ガサ…、ガサガサ…
「たしかにここは怪しいわね、裏に回るわよ」
「は、はい…!」
わたしの名前は間宮しおり。
先輩くノ一の速水さんと、敵アジトの疑いのある海辺のとある屋敷にやって来た。速水さんはいつものように冷静沈着、それに比べてわたしは緊張して震えが止まらない。
「間宮、大丈夫?」
「はい、なんとか…」
しかし先輩って美人だな…
手足が細くてお腹が引っ込んでて、胸とお尻はいい形してるし、まさに完璧ってかんじ…ううう、うらやましい。
こんな人に迫られたら、渚も嫌とは言わないだろうな…
「(ボソッ)…そ、そんなの、だめだよ」
「ん…?どうかしたの?」
「…え、いや、な、なんでもないです。あは、あはははは」
危ない危ない、思わず本音が口から漏れちゃった。
「ところで間宮、あんた元締と知り合いなの?」
「え…?あ、はい。父が渚のお父さんの部下だったので、子どもの頃はよくお屋敷に連れていってもらって二人で遊んでました。とっても仲良しだったんですよ」
「ふーん…(呼び捨てか…)」
…なに?この微妙な空気。
やっぱり速水さんは渚のことが好きなのかな!?
そ、そんなのわたし困るよ~…
「せ、先輩にも質問していいですか?先輩はいつから渚の…」
「しっ、だれかきた、隠れて」
あわてて茂みに駆け込むと、しばらくして異様な集団が目の前を通った。
白頭巾に白の羽織袴、全身白づくめの男が悠然と馬に乗り、同じく白装束の部下たちがそれに付き従っている。
その一団が屋敷の門に到着すると、日焼けした男たちが出て来てなにやら話し、そのまま全員なかに消えていった。
「なんですかね、あの連中…」
「ほら、いくよ(サッ)」
「あ…!ま、待ってください先輩」
ひとまず建物の陰に隠れて辺りを確かめ、二人で縁の下に潜りこむ。クモの巣をかき分けて、話し声のする床下へと向かう。
「こんな遠いところまでようこそでしたな、シロ殿」
「いやいやなかなか風光明媚で、ハッハッハ」
「わしらは海賊、陸に上がれば酒に女にバクチが命。さっそくで悪いが、今日こそ話をまとめてもらえるかな?」
「もちろん、そうなればよいでござるな」
「客人はずいぶんと勿体ぶってらっしゃる」
「フォフォフォ」
「おう!!(ドンッ)いいかげんにしねえか!こっちは暇じゃねえんだぞ!のらりくらりといつまでもはぐらかしやがって!」
ガタタッ…!男たちが一斉に立ち上がる音。
「フフフ、そうあわてなさんな。おい、あれを出してあげなさい」
「は、これに」
「あ?なんだ、あるんじゃねえか。ほう…で、こいつはいったいいくらなんだ?」
「十両」
「じゅっ!十両だと!?たったこれだけでか!?」
「その十両でどんな女でも思いのまま、むしろ安いくらいだと思わんかね?」
「(ゴクリ…)ま、まあ、使ってみないとなんともわからんがな」
「そういうことだ、△○□…*※◇…」
あれれ、肝心なところが聴こえない。床板に耳を近づけようと身を乗り出したそのときだった。
ザッ…!しまった、後足で砂利を蹴ってしまった。
「ンッ…?」
シュッ…!ズトッッ…!!
速水さんに腕を引っ張られるのと、頭上から刃先が降りてきたのがほぼ同時、一歩遅れてたらわたしは確実に死んでいた。
「ひゃっ…!」
「しっ…(逃げるよ!)」
「どうした、客人」
「失礼、床下のネズミが気になりましてな」
「くせ者だ!始末しろ!」
縁の下を出て庭に逃げると、部屋から飛び出してきた男たちにさっそく囲まれそうになった。
シュバッ!ザクッ…!ズバッ!
「ぐわあッ!」「ひいっ!」
見事な剣さばきで敵を屠る速水先輩。
わ、わたしもがんばらなくちゃ…
「えいっ!やあっ!きゃっ…!」
ドタッ
「先に逃げて!ここは私がおさえるから!」
「…は、はい!」
わ、わたし、これじゃあ完全に足手まといだよ~…
シュッ…!パキンッ!
