※この作品はR-18です。

王様をぎゃふん! と言わせたい R18   作:ハイキューw

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1/13 でハーメルン様に王様ぎゃふん! を投稿して丸1年となりました!
その記念に再びR18編を投稿します!



お気づきになられた方はいらっしゃるのか……

しれーっと、小説の表示を【完結】から【連載中】に変えていたのを……苦笑


投稿後、元に戻しておきます。(笑)


色々とネタを考えてて………ちょっぴり色んな意味で 攻めちゃったネタかもしれませんが、温かい目でお願いします。苦笑


しかし、2話目もまさかの長文……20000字越え………。苦笑

せ、正史世界も頑張ります……! 


【エース】な誠也と【エス】な潔子

 

 

地元・贔屓兼行きつけの居酒屋【おすわり】にて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜には 連日地元民中心に賑わうこの居酒屋だが、本日は客入りは一切無い。

 

それも当然。

 

実は本日貸し切り状態にしてるからである。

 

 

居酒屋を貸し切った理由は、本日この場所で中学生時代の同窓会がしめやかに行われる為だ。

 

居酒屋のキャパシティー的にも、6~7人程度で貸し切るのは贅沢極まりない事だとは言えるが……、かなり有名な男が居るので、その配慮もあったりする。

 

 

 

 

―――そして、行われているのは 雪ヶ丘中学バレー部(仮)の同窓会である。

 

 

 

 

 

いや、正確に言うと同窓会が行われていた(・・)と言う方が正しいかもしれない。

 

何せ あと少しで日付を超えそうな時間帯、現在時刻は11時半。

 

もう粗方食べ終わり、人数も減っていき……終盤へと向かっていたから。

 

 

 

 

 

「………………」

「誠(せい)ちゃん、あんまり飲んでなかったビールを急に一気呑みしたかと思ったら、次は放心しちゃって。……ほんと どうしたの?」

「幾ら何でも突発的過ぎるって。発作的に情緒不安定になるなんて……。何か、昔の日向思い出して笑えたよ。てか、大丈夫なのか? 練習とかあんじゃねーの?」

「……………明日は、オフだから」

「お、おう。そか」

 

 

 

 

後輩の1人、また1人と明日早くに用事有りと言う理由で帰っていき―――残っているのは 火神・関向・泉の同年代の3人。

 

日向も、最後まで残る予定だったが、ほんの少し前、11時頃、家族(妹)からの呼び出しがあったので、既に居ない。

 

 

 

日向翔陽は、妹の日向夏には 現在ちょっぴり頭が上がらないのである。

 

 

 

何せ、日本の裏側の地にて―――折角、妹の夏が兄の翔陽のために選んで小遣いを貯めてプレゼントした財布を、不注意でなくなってしまったから。

 

 

 

 

 

その件の詳細は―――今は省くとする。

 

……現在重要なのは火神の状態について、の方だろう。

 

 

 

 

 

人数が1人、また1人と減り……軈て、日向を見送って残り3人になった所で、突如火神がビールを一気飲みしたのである。

 

そして、その後は見ての通りの状態。

 

 

 

「ユキもコージも、今大変なんだよな~~? にんき、ゆーちゅーばーのウチのひとりだもんなー、いや、ふたり、かな? ふたりそろってすごいよ。うんうん。 あっ、けんまさんは、げんき?」

「いやいや、それほどのものじゃないって。本業ってワケでもないし、片手間で弧爪先輩の所で伸び伸びやらせてもらえてるし。何なら、誠ちゃんの方が断然すげーって」

「オレも、ユキと一緒だな。どっちかと言えば、本業の片手間~って感じで、それも全然OKって言われてるしな~~」

 

 

 

因みに、火神の言う通り。

関向も泉も大学生なのだが兼任でYouTuberだったりもしている。

 

 

そして、2人のトップ? 上司? として君臨しているのは あの元・音駒高校の脳 孤爪研磨その人である。

 

 

否、彼はこの2人のトップどころで収まる存在ではない。

 

 

YouTuberとは、彼の沢山持つ肩書の中に含まれる1つであり

 

 

【世界のKODUKEN】

 

 

の名で、まさに全世界に轟いている程の有名人なのだ。

 

現在、一般に広く認知されているSNS、YouTubeの規模から考えてみると、あの時代の選手の中で一番有名になったのは孤爪研磨である、と言われても何ら不思議ではないかもしれない。

 

 

 

日本と言う枠を余裕で飛び越えている世界に名だたる人気YouTuberなのだから。

 

 

 

因みにそんな有名人(孤爪)も、関向や泉同様 大学に在籍中、つまり大学生だったりもするので、なんだか面白い。

 

兎に角、肩書が凄く多い事には変わりないが。

 

 

 

 

 

そして、大金持ち!

日向翔陽のスポンサーだったりもする。

 

 

 

 

この話の詳細は省くとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってか、火神が研磨さんの事 知らんワケないだろ? たまに研磨さんとコラボってるんだし?」

「………………ゲスト出演だよ。オレ、自分のチャンネルもってるわけじゃないから」

 

 

火神は、テーブルにアゴをつけて、一気して飲み干した筈のビールジョッキを手に取ると、90度傾けてジョッキの底に残ってる僅かなビールを ゆっくりちびちび、と飲みだした。

 

その所作で、2人は、完全に火神が上の空なのが解る。

酔い潰れてる、と言うわけでもないと言うことも。

 

 

 

「翔(しょう)ちゃんもだけど、誠ちゃんも孤爪先輩と仲良いよね? コメント欄でよくに、【KODUKENと火神選手のコラボまだ~~??】っていうの見かけるし。あまり知られてないみたいだけど、孤爪先輩も元々バレー部出身で全国も出てるから、【今度はバレー関係の動画アップして】ってコメントも沢山来てたりするよ。……バレーするって事に関しては、弧爪先輩はすっごい難色示してるケド」

 

 

泉の話を聴いて、ちびちび飲んでた火神だが、少しだけ笑みを取り戻す事が出来た。

 

あの孤爪なら、その反応をするだろうな……、と容易に想像が出来たから。

 

