幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
結局あの後俺は妹様のお付きとして任命されてしまった。
お嬢様自身は何とも言えない顔をしていたが…。
しかし妹様はアレを見た後でも本当に俺で大丈夫なのかと一応は確認したのだが
「別に?ポチがこういう本を持ってたってだけでしょ?」との事。
お嬢様と違ってドライなもんだ。その方がこっちとしてもやりやすくて助かりはするが。
そして翌日最初に受けたお願いが何かと言うと
「咲夜が用意したのじゃなくてポチが自分で入れたお茶が飲んでみたい!」である。
さて困った。
なにしろここでいうお茶とは、紅茶とかそういった類ではなくて人間の血液そのものなのだ。
そして淹れ方など咲夜さんからまだ何も指導は受けていない。
昨日は容器からカップに注ぐだけだったから何とかなったようなもの。
いやそれすら間違っていたかもしれない。
血にもドリップがどうとかあったりするのだろうか。適温はいくつだ。
温めすぎると固まるよな血って。
それもだがお茶請けどうすんだ。
人肉ケーキどころか普通のケーキの作り方すらわからんぞ。
つかケーキに肉ってどうなんだと思う。食感とかナシな気がしてならん。
あくまでそれは人間の観点だからで妖怪からしてみれば全然違うものなのかもしれないが。
「申し訳ありません妹様。日が浅くまだ私ではご用意できません。早急にメイド長から指導を受けてきますので今日の所は…。」
決まってしまった以上咲夜さんもなぁなぁにする事はないだろう。
妹様に迂闊な物を出すわけにもいかないだろうし。
しかしお嬢様達の為とはいえ、食糧庫の人間から血を抜いたり場合によっては調理したりといった事を、俺に出来るのだろうか…。
あの時人里ではなく紅魔館を選んだのは自分だが、少しばかり覚悟が足りなかったかもしれない。
「む~、じゃあ今何なら出来るの?」
「まだここに来てからやった事は掃除ぐらいですね。後は…自分の元の世界の話ぐら…いッ!?」
その時ドゴォォォォンという爆音と共に屋敷全体が揺れた。
え、何!?敵襲!?俺戦闘能力皆無なんですけど!?
いやでも立場上壁にぐらいはならんとまずいか、と慌てて妹様に駆け寄ると、その妹様からガッチリと手を捕まれた。
「へ?」
「ポチ行くよ!早くしないと終わっちゃう!」
そして止める間もなく凄まじい速度で飛び立つ妹様。
ちょっと待って!?俺には何が起こってるかさっぱりなんですけど!?
肩が、肩が抜けるぅぅぅ!でも今手離されるとこの速度だと壁の染みになっちゃう!
いやあぁぁああぁ止まってえぇぇぇぇぇ!!!
なんとか無事にたどり着いた先は図書館だった。
壁に大穴。目の前にはドンパチやってるパッチェさんと某白黒。
あぁ…そういう事ですか。つまり犯人はお前か。
「悪いなパチュリー。今日もこれだけ借りてくぜ」
「持ってかないでぇー!」
いつもならここで終わっていたかもしれない。さっき見た限りでは白黒のが優勢っぽかったし。
だがそこに目をキラキラさせて妹様が向かうとなるとどうだろう。
「魔理沙!ねぇ私とも遊びましょ!」
「げぇっフラン!?今ちょっと取り込んでるんだから後にしろって!」
「前もそう言って結局来なかったじゃない!もう騙されないんだから!」
「…そうね遊んであげなさいよ。私もついでに構ってくれると嬉しいわ。」
EX中ボス&ボスのタッグ結成じゃい。卑怯とはいうまいね。
数分後…そこにはズタズタにされた金髪の魔女がいた。
自爆された後のヤ〇チャみたくなった白黒をこちらにズルズルと引きずってくる。
流石に二人同時相手はきつかったようだ。いやぁお手柄ですよ妹様。
「とりあえず…どうすりゃいいんだこれ。ボディチェックとかした方がいいんですかね?」
「さっきパチュリーが入念にしてたから大丈夫じゃない?もう本は隠してないと思う。」
ならいいか。言っておくけど俺にやましい気はないぞ。
必要なら妹様にして貰おうかと思っただけだ。
にしても入念にって少し気になるな。パチュこあかと思ってたら実はパチュマリ?
「うぅ…少しは加減してくれよフラン。」
「おぉすげぇ。流石主人公勢というべきか、もう復活したのか。」
「何だお前、主人公って何の事だ?」
「や、こっちの話だ。とりあえずお前には色々と言いたい事がある。」
こいつには敬語を使ってやる必要もないだろう。なんせ紅魔館からしたらただの盗人だ。
「よそ様の住処にいきなりマスパぶちかますのはやめろ。お陰でえらい目にあったし、あれどうやって修理すんだよ…。大工の経験なんてないぞ俺。」
「は?修理?そんなの勝手に直るだろ?ほら」
白黒が指差す先にはガタガタと動く瓦礫が。
それらが浮いて集まっていったかと思うと徐々に大穴が塞がれていく。
すげぇ…どうなってんだ。これも魔法処理?形状記憶合金か何かか?
