幻想入りしたオタクは理想の2次嫁にお仕えしたい 作:トテツクlv0,01
う~ん…やっぱポテチとコーヒーだけじゃ手土産には不足過ぎたろうか。
つっても他に渡せるようなもん残ってないんだよなぁ。
一応はスマホがまだあるけれどもこれどっちかっていうと河童向きだろうし。
それに一応精密機器だ。力加減間違えてバキャンでもされたら目も当てられない。
彼女らは可愛い見た目してようが妖怪だ。
石パァン事件のインパクトはそう簡単には消えてくれない。
それに充電も切れかけだからあんまり無駄使いしたくないんよね。
まぁ電源残ってても大して役に立ちやしないんだけども、どこもかしこも圏外な上に時間だって滅茶苦茶だ時計代わりにすらなりゃしない。
出来る事と言ったらカメラ機能ぐらいか?後は曲とかは少し入ってる。
スマホ以外だとそういやライターが残ってたな忘れてた。
こっちなら一緒に渡しても良かったかも…いやでもこっちはスマホ以上に今無くすと困るかもしれない、何せ貴重な着火手段だ。
泊めてもらえなかった場合野宿になるだろうから火の一つぐらいは確保したい。
となるとやっぱり渡せるのはあれぐらいしかなかったように思える。
本人出演の同人誌の山なんぞ見せるわけにもいかんし。
等といった事を考えつつ遅いな~と待っているとようやく門番の美鈴さんが帰ってきた。
「お待たせしました!多分OKっぽいですよ雰囲気的に。あ、でもお嬢様が一度会ってお話したいって」
掴みは悪くなかったみたいでほっとした。ポテチでも気に入ったのかな?
お嬢様なんかジャンクフード好きそうなイメージあるわ、順応性ありそう。ハンバーガーとか。
2次ではプリンがよく好きだって描かれてたけどありゃジャンクじゃなくてスイーツの部類か。
缶コーヒーはどうだろ、一応はブラックじゃなくて加糖入りだがカフェオレのが良かったかもしれん。にがーいとか言ってそう。あの画像ってタンポポがどーたらだっけ。
「ああそうですか有難う御座います。お話しできるならこちらこそ是非お願いしたいです。えっと門番さんがそこまで案内してくれるって事でいいんでしょうか?」
ーーーいえ、それは私が
うおっ!?
いきなり背後から声かけられるとびびる。さっきまで絶対誰もいなかったろ。
振り返って確認してみればまぁ納得。
この人なら簡単な事なんだろうな、時止めって本当チートだと思う。
〇IOに対して承〇郎達よく勝ったと思うよほんと。入門できないとどうしようもないわこれ。
「失礼しました。お嬢様に仕えるメイドの十六夜咲夜と申します。私がご案内致します。」
そう言って完璧な礼を決めてくる余所行き咲夜さん。クール系美人の瀟洒ですわぁ。
そこらのメイドとはオーラからして違う。萌え萌えきゅんとか絶対しなさそう。
あ、でもお嬢様の命令とかならしてるかも。
そんな馬鹿な事考えてたからか少しぼうっとしていた。
見惚れていても仕方ないので慌ててこっちも返す。
「どうもご丁寧に。えっと迷子?の外来人Aです、案内宜しくお願いします。」
わかってたけど館はめちゃくちゃ広かった。
室内入ってからも何分も歩いてる時点でどっかおかしい。
それでもってその広さな上に埃一つ落ちてないのが更におかしい。
掃除にどれだけ労力かかるんだこれ。
内面のイメージはあの格ゲーの背景が割と近いな、流石に魔法陣はないが。
それを少し赤っぽくした感じ。目がチカチカしない程度なのが救いか。
後は主だった通路にはこれまた赤いカーペットが敷いてあるみたい。これなら迷わなくて便利ね。
黙ったまま歩き続けるのもなんかアレなのでせっかくだしと色々聞いてみた。
今は何年の何月なのかとか他にもここに来た外来人とかはいたのかとか。
フレンドリーにとはいかないが咲夜さんは淡々と答えてくれた。
それによると俺はやっぱり時間跳躍もしてるらしい、十数年程過去に。
外来人に関しては「いたかいなかったかで言えばいましたね」とだけ。
まるでそれ以上は聞くなという切り方に背筋が冷えるがではこちらからもと質問してくれた。
先程何故本名を明かさなかったのか、何か理由があるのかと。
いやこれに関しちゃ御免なさいしか言えない。
相手が名乗ってるのに名乗り返さないとか失礼にも程があるよね。
謝罪しつつ隠してるという程でもないしやましい事もない、主人にも合わせて説明すると答えると一応は納得してもらえた。
まぁちょっとした狙いはあるんだけどほんとにちょっとした事だから。どうせ無理だし。
どう呼ぶか迷ってたがとりあえず外来人様という事になったらしい。
様は気恥ずかしいのでせめてさんにしてもらえませんかと頼んだが駄目だった。
なんでも『今は』お客様なのでとの事だ。オンとオフしっかりしてるんだろうなぁプロだわ。
じゃあオフの時はどうなってるんだろうって?
