※この作品はR-18です。

暗殺女子妄想短編集   作:miyakokat

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普通の主人公がE組でハーレムを味わったら《2》

───爽太の部屋。

 

 

俺と速水は無言で向かい合っていた。

 

風呂場で俺が考えたこと、それは彼女がだれかとエッチをするということだ。

 

だれかって?…そ、それは今のこのシチュエーション的に言えば、この俺ってことになる。

 

ま、マジ、か…!?!?

 

「…い、いいのか、ほ、本当に俺で」

「う、うん…」

 

俺は速水に立ち上がるよう促すと、目をそらしたまま頬を赤く染める彼女の肩をギュッと抱き寄せた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ドクン、ドクン、ドクン…

 

身長170センチの俺が抱きしめると、目の前のオレンジ色の髪からふわっとシャンプーの甘い香りがする。

 

ちらりと見下ろすと、小学校の高学年から膨らみ始めた彼女の胸がここにある。

 

体つきはスレンダーなのに、胸もお尻も意外とあって、ナイショだけど俺はこれまでずいぶんオカズにしてきた。

 

その速水をこうして本当に抱きしめる日が来るだなんて、ウソみたいだ…。

 

「ねえ、爽太…」

 

「な、なんだ」

 

凛香が俺を上目遣いで見上げてきた。

 

「私のこと、好き…?」

 

 

俺と彼女は保育園から今日までずっと一緒だった。

 

一見おとなしいけどツリ目で気位が高くて、そのくせ俺には甘えん坊で、ちょっと生意気なところがまた本当の妹みたいで。

 

目立つことを好まない性格ゆえ、これまであまり男子の話題になることも少なかったけど、3年になって生徒会のことで多忙になってから、ずいぶんあか抜けてきれいになった。

 

『いつも神崎・矢田が話題になるけど、速水も入れてのトップ3だよな』というのが学年男子のもっぱらの評。

 

それが遊び人前原に言わせると『女の子を3人になんて絞り切れねえ!』となるが、まあそんなことは今どうでもいい。

 

あらためて問う。俺は凛香のことが好きなのか?

 

…答えははっきりしている。

 

 

「バカだな、当たり前に決まってるだろ」

 

「ほ、本当に…?」

 

「ああ、めちゃくちゃ大好きだ」

 

「え…、う、うれしい…」

 

凛香の頬に涙の滴がぽろりと伝い降りる。…あー、また泣かせてしまった。

 

俺は瞼を押さえている凛香のその手を退かせると、人生二度目となるキスをした。

 

チュッ…

 

「ん…」

 

目をつむり、緊張で身体を強張らせたままキスを受け入れる彼女。あー…なんてかわいいんだ!

 

こいつは近くでずっと俺を思っていてくれたんだ。…そう思うと愛しくて愛しくて仕方がない。

 

突然俺のなかで、何年ものあいだ静かに貯めてきた彼女への思いにバッと火がついた。

 

「ん…、んんッ…!」

 

少々乱暴気味に彼女の唇を奪うと、凛香自身の心にも延焼したのか、嫌がるどころか自分からもっと俺を求めてきた。

 

「はむ…、ん、んむ…!」

 

俺は彼女の両肩をつかみ、何度も唇を重ねた。かわいい…!かわいい…!もっともっと俺は凛香が欲しい…!!

 

肩に置いた手をゆっくりと下ろし、彼女の二の腕と背中を撫でると、舌同士が絡み始めた。

 

ちゅぷ…、レロ…、くちゅ…

 

あ、ヤバい…、無意識に手が彼女の胸を撫でてしまった。ブレザーを内側から押し上げる、ぷっくりと膨らんだその胸を…

 

 

【挿絵表示】

 

 

ううう…もっと触りたい。俺の分身が制服のズボンにめちゃめちゃテントを張っている。こんなに痛いくらいギンギンになったのは初めてだ。

 

も、もうガマンできない…!

 

ベッドにドスンと腰を下ろし、立ったままの凛香のお腹に顔を埋めると、彼女は俺の頭をやさしく撫でてくれた。

 

「ふふ…子どもみたい」

 

違うんだ、分身がヤバくて立ってられないんだよ!俺の目の前には凛香の下半身…このプリーツの効いたスカートの中に、彼女がずっと秘めてきた部分がある。

 

それをこの俺が、い、今から…

 

「いいのか…ほんとに…」

 

「うん…いいよ…」

 

 

俺は凛香を横に座らせると、キスをしながらゆっくりとベッドに押し倒した。

 

ドクン…ドクン…ドクン…

 

これから二人のあいだに起きる出来事を想像して、ヤバいくらい心臓がドキドキする。

 

「ま、待って…、カーテン閉めていい?」

「…あ、ああ、ごめんな」

 

やっぱそうだ、初めてだし明るいところでエッチするのはさすがに抵抗あるよな、うん。

 

立ち上がって俺がカーテンを閉めようとしたその時だった。

 

 

ピンポーン…!

 

「え…?」

 

 

…だ、だれだ、せっかく盛り上がっているときに!俺は思わず凛香と目を合わせた。もちろん彼女も怪訝な顔をしている。

 

ピーンポーン…!

 

「…ねえ、いいの?出なくて」

「え…、あ、ああ…」

 

ただの訪問セールスかもしれないし、居留守を使おうかどうしようかと迷っていると、また呼び鈴が鳴った。

 

ピンポンピンポーン…!