楽しそうな事、自分に興味がある事は、表情が中々出にくいとはいえ、はっきりと顔色が変わるのが解る。

 

 

よく孤爪と一緒に居た者程、彼の事をよく知る者程、表面に顕著に表れるが解る。表情から読み解く事が出来る。

 

その時の表情、仕草、台詞まで簡単に頭のなかで再生出来そうだ。

YouTubeを見なくても。

 

 

 

 

 

断っておくが、孤爪はバレーに関しては本気で嫌ってたりしてる訳ではない。

 

 

色々な事で忙しいし、大変だし………、何より身体動かして汗かくのが非常に苦手……と言うより好ましくないから、二の足踏んでるだけなのだ。

 

 

それでも、きっと ちょっとでもバレーに踏み出したら……持ち前の負けず嫌いが顔を出して面白い動画になりそうなのは解る、でも そのちょっとが難しい。

 

そして、身体つきを見ればそれなりに解る。

 

隠れてではあるが、それなりに動けるくらいには運動はしている模様だと言う事が。

 

 

 

「………(………今度、もう2、3回クロさん辺りにプッシュかけても面白いかも……?)」

 

 

火神はそう思うと漸くジョッキを口から離した。

そして、まるでそれを見計らったかのように追加がやってくる。

 

「あいよー、熱燗おまちー」

「ありがとー、和ばあちゃん」

「いいのよいいのよ~。アンタなら、ここで酔いつぶれちゃったって構いやしないわ。ちゃんと用意してるし。……ん? いや、でもダメだわねぇ」

「「???」」

 

店主でもあるおばあちゃん。

還暦どころか、喜寿を迎え、そろそろ傘寿――――齢80……、と言えば怒られる。

 

 

現在、齢78歳。

元気いっぱい。現役バリバリ。

 

 

それにいつも大らかであり、いつも笑顔。随分昔から知ってるから、もう当然顔馴染み。何なら自分の祖母なイメージが近いかもしれない。

 

そして、おばあちゃん自身も孫を見ている様な感覚なのだろう。

 

だから、孫には甘くなる……と言った感じで、ちょっと夜を明かす程度なら店を貸してくれる。勿論、頻繁にそんな事をする客は、顔見知りの中ではいない。年に1~2回程度。夜通し騒ぐ時くらいだろうか。

 

 

だから、ダメ、なんて言葉は今まで聴いた事無かったので、ちょっと驚き 関向や泉はおばあちゃんの方を向いた。

 

すると、その表情は穏やかだった。

 

 

 

「嫁さんが待ってんだろ? ちゃ~~んと帰ってやんな。幾ら同窓会で羽目外したいからって、新婚夫婦が、旦那が嫁を待たすもんじゃないよ。あ~んな器量よし、美人、才色兼備な嫁さん他にいないんだからさ。まあ、お前さんも負けちゃいないスマートな男だとはいえさ」

「! ………」

 

 

 

おばあちゃんはそう言うと、足取り軽やかに厨房の方へと戻っていった。

因みに、火神の嫁――――潔子に関してもよく知っている。顔見知りの1人だ。おばあちゃんにとって見れば、娘の様なモノであり、嫁に行く……と考えたら両親じゃないのにも関わらず、大泣きしてしまった程である。

 

そして、一番うれしかったのが、これまた相手が自分が良く知る火神だったという事だろう。

 

信頼できる安心できるこれ以上ない相手だと思っているから。

 

 

 

――――が。

 

 

 

「わっはっはっは! 中学(同窓会)の集まりしてたからか、昔に戻った気分だったよ。そういや、誠也結婚したんだったわ。オレ、式にもいったんだった」

「うんうん。ほんと凄い式だったよね。テレビに出てるバレー選手とかも居たしさ! それに、なんて言っても凄い美人なお嫁さんとゴールインしたって事も驚いたよね! まぁ 誠ちゃんなら納得は出来るけどさ」

「…………………」

 

 

 

話題が潔子の話になる。

次々に出てくる潔子の話題。

 

良い嫁さんだ、綺麗だ、幸せ者だ、と沢山祝福をしてくれる。

 

まだ酔ってない素面の時にも散々言われた事ではある。その時はなんでもなかったが……、今は正直堪える。

 

 

数分後、火神は熱燗の入った盃が空になったと同時に……、盃は肘を立てて持ち上げてたまま――――頭だけ、テーブルに突っ伏した。

 

 

 

「えええ!!?」

「誠也!?」

 

 

 

結構良い音が鳴り、当然驚く2人。

何よりも驚くのが―――――アレだけ幸せそうに潔子の事を話していた。

ちょっとした羨望の眼差しや潔子に向ける系統の話を聴くだけで、妬いたりしていた火神が、潔子の話を聴いてダウンするなんて考えられない。

 

 

「え、えっと………、まさか――――……」

「おまえ、なんか、あったのか? あの嫁さんと………?」

「ぅぅ…………」

 

 

小さく呻く声が聞こえてくる。

これは、ガチなヤツだ! と思わず関向や泉が狼狽えてしまった。立ち上がりそうになる勢いで。

 

 

「んなアホな!!」

「ええええ!! 誠ちゃんほんと何があったの!? 冗談とかじゃなくて???」

 

 

幸せそうなのを見たのは、本当につい最近の話だ。

他人の家族内の問題なんて、外面からでは……外見だけでは解らないのが常だとは思う。成田離婚と言う言葉だってあるくらいだから。

 

でも、火神に限って……誠也と潔子に限ってはあまりにもそぐわない。

 

関向も泉も、そこまで知るワケではないが、主に日向から潔子と誠也の話は聞いていた。

 

 

 

 

高校時代の話。

もう噂程度だが、高校生の時点で、ゴールインしたって不思議じゃなかった事、いつもいつもお世話になって、そして誠也自身もお世話になるだけでなく、気を使い、働き……バレーボールの方も決してパフォーマンスを落とさず、自然に……………等々、兎に角圧倒的な両想い・純愛である事は、その手の事に疎い筈だった日向からも熱弁されたのだ。

(……ある程度 潔子に画策されていたのだろうか? と思える程に)

 

 

やっぱり、あの日向(・・・・)が恋愛関係を語る……なんて、正直目を丸くさせた。

 

 

でもそれ以上に思うのは火神の事だ。

中学時代 モテモテだった火神誠也が、誰を1人選ぶ事なく、高校へと突入し……ずっと部活(バレー)・部活(バレー)・部活(バレー)、そして社会人になっても当然(バレー)。

 

 

そしてプロに、果てはオリンピアンにまで上り詰めて、もう数年は一切の隙も無いのでは? と思えた男が、漸く1人を選んでゴールイン出来た。

 

 

火神誠也の人柄を、最早疑う余地は2人にはある筈もない。

 

 

絶対ない。一切ない。

そもそも 不貞を働くなんて想像できない。

 

 

 

 

 

Q:今回の火神選手の不倫騒動を受けてどう思われましたか?

