※この作品はR-18です。

幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい   作:トテツクlv0,01

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出来損ないの成り損ない

目覚めてみれば知らない天井。知らないベッド。

いやここどこよ?こんな部屋掃除に入った記憶もないぞ?

そんでもって最初に目に入った人物もこれまた意外な人だった。

 

「あ、ポチさん起きました?」

「美鈴さん…?えっとここ美鈴さんのお部屋だったりします?」

「いえ違いますよ。ここは図書館にあるパチュリー様の私室です。」

 

なんでまた俺はそんなとこにいるんだ。

テラスでお嬢様に噛まれたとこまでは覚えてるんだけど。

パッチェさんのベッドだとしたら勝手に使ってたらヤバいよねこれ。

後美鈴さん門番の仕事は良かったのかしら?

てか今何時だ?大分眠ってた気がするんだが。

まだ頭がぐるぐるしてんのか思考がいまいち纏まらない。

 

「今はもうお昼ですよ。ここにいるのはお嬢様がポチさんを図書館まで運んでこられたからです。私もお嬢様に呼ばれてきました。それにしても無事みたいで良かった。」

「あ~…これ美鈴さんが治してくれたんです?有難う御座います。」

 

手で噛まれた筈の首元を撫でてみたがもう何も残っていなかった。

気の力で治療してくれたんだろうか、お手数かけてすみませぬ。

…本音を言うなら吸血痕とか残ってた方が嬉しかったんだが。

貴方のせいで傷物にされたのよ責任取って作戦が使えないジャマイカ。まぁ贅沢は言うまい。

 

「いえいえ私の力だけじゃないですよ~。パチュリー様の魔法薬も使いましたし。

じゃあ私はお嬢様達にポチさんが目覚めた事伝えてきますね。」

「え?お嬢様まだ起きてらっしゃるんです?お昼なんですよね今。」

「何やらお二人で話されてましたよ。」

「じゃあ俺も行きます。顔ぐらいはちょっと洗いたいですが。」

「私はまだ安静にしてた方がいいように思いますけど…じゃあ一緒に行きましょうか。」

 

安静にって言われても体の調子が悪いというわけではない。むしろ良すぎる。

三徹あけでぐっすり寝てたせいか?

体が軽い…こんな幸せな気持ちで目覚めるなんて初めて…。

 

いかんいかん、これマミられるフラグや。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様なんでまだ起きてらっしゃるんです?もうお昼ですよ?」

「あ~…いや~その、ね?まだあんまり眠くなかったのよ。」

 

なんだかお嬢様が挙動不審。どしたん?

 

「貴方が起きたら言っておきたい事もあったし。その…ごめんなさい。

私眷属作るのあまり得意じゃないのよ。血もそんなに飲めないし…今回は結構気合入れて吸ったんだけどやっぱりうまくいかなかったみたいだし。」

 

そういえばそんなテキストもあったなぁ。紅魔郷のおまけだっけ?

小食過ぎて吸われた人間は貧血程度にしかならず吸血鬼化までいかない。

だからいつも眷属を作るのに失敗してるとかなんとか。

今回はお茶の直後でもあったしなぁ、お腹一杯でそんなに取り込めなかったのかもしれない。

 

気合は確かに入ってたな。危うく食い千切られるかと思ったし。

ていうか入りすぎでは?吸い方からしてもうちょっとこう…いいやり方あるような。

凄い勢いでぢゅるぢゅるされたのは音だけでもエロかったけど。

まぁそれはちょっと一旦置いておこう。

 

 

なにこのもじもじしてるしおらしいお嬢様。マジでどしたん?。

しかも俺に謝っただと?え?何で?what?

解釈違いにも程があるんだが?お嬢様貴方自分から非を認めるような人じゃないでしょ。

傲慢不遜に我儘放題でギャーギャーいうタイプの筈でしょ。

そういうとこひっくるめて愛おしいんだけども。

 

「ああ~、告白の返事的な意味でのごめんなさいだったりします?それなら理解できますけど。」

「いやまぁ、そっちの意味でもごめんなさいであってはいるんだけど、うん。」

 

悲報、噛んではもらえたがやっぱり俺振られてた。

まぁそれは分かってた。そんな簡単にいくわけないよな。

だからって諦めるつもりは微塵もないが。

 

それよりもしゅんとしてるお嬢様が問題だ。一体何がどうなっている。

どうやら本当に俺に対して謝罪的な意味でごめんなさいを口にしているらしい。

あり得ない。

やっぱり混乱でもしてるのでは?

俺が?お嬢様が?どっちが?

 

「ええっと大変失礼ですがどこかで頭でも強く打たれましたか?熱とかありません?

ああ分かった狸が化けてるんですねきっと。うん、そうに違いない。」

 

とりあえず頭なでなで。たんこぶはなし。

額に手を当てさせてもらう。特に熱いといった事もなし。

最後にお尻をチェック。さわさわしてみたがあれおかしいな?尻尾ねぇぞ?

