※この作品はR-18です。

幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい   作:トテツクlv0,01

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落ち着けまだ慌てるような時間じゃない

「へぶっ!???」

 

草がクッションになったのか無謀なダイブにもかかわらず全身擦り傷だらけにはならずには済んだ、少しばかり服が土で汚れてしまったが…いや待て土?草?

おかしいー何故草の感触がある?あの状況じゃどう転んでもアスファルトの地面か乗用車のタイヤにでも顔面からキスしていたはずなのに一向に轢かれる気配もない。

ふと周りを見渡してみれば見慣れた帰宅途中にある大通りの姿はどこにもなかった。

 

「は?…え?何ここ何処?」

 

まずおかしいのは明るい事だ、さっきまでは確かに夜になりかけの夕方頃といった所だったはず。だというのに雲一つない青空に太陽がさんさんと輝いてる今はどう考えても真昼間、もしくは朝方だ。…時差のある場所にでも来たっていうのか?お陰で回りの確認がしやすいのは助かるが。

 

周囲7割は森森森、もうジャングルかってレベルの深い森で明らかにヤバそうな気配がビンビンする。え?ブラジルにでも来たの俺。

そして残り3割は前方に見える大きな湖とその付近にある一軒の建物だった。現在地は丁度森を抜けた広場といったところだろうか。

 

…???

待て待て落ち着け。陵南の〇道だって言ってただろ、まだ慌てるような時間じゃないって。

まずは深呼吸だ。

すーはーすーはー…ああ空気美味しい、日向ぼっこ最高だな。日頃のストレスもスーッと消えてく気がするわ…よしクールな俺は正常だな正常に決まってる今決めた俺大丈夫!

SAN値ロールに失敗して狂ってるなんて事はあんまりない!はず!

次に現状を整理しよう、何故かは全くわからないが今俺は明らかに日本じゃないどこかにいる、これは確かだ。なら原因は何だ?とりあえず思いつく限り一つ一つ考えてみよう

 

 

一つ、召喚又は誰かに呼ばれたという可能性

これは否だと思う。

足元に召喚陣らしきものもないしおお勇者様と言ってくるような王女様だって見当たらない。

第一俺なんか呼んで一体何をしろと言うのか、暇つぶし程度にしか役に立てんぞ。

貧弱一般人舐めんな。

 

二つ、車に轢かれて死んだ後異世界にでも転生させられた

これもまた違うような気がする。

草にヘッスラ決めた勢いはそのままだったしその後車に轢かれた感覚もない、あまりの勢いで即死した為記憶に残っていないという可能性はないわけではないが。

それに転生モノのお約束である神様遭遇イベントも起こっていないはずだ、もし起こってたってんならチートスキルの一つでもくださいよ神様。ラノベ脳舐めんな。

 

三つ、転移又は神隠しといった怪現象、事故に巻き込まれた

消去法でこれが一番近いような気がする。

服も荷物もそのままで記憶も確かに俺のまま残ってる。

転生だったら体は赤ん坊になってました~とかありがちだしな。

 

最後に四つ目だがこれは単純に今見ているのが夢や幻といったもの、或いは第三者に催眠等をかけられているパターンだ。

この場合は覚めるのを待つだけなので問題外、最後のは誰がかけたかって所は問題だが。

一応頬をつねったりはしてみたが普通に痛いだけだった。

いざ目覚めてみれば病院のベッドの上で全身不随になってましたとかだと笑えないんだけど…結局覚めないのであれば現実と変わらないわけで、どちらにせよ他の三つのうちのどれかだろうという事になる。

 

(とりあえず体は動くし今はどうしてこうなったかよりこれからどうするかの方が重要か)

 

現状何ができるかも確認する為に荷物も全部出して並べてみよう

 

 

 

・残存電力微妙なスマホ

・ポケットティッシュ3ヶ

・100円ライター

・財布と各種カード 残金は1万と3千少々

・晩御飯予定だったコンビニ弁当と缶コーヒー&ポテチ

・背負っていたリュック、戦利品を詰めていた大きめの荷物袋二つ

・大量の同人誌

・枕カバー数点

・ポスター

・新作ゲームのCD-ROM

 

(当たり前だがサバイバルに使えそうなものが一切ねぇッ!)

 

何せこちとらコミケ帰りのオタクである。

リュックを背負っていたからといって山登りするわけではない。

せめてナイフの一つでもあれば…どちらにせよ付け焼刃だがあると無しでは大違いである。

しかしそんな物を普段から忍ばせている危ない奴はもし職質でもされれば一発でアウト、銃刀法違反は怖いのだ。

 

(この装備であの森を抜けようってのは無茶通り越して無謀だよなぁ…嫌な予感しかしないし)

 

手持ちでは枯れ木を集めてティッシュを種火に焚火ぐらいしか出来ることがない。ティッシュのうちならまだいいがお宝をくべるなんて事は可能な限りしたくなかった。

ましてやどこまで森が広がっているかわからないし進んだ先に何があるかも不明。

 

武器になりそうなものも手持ちにはないし、拾えるかもしれないひのきのぼう程度ではDQ雑魚のスライムならともかく大型動物が出てきた時点で即座に詰みそうだ。

それにこの世界のスライムが弱いとも限らない。

よくある物理無効とかで強キャラでしたなんてパターンだって全然ありえる。

結局逃げる一択しか取れないのに荷物はそれなりにかさばっているという始末。

 

(森の線はやっぱ無しだな、となるとあの建物ぐらいしかないよなぁ選択肢。第一村人?住人?が話通じる人ならいいんだけども)

 

それに水の心配だって深刻だ。

飲料が缶コーヒーだけでは飢えるより先に渇いてしまう、湖の水がそのまま飲めるぐらい綺麗だったら問題ないが…望みは薄いだろうなぁ。

とにかく暗くなる前に近づいておきたい。

荷物をリュックと袋に詰めて抱えなおし俺は建物に向けて歩き出した。

尚体力の節約の為に戦利品達をここに置いていくという選択肢は初めからない。

きっと何かの役に立つはずだから……

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