 

うるせーなぁ…仕方なく俺は立ち上がり、玄関へと向かった。

 

ガチャ…

 

「あのー、回覧板だったらポストに…って、と、桃花…!?!?」

 

「えへへ、来ちゃった」

 

扉を開けると、そこに立っていたのはなんと矢田桃花。手にはお菓子の箱を持っている。

 

「突然部活休んだから心配になっちゃって、元気そうだけどどこか悪いの?」

 

「え、まあ、その…」

 

「これ差し入れ、一緒に食べよ?」

「え…、そ、そうか、あ、ありがと…」

 

「…あれ?だれか来てるんだ、…あああっ!!」

 

やべっ!凛香の靴が置きっぱなしだ!

 

「ちょっ!ちょっと待てって!」

 

桃花は俺の制止を振り切って家に上がり込んだ。

 

ドタドタ…!

 

「…や、やっぱりッ!!」

 

「な、なによ…矢田」

 

「…凛香、あんた今ここでなにしてた(ゴゴゴゴゴ…)」

 

「はぁぁ…?なんでそんなこと答えないといけないの、私の勝手でしょ?(ドドドドド…)」

 

ギリギリとにらみ合う二人、ま、まさに、し、修羅場…。こ、このままだと血を見る、そう思った瞬間…

 

 

ピーンポーン…!

 

こ、この展開は、もしかして…

 

ガチャ…

 

「こ、こんにちは、海野くん…」

 

 

/(^o^)\オワタ

 

 

「か、神崎さん、ど、どうしてここに…?」

 

「あっ…!神崎まで!」

「ちょっと!どういうこと!?」

 

「…こ、告白の返事がどうしても、そ、その…聞きたくて、や、矢田さんの後をこっそりつけたら、ここに…」

 

「…」

「…」

 

 

はー、と凛香がため息をついた。

 

「…あのさ、いっとくけど私、さっき爽太から大好きって言われたんだけど。はい、あんたたち解散解散」

 

あ…言っちまった、爆弾投下。

 

「ぐ…」

「え…、そ、そうなの…?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「そ、そんなの…」

「絶対に…」

 

「…は?」

 

 

「「そんなの絶対に認めないいいッッ…!!」」

 

桃花と神崎さんが上手にハモった。

 

 

「はああああああああッッ…!?!?」

 

完全にぶちギレる凛香。

 

 

「…ま、まあ、とりあえず座ろ、三人とも」

 

三人に座布団を勧めたけど、全員スルー。

 

「…凛香ってさ、ソータの幼なじみポジだけど、別にこのお話の正ヒロインって決まったわけじゃあないよね」

「そうね、それにタイトル的にそれはないんじゃない?」

 

「そっか、じゃあこれから頑張ればいいんだ!」

「そうだね、負けずにわたしたちもがんばろ?」

 

「…な、なにシレッと都合のいいメタ発言してんの!」

 

「同じ部活だし、水着で迫ってイチャイチャすれば何とかなるかなぁ」

「ふふ…でも最後はやっぱり、初恋ポジのわたしだけどね、たぶん」

 

「…ち、ちょっと、あんたたちいいかげんにしなさい!!」

 

「な、なによ、凛香…」

「勝負はこれからだからね、速水さん」

 

「キイイイイイイッッ…!!」

 

「ま、まあまあ、三人とも落ち着いて…」

 

 

「…あんたは(ピキピキ)」

「…ソータは(プルプル)」

「…海野くんは(ニコニコ)」

 

 

「「「いいから黙っててッッ…!!」」」

 

「は、はいい…」

 

この三人、こえええええええええッッ…!!!

 

 

───30分後。

 

 

「はあ、はあ、はあ…」

 

「…という訳で、今日から三人でこの約束を守りましょう。いいね?凛香」

 

「…い、いいも何も、あんたたちに強引にねじ込まれただけじゃない!」

 

「わたしもこれでいいと思うけどなー。速水さん、三方一両損って昔から言うでしょ?」

 

「…か、神崎、あんたがこのメンバーにいることを心底恨むわ」

 

激論の末、黙って見ている俺の目の前でこの三人のルールが決まった。

 

一つ、お互いに恋の邪魔はしない。

二つ、デートは公平かつまんべんなく行うこと。

三つ、トラブったら海野くん(俺)の下す判断に必ず従うこと。

 

…な、なるほど、よく出来たルールだ。

 

 

「じゃ、安心したところで今日は帰ろっと」

「わたしも帰ります。海野くん、また明日ね」

 

「お、おう…、二人ともまた」

 

玄関まで桃花と神崎さんを見送った俺は、今日告白したばかりの彼女に向きなおった。

 

「なあ、凛香」

「ん…、なあに?」

 

 

「お前さ、一学期の中間テスト何位だったっけ」

「…94位だけど、それがなに?」

 

「来月の期末テスト、学年で50位以内を狙わないか?俺と一緒に勉強して」

「え…、いいの?」

 

「もちろん、どうだ?」

「ん…わかった、がんばる」

 

「よおし、そうしよう」

 

俺は凛香の頭にポンと手を乗せてやさしく撫でた。頬を真っ赤に染めて目をつむる彼女がとても可愛くて、思わずギュッと抱きしめる。

 

 

…本当はこんな悲しいことは考えたくはないけど、もしかしたら凛香の俺への愛情は、単に水晶の持つ力の影響なのかもしれない。

 

もし仮にそうだったとしても、俺が彼女を思う気持ちに偽りはない。

 

これから先、何が起こるかはわからないけど、二人で過ごす日々が彼女にとって少しでも意味あるものでありますように。そう思って俺は自分にルールを課すことにした。

 

それは相手と単に仲良くなるというだけでなく、自分が何か役に立てる存在になれたら、ということだ。

 

先のことを考えるととても不安になるけど、それと同時にたくさん楽しいことも待っている、そんな予感が今日の俺にはしたのだった。

 

 

《続く》

 

 

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