 

A:驚きました。本当に言葉になりません…………まさか、あんな良いヤツが…………。

 

 

 

 

 

と、数年後に不倫のテレビ報道で昔の友人枠で喋ってる姿を想像……なんて出来ない。

 

 

そもそも そんなのする暇がない程、彼はバレー漬けだと思っていた。

 

バレーに浮気したと思われて【バレーと私どっちが~~】は、あるかもしれない、とネタで言っていた事はあったが、あくまでネタだ。

 

潔子とて、運動部出身、バレー部のマネージャーも勤めあげた女性。

 

ネタでも言いそうにない、と言うのが素直な感想。

 

 

 

 

 

―――世の中には、有名な人ほど 不倫不貞(そういうの)があると言う事は、昨今のテレビ報道でよも、これまでの歴史……過去を遡って見ても、よ~~く解ってるつもりだったが、火神誠也を見てたら、そんなの最早 都市伝説だろそれ、と思いたくなる程だ。

 

 

 

 

だから、ほんの少しでも、疑いたくはないけれど、可能性があるとするなら…………。

 

 

2人が向ける矛先は、よく知っている誠也ではなく、表面上でしか知らないと言える彼女の方。

 

 

「相手(嫁)に裏切られたのか……?」

「っ………」

 

 

矛先を向けたとは言え、これもあまり考えたく無い事ではある。

 

 

結婚式での潔子の幸せそうな顔も見てるし、何なら家に招待された時も本当に幸せそうだったのを覚えている。……やっぱり 口に出してみたものの、そんなのあり得ないと思うし、考えたくも無かった。

 

 

そして、それ以上に……もしも 嫁の裏切り(それ)が本当だったのなら、兎に角、嫌悪感を覚える。

 

テレビでよく報道されるヤラかした有名人達なんて目じゃないくらいに。

 

 

火神を傷つけた事に対して赦せない気持ちが2人にも芽生えてくる……が、それが完全に芽吹く事はなかった。

 

 

火神は がばっ! と顔を起こして大きく目を見開くと2人を見ながら言ったから。

 

 

 

「潔子さんは、そんな事なんて……! 裏切ったりなんてしてないっっ!! オレ、を裏切ってたりなんて絶対しないからっ……!!」

 

 

ダンッ! と盃を盛大にテーブルに叩きつける。(勿論、まだまだ理性は残ってるので割れない程度にである)

 

 

「でも………」

「でも(・・)?」

「なんだなんだ? もう、全部吐いちゃった方が楽になると思うぞ」

 

 

ヨヨヨ~……と再び沈む火神を見て、こんな火神見たことないから心配! と言う気持ちと、いつも世話焼きで全メンバーが大なり小なり火神にお世話になっている。そんな相手に頼ってもらえるなんて、ちょっと感激! と言う様々な感情が渦巻いてる中、2人は火神に聞く。

 

 

 

 

「……たぶん、オレが何か悪い事、したんだ……、と思う……………」

 

 

 

 

火神は突っ伏したまま 訥々と語り始めた。

 

何があったのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でも、ここ最近の潔子の態度がよそよそしいと言うか、何だか上の空であり、時折 火神に内緒で何か色々としているみたいらしい。

 

 

 

※――と言っても、別に外出が増えたワケでも帰りが目に見えて遅くなったワケではない。全て家の中での事。

 

 

 

 

潔子は 深く考え事をしているのか、目の前に居てもなかなか反応を見せず、再三声を掛けて 漸く気付いて貰えたかと思えば、逃げる様に去っていく場面もちらほら見受けられるらしい。

 

 

 

※勿論、逃げる~と言っても家の中での話。話を逸らせるのも家での話。

 

 

 

 

そして、極めつけは夜の性生活。

 

 

 

――新婚旅行へ行って、式を挙げて……最近より以前は、潔子が誘う場面も多々あったというのに、今では―――誘いが無い。本当にグイグイと来ていたというのに、アレは何だったのだろうか? と首を傾げたくも成る程。

 

 

 

 

夜の性生活は……バレーの試合に勝るとも劣らない程、火神は全力全開だ。

 

潔子も子供に関しては、早ければ早い程良い、と言っているし、育児に関しても全く問題ない環境が整っている。

 

敢えて言うなら、もう少し2人で~ とも思ったりしたらしいが、2人の子供なら絶対に愛おしいくなるのは解りきっているので、迷いは一切ない。

 

だからこそ、どれだけ疲れていても夜は全力全開。

 

火神自体が潔子と身体を合わせたかった、繋がり合いたかった。性欲と言う欲求が強い、と言う事もあるかもしれない。

それ以上に彼女に酔ってしまっていたのだろう。

あの幸せ……多幸感を一度味わってしまえば。

 

 

 

潔子もきっと満足してたと思うのだが、それは潔子の誘いが無くなった辺りから自信を持てなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

そして――――――ここ1週間……一切シテ無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

欲求不満になったとしても潔子以外で発散など絶対したくない。

 

 

でも、潔子との性行為は……、それが独りよがり、自己満足だったのだろうか、と思う様になった。

 

 

 

 

ウジウジしてしまってる火神自身が情けなくなってしまう事だってある。

 

潔子に直接、ダイレクトに聞いてみたいのだが……まだ勇気が持ててない。

 

今日の様に 酒に任せて~ とも思ったが、それも難しかった。

 

この泉や関向に対して、漸く言えた。親友であり、何よりも同性だから………と言う理由が兎に角強いかもしれない。

 

