幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
お嬢様と1週間後の吸血を約束した翌朝、俺はベッドの上から動けなかった。
なんで?
金縛りってわけじゃないが前日と真逆でただただ凄まじく体が重い。寝返りすら無理だ。
これまたパッチェさん特製怪しいお薬の副作用じゃないの?体力前借りするっつってたし。
ここまで酷いとは私聞いてないんですけども。
逆をいうならそんなん使わなきゃいけない程の深手だったって事かもしれんが。
まぁでもそれはお嬢様の責任じゃあない。頼んだのはあくまで俺だしな。
ちょっとばかし情熱的だっただけだ。それに耐えられない貧弱な肉体が悪い。
トイレとかの心配もない。
なんせ何も食わなくても平気だからな。当然ながら何も出て行く事もない。
普段は頭おかしくならんように水ぐらいは飲んでて小は済ませてたが、それもしなきゃする必要もないだろう。
まほうのちからってすげー。
…なんか俺の事
それともやっぱり親友に手出すなって警戒されてんのかしら?
一応は助けてもらったんだし感謝するべきなんだろうけど隙見せない方がいいタイプ。
そんな気がしてならない
しかし困った。
咲夜さんが不在の今俺が率先して働かにゃならんのに。
掃除はともかくご飯ぐらいは作らないとさぁ。
つってもフレンチとかそんな洒落た物は無理なんだけど。味見も出来んし。
俺に出来るのはあくまで一般家庭レベルの普通のご飯。庶民の味。
昨日はそれで我慢していただいたがこの状況ではそれすら出来ん。
お嬢様達は勿論の事貯蔵庫の人間達の分もあるのに。
早く帰ってきて咲夜さん。貴方がいないとここはまともに回りません。
途方に暮れてるとお嬢様がやってきていいから休んでろと初めての休暇を言い渡された。
体を起こす事は出来ないが口だけなら動く。
「いやそれは非常に有難いんですがどうするんです?
妖精メイド達がまともに料理できるようには思えないんですけど。」
「あの子達だって自分の分ぐらいは用意できるのよ?妖精は食事が必須ってわけでもないんだけど。それはそれとして今回は美鈴にやってもらうから大丈夫よ。フランにも伝えておくから今は寝てなさい。」
マジか。ちょっと舐めてたわ妖精メイド。
やればできる子達なのねやらないだけで。
美鈴さんかー、あの人なら心配いらないな中華とか上手そうだし。
二次にありがちな元メイドだったりするんだろうか。咲夜さんの先輩設定多いよな割と。
治療もしてもらって穴埋めまでしてもらってもう頭あがんないな。足向けて寝れないわ。
体治ったらまずお礼言いに行かなければ。
結局三日は動けないままだった。
二日過ぎた頃には咲夜さんも戻ってきて一安心だったが現状にため息つかれちゃったよ。
不甲斐ない部下で本当に申し訳ない。
吸血についても一応話しておいたが
「お嬢様も納得済みで貴方も後悔しないならそれでいいんじゃない?」との事。
俺が後悔する事はあり得ないっすね!
にしても随分あっさりしてたな。もうちょっと色々突っ込まれたりするもんだと思ってた。
私は私、貴方は貴方、ってなもんだろうか?
ロケットはどうすんだろ。
これからパッチェさん指揮の元作ってく事になるんかね?
完成までにどのぐらいかかるんだろ。
工学系の知識とかまるでないんだが力になれるんだろうか。
まぁ俺が何もしなくても完成はするか、そういう流れの筈だし。
つ~か一個疑問が残るんだよな。
お嬢様は誰からロケットの事を聞いたんだ?
原作通りなら一旦帰ってきてパッチェさんから教えてもらう筈だったんじゃねっていう。
そうじゃないとすると…あの場で賢者となるとえーりんかゆかりんのどっちかぐらいか?
やっぱ俺が変な事言ったせいで本来の流れから逸れちゃったんだろうか。
不安だ…儚月抄無事に済むんだろうか。
ようやく体が動くようになった日の昼間、美鈴さんへお礼がてら差し入れも持ってく事にした。
というわけで炒飯作るよ!!そんなにパラッパラには作れないんだけどね。
だけどおにぎりにするなら逆に都合が良かったりする。
外で食べるならその方が食べやすいだろうし。
炒飯マイスター的には許されないかもしれんが…ダメ出しくらわない事を祈ろう。
ついでにパラパラの秘訣も教わろう。やっぱ火力なんかね?
