ピーヒョロヒョロ、ピー…
鳶の鳴く晴天の山中。
寺社詣でを装った速水たち一行四名は無事浅野家の領内に入り、峠の茶屋で一服していた。
「わあ、かわいい…!あ、こっちも!」
さっきから傍らの草むらで花を摘んだり虫を探したりしているのは倉橋陽菜乃。さやかやしおりのひとつ年上の彼女は、速水が最も信頼している後輩くノ一だ。
「倉橋、お茶が冷めるよ」
「はあい、いま行きまーす」
残りの二人は谷原あやめと渋谷さゆり。いずれも真面目で口数は少ないが信頼のおけるくノ一だ。
「おーい、その花いま俺が描いてるから」
「あ、ごめんなさい!」
倉橋が振り向くと、そこにいたのは束ねた和紙と絵筆を持った背の高い男。
「あれ、菅谷?」
「おう速水、元気だったか」
「なにしてるの?こんなとこで」
「おとといまで三村に世話になっててな、これからそっちのお城に顔を出すところ」
「莉桜姫様はお元気?」
「おう、変わりない」
菅谷は速水と倉橋の顔をじっと見つめると、ふいにサラサラと絵筆を走らせ始めた。それから唐突に画材を風呂敷に放り込むと、くるりと二人に背を向けた。
「もう行くの?」
「ああ、また今度な」
「うん、気をつけて」
菅谷は振り向くこともなく手だけ振って、速水たちが来た道を去っていった。
「ねえ、凛香さん」
「なあに倉橋」
「あの人変わってますよねぇ、お知り合いなんですか?」
「中村家のお抱え絵師よ、表向きはね」
中村家というのは赤羽家の親戚で、莉桜姫はカルマの従姉にあたる。
「じゃあ本当は?」
「私らと同じお役目よ、ああ見えてね」
「ふうん」
「さ、日が暮れるまでに次の町に行きましょ」
「はーい!」
………
───翌夕。赤羽家の城下、非合法の賭場。
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
「先生、おひとつどうです?」
「いや、結構」
「そういわねえで、毎度毎度決まった面子だとわしらもつまらなくてね、どうですおひとつ」
「結構、賭け事は性に合わぬでな」
チンピラ二人が勧めてきた丁半博打を拒んだのは、先日渚たちに接触してきた若き剣客、天龍寺リョウ。
「ち、つまんねえお人だな」
「こらこら相手は客人だぞ?言葉に気をつけろ」
「ふん、客人だか先生だか達人だかなんだか知らねえけどよ、若えくせにサイコロひとつ振らねえなんて、俺は認めねえな」
「しったことか、他を当たってくれ」
「けっ」
チンピラたちと入れ替わりに、大門さやかが男の横に座ってきた。
「ねえ天龍寺、なんであんたはそこまで賭け事を嫌うわけ?」
「俺は運を天に任せるような軽薄なことはしない。とことん相手を調べてから勝負をする、そういう男だ」
「ふうん、そのあんたから見て潮田渚をどう思ったわけ?」
「大した相手ではないな」
「そう?そりゃあ頼もしいわね」
「…ちょ、ちょっと、今のどういう意味よ」
間宮しおりがさやかの袖を引っ張った。
「シロが雇った殺し屋よ、凄腕なんだって」
「な、なぎさを殺るつもりなの…!?」
「そりゃそうでしょ、ペドナで儲けたいシロにとっては目の上のたんこぶ。消されるのは時間の問題よ」
「そ、そんな…!」
「あ、そうだ。あんたに良いこと教えてあげる」
「な、なに…?」
「そのペドナだけど、女だけじゃないんだって」
「なにが?」
「男にも効果があるってことよ、フフフ」
「え…?そ、そうなの?」
「あんたもツキが回ってきたかもね、しおり」
「そ、それはどういう…」
「まあまた話すわ。それよりさ、近々ひと仕事あるらしいのよ、楽しみだわ」
「わ、わたしも行くの…?」
「は?当たり前じゃない」
………
───その頃、潮田家玄関。
「待ちなさい渚。なんです、今夜もお城にお泊まりなの?」
