※この作品はR-18です。

幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい   作:トテツクlv0,01

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再びのチャーム 前編

お嬢様から血をもらった後、俺の翼はまた一回り大きくなった。

身体能力も上がってるし、再生力なんかも多分それに応じて強化されてそう。

やっぱ直接もらうとなると吸血されるだけとは全然違うのかね。

俺を強くすることに拘ってた時期もあったし、ならこうしとけば手っ取り早かったような気もするんだけど…なんで頑なに拒まれてたんだろう?

 

あれか?

血の契約とか血を分けた仲とかいうし、特別な相手にじゃないとしたくなかったとか?

もしそうだとしたらやべーな照れるぜ。まぁ二度とダメだって話なんですけどね…。

何でなのかは教えて貰えないけれど、秘密にしてる理由もいつか打ち明けてくれるんだろうか。

 

 

薬の効果も切れて、食事も普通に取れるようになった。

かと言ってお嬢様とご一緒するわけではないけどね。給仕が終わった後使用人は使用人で別にとるのだ。つまりご一緒するのは咲夜さんだ。

んで俺の分も作ってもらえるようになったんだがそれがもう超うめーの。マジ一流シェフかよってレベル。レシピから始まりコツやら隠し味やらをメモに取ってると時間がある時になら指導してくれるとの事なので有難くお願いした。この域に至るまでには俺だと何十年かかるんだろうなぁ…。

 

 

食事の際お茶の分を分けてもらって血も摂るようにした。

ちゃんと飲んでれば衝動も表に出てこないようなので安心。

ずっとあのままじゃどうしようかと思った、ほっとしたよ。

 

肝心の味だが、あんま美味しいものではなかった。お嬢様のは別格過ぎた。

よく錆びた鉄のような味とか言われるけどまぁそこまでではないかな。

ていうか錆びた鉄の味ってなんだよ。俺ガッちゃんじゃねぇし鉄なんて食った事ねぇよ。

その気になれば噛み砕くぐらいは出来るかもしれんけど、鉄を消化までは流石に無理ぽよ。

代用品にトマトジュースなんてケースよくあるけどあれをもっとドロッとさせてしょっぱくした感じかも。本物とは似て非なる物だってよくわかる。

赤ワインで例える場合もあるけどお酒は飲まないから分かんないや。

 

 

 

 

 

で、諸々解決していつも通りの日常を過ごしてたわけなんだが、ある日お嬢様から吸血タイムにて今更過ぎる事を聞かれた。

 

「ねぇ、私に噛まれるのってやっぱり痛いものなの?噛む時いつも体強張ってるけど。」

「まぁ…痛いといえば痛いっすね。でも最近は優しくしていただけてるお陰で大した事はないですよ?首元にぶっとい注射される程度ですし、平気です。」

 

吸血鬼の牙っていうのはやっぱり特別なのか、他には働く筈の痛覚耐性を無視して痛みが飛んでくる。だからお嬢様の指を噛んでしまった時にはそりゃあもう気が気じゃなかった。お嬢様は平気だって仰られてたけど本当に悪い事をした。

 

「ちょっと思いついたのよね、痛くしないで済む方法。」

「そんな都合のいい方法あるんですか?」

「私が貴方に魅了(チャーム)かけるのよ。で気を失ってる最中にがぶっといくわけ。名案だと思わない?」

「全身麻酔の要領といえば確かにそうかもしれないですけど、正直気は進まないっすね~…。」

 

ぶっちゃけるといい思い出があまりないのだ。

こぁちゃんの時は別の自分が生えてくるような感じしたし、妹様の時は別の自分にいつの間にかすり替わってるような感じだった。正直すすんで体験したい物ではない。

フルでかかるとあの時のショタの様に俺もガクンといくんだろう。そう考えると何で妹様の時にそうなってないのかは不思議だが…こぁちゃんの時の様にお嬢様へのラブパワーでレジれてたとかだろうか?かけられてた暗示が弱かっただけかもしれんが。

 

だがお嬢様当人から魅了されるとなるとそのレジストも期待できないだろう。

てか魅了されるまでもなく俺はもう既にお嬢様に首ったけなんだが?