速水さんが白装束の親玉の袖口から飛び出した
「ほう?やるな。今のを見切るとは」
シュルシュルシュルッ…!
「あっ…!」
土塀に飛び上がろうとしたわたしの足に、敵の放った捕縛縄が絡みついた。
「かして、間宮!」
急いで速水さんに縄を切ってもらい、わたしは塀の向こうに飛び下りて、命からがら仲間のもとへと駆け出した。
……
…
「そこまでだ、女」
「くっ…」
シロの袖口が至近距離から速水の胸を狙っている。
「おろかだな。手練れのお前とあのグズのどちらが生き残るべきか、少し考えればわかるものを。その甘さが命とりということだ」
「……。」
「このお!よくもやりやがって、なぶり殺しにしてくれる……って、なんだ、よく見りゃあずいぶんいい女じゃねえか」
「おいおい、さっそく媚薬の実験台が飛び込んでくるとはな、こりゃありがてえ」
男たちが速水の両腕をつかみ、刀と手裏剣を奪う。
「へへ、存分にかわいがってやるぜ、おらあっ!」
ドスッ…!
男の重い拳が彼女のみぞおちにめり込んだ。
「かはッ…!げほっ!げほっ…」
がくり、と膝から折れる速水。
「おい、これからお楽しみだってのにあんま傷つけるなよ」
「わかってますって。これは仲間を殺られたお返し、いわばお灸でさぁ」
「ほら立て、いくぞ」
「さて、我らはお暇させてもらうかな」
「シロ殿、カネができたら連絡する。今度はたくさん頼むぜ」
「(コクッ)では失礼」
屋敷の門を出たところで、部下のひとりがシロに問いかける。
「逃げた女は追わなくてよろしいので?」
「よい。グズを先に逃がしたということは近くに仲間がいるに違いない。赤羽の犬、いや女狐か」
「では、わざと?」
「あの田舎海賊ども、あれでは遠からず我らの足を引っ張るだろう。くノ一に始末してもらえば、むしろ手間が省けるというものだ」
「なるほど、御意」
「それより鷹岡という男のことはどうなった」
「は、聞けば赤羽家にかなり恨みを持つ者のようで」
「それは上々、近いうちに会うとしよう」
「はっ」
……
「ほら、嗅げ!」
「んんっ…!」
男のひとりが小瓶の液体を染み込ませた手拭いを速水の鼻と口に押し当てる。
「へ…?なんだ、もうこれで残り三分の二か、たっけえ買い物だなあ」
「大事に使わねえともったいねえぞ」
「へへ、この女、もうトロンとしてきやしたぜ」
「たしかにあのシロの言う通り、このクスリを売りさばけば大儲け間違いなしだな」
「それよりおかしらぁ、この女の身体最高だなあ」
「気の強そうな顔しやがって、余計そそるぜ」
「へへ、いい尻だ(グニッ)」
「おい、触るな。俺が先だろ」
「おかしら、なるべくはやく替わってくだせえ、わしらもうガマンできねえ」
「あわてんな、じっくり楽しんでからだ」
おかしらと呼ばれた男は着物の前をはだけると、いきり立つ剛直を速水に見せつけた。
「どうだ、見たことないほど立派だろ?今からこいつでお前をヒイヒイ言わせてやる」
「へへ、すげえや、さすがおかしらだ」
男は剛直を速水の胸の先に押しあててグイグイと突いた。
「へへへ、たまんねえな~」
「くっ…」
グニ、グニ、ズル…ズル…
剛直の先からトロリとした先走りがあふれだし、濃紺のレオタードに白くて粘りけのある染みが広がっていく。
「どうだ、気持ちいいだろ?」
「…だ、だま、れ…、んんっ…!」
ビクンッと速水の背中が跳ねる。
「我慢すんなって、もっと欲しいくせに」
「はあ…、はあ…」
速水は奥歯を噛みしめて必死に耐えようとしているが、頭の芯が揺らいで男の剛直から目が離せない…
「へへへ、こいつが欲しくてたまんねえって顔だな。正直にそう言えよ。腰が抜けるまで出し入れしてやるからな、ひひひ…」
「ち、ちが、う……」
「さあ、そろそろしゃぶってもらおうか!」
ズイッと目の前に突き出される赤黒く野太い肉棒。
「ほらさっさと舌をだせ、それとも下の口のほうが先がいいのかな?」
「「「ひゃっははははっっ!!」」」
「くっ…」
屈辱感と、奔流の如くこみ上げてくる激しい渇望感。わずかでも気を抜けば今すぐにでも理性が決壊しそうだ…
「おい、いつまで待たせるつもりだ、さっさとしゃぶりやがれ!」
男の手が彼女の頭を乱暴につかんだその時だった。
「そこまでよ!下衆ども!」
ザアッ…!突然襖が開かれ、くノ一姿の矢田桃花と神崎有希子が乗り込んできた。
「な、なんだ、お前らッ!?」
「こいつの仲間か、殺せ!皆殺しにしろ!」
ズバッ…!ズシュッ!ザバッ…!