「え…?あ、う、うん…」
「お前がお庭番というお役目をいただいたのは良いとして、なんでお庭の管理のためにわざわざ泊まる必要があるの?この母にわかるように教えてちょうだい」
ご、ごもっとも…
ほんとは事件が多過ぎて書かなきゃいけない報告書が山ほど溜まってて、さすがにヤバいから今夜はそれを片付けようと思ってるんだけど…
「いや、あの…、その、ほら、最近天候が悪くてお城も風で植木が倒れたりとか?生け垣が痛んだりとか…」
「それがお泊まりとなんの関係があるの?」
「いや、その、はやく直すようにって殿のご命令で、植木屋に発注したりとか稟議を回したりとか、いろいろと事務が大変なんだよ」
「あら、それなら仕方ないわね…」
母上は殿という言葉にめっぽう弱い。
「それより渚、まだ若いからお庭番でもいいんだけど、お父様みたいに勘定奉行を目指すことはできるの?」
「えっ…!?」
「磯貝様のとこの悠馬さんとか、前原様のとこの陽斗さんとか、あなたのお友達がとっても活躍しているって聞いて、お母さん心配で心配で…」
うっ…でた、母の本音。
勘定奉行は家老に次ぐ筆頭格。赤羽家にとって家老職は、以前奉行として功績のあったお年寄りのいわば名誉職なので、実質的には勘定奉行が家臣団のトップと言っていい。
とはいえ、今のぼくからしたら雲の上の上なんだけど…
「…だ、大丈夫だよ、殿もぼくのことよく見てくれてるみたいだし」
「そう?それならいいけど…」
「じゃ、じゃあ行ってくるね?」
ぼくは逃げるようにして家を出た。
母の心配症は、もしかしたらぼくが忙しすぎて家のことをほったらかしにしてるから淋しいというのもあるかもしれない。
考えてみれば今夜も住み込みの使用人を除けば母は家でひとりきり。
ぼくもこんな物騒な仕事をしている以上、母にもっと時間をかけてあげて、身の回りのこととか一緒に考えないといけないよなぁ。
う~ん、どうしたものか…
「な~ぎさ!」
悩みながらお城の詰所にたどり着くと、玄関で矢田さんが待っていた。
「あれ、どうかしたの?」
「今夜はお泊まりだって聞いたから、ちょうど報告もあったし」
「そうなんだ、まあ上がって?お茶でもしようよ」
「うん!」
さっそく火鉢でお湯を沸かす。
「そうだ、お餅もあるよ。焼いて食べようか」
「えっ!?うれしい!」
食べ物のことになると、矢田さんほんとうれしそうにするよなあ。
「ところで報告って?」
「そうそう、例のシロのことなんだけど…」
矢田さんたちくノ一メンバーが城下を歩き回って聞き取りをしたところ、それらしき連中のアジトがわかったらしい。
その近くの漬物屋の話によると、先日ぼくらに接触してきた若い浪人とおぼしき人物も出入りしている様子。
「そうなんだ、やっぱりあいつはシロの仲間か…」
「それとこれは推測なんだけど…」
「どうかしたの?」
「もしかしたら、さやかちゃんとしおりちゃんの二人も…」
「えっ!本当に…!?」
「聞いた特徴から想像するに、おそらくね…」
…なんてこった、最悪だ。
「奉行所と協力して、なるべく早くそのアジトを押さえよう」
「うん!」
「ところでよくそこまで調べたね」
「えへへ、すごいでしょ。みんなで手分けしたけど結構大変だったんだー」
あー…照れた笑顔がほんとかわいいな…
奉行所でも集められない情報をよくもまあ、とんでもない優秀なくノ一集団だよ。それを速水さんも神崎さんもいないというのに、矢田さんはひとりで取りまとめてくれて…
「ありがと、原さんのお店でまたおごるよ」
「いますぐはだめ?ごほうび…」
「え…?いますぐ?」
わっ…!?矢田さんの顔が目の前に…!?!?
「んっ…♥️(チュッ)」
えっ…!?キ、キス…?