魅了に魅了重なったらどうなんの?頭おかしくなって死ぬんじゃね俺。

それに気失ってたらせっかくのハグタイムも楽しめないし…一週間に一度の癒しタイムなのに。

 

「そう…どうしてもダメ?」

 

だけどそんな悲しそうな顔されるとハグタイムがどうとかどうでも良くなってくる。

いやまぁ俺の楽しみなんかは脇に置いておくとしてもさ、つい最近正気を失ってやらかしたっていう前科もある。

 

「それについては平気よ。小悪魔のは相手をいやらしい気持ちにさせるものだけど、私達のは相手を意のままに操るものだから。術者の意にそぐわない事はさせないように出来るし。」

「本当に、万が一にでもお嬢様に危険及んだりする事はないんですね?」

「大丈夫だってば、私が信用できないの?」

「いやお嬢様が信じられないというより自分が信用できないんです…暴走したりするんじゃないかと。妙な真似したら殴り飛ばしてでも止めて下さいよ?」

「そんな事言われなくたって分かってるわよ。」

 

どんな暗示をかけるのかについても聞いたんだが「それは内緒。」と濁された。

なんか最近色々と隠し事されてる気がするなぁ…。

 

「じゃあいくわよ…?私の眼をじっと見てなさい。」

 

そしてお嬢様の瞳が紅くギラリと光った瞬間、俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めてみればいつも通りのベッドの上。最近気絶芸が板についてきた気がする。

初めての吸血の時と、魔法使いすぎて風呂で倒れた時と、前回の薬切れの時と今回か。

たった数ヵ月の間に4回も倒れるとかもやしっ子かよ。

で案の定今回も体がまともに動かない。例によって例の如く、金縛りとかじゃなく重たくて動かせない感じ。疲労感って事はこの体だと流石にないだろうし…意識失ってるのをいい事に思いっきり吸って、またパッチェさんの薬の世話になってるとかそんな所か?

まぁいいや、このまま一眠りしよう。そうすりゃ体も治ってるわ多分。

 

 

翌日からお嬢様がなんか妙によそよそしくなった。

そして咲夜さんからの俺への当たりが滅茶苦茶にきつくなった。なんでや。

 

 

 

 

掃除担当箇所はいつもより5倍近く申しつけられた上に人間達の食事の準備も手伝って貰えない。一人でやれってさ。それだけならまだしもチッとか舌打ちされるし、ナイフも日常的にビュンビュン飛んでくるし。殺すつもりはないのか首とか心臓は避けてくれるけど当たり前のようにブスブス刺さるので結構痛い。結構痛いで済んじゃうのがこの体の恐ろしい所だけども。

そういや銀武器はお嬢様同様平気っぽいな。

 

そして極めつけが美味しかった筈のご飯が見るからにゲテモノってのにクラスチェンジした事。

なんかね、虫とか目玉とかそういうのの盛り合わせっていうの?明らかにグロテスクな代物。

「これなんすか?」って聞いたら「貴方のような塵にぴったりの餌だけど?」って言われた。

 

「いや何を怒ってるのか知りませんがご飯で遊ぶのはなしにしましょうよ。こんなのわざわざ作るのも嫌でしょうに…。いいですよ、俺の分は作りたくないって事なら自分で作りますから。」

 

そういうわけで自分で普通に料理した筈なんだけども、出来上がったのは先程見たゲテモノだった。解せぬ。

「あらあらおかしいわね?」なんてすっ呆けてるけど、貴方が時間止めて完成品入れ替えただけでしょうが。種も仕掛けもある手品、いやぁ素晴らしいものですね…咲夜さんからは逃げられない。

結局それを喰わされるハメになった。味も糞不味い上にご丁寧に毒まで仕込んであったのか数時間トイレに立て籠る事に。ひどい…。

 

「一体俺は何を仕出かしたんですか…?」と聞いてみても

「自分の胸に聞いてみなさい。」の一点張り。

 

心当たりはありますがそれお嬢様に魅了で操作されてる間の話なんですよ。

刑事責任能力が問えないって事で推定無罪とか情状酌量の余地があったりはしませんかねぇ!?

