幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
真人間の頃には勘が警鐘鳴らしてたけどいつの間にかそれは感じなくなってた。
そういえば中に入るの初めてだなぁ。今度からご飯持ってくのも自分でやった方がいいかも。
咲夜さんから借りた貯蔵庫の鍵を使って物々しい分厚い扉を開けその先に進む。
最初に気になったのは臭い。
これ死臭ってのか?生ゴミが更に腐ったような強烈なの。鼻にツーンとくる。
ええ…死骸放置でもしてんの?
いやそれは流石にないだろうし…長年使ってたのが染み付いてるとかか?
それと鉄臭いのもある。こっちは血の匂いかね。
そこら中の壁面にべっとり赤黒い染みがこびりついてたりする。
特にそれが酷かったのは拘束具とかもあるし、多分ここで解体やってんだろうなって場所。
まぁここはしょうがないか。切り分ける時とかどうしたって出るだろうしな。
やっぱ生きたままやってんのかな。鮮度が大事とかあるのかも。
更に奥に進むと4部屋ぐらいの大きな牢屋みたいなとこに、男女は分けて人間が押し込められてた。中で鎖で繋がれてたりはせずに割と自由にはしてるっぽい。
糞尿とかは床に垂れ流しってわけじゃないがその匂いもキツイ。
そこの壺の中にでも済ませてんのかね。
元気なのもいるが逆に生きてんのか死んでんのか分からないのもいる。
こんなとこでこぁちゃんエナジードレインしてんの?逆にしたからこうなってんの?
ひいふうみい…いやこれ10人じゃきかんだろ。大分増えてる。
食事量全然足りてないやん。いつも10人分ぐらいしか作ってないぞ。
日常的に取り合いでも起きてるのか争ったような形跡もあるし。
あんまり餌代かけられないってんなら多少間引くかした方が良いんじゃないの?
環境劣悪すぎないかこれ。
いや別にこいつらがかわいそうとかそういう気持ちはないんだけど。
心を折って逃走しないようにしてんのかね?
もしくは絶望という名のスパイスがなんたら~って事かもしれんけどさぁ…。
それで肝心の血の味も悪くなってない?ってハナシ。
畜産の事はよくわからんが良質な餌に清潔な環境、適度な運動ぐらいは必要だと思うのよ。
咲夜さんならそれぐらい気づきそうなもんだが…他が手一杯でここには手付けてないのかしら?
後でお嬢様に進言してみてもいいかもしれん。
でその生きてるか死んでるかわかんないような奴に10歳ぐらいの子供が一匹混じってた。
この場所にいるって事はこいつも犯罪者かそれに近い悪ガキなんだろうけど…う~んこいつでいいか?若い方が血も美味しいらしいし小さい方がいう事聞くかもしれんし。
そこらの悪人面した奴らよりはマシだと思いたい。
連れ出そうと牢の鍵も開けて中に入ると別の元気な奴が「だ、出してくれんのか!?」ってすり寄ってきた。ちっげーよお前じゃねーよ近寄んなヒャッハーめ。
煩わしいのでぐいっと引き剥がす。その隙に子供だけ引っ掴んでスタコラサッサだぜ。
「てめぇ!俺も連れてけよ!連れてけってんだよ糞が!!」と後ろから喧しいが無視無視。
まずは連れてきた子供に飯を食わせてやる。
弱ってる時ってお粥とかのがいいんじゃないかと思ってたが、割とガツガツいける感じだったのでレバニラなんかも作った。美味しい血になってくれ。
食え食え一杯食え。おかわりもいいぞ!
この先には毒ガス訓練よりきつい未来が待ってるかもしれんが。
次は綺麗にしないとだ。
このまま浴室にぶち込んでやってもいいんだが…汚れ具合が半端ないし外で済まそう。
俺だって長期間湖で水浴びしてたんだから我慢しろ。
もう真冬だし寒いだろうが火ぐらいは焚いてやっから。
洗ってる最中に「どうしてここまでしてくれんだよ…?」とか聞かれた。
「そりゃあ妹様が新しい人間をご所望だからだ。まーお前はいわば捧げものだ。
あのままあそこにいたっていずれお肉だったろうし、運が悪かったと思って諦めてくれ。」
でも眷属にしたいって話だったからお眼鏡にかなえば生きれるぞ?