んん…、彼女の唇はとても柔らかくて、おまけに首筋から甘い匂いがする…
「んむっ…♥️ん、んん…(ヌチュ…)」
矢田さんの舌が、恐る恐るぼくの口のなかに侵入してきた。
「ん、ん…!(レロッ…)」
濃厚に絡まってくる彼女を制して、ぼくは逆にその舌の裏側を愛撫する。
「んむっ!?(ビクンッ)んんっ…♥️ぷはぁ…!はあ…はあ…」
ちょっとやりすぎたかな、少しあわてたように唇を離す矢田さん。だけどその手はぼくの下腹部にゆっくりと伸び、袴の上からぎこちなく肉棒をしごいてくる。
ギュッ…、シュッ…シュッ…
ああ、あ…す、すっごく気持ちいい…
「…な、なぎさ…わたし、もうがまんできないよ」
「うん、おんなじ気持ち」
ぼくはゆっくりと立ち上がると袴の紐を解き、ブルンと飛び出した硬く滾る肉棒を彼女に見せつけた。
「このあいだの続き、していい…?」
「いいよ、きて…」
さ、最高だよ…!!矢田さん…!!
………
───その頃、浅野家城下の旅籠。
「その男に間違いないのね?」
「ああ、四人衆のひとり瀬尾智也だ」
速水の問いかけに、穏やかだが確信を持って答えたのは三村航輝。
表向きはおとなしい旅籠屋の主人だが、本当は浅野家の城下に張り巡らせた間諜(スパイ)網を取り仕切る、カルマの信頼厚き男。
「やつが姫様を狙った暗殺部隊の総責任者で間違いないよ」
「わかった、そいつを狙えばいいのね」
浅野家の重臣四人衆はすべて家老職、領主学秀を支える筆頭家老に榊原蓮、財政を小山夏彦、民政を荒木鉄平、軍政を瀬尾が担っている。
「これが奴の顔」
三村が取り出したのは精密に描かれた似顔絵だった。
「わ、上手」
感嘆の声をあげたのは倉橋。
「特徴がよく描けてるね、さすが菅谷くん」
合いの手を入れたのは三村の妻で、元くノ一仲間の不破優月だ。
「暗殺に成功したら持ち帰る証拠がいる。本人だとわかるものってなにかあるかしら」
「家老は浅野家の家紋の入った水晶を衿元に着けている。それなら文句ないだろ?」
「わかった、ありがと」
「ところで速水さん、みんな元気?」
「うん、矢田も神崎も変わりないよ。優月は旅籠の女将、頑張ってるんだね」
「うん、結構繁盛してんの。殿からいただくお給金以外でかなり儲かってるからさ、それなりには面白いんだけど、やっぱりそろそろお国に帰りたいよね~、航輝くん」
「実はそうなんだ」
「彼は芝居見物が大好きだし、わたしは黄表紙(漫画)とか洒落本集めが趣味なんだけど、浅野のお殿様はそういう娯楽に厳しいから…」
「そういうことね」
謹厳実直を絵に描いたような学秀公は華美を嫌い、下々の暮らしに事細く口を出すことで知られている。そういう息苦しい政(まつりごと)に支配されるというのは、この夫婦の最も嫌うことにちがいない。
「で、いつ決行するかだけどどう思う?」
「実のところ、好機と言えるのはもう明日しかないんだ」
「…なぜ?」
「瀬尾は明後日から城詰めの当番、そうなるとひと月は手が出せなくなる」
「明日の夜が最後の機会ってわけか、屋敷の警備はどうなってる?」
「これを見てくれ」
三村はガサガサと見取り図をひろげた。
「ここが奴の寝室、こことここが警備の詰所」
「気になるのは住み込みのくノ一ね、何人いるのかがわからない」
「住み込み?」
倉橋の疑問に優月が答える。
「瀬尾は女たらしで有名で、手練れのくノ一を何人か囲ってるって噂よ」
「へえー」
「気をつけたほうがいい、瀬尾はくノ一の訓練にことのほか力をいれてる。手強いって評判だ」
三村が強張った表情で速水を見た。
「わかった。じゃあ配置だけど、倉橋と私がここ、谷原と渋谷はここで。よろしく頼むわね」
「「「はい!」」」
この作戦は時間もなく不確定なことが多すぎる。こういうときに神崎が参謀をしてくれて、矢田が一緒に戦ってくれたら、どんなに心強いだろう…
そんなことを考えても今は仕方がない。速水が席を立つと、ふいに倉橋が話しかけてきた。
「そういえば先輩、例の話途中だったですね」
「ああ、そうだったね。もし手ごわい相手と交戦中に自分の刀が折れてしまったら、ってやつ?」
打合せの直前に話した内容だ。
「はい、凛香さんならどうしますか?」
「そうね、私なら……」
………
ズチュッ…!グチュッ!チュブッ…!ヌチュ!