「ぐわあっ!」
「ひぎっ!」
「な、なにっ…!?」
「ぎゃああっ…!」
ズバッ!ザクッ!ドスッ…!
「つ、つええっ…こいつら!!」
「ま、まて、女は放す、そ、それならいいだろ!?」
「もっちろん」
「おとなしく降参するならね」
桃花と有希子は頭領の喉元に突きつけた剣をゆっくりとおろした。
「お、起きろ、ほら」
男は速水を立たせると、突然ふたりに向かってドンッと突き飛ばし、急いで床の間に隠していた西洋式小型銃を構えた。
「し、死ねえッ!お前らッ…!!」
シュッ…!ドスッ!
「ぐふぇッ…!?」
引き金を引くより先に、男の眉間に深々とクナイが突き刺さった。
「なぎさ!」
「渚さん!」
「ふー…、速水さんが心配なのはわかるけど、ふたりとも足が速すぎだよ…」
「そうだ凛香、大丈夫?」
「速水さん、しっかりして」
「はあ、はあ…、な、なぎ、さ…」
「え…?」
「あ…」
速水の様子がおかしい。頬は紅潮し呼吸は荒く、目がトロンとしている。そして……
「うわわっ…!?」
突然渚にガバッと抱きついた。
「ちょ、ちょっと凛香ッ!?あんたどさくさにまぎれてなにやってんの!!」
「し、しっかりして速水さん!ぼく渚だよ!?」
「…な、なぎ、さ?」
「ん…?な、なに?どうかしたの?」
「お、おねが、い…」
「え…?」
「わ…、わた、しと、セ、セックス、し、て…」
「えええええッッ…や、やっぱり!?!?」
……
…
「ん、んん…♥️(ちゅぷっ)」
「はあ…はあ…んむっ(レロッ…レロッ…)」
ぼくはいま、速水さんと舌同士を絡め合う濃厚なキスをしている。そしてぼくらはこれから例のアレをすることになる…
もちろん理由は彼女の命を救うため。
いろいろ考えたけど他に方法はないし、一刻の猶予もない。矢田さんも神崎さんもすぐに理解してくれた(ものすごく困った顔をして部屋を出て行ったけど)。
「んッ…♥️はあッ!」
左手を彼女の胸に這わせ、右手でお尻を揉みしだく。
実はぼく、まだ烏間先生の道場に通ってたころに何度か速水さんに会ったことがある。
男子に負けないぐらい剣術が上手くて、そのキリッとした横顔にいつもドキドキしていた。直接話をすることはなかったけど、他の門下生からも注目の的だったことはよく覚えている。
それからしばらくして、次に会ったときはカエデ姫の護衛役になっていた。道場でのあの真剣な表情は変わらぬまま、速水さんはとても美人になっていた。
…その彼女とぼくはいま抱き合っている。
レオタードの上から硬く尖った彼女の乳首を指先でいじると、「ひゃあんッ…♥️」とあられもない色っぽい声が漏れた。
追い討ちのように、お尻を揉んでいた右手でレオタードの股を愛撫する。あ…ここ、すごく濡れてる。
「あはあッ…♥️い、いいッ…!」
するとお返しとばかりに彼女の手がぼくの肉棒に伸び、袴の上からぎゅっと握りしめて、前後に扱きはじめた。
ううっ…!も、もう、がまんできないよ…もっと速水さんにエッチなことをしたい、もっともっと喘がせたい…
ドサリと彼女を畳の上に組伏せて、急いで自分の袴の紐を解き、下半身を露出する。
ドクン…ドクン…
「はや、く…きて、なぎ、さ…」
「じゃ、じゃあ、いくよ…!」
おそるおそる指でレオタードの股部分をずらすと、そこには彼女自身の愛液でトロトロに濡れそぼる桃色の割れ目が見えた。
チュプッ…
慎重に彼女のなかにぼくの分身を沈みこませる。
「ん、んんっ…♥️」
グッと腰を入れ、ゆっくりと探るように挿し込むと、それを押し戻すかのようにきつくて狭い彼女の蜜壺。
でもなかはすっごく温かくて、ぬるぬるしていて気持ちいい。
はぁ、はぁ、このまま動かしたらすぐに果ててしまいそうだ…。まずは呼吸を落ち着けて、さあいくよ、速水さん!