 

 

 

世界を相手に戦っている男は、自身の愛する人相手にはどうしようもなく奥手気味になってしまってるので、最早 自虐的に笑うしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………と言うワケで」

 

 

 

火神が説明を終えた辺りから、関向は既に行動開始。

 

ゆっくりと火神に近づいて、右手を前に出した。

片手で拝むポーズ? を取ったかと思えば、それを上高くに持ち上げて……。

 

 

 

「アホか~~っ!」

「いたっ!」

 

 

 

ぽかっ、とチョップ一閃。

火神は両手で頭を押さえながら【?】を頭に浮かべる。

ふんすっ! と関向は一息入れると、今度は苦笑い。

 

 

関向は色々と一頻りツッコんだ後。

 

「まぁ、嫁さんが誠也の事を裏切ってない、ってのは今のでよーく解った。そもそも、裏切り行為(んな事)をするヤツって、大体 本人の前では平然と普通にしてて、実は影でバレない様に~ とか、もう徹頭徹尾、マジで興味無し、ガン無視、その上外出多し、が常だろうし」

 

ため息を吐きながらそう加えた。

 

 

「なんか、経験ある~、みたいな言い方だね? それ」

「違うわユキ! オレはまだ独身だぞ!?」

「可愛い子いる癖に?」

「うっせッ! それ言ったら、お前もそーだろ!? えみりぃ・ゆにせふ と仲良くしてたの知ってんぞ!」

 

 

 

2人で後の伴侶になる相手? 彼女話で盛り上がってる所を見て―――。

 

 

 

「……………ムスッ」

 

 

 

火神はまた顔を突っ伏した。

自身と潔子も傍から見たら きっと幸せそうに見えてた筈だ。

そして、潔子の事をちょっとでも疑ってしまってる自分が嫌になるし、直接聞けてない自分も嫌になってくる。

 

でも、そんな落ち込むようなことを赦してくれないのが、今の関向である。

 

 

「だーー! コラ! 顔あげんかーい! 何で翔陽が帰った後にこうなったか、理解も出来た! このレベルの話はまだ早いもんな!! 大人になってもおこちゃま感満載(暴言)だから! と言うより、お前の説明の半分は惚気に聞こえたぞ! 夜の性生活って! オブラートに包んでも惚気だ! つーか、なんかエロいわ! あんな美人相手の性生活とか、めっちゃエロいわ!! それに1週間て、全然普通だと思うぞ! 今の日本のレス状況しらねーのかよ」

「あははは……、まぁ エロい、なんて今日日言わないし、聞かなくなっちゃってるよね~。学生まで? 久しぶりに聞いた気がする」

 

 

そこまで言われた所で、火神は ゆっくりと顔を上げた。

 

あんまりアルコールが強くないのに飲むから顔が赤くなってる。

(と言っても、実は そこまで飲んでいない。ビール生中1杯、熱燗を盃で1杯程度)

 

 

関向はその後、何度も火神に言い聞かせた。

聞いた限りではあるが 状況的に、変な所は一切ない、と。

そして、火神が言う通り 不定の類も一切ない。する隙も見えない。と

 

 

その上で、すべき事を言い聞かせる。

 

 

 

「とりあえず、言える事はただ1つ、やる事もただ1つだ。しっかり話をしてみろって。今度は逃がさない勢いでな! 蓋を開けてみりゃ笑い話になるかもだ! そもそも 本人を前に考え事してて、話聞こうとしたら、堂々とはぐらかしてくる、なんて理由が無きゃしない。んで、お前は良い男だ。お前は絶対悪くねー男だってオレは思ってる。オレもユキも保証する!」

「そうだよ。誠ちゃんの結婚相手、えっと―――潔子さん? だったかな。すごく綺麗で羨ましいって思ったケド、誠ちゃん自身も十分過ぎる程だと思う。勿論、中身もね? 家にお呼ばれした時に会った限りだし、まだ表面しか見れてないかもだけど。……悩むには、まだ早いんじゃないかな?」

 

関向と泉は、2人同時に火神の両肩に手を置いた。

 

 

「まずは向き合って来い。初めての事だから気が動転して、しっかり話聞けてないだけだろ? まずは乗り越えろよ誠也。お前なら絶対できるって! 日本が世界に誇るエースなんだろ??」

「そうそう。誠ちゃんなら絶対大丈夫だから。保証するよ。……その上で、万が一でもダメだったらさ、――――また幾らでも付き合うから」

「………2人とも」

 

 

火神は2人の言葉を聞いて不覚にもジーン、と感動した……。

本当に良い友達を持った、親友を持った……と感激した後に。

 

 

 

「あ、次の話聞くとき時 動画撮って良い? 【火神誠也の本気の本気、全部晒します、悩み事コーナー】って立ち上げたら結構バズりそうだし!」

「それ思った! ちょっと年齢制限掛けてやらないとだけど。あ~でも女性ファンのヒトがちょっぴりガッカリするかもね。例え結婚のニュースは流れててもさ?」

「そうか? TwitterでもFacebookでも何処でもお祝いコメが大多数だったぞ?」

「まぁ、大丈夫だとは思うけどさ。一応リスクってヤツは考えとかないと……」

 

 

先ほどの感激を、感涙を返して欲しい、と言いたい。

 

火神は、がばっ! と身体を起こすと。

 

 

 

 

「そんなもんぜぇぇったいダメに決まってるだろーーーっっ!!」

「おー、火神誠也が復活~~♪」

「そーそー、元気よく行こうっ!」

 

 

 

 

ケロっ、と笑顔を向けてくる関向と泉。

どうやら、動画の件まで全て手のひらでの出来事だった様だ。

 

火神は。

 

 

「解ったよっ! 帰ったら聞いてみるっっ!! どーせ、明日は久しぶりのオフだしな! 夜通し粘ってみるっ!! オールナイトで頑張る! 2人とも、ありがとなっ!!」

「「おー、なんのなんの~ がんばれよー!」」

 

 

卑猥な気もしたが、とりあえず火神が元気を取り戻したくれたので良しとしよう。

火神の宣言を聴いた後、3人で最後の乾杯をするのだった。

 