 

「どさくさに紛れてどこ触ってんのよッ!?」

 

スパーンといい音をさせて真っ赤な顔したお嬢様からのビンタが左頬に突き刺さった。

それはそれは見事な紅葉が出来ている事だろう。悔いはない。まろやかだった。

 

まぁこんなの全然本気じゃないんだけどな。

本気だったら首から上消し飛んでもおかしくないし。

つまりこのビンタは存分に手心を加えたうえで優しく撫でられたにすぎない。

天使か?いや悪魔だったわ。

 

 

尚お嬢様が何で謝ってたかというと

「力をあげるという契約をしたにも関わらずそれを達成できなかったから。」との事。

やっぱ悪魔って契約、約束事となるとキッチリしたものになるんだろうか?

レビュ〇ーズではそんなんだったな。契約違反はプライドに関わるとかなんとか。

俺望んだだけで代償に何払うとかまで伝えてないんだけどな。血だけで足りるの?

ま、お嬢様になら何持ってかれたっていいけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様ちょっとお聞きしたいんですけど今まで何人ぐらい直接吸血してきたんです?」

「貴方は今まで食べてきたパンの枚数を覚えてるの?」

「13枚、じゃ済まないですね。朝はパン派だったんで。」

 

俺は白黒じゃないからな。

500年生きてるんだ、数えきれないぐらい吸ってはいるんだろう。

 

「で、そのうち何人眷属にできたんですか?」

「…いないわよ一人も。何よその微妙な顔は?文句あるの?」

 

おおぅまさかの前例なしだとは…。

あんまり得意じゃないですまないでしょこれ。絶望的やん。

流石に一人ぐらいはいるかと思ったんだが。

 

「えぇ~…?あれだけ自信たっぷりって感じだったのに…?

これ仮にお二人がOK出してても同じく失敗だったんじゃないですかね。」

「ふぐっ!?」

「すいません言い過ぎました!!」

 

失言で予想以上にダメージが入ってしまったようだ。これは完全に俺が悪い。ごめんなさい。

それはそうと気になる事があるんですが。

 

 

「てか俺のはこれ本当に失敗してるんですかね?妙に力漲ってるんですけど。」

「えっ?そうなの?」

 

相変わらず体は軽い。とても安静にしてろと言われるようなコンディションとは思えない。

手をグーパーグーパーと開けたり閉じたりしてみる。

握力もだいぶ強くなっているような実感あるぞ?

具体的には林檎ぐらいなら片手で潰せそう。余裕で。

 

でもそれを吸血鬼の筋力か?って改めて考えると…それぐらいじゃショボいといえばショボいな。

本来はもっと圧倒的なもんだと思うし。

HELL〇INGでも吸血鬼で一番恐ろしいのは力持ちな事だって言ってたし。

 

 

俺はもうてっきりお嬢様の眷属として生まれ変われたもんだと思っていた。

お嬢様はいつも通りやっぱり失敗したと思っていた。

うーん???これはどういう事だ?

ちょっと判定役に出てきてもらおう。

 

 

「パチュリー様~?すいません読書中に。

俺の魔力ってまだ0のまんまです?変化起きてたりしません?」

 

「…んん?何貴方来てたの?寝てればいいのに。魔力は…増えてるわね、ちょっとだけど。」

 

心底面倒臭そうに教えてくれるパッチェさん。邪魔してごめんて。

それとベッド貸してくれて有難う御座いました。

 

魔力量が0から増えてるって事は変化自体はしてるっぽい。

お嬢様の気合も相まってほんのちょびっとだけ吸血鬼化できたとかそういう感じ?

 

 

 

という訳で俺がどのぐらい吸血鬼になれているのか、なれていないのか。

現時点での検証タイムに入ることにした。

 

 

・鏡

少しボヤけるけど映る。

 

・再生能力

お嬢様に頼んで少しだけ指を切ってもらうもすぐに傷が塞がるといった様子はなし。

でも15分もしたら切った跡も無くなってた。治るには治るが時間がかかると。

 

・太陽光

これはかなり怖かったのでそーっと指先からあててみたんだが…なんの事はない、全然平気。

力弱すぎるデイウォーカーってちょっと新鮮かもしれない。

人間要素が濃すぎるだけなんだろうなぁこれ。

この点だけならお嬢様の上位互換といえるかも。日傘いらないぞ多分。

 

 

翼出したり空飛んだりも出来ないか色々試してみたがどうにも無理っぽい。

出来たら移動範囲増えるから助かったんだけどなぁ、人里におつかいとかも出来るようになるし。

新しく増えたらしい魔力の運用もいまのところさっぱりだ。

 

それと吸血衝動のようなものも感じない。

これはまだ例のお薬が仕事してるからだと思う。

ハラヘラズ効果3年だもんなぁ。今血飲んでも味しなさそう。

最初に味わう血はお嬢様の血がいいなぁ…。叶うならずっと。

そこまで無茶は言わないが。

 

