※この作品はR-18です。

幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい   作:トテツクlv0,01

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へんし~ん!

それからも週に一度噛んでもらったわけだが今までのような変化はなかった。

吸血量としては2回目にして貰った時が一番多かったのもあると思う。

それを越えるとなるとお嬢様に負担がかかるので俺からも断った。

小食気味なのはわかってるのでお茶はともかくとしても流石にお食事まで抜くのはアウトです。

咲夜さんにも怒られてるのでと告げると、渋々といった感じだがなんとか受け入れてもらえた。

 

回を重ねる毎にお嬢様は「どうしてうまくいかないのよ!」と段々ムキになっていった。

姉妹揃って育成ゲーム感覚なのかしら。俺の才能限界とかもあるのかねぇ、すみません。

 

「貴方だってもっと強くなりたいでしょ!?」

 

ぶっちゃけ強さがどうこうというのはあまりこだわっていない。

別にヒャッハーしたくて吸血鬼になるのを望んだわけでもないし。

妖精メイド相手にやりかえした手前説得力は皆無なんだが。

だが俺にはそんな事よりもお嬢様と二人で過ごせる時間の方が何百倍も大事なんだ。

 

しかしまいった。

あまりにも俺に変化がないせいでお嬢様が苛々してきていらっしゃる。

別のアプローチをしないとなぁ。

 

「うーん…実はそれ程だったりします。ただ自力で空ぐらいは飛べるようになりたいのでちょっとお嬢様協力して貰えません?」

「いいけど、何するのよ?」

「こう、俺を抱える感じで飛んでもらえないかなと。」

 

魔法の練習も続けているがどうしてもトベルーラだけうまくいかない。

宙に浮かぶ経験重ねれば何かきっかけつかめたりしないもんだろうか。

 

「抱えるって…ぎゅーってしながらって事!?ダメよそんなの!当たっちゃうじゃない!?」

「いや前からがダメなら後ろからでもいいんですが。」

「それならまぁ…ってダメダメ!抱えるのは無し!」

「じゃあ俺がお嬢様の足に掴まるのでそのまま飛んでもらって…」

「あんたそのまま上向くつもりでしょうが!いい加減にしないとまた簀巻きにするわよ!?」

 

ちっだめか。

あわよくば密着してまたれみぱいも堪能できないもんかと思ったんだがガードが固い。

吸ってる時にもちょっとハグ強めようとするだけでとバッと引きはがされちゃうし。

初回のアレで大分警戒されてるなぁ。ハグ自体禁止とまで言われないのは幸いだけど。

 

部屋からテラスに移動した後、結局普通に手を繋いでもらってほんの少しだけ夜空のデートと洒落こんだ。本来これだけでも飛び上がりたいぐらい喜ぶべき事なんだが、お嬢様ムッツリスケベ説が濃厚になってからもっと押せば案外いけるんじゃないかと欲が出てきてしまっている。

 

地上に戻った後忘れないうちにトベルーラを試してみたがやっぱり微妙に浮くだけ。

飛ばされている、浮かばされているじゃ駄目なんだろうなぁ多分、自分でやらないと。

どうしたもんか…。

 

 

 

 

 

 

翌日ある程度の仕事を終わらせて空いた時間に図書館に向かった。

お嬢様からも「吸血について何かいい方法ないか考えておいて」って宿題出されてるしな。

元の世界じゃ空想上の生き物でしかなかったわけだがこちらには現に存在している。

なら本で調べりゃより詳細な情報があるんじゃないかというわけだ。

ただここで分かるような事は既にお嬢様も知ってそうではあるんだが…。

 

こぁちゃんも見つけたので吸血及び眷属化について書かれた本なんかはないか尋ねると、すぐに何冊か持ってきてもらえた。これだけ膨大な量の本の配置全部覚えてたりするのかしら?

