しは痛い目見てもらいますよいい機会だし。
「いいんじゃないんですか説明してあげれば。お嬢様から言えないなら俺から言いますよ。」
「駄目よ馬鹿!やめなさい!!お願いそれだけはやめて!!!」
「…経験者の立場から言わせてもらうなら、実物見られるよりは説明で済ませた方が傷は浅く済むと思います。俺だって本当は話したくないんですからねこれは。一緒に泥被りますから。」
「うぅぅぅうぅっぅ……」
「ねぇ?だから何の話なの?」
そしてさっきまで話していなかった図書館でのエロ本事件について話す。
かくかくしかじか。
「とまぁ私が隠していたお嬢様のちょっとえっちな本を、お嬢様に無理やりに奪われて見られてしまったという訳でして…いや本当に見せるつもりなんて欠片もなかったんですよ?」
「あれのどこがちょっとだってのよッ!???」
「お姉様のえっちな本…うーわー。」
妹様の白けたジト目が突き刺さる。
ラブロマンスとか期待してたなら本当にごめんなさい。実態はこんなんなんです。
やっぱり嫌われても仕方ないですよね。
でまぁその中の一つに妹様も出てるのがあって、それをお嬢様は読んでたんじゃないか?と付け加える。
妹様からのジト目はお嬢様にも及んだ。
「違うの!そんなの私は読んでない!いいわ、なら証明するから!咲夜!」
追いつめられたお嬢様はなかまをよんだ!
十六夜咲夜があらわれた!
ほんとどっからでも来るなこの人。どこに潜んでたんだ。連絡ツールでもあるのか?
「ねぇ咲夜!あの本らについては私貴方に預けたままよね!?私持ってこいなんて言ってないわよね!?」
ぐいぐいと咲夜さんのメイド服を引っ張り目で訴えるお嬢様。
姉の威厳がかかっているだろうからかなんかもう必死だ。
そしていつの間にやら状況を理解していたのか、咲夜さんはにっこりと笑いそれに答える。
「いいえ?お嬢様の指示で何冊か部屋にお持ちしましたよ?お忘れですか?」
退路を完全に断たれたお嬢様はそこで膝から崩れ落ちた。
唯一の味方だと思ってたら背中から刺されたようなものだろう。
でもそれは裏切りじゃあないんだ。だって真実を告げてるだけだろうから。
言うならば命令の仕方が悪かった。目で訴えるだけじゃあこの愉悦部はそれを抜けてくる。
倒れたお嬢様みてゾクゾクって身震わせてるし。ドSちゃうんかこの人。
「何でしたら運んだ本を今ここに用意しましょうか?」
「うん。ちょっと見てみたいし、お願い咲夜。」
なんてこった妹様がそれに興味を持ってしまわれた。
流石にそれはやめてあげて!
完全にオーバーキルだから!!
お嬢様もう泡吹いちゃってるから!!!
「ふ~ん…」
パラパラとページをめくる妹様。
お嬢様と違って耐性はガチガチで初心という事はないらしい。
姉妹でここまで違うものだろうか。図書館でそういうものを見たことがあるのだろうか。
同人誌はともかく官能小説ぐらいならありそう。あの数だし。
妹に人生経験で負けてませんかね?495年間引き籠りだったはずでは?
そして当のお嬢様は……なんかもう見るも無残な姿になっていた。
一言も発さず…変則的カリスマガードとでも言えばいいのか。帽子をとって顔に押し当てている。
守っているのは頭ではなく顔面だ。絶対に表情だけは見せないという頑なな意思を感じる。
その下がどんな表情をしているか気にはなったが帽子を取り上げるなんて事はせずにおいた。
というかまず無理。物凄い力入ってそう。
哀れな…あそこで足掻きさえしなければ説明だけで済んだかもしれないのに。
他でもない実の妹に目の前で自分のエロ本を見られるダメージは想像を絶する。
しかもそれを自分で読んでいたというおまけ付きでだ。
俺がパッチェさんから受けた視線なんて比較にすらならないだろう。
姉の威厳などというものは既に粉々に砕け散ってしまったのではなかろうか。
精神的ダメージが酷すぎて一周回ってドMに目覚めちゃったりしないか心配である。
もうやめてフランちゃん!お姉様のライフはとっくに0よ!もう勝負はついたのよ!
そして俺はそんなお嬢様の隣に何故か正座させられている。正面に妹様な。
なんでこっちまでとばっちりくらってるんだ。
確かに一緒に泥を被るとは言ったが見せるつもりまではなかったぞ俺は。
『そもそもアンタがあんな爆弾持ち込むのが悪い』
そんなオーラをお嬢様から感じたが、いやいや今回に関してはその不発弾を掘り起こしたのは他ならない貴方でしょうよ。
「ポチはこういう意味でお姉様と仲良くしたいの?」
なんだろう棘を感じる。
さっきまでの天真爛漫な妹様はどこへ。
お姉様に手を出すなという事だろうか。
それとも自分も出てた事に対して怒りを覚えていらっしゃるのだろうか。
いやでも本は本でしょ?ってあっけらかんとしてた様な気もするし…。
「ええまぁ…正直にいうならお嬢様となら物凄くしたいですはい。」
とりあえず素直に答えておいた。
仕方ないだろう鬼の前で嘘はつけないのだ。
吸血鬼だって鬼の一種みたいなもんだべ。
隣のお嬢様は身悶えていた。
尚今回の事は相当に効いたのか、これ以降お嬢様が俺を変態呼びする事は無くなった。
そうだよなエロ本楽しんだぐらいでそれ言っちゃあブーメラン帰ってきちゃうもんな。
フハハハ一本取り返してやったぜ!