俺みたいに妖怪化はするだろうけど。
で全身わしゃわしゃして着てたの洗濯も済ませて、ようやくある程度見れるようになったんだが…結構顔整ってんだよなこいつ。ラハー〇殿下系統の釣り目の生意気ショタって感じ。
俺より全然イケメンになれる素質あるわ。
「当主様達はそりゃもうお綺麗なご令嬢だが妙な感情抱いたりするんじゃねぇぞ。」
と自分の事は棚に上げてショタに睨みを利かせておいた。
だけどやだなぁ…お嬢様側からこいつに興味持ったりしないだろうな…。
ショタ逆レイプモノとか割とあったし…不安である。
諸々が済んだのでお嬢様達の前に連れて行った。
妹様の反応はわりかし良い感じなようで何より。
やっぱ背丈も同じぐらいのが親しみやすかったりするのかね。
「これ私のだったら好きにしていいんだよね!」なんてはしゃいじゃってる。
ええ構いませんよどうぞどうぞ。
妹様がじーっと見つめるとショタはガクンと気を失った。
おおっと今何したんだ?
気になったがそれと同時に俺の方にも妙な事が起きた。
頭の中にかかっていた靄がすぅーっと晴れていくような…なんだこれ。
そういえばどうして俺は妹様をいい子だと頑なに信じ込んでいたんだ?
初対面でにこっとされただけだろうに。まぁお嬢様にはしっかりニコポされちゃったわけだが。
まさかと思い横で同じく様子を見ていたお嬢様に尋ねてみる。
「あの、お嬢様?もしかしてお嬢様達も
「
「いや違います、ちょっと気になっただけで。それって複数人にかけると効果薄れたりします?」
「出来るのは基本的に一人よ。無理すれば複数にも出来なくはないと思うけど相応に効果は落ちるわね。」
吸血鬼にありがちだもんな魅了の魔眼。やっぱできるのね。
じゃああれか。
今ショタに強めの暗示かけた分初対面で俺にかけられてたのが薄れたとかか。
いい子だって思いこまされてる程度の弱いのだから良かったものの、一歩間違えれば妹様狂いになっててもおかしくなかったかもしれんな。恐ろしい話やで。
こぁちゃんのはお嬢様へのラブパワーで一応跳ね除けられたけど、妹様のはまた訳が違うだろうし。もしくはお嬢様が眷属化苦手なように妹様は魅了が苦手だったりするのかも。
その後妹様ががぶっといったんだが、俺の時とは違ってショタにはすぐさま変化が訪れた。
めきめきと翼も生えていってるし…あるぇ~?俺の時は一日がかりだったんだけどなぁ。
子供だから血の総量も少なくて、それに応じて吸う量も少なくて済むとか?
ていうかさ。
既にあいつ俺より強くねー?
今の俺の妖力を仮に4とするならばあのショタもう9か10はあるような気がするんだけど。
何?妹様は眷属化については天才的なの?それともお嬢様がぽんこつなだけ?
或いはあのショタの素質がめちゃくちゃあったとか?