 

 

 

 

その後、頼んだ熱燗を3人で、空にした所で御会計。

 

 

 

何やら意味深に笑っていた おばあちゃんが会計してくれた。最後に【がんばんな】と一言添えられて。

どうやら、話をちゃっかりと聞いていたのだろう。……御歳80に近いとは思えない程の耳の良さである。

 

それにおばあちゃんだと言うのに、まだ眠くならないのだろうか? とも思ってると、そのおばあちゃんの娘、おばちゃんが厨房から出てきていて、表情から考えを呼んだのだろう。そっと皆に耳打ちをした。

 

 

こんなに元気なのは、大体自分達が居る時だけだとの事だ。

 

 

 

 

 

 

3人はそれぞれ感謝の挨拶を済ませ―――店を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は火神家。

実は―――似た様な時間。

誠也だけでなく、もう1人(・・・・) 決意を新たに持っていたりしていた。

 

 

「………ヨシっ。今日こそ……絶対決める。――――バッチリ。……あ、でも 酔って寝ちゃったら、また明日。……今日でも、明日でも、絶対に決める! 丁度明日は久しぶりの休みだし。……久しぶりのデートも……楽しみだし」

 

 

火神潔子はグッ、と拳を握り締めていた。

 

 

ここ数日間は、ずっと忙しかったと思う。

 

―――いや、思う(・・)……ではなく間違いなく忙しかった。

 

これは仕事の疲れではない。……勿論、誠也の件に関しての事だ。

 

今日は中学校の同窓会をあの居酒屋で行うと聞いて、日向も迎えに来ていて……安心して、最後の最後、その調整(・・)を、再確認(・・・)を済ませる事が出来た。

 

そして、もう少しで誠也が帰ってくる。

大体の帰宅時間も連絡してくれているし、帰宅前にはスマホに連絡が来るから解るのだ。

 

 

「………むぅっ。や、やっぱ恥ずかしい、かも………」

 

 

潔子は、ついさっき気合を入れた……かと思えば 今は顔を赤く染め上げていた。

 

 

「それに……1週間(・・・)は、ちょっと長過ぎた、かな………」

 

 

身体がここ最近では一番火照ってるのを感じる。

考えれば考える程、身体の芯から熱くなっていく。

 

 

そして、身体の芯……下腹部の更に奥が熱く、熱くうねり……ただ考えるだけで 何にもしていない、触れても無いのに、ただただ考えるだけで、じわぁぁっ、と奥から湿ってくる様だった。自覚しているからこそ、恥ずかしい。

 

 

「んっ………」

 

 

潔子は、赤くなった顔を二度程叩くと、気をしっかりと立て直した。

 

丁度、その時。

 

 

 

「ただいま―――」

 

 

 

誠也が帰ってきた。

潔子は、もう一度顔を挟む様に叩くと、小走りで出迎えに向かった。

 

 

「おかえりなさい誠也」

「ただいま帰りました。潔子さん」

 

 

互いに笑顔を交わす。

潔子は、誠也を頭の先から足元まで満遍なく確認すると……。

 

 

「…………同窓会って割には、飲んで帰ってきたって割には 酔っぱらってるって感じがしないね?」

 

 

 

ポツリと一言。

潔子は昔馴染みと……あの雪ヶ丘中学校バレー部(仮)の飲み会と聞いていたので、男ばかりで思う存分飲んで帰ってくる、と思っていた。

誠也と酒を飲み交わした事は幾度かあったが、酔っぱらい、と言う所までの泥酔は見た事が無かったが、古くからの友人たちとの飲み会であれば、酔っ払いの介護、世話。

 

それもそれなりに覚悟をしていたつもりだったが、どうやら当てが外れたみたいだった。

 

 

「あははは……、オレって酔うのも速いみたいですけど、沢山 水飲んで外で酔いを醒ましたら……直ぐに素面っぽく戻っちゃうみたいです。……あ、だからって飲酒運転はしませんからね?」

「それは当たり前。……(でも、良かった)」

「……潔子さん?」

「っ、な、なんでもない」

 

ハタハタ、とせわしなく手足が動き……リビングへと帰ろうとする潔子の手をそっと握る誠也。

 

「……っ、な、なに?」

 

驚いて潔子は振り返った。

 

誠也はこれまで何度か話しかけてはいた。はぐらかされる事もあったが……、こんな感じに手をとると言う強引な手段(誠也の中では)は今まで取ってなかったのだ。

 

 

ただ、笑顔で潔子の顔を眺めるだけに留めるしか出来てなかったのだ。

 

 

 

「ぅ……えと、今日はちょっと……話がしたくて………。良い、かな? 変な汗かいちゃったから、その、お風呂に入った後で……」

 

 

 

仲間内の皆に背を押された事で、どうにか一歩前に踏み出せたのは正直情けないと思うが、それでも何もしないよりは良い。断然良い一歩だと誠也は頭の中で拳をぎゅっと握った。

 

 

「………うん」

 

 

潔子も頷いた。

 

何やら自分だけでなく、誠也も。

互いが今日、帰ってから決める(・・・)! と思っていたのだと潔子は確信した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後―――酒やら変な汗やらで色々と臭かった身体を綺麗に洗い流し、酔いと共に完全に洗い流した後、着替えてリビングへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

潔子はソファの上に座っていた。

このソファは簡易ベッドにも使えるモノだから、広げると面積は大きい。いつもは腰掛ける為に使っているから、広げたりはしないんだけれど、今は…………。

 

 

そして、テレビもつけず、ただただ座っていた。

 

 

「っ…………」

 

 

何だか緊張する誠也。

これ程までの緊張感は、あの新婚旅行でブラジルに行った時の事、初めての夜以来かもしれない。

 

かと言って、誠也は潔子と身体を重ねる事を決して慣れたワケでもない。

 

幾度となく身体を重ねても、その度に嬉しい気持ち恥ずかしい気持ち、その度に沢山の発見や感情を知るので慣れる筈もないのだ。

 

 

 

 

 

誠也は、潔子の隣に腰掛けた。

 

そして、最初はオブラートに包む……と思っていたんだけれど。

 

 

「その、ここ最近……潔子さん、上の空と言うか。ちょっとオレを避けたりしてた気がしてて………。ほら、その、夜の時とかも……………」

 

 

何故だか、直球ドストレートに切り込んでいた。

どうにかやんわりと、はぐらかされても、今日こそは少しずつでも核心に、と思っていたのにどうしてだろうか? 