ジュプププッ…!
「ひゃああんッ…!!あはぁッ♥️んんッ…!」
は、挿入った…、すごい、ぴったり根元まではまってる。ぼくにぎゅっとしがみついて苦しそうに左右に顔を振る彼女。さあ、この肉棒でもっと気持ちよくさせてあげる…!
ジュプッ!グプッ…!ヌプッ!ズプッ…!
「あはぁッ♥️んんッ…!い、いいッ…♥️な、なぎさ、わたし、す、すごく、き、気持ち、いい…!」
ううっ…すごい、いつも冷静なあの速水さんがすっかり雌の顔になってる…ぼくの肉棒にこんなに溺れるだなんて、最高すぎる…!
ドチュッ!ドチュッ!と亀頭で子宮口を突くと、弾みで彼女の乳房が大きく揺れる。ううう、頭が真っ白になるほど気持ちいい!!
ジュポッ!グポッ…!ジュププッ!ヌポッ…!
「あんッ!あんッ♥️だ、だめぇ…!なぎ、さ、わたし、も、もう、い、イきそう…!」
挿し込むときもいいけど、引き抜くときのキュッと締まる感触がたまらない!
パンッ!パンッ…!パンッ!パンッ…!
「あんッ!あんッ♥️あっ、あッ…!はああッ♥️…い、いいッ!」
リズムよく抜挿を始めると、速水さんはぼくのもたらす快感を全身で受け止めるかのように、グッと背中を反らした。
そろそろ準備万端って感じかな。ぼくもそろそろ限界が来そうだし…。
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ…!
「アンッ!アンッ!アンッ!い、イクっ♥️わ、わたし、もうだめぇ…!お、お願い、なぎさ…!」
「はあ!はあ!ぼ、ぼくもそろそろッ…!」
イリーナさんの言いつけに従い、ぼくは彼女の身体の一番奥に亀頭を押しこむと、最高のタイミングで子種を吐き出した。
「いッ…イクぅぅッッッ!!!」
ドプッ…!ビュルビュルッ!ビクビクッッ…!ドピュドピュドピュッ!
たっぷりと子宮に注ぎ込まれる、ぼくの白濁…
「はあッ…!はあッ…!き、気持ちいい…!」
ビクンッ、ビクンッ…!