そりゃあどうせ肉片でしょうよ俺なんて。あまり考えない事にした。
「この先が大図書館です。お嬢様はそこまで連れてくるようにと」
へぇ図書館で会うのか。
てっきりイラストでよく見るような玉座にカリスマ全開で座ってたりするものかと思ってた。
パッチェさんも一緒にいたりすんのかな。会えるなら会ってみたい。
紅魔館メンバー全員好きだし。おぜう様は別格だけど。
ーーちきしょうやっぱり図書館も無駄に広かった。
考えてみりゃ4面道中ずっと飛んでるんだし狭いわけないんだよな。
足が棒になりそうだ、飛行能力が切実に欲しい。
咲夜さんに抱えて飛んでもらえないかとも思ったが筋力的に無茶だろう。
案内が美鈴さんだったら真面目に泣きついてたかもしれない。
しかしここさえ乗り切れば遂に待ちに待ったご対面だ、もう少しだけ踏ん張れ俺。
「ようやく来たのね待ちくたびれたわ」
本棚だらけの所を抜けて抜けて抜けた少し開けた場所にーいた。
真っ赤な瞳で胸に手をパーにしてあててる原作ポーズ決めてるお嬢様が。いやぁカリスマ溢れていらっしゃるこれ癖だったりするのかなだったら可愛いんだけど。そしてお声よ。やだなにこれ可愛らしいなんてもんじゃない。耳が溶ける。理想より百万倍はいい。声に魅了の魔法でもかかってるんじゃないかってぐらい。それに話す時やっぱり牙チラ見えするのね最高。あれほんと好きなのよね八重歯系というか元気っ子っぽいというか。髪はイラストだと水色が多かったけどほんの少し紫に近いんだな。ああすんごいふんわりしてそう撫でたい撫でまわしたい。帽子の上からでもいいから。あと翼思ったより大きいんだな結構威圧感ある。もっとちっちゃいのイメージしてただけに裏切られたかも。だがそれがいい。ワクワクしてるのかパタパタと動いてそれがたまらなく愛おしい。背丈は大体思ってた通りかも。しかしこれに手を出したら完全に犯罪の図だな。2次ロリは大正義だが3次ロリはノータッチの鉄の掟がある。でもおみ足ペロペロぐらいは許してもらえんかなーー
「初めましてと言えばいいかしらね、私がこの館の主…ってちょっと待って貴方何!?いきなりそんな事されるの予定にないんだけど!?」
何って言われてもちょっと跪いて拝んでるだけだ。まだペロペロはしていない。
後は感極まって号泣しちゃったぐらいだ。
仕方ないだろう生おぜうさまが相手だぞ?目から忠誠心ぐらい溢れるもんだ。
それはそうと一瞬でカリスマブレイクしたな、わたわたするお嬢様も最高です。
でも本当はカッコいい感じのままいきたかったんだろうな、不甲斐ない俺のせいでお嬢様の予定を狂わせてしまった。土下座程度で許されるんだろうか。
「申し訳ありません。生お嬢様に会えた感動でつい。あふれ出るカリスマに平伏しようとこのようなポーズを取ってしまいました。」
「ま、まぁいいわ、やり直すわね?こほん…私がこの館の主レミリア・スカーレットよ。そちらの要望だけれども一晩泊めるぐらいなら何でもないわ部屋も余ってるし。後で用意させるからそこは安心して頂戴」
有難い。お嬢様のご厚意に涙がちょちょぎれる。これで野宿の心配はしなくてもよさそうだ。
しかし対価として何を払えばいいのか。ポテチとかだったらあれで品切れなんだけども。
「対価?あのお菓子はもうない?ああいいわよそんなの、ないのはそれはそれでちょっと残念だけど…そうねぇ明日の朝聞いてもらいたいお願いが一つあるのよ。それを手伝ってくれたら宿泊費はチャラでいいわ。」
俺程度に何ができるかって話だがお嬢様のお願いとあらば最大限答えてみせましょうとも。
やらなければ無理やりにでもって聞こえたのはきっと気のせいだ。そうに違いない。
「じゃあこの話は一旦終了。で、それとは別に貴方には聞きたいことがいくつかあるのよ。当然答えてくれるわよね?」
勿論ですともお嬢様!選択肢ははいかイエスしか存在しません!
ここで咲夜さんがお嬢様の隣にいて何やら耳打ちしてる。
やっぱり案内だけじゃなく監視の意味合いもあったんだろうなぁ。
後で話すって言った事以外はおかしな事はしてなかったと信じたい。
「宜しい。中々聞き分けがいいじゃない、じゃあまず一つ目。貴方の本名を教えなさいそんなの隠す意味がないでしょう」
そういえばお嬢様の名乗りにも返せていなかった。話の流れ的に口を挟まない方がいいかと思ったのもあるがこれも謝罪しなくては。隠すという程の事でもなかったんだがそれも加えてお嬢様に説明する。