判断材料が少なすぎて平均がどのぐらいなのかさっぱりわからん。
やっべーな。大分偉そうに先輩風吹かしてたが逆にしめられるかもしれん。
もうちょっと穏便に接しとくべきだったか。
その様子もお嬢様はじーっと見つめてた。
「…やっぱりお嬢様もあっちのが良かったとか思ってたりします?すいません不甲斐なくて。」
「バーカ、変な事気にしてんじゃないわよ。
…あんたこそフランに噛まれた方が良かったとか思ってたりするんじゃないの?」
「いやそれはあり得ないっす。俺にとっては強さは二の次でお嬢様のだって事の方が何百倍も大事ですし。それより貯蔵庫について聞きたいんですけど、あそこ大掃除とかしてもいいですかね?ちょっと汚過ぎたんで。」
「咲夜に一任してるからそっちに聞いて頂戴。」
「わかりました、確認しておきます。それはいいんですがお嬢様にも一つお願いしたい事があるんですよ。お嬢様って一山いくらの悪魔も使役できるんですよね?素直にいう事聞いてくれて、且つ出来るだけ強面のを一人貸して欲しいんですが、いけます?」
「別にそれぐらいいいけど…何するの?あんまり無茶な事頼んじゃ駄目よ?」
「掃除にかなり手間がかかりそうなんで貯蔵庫の人間達自身にもやらせようと思いまして。
見た目から威圧した方が素直にいう事聞いてくれるかなーと。」
俺もパッとしないしな。背中にぴょこんとちっこい翼が生えてるぐらいだし。
舐められないように怖いお兄さんが一人いれば話は進めやすいだろう。
ショタについては妹様がそのまま連れて行った。これから色々覚えさせるのかね。
そいつも俺同様咲夜さんみたいに初めから何でもできるわけじゃないんで程々にしておいてあげて下さいよ。
咲夜さんからのOKも無事に出たので本格的に貯蔵庫のお掃除開始だ。
動けなきゃ話にならんのでまずはこいつらの腹ごしらえを済ませてからだけどな。
飯を配り終わると全員無言でビクビクしながら食ってた。
お嬢様から貸してもらった悪魔さんが効いてるなうんうん。
ちなみに見た目はレッドアリー〇ーとリド〇ーを足して二で割ったような感じ。威圧感ばっちり。
体もおっきいしこれに真っ向から逆らおうとする人間はそうそういないだろう。
話してみるとすんごい物腰柔らかだったりするんだけど。
悪魔さんにはお掃除手伝って貰おうとは思ってない。
万が一逃走されたりしないように扉の前に立ってて貰うだけだ。
ちゃんと鍵もかけるし大丈夫だろうと思うけど念の為ね。
「よーし、んじゃ食い終わった奴から道具配ってくからな~。気合入れて掃除するんだぞ~。」
牢の鍵も全部開けて一人一人に渡していく。俺も手伝うしキリキリと働いてもらいたい。
だがまぁ元犯罪者だからか気性が荒い奴もやっぱりいるわけで。
子供連れ出す時にすり寄ってきたあいつだ。
デッキブラシを渡したやいなや「いきなり出てきて偉そうに仕切ってんじゃねぇ!」とそれを叩きつけてきた。
なぁ~んでそんな事するかなぁ?
俺はただお前らの環境を良くしてやろうとしてるだけじゃん。
飯もちゃんと食わせてやったし文句のつけようもないでしょ。
なのにいいから逃がせとか言われてもさ。ダメだよその願いは。俺の力を超えている。
やっぱ悪魔さんに比べりゃ屁でもないとでも思われてんのかしら。
…見せしめに一人ぐらいはぶっ飛ばすか?
俺でもお前程度なら楽勝なんだが?スロー過ぎてあくびがでるぜ。
華麗にバックステッポゥでそれを避けてから~の、喰らえや俺式マッパハンチ!
まぁただ踏み込んで美鈴さん直伝の右ストレートかましただけなんですけどね。
壁まで叩きつけるくらいのつもりがちょっと力が入りすぎたのか、ヒャッハーの頭が柘榴みたいに弾け飛んだ。やっべやっちまった。あーあここまでするつもりなかったのに。
まいったなぁ…頭部にも美味しい部位とかあったりするのかしら。
カニ味噌みたいな例もあるし…いやアレは膵臓なんだっけか?
勿体ない事したかもしれん。ていうか俺まだ解体の仕方習ってないんだよなぁ…。
手足は力任せにねじ切っちゃっていいんだろうか?断面綺麗にしとかないとやっぱ食感悪くなったりするのかな?四肢はそれでいいとしても胴体については完全にお手上げだ。
臓器の取り扱いとかさっぱりだよ。外科医だったわけでもないし。
途方に暮れてると悪魔さんが「俺なら解体できるが…」と声をかけてくれた。マジかよ助かる!