司書さん半端ない。

 

 

お陰で一応いくつかの事は分かった。

 

眷属化で一番大きく関わってくる要因は親側の能力だという事。

この能力が指すのはお嬢様の運命を操る程度の能力ではなく、俗にいう才能のようなものだ。

本人も言っていたようにあまり得意ではないのだろう。そうでなければ今まで一人もいない説明がつかない。小食気味なのもやはり不利に働いていると思われる。

考えてみれば当たり前だ。

吸血鬼だからといって誰もかれもが完璧にこなせるわけでもないだろうし。

 

次に関わってくるのが吸われる側との相性。

これはもうつまり俺の責任だ。奇跡的にお嬢様の眷属として最初の一人にはなることは出来たものの、俺ではなくもっと優れた奴が対象だったならば更に上を目指せたかもしれないという事。

努力でどうこうなるものならいくらでもするが漠然と相性とだけ書かれちゃなぁ。

お嬢様の好物のB型で生まれてたりすればまた話が違ったのかもしれない。悔しい。

 

もう一つ分かったのはこれとは直接関係はない、眷属の上書きは出来ないという事だけ。

お嬢様のモノとなった今の状態で仮に妹様に噛まれたとしても所有権は移動しないらしい。

安心感は増すといえば増すがあの妹様がそんな事をするはずもないのであまり意味のない話でもある。妹様いい子だし。

 

現状を解決できるような欲しかった情報はやっぱりなかった。

ただ空を飛ぶ事に関しては調べてるうちにそういえばアレがあったなと思いだした事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで蝙蝠に変化してみたいのでお手本を見せてもらえないかなと思いまして。」

「別にそれぐらいならいいんだけど…それを説明しろっていわれるとちょっと困るわね。」

「こう…ぎゅーってする感じだよね。」

 

そしてドカーンはやめて下さいね妹様。

本日の講師は大ベテランであるお二人にお越しいただいております。よろしくお願い致します。

してちょっと困るとは何故に?

 

「私達にとってはごく自然と、当たり前に出来ることだから。」

 

こっちにしてみれば呼吸の仕方とか歩き方を口で丁寧に説明しろって言ってるようなもんって事か。そりゃ確かにちょっと困るな、自分もうまくできる自信ないわ。

 

「とりあえずこんな感じね。」

 

言うやいなやお嬢様はボムバリアの時に見たような蝙蝠に姿を変えた。

自機とのサイズ対比で分かってた事だけどかなりビッグ。

変身シーンとかで服透けて見えたりしないかなとガン見してたが瞬間的に入れ替わる感じで残念。

 

「なんて言ったらいいのかしらね…、再構築とはちょっと違うし。

体を圧縮するというよりかは折り畳むが近いかも。」

「翼に力は集めるよ。後はん~!ってしてたら出来ると思う!」

 

とにかくやるだけやってみましょうか。

言われた通り翼に魔力を集中しつつ先程見せてもらったお嬢様の蝙蝠の姿を思い描く。

しばらくの間はどうにも上手くいかずああでもないこうでもないと試行錯誤しながらやっていたのだが…突然フッと視界が高くなった。おっいけたか?

 

「な、なによそれ…いいじゃない!」

「へぇ~ポチの蝙蝠姿ちょっと変わってるね。」

 

腕は翼になっていた。それをパタパタと動かすとちゃんと浮かび上がる。

その場に留まることも思った通りできる。これが飛ぶっていう感覚か。

 

それはともかくとしてお嬢様からの反応がやたら良い。

なんかもう瞳がキラキラしてるというかウズウズしてるというか。

何?もしかして俺が超絶イケ蝙蝠にでもなっちゃったとか?フッ困っちまうぜ。

 

「決めたわ!貴方私のペットになりなさい!」

 

全然違ったわちくしょう。単にお嬢様の珍しいものセンサーに反応があっただけか。

ツパイとかいうチュパカブラペットにしたのも確かそんな理由だったよな。

てか俺の蝙蝠姿そんな興味引くほど変わってるん?

とりあえず鏡を見せてもらった。ボヤけ具合は進んでるがまだ全体像ぐらいはわかる。

 

濃い青の体色、大きな翼に一頭身の体、取ってつけたような足に尻尾まで生えてた。

そして頭からはぴょこっと生えた触覚が…触覚?蝙蝠に触覚って生えて無くね。

ていうか尻尾もないよな普通。

後他におかしな所はないかお嬢様に尋ねると「真ん丸な目とおっきくあいた口も良いわね!」と

興奮気味に教えて貰えた。

ちなみに口は俺は開けてるつもりはない。それでも開きっぱなしになってるらしい。

 

うんなんとなく分かった。

これまるっきりドラキーじゃん。

 

ドラキーって蝙蝠っていうか魔物ちゃうのん?まぁでも悪魔系ではある…のか?