 

ついでに身体能力もちょっと試してみた。

 

 

・ジャンプ

思ってたより跳べた。ダンクシュートぐらいなら普通にできると思う。

ちょっとしたリアル配管工気分。

はっきり測ってないが垂直飛び1mは跳べてそう。

 

・ダッシュ

距離もタイムも体感であてにならないが元の俺よりは格段に速い。

おおよそ100m9秒ぐらいで走れてんじゃね?世界記録ってどのぐらいだったっけか。

 

スタミナもついてるのか3本程全力で走っても息切れはしなかった。

で4本目に差し掛かろうとした所でパッチェさんから魔法で頭に水球をぶつけられた。

 

「体力前借りする薬も使って回復させたんだから安静にしてろっていったでしょう。

それと図書館内で暴れないで。」

 

声のトーンが低い、これは結構おこである。

ごめんちゃい。降って湧いた力にちょっとはしゃいじゃいました。

だってお嬢様の眷属化とか夢のシチュエーションなんだもん。

 

「パチェ!?だからって水は不味いでしょ!?」

「不味いわけないじゃない。太陽の光も平気だったみたいだし。」

 

火球とかに比べれば水球はよっぽどマシだ。

一瞬お嬢様がどうして驚いてるかわからなかったがそういえば流水弱点もあったな。

そのテストもお陰で今できたわけだけど。

 

 

結論。

人としては強化されてるが弱点を弱点として認識できない程俺の吸血鬼要素は薄いらしい。

数字にすれば多分1割もないんじゃないか?

半人半妖ぐらいは目指したかったなぁ。

ちょっとがっかりしているとどうやら俺以上に結果に納得がいっていない人がいるようだ。

 

 

「貴方その程度で満足してるんじゃないでしょうね?

仮にも私の眷属を名乗るってのなら半端は許さないわよ?」

「えーっと…じゃあまた噛んでもらえたりするんです?俺としては大歓迎ですが。」

「こうなったら貴方がまともになるまで何度だってやってやろうじゃない!」

 

初めてできた辛うじての成功例?にテンション上がってるのかしら?

でもそれって小食のお嬢様にフードファイト強要するようなもんだと思うんだよなぁ。

無理はしないでほしい。

イカ腹ぐらいならばっち来いだがおデブになっちゃったりしたら咲夜さんとか泣くんじゃね?

俺はそれでも愛すが。

それにお腹おっきくするなら別の意味でしたいです、はい。

 

「俺の血は妹様曰くあんまり美味しくないって話でしたけどそれも大丈夫なんです?」

「別に不味いって程じゃなかったわよ。サラサラしてて飲みやすかったし。」

「血には気使ってましたからね俺。ドロドロの人とかのだとやっぱり不味かったりするんです?」

「あれは最悪よ。味もそうだし匂いも酷いし何より喉に引っかかるし…。」

 

血の話の筈なのになんだか別の物に聞こえてきてしまうのは気のせいか?

想像してはいけない。いけない事は分かってるんだが……。

愚息よ静まり給え。

後で右手が相手してやるから今は寝てろ。バレたらまずい。

 

 

「分かりました。お嬢様がいいのであれば是非お願いします。ただ毎度倒れて皆さんに迷惑かけるのは不味いので、もう少し優しく吸ってもらえると助かりますね。」

「まぁそれはそうね。こっちとしてもまた介抱なんて面倒なだけだし。」

 

出来ればガブリではなくかぷっで抑えてもらいたい。

そういえば倒れた俺お嬢様が運んでくれたんですよね、有難う御座います。

これはもう命の恩人だな。奪いかけたのも同じお嬢様ではあるが。

だとしてもお嬢様に非はない。それを頼んだのは俺だしな。うん。

 

「後は…出来るだけこぼさないようにですかね?毎回お召し物血で汚すのもなんですし。

張り切り過ぎずに練習台として気楽にやってもらえたら幸いです。」

「うるっさいわね…貴方ちょっと生意気になってない?」

「いえいえそんなつもりはないですよ。あの二人とだってまた機会はあるかもしれませんしね。

その時までに俺で吸血上手になっておいて下さいな。」

 

俺はお嬢様に吸われて嬉しい。

お嬢様は俺で吸血が上手くなればもし二人とする時も失敗しないかもしれない。

これならwin-winじゃないかね。俺に都合が良すぎるが。

 

「続けて吸っても味に飽きちゃうでしょうしこっちも血作るの間に合わないしでお互い間隔は必要ですよね。どれぐらいがいいんでしょ?」

「一週間に一度ぐらいでいいんじゃない?」

「じゃあそれでいきましょうか。」

 

献血のようなものと考えると取る期間は短いかもしれないが本当は毎日でもしてもらいたい。

頑張ってくれ俺の造血細胞達よ。職場は凄まじくブラックになるが心をなくして働いてくれ。

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