代価に男の心臓要求されたけど、いいよいいよそれぐらい持ってって。
それが一番美味しい部位かもしれんけど必要ならも一匹間引けばいいだけだろ。数は余ってるし。
悪魔さんから解体の仕方教わってると掃除してた連中はさっき食べたばかりの物をゲロゲロ吐いてた。あーあ、仕事増やすんじゃないよ全く。解体中の隙に逃げようとしたのか扉の前で泣き喚いてる奴までいるし。そんな簡単に開かないよそれは、サボってんじゃないっての。
このお肉冷蔵庫に突っ込んだら俺もさっさと掃除に取り掛からねば。
その日から人間達の分の食事は俺が運んでその後に掃除の時間を設けた。運動にもなるし一石二鳥。大分しつこい汚れと臭いだったが根気よく続けているとわりかし綺麗になってくるもんだ。
後必要なのは寝床とストレス解消になるような娯楽とかかね。
寝具はお金かかるしなぁ。藁でも敷いとけばいいだろ、うん。
娯楽はまだ思いつかんが…まぁ叶えられる範囲であればできるだけ叶えてやるつもりだ。
衣食住だと後は衣服かねぇ…一応全員分の洗濯は済ませておいたが替えを寄越せとか言われても正直困る。俺裁縫は出来ないんだって。安い服でもあればいいんだが。
環境の改善の結果一番喜んでもらえたのはこぁちゃんだった。
あんな汚いとこでヤるのは嫌だよねぇやっぱ。
それに良質な精気が取れるようになったんだって。4部屋のうちの一つは空き部屋からベッドも運んでプレイルームにしておいたのでご自由に楽しんでください。勿論ちゃんと許可はとったよ。
ただこぁちゃんは「別に複数人相手でも大丈夫だったんですけど」とか言ってた。
本職のサキュバスぱねぇっすわ。食事の時間に被らないようにして下さいね。
本来の目的だった血の味の方も「少し良くなってきた気もするわ。」とお茶の時間にお嬢様からお褒めの言葉も頂いた。
「それで褒美でもあげようと思うんだけど、何か欲しいのってある?
貴方の名前とか付け直してあげてもいいんだけど。」
「名前ですか?特に改名は考えてませんね…お嬢様がつけて下さるなら喜んで受けますが。」
「今は犬みたいな名前だし、貴方実は嫌だったりするんじゃないの?」
「いえ別に、俺お嬢様のペットですし。元の名前に比べれば気に入ってますよ?
お嬢様からポチってあんまり呼んでもらえないのはその辺関係してたりするんです?」
「いやそんなつもりはないんだけどね。」
お嬢様から貴方って呼ばれるのが別に嫌なわけじゃないよ?
脳内変換すれば旦那様♡って呼ばれてる様にも思えるし。
美鈴さんやこぁちゃん、妹様からはポチって呼ばれてるし急に変える必要性もあんまり感じないかな。他の人にももうそれで名乗っちゃってるし。
「じゃあ何がいいのよ?」って言われたけど…うーん。
没収されたお宝が欲しいって言ってもいいんだけど…それよりお嬢様の血が欲しいかな。
そう告げたんだが「それはまだダメ。」との事だった。残念。
貯蔵庫の管理業務も新たに増えたしそろそろ寝る暇がなくなってきたかもしれん。
まぁ増えた体力に物言わせば二日ぐらいは動きっぱなしでも平気なんだが。
いつかは血も頂けるようにもっともっとお嬢様の為に尽くさなければ。
それはそうと妹様の傍にいるはずのショタの姿が見当たらない。どうしたんですか?
「あの子?一緒に遊んでたんだけど、もう一回もう一回ってしつこかったから。
それでちょこっと強くしたら壊れちゃった。」
あーらまぁ。あれだけ妖力強くても務まらなかったか。
もう一回っつってる事は突然降って湧いた力に溺れちゃったとかかねぇ子供だし。
妹様あの子にどんな暗示かけたんだろ。
絶対服従じゃないとすると全力で遊び相手になる、とかかしら?
「だから私のお世話はまだしてね。今度はポチが一緒に遊んでくれると嬉しいな!」
そんな無邪気な笑顔見せられても困ります。俺あの子より全然弱いんですから。
まだまだお嬢様の為に働きたいんですから今壊されるわけにはいかんのですよ。
やんわりと断ると初対面の時のようにぶーたれてた。
まぁ無理にされたりはしないだろう、多分。妹様はいい子だし。
主人公はあんまり認識しておりませんが長く妖怪化した体で過ごしているうちにそれに引っ張られて精神性も変化しております。
具体的には強制精神抑制のないアイン〇様状態。
もう人を殺めても何の痛痒も感じていません。