抜きとったあとも痙攣を続ける熱い肉棒。見下ろすと彼女も目をつむったまま、時折ビクッビクンッと事後の快感に耐えている。
しばらくしてふたりとも痙攣が収まり、ようやく彼女と目があった。
「ふう…、すっごくよかったけど…どう?」
「な、なぎさ…」
「ん?なに…?」
「あ、ありがと、もう落ち着いたから…」
「そう、それはよかった」
「ご、ごめんね、おかしくなって…」
「仕方ないよ、クスリのせいだもん」
「う、うん…でも」
「でも…?」
「ううん、なんでもない」
「ねえ、速水さん」
彼女はまだ夢うつつのような表情をしている。
「なあに?」
「あの、そ、その…」
「遠慮なく言って。私、すごく渚に迷惑かけたから」
「じゃあ…え、遠慮なく。その、し、シたいんだ、ぼく、もう一回、いい…?」
「え…?」
「すごく、気持ちよかったから…でも、さすがにダメかな?」
「…だめ、じゃない…けど」
速水さんは恥ずかしそうにまた目を反らした。
「いい?」
「う、うん…、あっ…(チュッ)」
それからぼくは気の済むまで、何度も何度も体位を変えて彼女に、速水凛香に射精し続けた。
……
…
「どうしたのあんた?そんなとこで」
屋敷の外で間宮しおりが壁にもたれていると、くノ一仲間の大門さやかが話しかけてきた。
さやかは鎖鎌の使い手で、しおりと同期で入った比較的新しいメンバーのひとりだ。
青みを帯びた髪をツインテにした気の強い子で、口さがない物言いにしおりはいつも閉口している。
「う、ううん、な、なんでもない…」
面倒な相手に捕まった。そう思ったしおりが急いで涙を拭くと、さやかはそれを見て口の端を歪めて微笑んだ。
「大好きな元締を先輩に盗られて泣いてるの?かわいい子ね」
「…だ、黙ってよ!」
「ふふ、悔しいからってわたしに当たらないで」
「あんたにはわからないでしょ、このわたしの気持ちなんか…」
「はいはい、それよりこれなんだかわかる?」
「…な、なによそれ」
「例の惚れ薬」
「…ちょっ!?なんで持ってんの!!」
「なんでって、みんながバタバタしてたから拾っただけ。これなんだろって、あっさりね。嗅いだら速水さんが吸った手拭いとおんなじ匂いがしたから、ああこれかって」
「や、ヤバいよ、はやく上に言わないと!」
「しっ、黙って」
「…じ、自分がどんなことしてるのか、わかってんの!?」
「ふっ、これだからあんたはいつまで経ってもバカなのよ」
「は、はあ…!?」
「あのお堅い速水先輩が、どうして元締とああなったのかはわかるでしょ?あんたもこれ使ってみたらいいじゃない」
「…そ、そんなの、そ、それに速水さんは…わたしなんかより…その…ずっと美人だし」
「じゃあ、このまま元締を盗られていいのね?」
「…い、いやだよ、そんなの」
「くやしいんでしょ?だったらこれで既成事実を作ってしまえばいいじゃん、元締を寝取り返してしまえばこっちのもんよ」
「そ…そんなこと!も、もし速水さんが本気だったらどうするの…」
「それはどうかしらねえ」
「え…?」
「フフフ…とにかくこの瓶には残りがあと二回分ある。せいぜい何か面白いことに使おうじゃないの」
「さ、さやか…」
「あれ、しおりちゃん、こんなとこにいたんだ」
「…あ、桃花先輩!」
「さやかちゃんとお話ししてたの?」
「は、はい…」
「今日は大変だったね、早く休んでね?」
「あ、ありがとうございます…」
「あ、そうだ矢田先輩」
「なあに?さやかちゃん」
「今度の組み手、わたしの対戦相手は先輩ですよね」
「そうだっけ」
「今度はわたしが必ず勝ちますから、首を洗って待っててください、先輩」
「…う、うん、お互い頑張ろうね」
大門さやかの失礼な言葉にも動じず、矢田はパッと笑顔になると、神崎のほうへ駆けていった。
「ちょっとさやか!桃花先輩になんてこと言うの」
「しおり、あんたはいつまでここで下っ端でいるつもりなの?」
「は、はい…?な、なにを言って…」
「この世は下剋上、いつでも先輩の寝首をかくぐらいの気持ちがないとバカは結局犬死にするだけよ」
「だ、だからって…」
「あんたもさあ、速水先輩の立場を奪いとるぐらいの野心を持ったらどうなの?」
「む、無理だよ…そんなの」
「ま…たしかにあんたには無理ね、フン」
***
「どうだった?」
「やっぱりあやしいよ、あのふたり何か隠してる」
「そう、じゃあ目を離さないようにしないとね…」
「うん…」
「「はーあ……」」
桃花と有希子はだれにも聞こえないように小さくため息をついた。
つづく