 

 

「えと……、その、オレが何か悪い事しちゃったのかな、って……。夜、避けられちゃった事も どうしても考えちゃって……さ。潔子さん、嫌いだったりするの、かな? その………オレとのせっくす……」

 

 

恥ずかしさはどうしてもあるが、それでもハッキリ聞かなければならない。背を押されて漸く一歩前へと誠也は進んだ。

 

夫婦の営み、性に関する事も極めて重要な点の1つだ。

 

離婚にまで発展する事だってあるし、正当な離婚理由にも繋がるのがセックスレスである。

 

勿論、火神は離婚~なんて事考えるワケが無い。

 

と言うか結婚したばかりで、そんな事考えてしまう様な事がおきたなら、そう考えざるを得ないような状況に立たされたのなら、間違いなく誠也自身が号泣モノ案件だ。

 

今日の同窓会での、やり取りが可愛らしく見える程取り乱しそうだ、と自己分析できる。

 

 

 

 

潔子が沢山感じてくれていたのは、その時その時の艶やかな表情を見ていたら、我が身の一部、ペニスが大きくうねる膣内を感じたら、………身体全体で潔子自身を感じ取れたら……解っていたつもりだったが、それこそが独りよがりだったのではないか? と誠也は思える。

 

完全に自己満足だったのではないか? と。……もしかしたら、ただの性欲の捌け口となってしまっていたのでは? と。

 

 

だからこそ………潔子が嫌いなんだったら 自分が我慢すれば良い、と誠也は言い聞かせられる。

 

確かに性欲は人並み以上にあると思うが、それ以上に潔子に避けられる方が辛く苦しい。

性的な交わりは子供の事もあるので、必要最低限にしたいと言う希望があるのなら。残念だけれど我慢する所存だ。

 

 

勿論、だからと言って夜の街に繰り出す~何てことも一切考えてない。

 

 

レスは、離婚案件だ! と声高々に以前の番組で聞いたこともあるが、その類も一切! 絶対! 全く! 頭の片隅にも存在していない。

 

 

潔子の身体に溺れかけていた自身が居る事を知っているが、それでも――――。

 

 

と、誠也が表情を俯かせようとしたその時だ。

 

 

 

 

 

ぱんっ! と音が鳴る勢いで潔子は誠也の両頬を挟む。

驚くだけで痛い、と思わない絶妙の力加減と速度で。

 

 

「んんっっ!!」

「むぐっ!?」

 

 

挟み込んだと同時に、その唇を強引に奪った。

そして舐り、捻じ込み、蹂躙する。

 

 

 

「んっ、んっ…… れろっ……んんっ、ちゅっ、ちゅっ……」

「あっ……んっ、んっ、んんっ……ぁっむ……」

 

 

 

一心不乱に誠也の唇を貪り続ける潔子。

それ以上言わせない、と言わんばかりに。

 

強く伸ばした舌は容易に誠也の唇を突破し、口内へと侵入し、瞬く間に口内を支配し尽した。

 

 

 

ソフトキスなら兎も角、ディープともなれば凡そ1週間ぶり。

潔子の舌技で、まさに昇天させられる誠也。

 

 

 

一体どれだけの時間が立っただろうか……、体格的には誠也の方が圧倒的に大きい筈なのに、潔子が誠也をソファに押し倒した形だった。

目は蕩けている様に潤み、焦点がやや定まってない様子だった。

 

 

 

 

ちゅぷんっ……、と唇と唇が離れ、まるでまだ、名残惜しいと言わんばかりに2人の間には透明の糸が繋がっている。

 

 

2人は互いに高揚し合っているのが顔色からはっきりと解った。

そして、潔子は真っ直ぐ誠也の目を見つめる。

 

 

「嫌な訳、無い。……ある筈がない。身体だけじゃない。心から満たされてるんだから。…………でも、そう思わせちゃったのは私。――――ごめんね」

 

 

真っ直ぐ見つめていた目が閉じられ、視線が合わなくなった。

潔子はそっと誠也の胸元に顔を埋めた。

 

それと同時に誠也は口を開く。

聞きたかったのは謝罪の言葉じゃないし、何より潔子が嫌ってた訳じゃない事に安堵したから。

 

 

「ご、ごめんなんて! 誤解だったなら、オレがちょっと子供過ぎたからです! 潔子さんのせいじゃない。もっと早く、潔子さんとちゃんと話をしていれば、って。……変に悩んじゃって色々考え過ぎちゃってたから、遅れちゃったのはオレのせいで……。もう、夫婦なのに 何を遠慮してたんですかね? オレは……」

 

慌てていたが、最後には あはは、と誠也は笑う事が出来ていた。

そして、その笑みを見て潔子も同じく笑う。

 

 

 

「そう……ね。うん。そう。間違いないわ」

「え?」

「やっぱり 誠也が全部悪い(・・・・・・・)」

「……ええ!?」

 

 

 

笑顔のままで、まさかの言葉。

この場面で全部悪い、と言われるとは思わなかったので、思わず目を丸くする誠也。

 

 

 

勿論、また変に罪悪感みたいなのが出てくる前に、潔子は追撃した。

 

 

 

「………37回」

 

 

 

真っ直ぐ、赤く仄かに染まる表情で誠也を真っ直ぐ見据えながら潔子は続ける。

 

 

「………何の回数か解る?」

「え、えっと……37? スパイク……? サーブ……? 個人の総合点数……??」

 

 

潔子から突然、37回、と言う数字を示された誠也。

直ぐに思いつくことを考えてみるが……どれも違う。あまりにムチャブリ? な難問を出されてしまったので、先ほどの 全部誠也が悪い、の事をすっかり忘れてしまい――――そして直ぐに思い知らされる事になる。

 

 

 

 

 