スペカのグレイズ熱で炒飯作る美鈴さんとか動画であったな~。
今日は普通に起きてたみたいで助かった。
大丈夫になったらしいと分かってもいまだに寝てる美鈴さんに近づくのは怖いからな。
遠くから棒とか使って起こそうにも例外なくパァンされるし。
炒飯おにぎりは美味しく味わっていただけたようで何より。お粗末様でした。
「この度は本当に何から何までお世話になってなんとお礼すれば良いか…」
「ああいえ気にしないで下さい。困った時はお互い様ですよ!」
ほんとこの人良心の塊。まともなのは君だけか。
ああいやお嬢様がまともじゃないってわけじゃないよ?うん。
他が色物すぎるの。俺含めて。
「そこなんですよね。美鈴さん困った事って何かあります?自分に何が出来るかと思って。」
「えーっと…特にはないですし急には中々思いつきませんね。」
「やっぱりそうですよねぇ…穴埋めしてもらった分代わりに門番っていっても俺じゃ実力的にこなせないですし。」
「うーん…あ、でももしかしたらそのぐらいは出来る様になるかもしれませんよ?」
「ふぇ?」
「お嬢様に今後も噛んでいただくって話でしょう?。今すぐには無理でも、ね?」
ああそっか。
俺なんて武力面ではどうやったところで何の役にも立てないてんで駄目駄目なゴミ虫だと思ってたが、お嬢様から吸血鬼レベル上げてもらえればワンチャンあるかもしれないんだな。
結構張り切ってくれてたし。
「その場合夜の担当を少し代わるみたいな事になりそうですね。日中だと太陽がきつそうですし」
「そうですね、ポチさんの実力がついて私の都合が悪くなった時なんかに代わってもらえたら助かります。期待してますよ?」
「そういえば少し気になったんですが、美鈴さんって勤務時間的に結構ブラックだったりするんです?結構お昼寝されてるみたいですけど。」
「あはは~…いやそんな事はないんですよ?ちゃんと休日もいただいてますし。
寝ちゃうのは…その、お日様が気持ちいいので。」
ずっと立ちっぱってわけじゃないんだな。良かった良かった。
…あれ?俺休暇貰ったの動けなくなった今回が初めてな気がするんだけど?
もしかしなくても俺の方がブラックだった?
いやいやお嬢様の為に働ける事は幸せである。これは断じてやりがい搾取などではない。
それにしても強さか。
番犬としてもそれは必要なパラメータだな。
いつお嬢様に仇なす奴らが出てくるかわからんし、その際に力にはなりたい。
でもそれをお嬢様から履かせてもらった下駄だけで済ますのはなんか情けないよな。
ちょっとは自分で鍛える事も考えてみよう。
パッと思いつくのは筋トレぐらいだけど。筋肉は裏切らないっていうし。
最近いやに息子が元気だしそういうので紛らわすのはアリかもしれない。
ティッシュも貴重だしバレたらヤバいしで自家発電は極力我慢してるのだ。
魔力関係はパッチェさんに聞くしかないとして後は武術か。うん?武術?
「恩を返しに来たのに更に頼み事をするとか本当にアレなんですけど…美鈴さん、良ければ少し武術の手解きをしていただけませんか?」
「おや、興味ありますか?お安い御用ですよ!」
そんなこんなで快く引き受けて貰えた。
基礎中の基礎として拳の握り方からパンチの打ち方、基本動作に数種類の型なんかも教わった。
付け焼刃に過ぎないがそれでも何もない0よりかはマシだろう。
俺に武術の才能なんてもんがあるとは思えないが反復練習は欠かさないようにしよう。
で、だ。
真昼間からそうやって指導してもらってたわけなんだが…夏でもないのにめっちゃ日焼けした。
太陽光なんて全然へっちゃらと思ってたがしっかり弱くなってはいるようだ。油断してた。
後はまぁ…まともに浴びれるのも今のうちだけかなと思ってた事も少しはあるのかも。
いや後悔してるわけじゃないよ?今後に期待的な意味でね?
その有様を見たお嬢様に「日焼けする吸血鬼とか聞いた事ないわ!馬鹿じゃないの!?」と
滅茶苦茶に怒られた。
ごめんなさいちょっと熱中してたんです。