どうしてこうなった。

いや確かにDQは好きだけども、俺はお嬢様の蝙蝠姿イメージした筈なんだけど…。

何?配合でもすればいいの?俺とお嬢様でタマゴ作っちゃえばいいの?作りたいよ?

 

まぁでもいいや、お嬢様のペットとか願ったり叶ったりだ!

主のペットとかナザリックNPC達だって羨む地位だぜ。

もう名前からしてペットだしなポチとか。ドラきちに改名した方がいいのかもしれん。

スライムはぴきーとか鳴いてたけどドラキーの鳴き声ってどんなだったっけ。

 

とりあえず元の姿に戻ってから喜んで了承すると妹様から待ったがかかった。

 

「お姉様ダメよ!私のなんだから!ポチだってペット扱いされるより従者のがいいでしょ!?」

「お嬢様のになるんだったらペットでも全然構わないですね。」

「うぅ~裏切者ぉ!仲良くするのに協力してあげたのにぃ!」

 

いや裏切ったつもりはないんですが…初めから俺が好きなのはお嬢様だって散々言ったじゃありませんか。まぁでも色々お世話にはなったのは確かだし、お嬢様のペットになったらハイさよならは薄情過ぎるか。

 

「分かりました分かりました。後任見つかるまでは兼任にしますから。」

 

なんかどんどん仕事増えてくな。

館のお掃除に貯蔵庫の食事担当に妹様のお付きにお嬢様のペット。実験台も含まれるのか?

まだ大丈夫だがそろそろパンクしそうである。でも咲夜さんはもっと激務だろうしなぁ。

しかし後任ってどうやって見つけりゃいいんだろ。

 

「お嬢様の運命を操る程度の能力で人材って引っ張ってこれたりしないんです?」

「無茶言わないでよ。アレはそこまで便利なものじゃないし。」

「私も眷属作ってみたいし、新しいのもポチみたいな人間がいい!」

 

ダメかー。向こうから来てもらえるなら楽だと思ったんだけど。

俺みたいなのって言われてもなぁ。

元の世界からフランちゃんスキーでも紛れ込んで来てくれりゃ話は早いんだが。

いやでもその場合姉妹丼とか考える奴が来そうだな。

アカン…お嬢様に手を出そうとしたら抹殺対象になってまう。

 

人間かー。人里から攫ってくるわけにはいかんしなぁ問題になるし。

その辺飛んで野盗でも探してみるとか?いやでも妹様にガラ悪いの近づけるわけにもいかんし…。

とりあえず貯蔵庫は確かめておくか。

あれも基本は犯罪者って話だが、もしかしたらいいの入ってるかもしれないしな。

 

「ちなみに蝙蝠化ならこういう事だって出来るわよ。ま、貴方に出来るかは分からないけど。」

 

そういうとお嬢様は手元から小さな蝙蝠を飛び立たせて俺の肩に着地させた。

分化って奴かなこれは。

つまりこのミニ蝙蝠はお嬢様の子供になるのかしら?それともお嬢様自身?

蝙蝠ってどうやって愛でたらいいんだろ…。

とりあえずとばかりに頭撫でたり顎を指で触ったりしていると

「んっ…」とお嬢様が声を漏らして体をぴくりと震わせた。

 

「えっ!?これ感覚繋がってるの!?」

 

ていうかこのミニ蝙蝠はお嬢様のどこの部分なの!?触ったの頭と顎で大丈夫なんだよね!?

それならばもっと執拗に可愛がらねばなるまいと本格的にとりかかろうとした所思いっきりミニ蝙蝠に指を噛まれた。あだだっ!