「先週。……いやじゃなくて先月。…………えっちの時、誠也に私がイかされた回数(・・・・・・・)。……覚えてる範囲ではあるけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………………………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、ほんの一瞬だが、思考が完全に停止した。

 

 

潔子の顔はまるで茹蛸の様に赤くなっていた。

その顔を見て、思考停止していたが、その顔を見て……意味を理解する。

 

 

 

「……誠也も沢山出してくれたけど、私の半分にも満たなかった。……私ばっかりが気持ちよくなっちゃって……。だから、この1週間、色々と勉強してたの。――――誠也と同じ様に(・・・・・・・)」

 

 

 

ぎゅっ、と誠也の頬を思いっきり挟む潔子。

ひょっとこの様な口になった誠也の唇に自身の唇を柔らかく合わせて、そして離す。

 

「あ、いえ、その………」

「何回も、何回も、イかせてもらって、……その度、すっごく幸せだったけど、何だろう……? 負けたくない、みたいな感じも出てきて」

 

潔子は負けず嫌い。

それは昔からで自分も良く知っている。

競う事は基本的に少ないのだが、何故だか良く知っている。

 

その対抗心? に似たモノが……セックスの最中、否 終わった後の余韻の際に静かに、それでいて確実に実らせたらしい。

 

 

実らせたと同時に、それに火がついて燃え上がった様子。

 

 

「それで、男の子について、沢山、沢山調べていくにつれて―――――何だか恥ずかしくなってきたりもしてて……、それをスル(・・)覚悟も、暗記も出来てないから、まだ固まりきってなくて……、だから避けた形になっちゃったんだ。 ……本番で全部返すつもりだった。誠也で練習するワケにいかなくて。こんなの、他で練習なんて絶対出来ないし、他でなんて絶対あり得ないから、何とか……1人で。流石に、これを友達に相談するのは………無理だったし。……でも、考えてみれば自分の事ばっかり考えすぎてて誠也の事、考えれてなかったね。…………うん。誠也が全部悪い、って言ったケド、やっぱり撤回する。……もっと誠也の事見てないといけなかった」

「…………」

 

 

誠也は、無言で潔子を下から抱きしめた。

潔子も色々と考えていた様だった。完全な自分の取り越し苦労。……潔子が言う通り 自身が蒔いた種だった。

 

 

沢山気持ちよくなって欲しくて続けていた事、それが自身が蒔いた種。

 

 

潔子が言う様に、誠也も沢山女性の身体について勉強して……潔子が言う様に実践で練習するワケにはいかない。

そんな浮気は一切できないし元々する選択肢さえないので、体験談等も照らし合わせて、自分なりに学習していって……潔子に気持ちよくなって欲しくて沢山攻めた。

 

雰囲気は勿論大事にして、潔子の事を大好きだと、愛していると何度も発しながら、胸を、膣内(なか)も陰核(そと)も―――女性の性感帯、と呼ばれる部分は全て潔子の反応を身体で感じながら、攻め続けた。

 

沢山感じてくれた。とても嬉しかった。

 

 

そして、今。……潔子は今度は自分自身にその感じた分を返す為に頑張ったんだと言ってくれた。ちょっとすれ違っただけなのに、今考えてみたら本当に大した事無い。些細な日常生活。これをすれ違いなんて言ってたら、あの時の2人の様に怒られてしまう、と思える程のモノだったのに。

 

 

「ほんとうに――――」

 

 

抱きしめて、潔子に謝る……いや、今こそもう一度 ありがとう(・・・・・)、と言おうとしたその時。

 

 

「ありが――「だから、今日は私がスル(・・)から。私が攻める番。総動員させるから。…………私が、誠也の事、食べる番(・・・・)だから」……!?」

 

 

それは今日―――結婚生活後初めて。

 

夜の部(・・・)においても、潔子が本当の意味でS(・)になった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠也は、潔子の動きの1つ1つは、いつもよりややゆっくり気味だが……それがとても性的に感じられた。1つ1つが性欲を掻き立てられ、触られても無いのに下半身が脈打ち熱くなっていくのを感じた。

 

 

動くことを制限され、潔子は肌着を全て脱ぎ、生まれたままの姿になる。

1週間ぶりの彼女の姿はやはり美の化身と言っても差し支えない程、形容し難い美しさを表していた。見ただけで興奮していくのが解るが……、それ以上のモノがやってくる。

 

ゆっくり、ゆっくりと誠也の耳元へと口を近づける。

小さく短く誠也に一言。

 

 

 

 

 

「――――いただきます」

「ッ……!」

 

 

 

 

その一言がより興奮させられた。

ごくり、と生唾を呑む自分の音が、心臓のドキンドキン、と高鳴る音が、耳に響く。

心臓の鼓動に関しては、更に1段階音量を上げた瞬間でもあった。

 

ゆっくり、ゆっくりと最初に触れられたのは……耳。

 

それも舌で、まずは上部の耳輪を舌で優しく押しては離すを小刻みに繰り返す。

軈て、舌が離れない様になり、徐々に下へと下がって耳垂付近までをゆっくり、ねっとりと時間をかけて舐め回した。

 

舌の感触もそうだが、何より潔子の吐息が誠也をより興奮させる材料となり、新たな性感帯を発見させられた気分になる。

 

ペニスを触られても居ないのに、ジーパンでは比較的抑えられたかもしれないが、寝間着であるジャージでは、ペニスを押さえつけるには……護るには心許ない。

まるで突き破る勢いでそそり立っていた。

 

その間、一切ペニスには触られず只管耳をせめられ続けた。

鼓膜まで届く?? と思える程中へ中へと長く伸びてくる潔子の舌。出し入れする度に空気の流れが変わり、耳に伝わる触感の全てが犯されていく。

 

 

「ぁぅぅぅ……ッ」

 

 

誠也は只管悶えていると、潔子の小さな声が届く。

 

 

「ふふ。……声出すの、ちょっとだけ我慢……してみて」

「っ~~~~……」

 

 

か細く、囁くような声は直接脳に届いてくるかの様だ。快楽神経をキャッチして、電気信号が全身を駆け巡る。

ズキズキ、とペニスは解放の時を今か今かと待ち構えているが……、その時はなかなか訪れてくれない。

潔子の手は身体中を弄るが、決して局部へとは伸ばしていない。只管焦らしてくる。

 