弁解はしたんだけども結局火に油を注ぐだけだった。

 

マジで何でこんなにキレてんの…?

ムッツリなお嬢様がチンコ見たいからって俺にストリップでもさせてたとか?

そんな現場見たんだとしたらこのブチギレでも納得だけど。

 

お嬢様本人に聞いても「し、知らないッ!」ってあの後何があったのか教えてくれないし!

いや貴方が知らない筈ないでしょうが!?

俺が何かしたってんなら何でちゃんとぶっ飛ばしてくれなかったんですか!?

お陰で咲夜さんからイビリ殺されそうなぐらい恨まれてるんですよ!ちょっと助けて!

 

 

物が普通に食べられる幸せを取り戻した矢先にこんな責め苦を味わうとは思ってもみなかった。

どうにかゲテモノ攻めは勘弁してもらえたが普通の料理になっても毒入りなのは相変わらず。

耐性があるっていってもキツイ事には変わりない。これがお嬢様ならへっちゃらなのかもしれないが。殺さないギリギリまで苦しませてくるスタイル。一体どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

そして一週間が経ち、いつもの吸血タイム。よそよそしかった態度は数日の間に緩和して普通に部屋まで来てくれたんだが、また魅了をかけるって話になったので流石に止めた。

 

「いや普通にしましょうよ…。また咲夜さんから恨まれるじゃないっすか。あれ以上の怒りは死にますよ俺。」

「咲夜には殺すなって言ってあるから平気よ。」

 

あのね、殺さなければ何してもいいって訳じゃないんですよ…?

お使いで酷い目にあった時は怒ってくれたのに何で今回は容認されてるん…?

やっぱ咲夜さんのがお嬢様的に順位上だからなの…?俺にも優しくして…。

具体的には魅了なんて使わずに普通にハグして俺を癒して…。

だがそんな願いは聞き届けられなかった。

 

「ああそう!?私が折角貴方の為に痛くしないようにしてあげようってのに、それを無下にするって言うのね!?」

 

こないだは断ろうとしたらしゅんとして悲しむ感じだったのに今度はいきなり怒り出した。

もうやだ!最近のお嬢様情緒不安定でホントわかんない!今のどこに地雷があったの!?

わーかったわかった、わかりましたから!大人しく受け入れますから!落ち着いて!

 

「しかしやろうと思えば問答無用にかけられるんでしょうに、確認は取ってくれるんですね。」

「敵対相手ならともかく、身内に対していきなり操ったりはしないでしょ普通。」

「許可取ったからといってどんな事でもしていいわけじゃないですけどね…。魅了中の俺に一体何してんですか。操ってる最中の記憶残したり出来ないんですか?」

「う、うるさいわね!貴方はそんな事一々気にしなくていいの!ほら、いいからこっち見る!」

 

なんか吸血より魅了かける方がメインになってないか…?手段と目的が入れ替わってません?

俺でどう遊ぼうがまぁ構いやしませんけど…妙な真似したら今度こそちゃんと止めて下さいよ?

頷いてはくれたけども本当に分かってるんですかね…適当に流そうとしてない?

 

 

 

そしてまた正気に戻ってから見るのは、いつも通りの部屋の天井。

お約束通りベッドの上に寝かされてる。

ただ今回は体は動いた。ちょっと気だるいような感じは残ってるけど特に問題ないレベル。

うーん…規則性がねぇな、相変わらず何してるかさっぱりわからん。

前回とは違う事をされたんかね?いい加減教えてくれてもいいと思うんだけど。

 

 

 

結局そこからは毎週魅了をかけてから吸血されるようになった。…ちゃんとしてるかは怪しい。

咲夜さんも苛烈なままであれから解決には至ってない。謝ろうにも何されてるか分かってない現状では心の底から謝罪ってしようにも出来ないんだよ。頭下げるだけなら幾らでもするけどそんなんで許される筈もなし。これ和解する事出来るんだろうか…。




更新遅くなってすみません
後編は現在執筆中でまた後日…苦戦しております
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