 

「繋げたままにもできるし切る事も出来るよ?お姉様ポチに触って欲しかったの?」

「違っ!ちーがーう!ちょっと切り忘れただけよ!」

 

そんな事ぐらい言ってくれれば幾らでもするってのに。

妹様についての話してたから実は面白くなくて気を引きたかったとか?なにそれ可愛すぎる。

分体のミニ蝙蝠には逃げられてしまったので本体の方をわしゃわしゃと撫でたらすぐさま振り払われたけど。

 

その後俺も出来ないか試してみたが一部分だけ変化っていうのは出来なかった。

やっぱ高等技術になるんかねこれは。

 

「そういえばお嬢様のペットっていわれても具体的に何すればいいんです?」

「近くに居る時はあの姿で居てくれるだけでいいわ。その方が可愛いし」

 

つまり魔法少女のマスコット的なアレですねわかります。

ドラキー状態がアニマルセラピーになるのか知らんけど極力そうしようじゃありませんか。

でも他のお仕事中は無理ですよ、まともに物持てなくなるし。

 

 

 

 

 

「ちなみに蝙蝠以外には変化できたりしないんですか?霧化も似たようなものだとして有名処だと狼とか。後は鳥だとかネズミだとかにもなれたりって話もあるんですけど。」

「他は知らないけど狼ならなれるわよ。見たい?」

 

お?いけるのか?

お嬢様が狼になったのは二次でしか見た事なかったんだが。確か三月精に追いかけ回される奴。

あんまり期待してなかったが可能らしいので頼むとフェンリルじゃねってぐらいのヤヴァイのになった。お嬢様ぱねぇっす!かっけーっす!

 

やり方は蝙蝠と同じ要領でいいらしいので俺も試したところ、結果は狼というより…犬。

柴犬ぐらいの。ついに名実共にポチになったな。

なんでや!これが力の差か!33-4はあながちいい所ついてるかもしれん。

言うまでもなく俺が4な。それ以上の差あるかもだが。

 

 

「わぁ~!ポチ可愛い!おいでおいで。」

 

ただ妹様からの反応は良かった。妹様的にはドラキーよりこっちのがいいみたい。

元の姿に戻ったお嬢様からは鼻で笑われたけど。

頭とかわしゃわしゃされてお手なんかにも付き合う。

こうしてるだけでご飯とか貰えるなら俺来世は犬でもいいかもしれんなぁ。

 

 

それより妹様は撫でてくれたけどお嬢様は撫でてくれないんですか…?

寂しかったので首をかしげつつくぅーんと鳴く。更に上目遣いで何かを訴える眼差し攻撃もセットで。これが自分の思いつく限りのあざとい犬アピールであるがその甲斐はあったのか渋々と言った感じでお嬢様も俺を撫でてくれた。

 

撫でられた手をペロペロしてみる。怒られない、セーフ。

足元に寄ってすりすりしてみる。まだ怒られない。

そのおみ足もペロペロしてみる。ちょっとプルプルし始めた。

 

犬の体補正すげぇ…。こんなん人の体のままじゃ絶対許されへん事やん。

妹様の前だから我慢してたりもするのかも。

 

……今ならもうちょいいけるか?

そう思いズボッとスカートの中に顔を突っ込んだ所で悲鳴と共に叩き出された。

上がっているかもしれない嗅覚を発揮する暇もなかった。やっぱり今回もダメだったよ。

 

「あんたねぇぇえ!??少し位は大目に見てあげようと思ってたらどこまでするつもりよッ!?」

「許されるならどこまででも。」

「許した覚えなんてないんだけどッ!?」

「でもお嬢様だって俺の見たじゃないですか。じゃあ俺だってお嬢様の見たいじゃないですか。」

「どういう理屈よ!そんなの見てないし!顔だって近づけたりなんか…し、してないわよッ!

してないんだからッ!」

 

てっきりいつものようにお仕置きくらう流れかと思いきやボフッと顔を赤らめて逃げてった。

なんか制裁無しだと悪い事した気分になる。いや実際セクハラとか悪い事なんだけれども。

あれだ。好きな子だからいじりたくなるって奴だ。許してくれ。

 

「お姉様ポチに何したの?」

「端的に言えばお風呂覗かれました。いやまぁ俺が流水弱点甘くみてて迂闊にシャワー浴びたのが原因で、お嬢様はそれを助けにきてくれただけなんですけどね。」

「ふ~ん…私も覗いていい?」

「勘弁してください…。」

 

 

その後ドラキー状態の経験が功を奏したのか人型のままでもトベルーラで普通に飛べるようになった。変化の経験も出来たのでもしかしたらモシャスもいけないかと思ったがそっちはやっぱり駄目なままだった。畜生やっぱり変化はマミゾウさんの専売特許か。

お嬢様になれたらそれはもう色々と捗ったのに。

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