「んっ、んっ…♥️はあ…はあ…♥️あんッ…い、いい…!」
ぼくはいま矢田さんを畳に組伏せて両脚を開かせ、覆い被さるように正常位で挿入している。
彼女は少し虚ろな表情で顔を左右に振りながら、ぼくの硬く尖った肉棒のもたらす快感に必死で耐えている。
「あんッ…!あんッ!はあ、はあっ…♥️すっごく気持ちいいよ…、な、なぎさッ…♥️」
突くたびに目の前で大きく前後に揺れる矢田さんの胸、耳に心地よく響く、甘い喘ぎ声…
チュボッ!グポッ…!ヌプッ!ジュプッ…!
吸い付くようにぼくの肉棒を包みこむ彼女の蜜壺、最高に気持ちいい…!
「お願い、な、なぎさ…もっと激しく突いて!」
もっと深く、もっと激しく。もっともっと矢田さんをこのぼくの肉棒で夢中にさせたい…!
「じゃあ、そろそろ本気でいくよ?矢田さん」
「矢田じゃなくて、桃花って呼んで…」
「わかった、いくよ…桃花」
「きて、なぎ…ひゃあんッ!?!?」
グポッ…!グチュッ!ジュプッ!ヌプッ!グポッ!
ぼくは彼女のふくらはぎを肩の上に乗せると、肉棒を挿し直して一気に抜挿スピードを速めた。
パンッ…!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「はあッ♥️んはあッ…!す、すごいっ…!き、気持ちいいッ…!!はああッ…♥️」
ガツガツとぼくに子宮口を突かれて桃花はグッとのけ反った。部屋を満たす彼女の甘い香り、飛び散る若いふたりの汗…
ぼくはいまあの優秀なくノ一リーダー、矢田桃花とエッチをしている。美人でかわいらしくて、だれもが振り返る完璧で見事な容姿。
はあッ!はあッ…!はあッ…!!
他の誰でもないこのぼくが彼女を虜にして、セックスに夢中にさせているのだ。
ビュクッ…!ビュクンッ!
ああッ…!そ、そろそろイクッ!
だ、だめだ、外に出さないと桃花が妊娠しちゃうよ。で、でも出したい…彼女のなかにいっぱい…!
うぐッ…!で、でるッ…!!
残念だけど仕方ない、ぼくは急いで蜜壺から肉棒を抜き取ると、レオタードに包まれた彼女の豊満な胸にめがけて盛大に白濁液を
ドピュッ…!ビュルビュルッ!ビクンビクンッ…!ドピュドピュッ!ビュクンッ…
くはあッ…!!で、出た…!すっごく出た。
ビクン、ビクンッ…
ああ…気持ち良すぎて肉棒のヒクつきが収まらない!
ピクッ…ピクッ…
収まらないのは桃花も同じ。彼女は胸元にたっぷりと飛び散ったぼくの白濁を見ながら、時折ビクンと小さくのけ反った。
「はあ…はあ…、んむ…♥️(チュッ)」
そんな桃花が愛おしくて、ぼくはその唇にキスをする。
「ん…、ん…♥️」
お互いの呼吸が落ち着くまで、ぼくらはたっぷりと唇同士を重ねた。
「もう一回したいの…いい?」
「もちろんだよ、桃花」
「ふふ、うれしい…♥️好きよなぎさ…」
ぼくらはそれから後背位と寝バックで各1回ずつして、最後に対面座位でお互いの顔を見ながらたっぷりと楽しんだ。
やっぱり桃花はほんとかわいい…
イリーナさんの予想した通り、一度ペドナを使うと女の子はぼくとのエッチに夢中になってしまうようだ。
速水さんに矢田さん。ふたりの美女と身体を重ねるようになったぼくは、バタバタと忙しいなかにもこの上なく幸せな日々を送っている。
とはいえ速水さんはいま敵地のど真ん中。そして残ったぼくらもこれから大変なことが待ち受けていることは間違いない。
すーすーと横で寝息をたてる矢田さんの頬にキスをして、ぼくは大きく伸びをした。
さあて寝るか。目をつむったその時だった。
あーっ!?!?し、しまった…!!!
し、仕事片付けるの忘れてた…!!こ、今夜は徹夜…確定だよ…(ガクッ)
つづく