もし紅魔館全部にこんな処理されてるのならギャグ落ちに爆破されてもすぐ元通りだな。
縁起でもないが。
「…直るのは分かったが、だからといって大砲打ち込むような真似はやめろ。
住んでる身からしたらたまったもんじゃない。」
「何でだよ。人には当ててないし問題ないだろ?」
「大有りだ馬鹿。妹様に連れてこられる際死ぬかと思ったわ…。
その理屈だとお前の住処をバキバキにぶち壊しても問題ないって事だよな?」
「いやそれは困る。ウチは勝手に直ったりしないぜ。」
「それこそ直るようにしてないそっちの都合なんか知ったこっちゃないな。
今直ってるアレだってお前が直してるわけじゃなくパチュリー様の魔法なんだろ?
人にされて困る事なら自分もすんなって事だ。せめて正面から客として来いよ。」
どうせお前なら空飛んで美鈴さんスルー出来るだろ。戦っても勝ちそうだし。
それに咲夜さんとこいつの関係ってそんなに悪くなかったと思うし普通に歓迎もされるだろ。
「へいへいわかりましたよー。」と適当に返す白黒。
絶対懲りてねぇな…次やらかしたらマジで妹様に白黒の自宅破壊を進言しよう。
受け入れてもらえるかとかお嬢様の許可がでるかは知らんが。
「ところでお前誰なんだよ?見ない顔だけど。」
「最近紅魔館に拾ってもらった外来人だ。名前はポチ。」
「あーこないだ霊夢が言ってた奴か?レミリアにガチ恋してるっていう。」
「ねぇ魔理沙?それでちょっと聞きたいんだけど何か仲良くなるコツみたいなのってない?」
ここでぐいっと妹様が入ってきた。
おおぅまさかその為に連れてきてくれたんですか。なんて有り難いんだ…。
そうだなそれを知れるなら知りたい。
なんせこいつはイケメンならぬイケガール。
2次なら妹様やアリスにパチュリーと多方面を虜にしていくジゴロ体質なのだ。
この世界でもそうかもしれないなら是非参考にさせてもらいたいところである。
こちとら恋愛経験なんて糞雑魚ナメクジだからな。
「コツ?そんなの聞かれても困るんだけどな…それよりお前、ポチだっけか?
レミリアに惚れてるってマジなのか?あんなちんちくりんのどこがいいんだ?」
「よーしわかった表に出ろ。真の男女平等主義者な俺は女の子相手でもその顔面にドロップキックを食らわせられる男だぞ」
魔法で撃ち抜かれるかもしれないが知った事ではない。
今こいつは許されない言葉を吐いた。満身創痍の今ならワンチャンあるかもしれない。
「悪かった悪かった。こりゃあアレだな、草津の湯でも治せないって奴だ。」
「草津の湯って何?」
「外の世界にある温泉で有名な場所ですよ妹様。」
温泉かーやっぱ地底にしかないのかなここだと。
幻想郷も日本の一部のどこかならその辺掘れば出てくるのかもしれないけど。火山列島だし。
お嬢様と温泉旅行とか行ってみたいなぁ…浴衣姿とか絶対ヤバいと思う。
湯上りのお嬢様のそれをすぅっとはだけさせてとか…たまらん。
「まーポチが本気だって事は分かったさ。そうだな…持論としてはなんだが押して押して押しまくる、がやっぱり王道じゃないか?」
なんともまぁ弾幕はパワーだぜを体現したような思考である。
ガンガンいこうぜ以外の作戦は備わっていないのかもしれない。
「ただ押すっていっても色々あってな。まずは自分の事を相手に知ってもらうってのが大前提だ。それをしないまま幾ら押しても暖簾に腕押しになっちゃうな。」
ふぅむ…。成程。
最初はダメだこりゃとか思ってたが中々どうして、いや流石というべきか。
誤解を解く事に関しても使えるかもしれない。まずは自分を知ってもらう、か。
「…すまんマジで参考になった。有難う魔理沙。」
「どういたしまして。さてもう行っていいか?」
「いやまだ色々と言いたい事はあるがとりあえず一つだけ。
お前パチュリー様に捨食の法を体験してみたいとか言った事ってないか?」
「あああるぜ?それがどうかしたか?」
やっぱりな…俺はあくまで実験台だ。
て事は本命に使う誰かがいたって事になる。
そして魔法使いといえばアリスか魔理沙の二つに一つだ。
…いや魅魔様もか?旧作はよくわからないんだよなぁ。
搾乳ドゴォぐらいしか知らん。
「その妙な魔法薬の実験台になったのが俺だ。悪い事は言わないから薬でお試しはやめておけ。
代償に味覚が持ってかれたんだ。何食っても何の味もしないのははっきり言って地獄だぞ。
どうやって覚えるのかも知らないがそれをやるなら自力でなんとかした方がいい。」
「…参考にはしておくぜ。それじゃあな。」
後はまた借りるにせよその前に持って行った物も返せとは一応言っておいたが、あの白黒はやっぱり聞き入れないんだろう。死ぬまで借りるは詭弁だ詭弁。それに借りるなら許可を取れっての。