 

 

 

 

 

そして、どれだけ経っただろうか解らない程、誠也は時間を忘れ悶えていた。

 

 

 

 

 

軈て、誠也の胸に潔子の手が触れた時、潔子の声が脳にまで届いてくる。

 

 

「―――スゴイ、心臓の音。とくん、とくん、じゃない。……どっ、どっ、どっ、って、とても早く鳴ってる。今まで聴いた時以上に……」

「あぁっ……!」

「誠也……この1週間…… 一度でも、出した(・・・)?」

「っ~~~~!?」

 

 

そう囁くと同時に、とうとう潔子の手が誠也のペニスに触れた。

 

 

「一度も、出してない、よね?」

「あ、ぅ……」

「何となく、解るから。………だって、、沢山……誠也のを、私は一番味わったんだから。……私がよく知ってる。……誠也以上に、知ってる。私しか知らない」

 

 

ジャージを下ろされ、頼りない布1枚だけ隔たれた状態まで解放された。

それでも、未だ完全なる解放に至ってない事に苛々しているのか、びくんっ、びくんっとペニスは動き続ける。まるでもう1つの心臓の様。

 

今にも出そうになるペニスから、手を離した潔子。

また焦らされる! と思った瞬間、誠也が動くとほぼ同時に潔子の方も動いた。

 

 

長くそそり立つペニスの全てを包み隠す様に、高揚した表情を見せながら、勢いよく頬張った。

 

そして、自身のペニスが潔子の口内を感じた、潔子の舌を、唇を、温もりの全てを感じたその時、潔子の言う通り ここ1週間一切出して無かった精液がついに吐き出される。

 

 

 

 

「んんんんんんんっっっ!!?」

 

 

 

びゅるる!! びゅるるる!!! ドクッ! ドクッッ!! 

 

 

脈打つペニスに合わせて、上唇が、下唇が、潔子の口内の温もりが。……そして、亀頭の先端に触れる彼女の舌が、射精後もペニスを刺激し、奥へ奥へと導いてゆく。

 

潔子は、勢いよく射精(だ)された精液を、決して咽たりする事なく、吐き出したりもせず、そのまま喉を鳴らせて、自身の奥へ奥へと受け入れた。

 

 

実は、本能的に潔子自身も膣内へ、子宮内へと欲しい気持ちが本能的に強く強く前に出ていたが、今は彼女自身もこれでも我慢しているのだ。

 

 

 

まだ終わってない。

全身全霊、これまでの勉強(・・)の全てを発揮する為に。

 

 

 

 

「っぅ、あっ……ぅっ……」

 

 

凡そ1週間ぶりの射精に誠也は身体を震わせていた。

相当自分の身体は我慢していたんだろう、身体は正直だ、と思いつつも、とりあえず絶頂し、出したので一段落……と思っていたのだが。

 

それをさせて貰える気配は一切ない。

 

 

「んっ……んっ…… れろっ、んぐっ…… ちゅぱっ…… んっ、んっ……」

 

 

その潔子の動きは、舌使いは、ペニスを頬張る口内は、出された精液の全てを逃さない様に啜っているだけではない事は明らかだった。

 

それ以上―――そこから更に先を求めていた。

 

 

「きよ、こさ……! い、いまは、びんかん、に……っっ!」

 

 

射精後、潔子は止める事なく更にペニスに刺激を加え続ける。

1つ舐める度に、1つ吸い上げる度に、1つ触れる度に大きく大きく動くペニスを感じ、潔子は微笑んだ。いたずらっ子の様にも見える。

 

 

「まだ……、まだだから。ここ(・・)から。……それに 今の誠也、スゴク可愛い」

「っっっ~~~! あ、ああっ、あああっっ」

 

 

熱く熱くなっている誠也のペニス。

そして潔子自身ももっと熱くなっていた。

 

 

ペニス全体を包み込んでいた口は徐々に離れていき、口から離すと先端の亀頭から袋部分にまでかけて、今度は舐り続ける。付け根にある精液を作るところを守っている誠也の袋も、下からそっと包み込み、優しく、それでいて強く。相反するかの様な絶妙な強弱で揉み上げる。

 

 

全ての所作をする度に、誠也の声が比例して増していく。

潔子も、誠也の声が増していく度に、膣から溢れんばかりの愛液が沸き出てくるのを感じた。太腿を伝い、誠也の身体へと到達しているのが解る。

 

誠也を攻め続けている合間に、自身の膣口をそっと指で触れる。

 

「っ………!」

 

少し触れただけなのに、物凄い快感が押し寄せてきた。

これがもし――――誠也の指なら……、と一瞬切なくなったが、今は考えるのを遮断。

 

全てを、彼に向ける為に。

 

 

「(もっと……もっと……、こう、こう、だった……。おかしくなるくらい、……おかしくさせる(・・・・・・・)させるには、もっと……! ここ(・・)も……っ、誠也がきっと恥ずかしがる所。……私も、絶対恥ずかしくなる。……私も、まだ触ってもらってない(・・・・・・・・・)所)」

 

 

ペニス全体を這わせながら、ゆっくりと誠也に迫る潔子の右手。

丁度、袋を超えた更に下………そこは男性にもある穴(・)であり、女性とは違う部位が存在する所。

 

 

 

 

「ひぅっ!?」

 

 

 

 

思わずか細い、まるで女の子の様な声を上げる誠也。

 

 

その声に反応して、潔子は思わず身を捩らせた。

世界と戦う日本が誇るスーパープレイヤー。……エースと言っても良い様な誠也が、こんなにも可愛らしく喘ぐなんて……と、潔子は身体がゾクゾクと震えて止まらない。

 

 

 

その欲情のままに、行為を続けた。

 

到達した潔子の人差し指の腹部分は、誠也の穴……アナルへと到達し、撫でた。

 

 

 

右手の指の腹で柔らかくソフトタッチから始まり、十分に濡れたのを悟ると、指を突き立てて、ゆっくりと捏ねる様に奥へと埋めていく。

 

 

「あっ、ああっ、き、きよっ、そ、そこ……はっっ……!」

「んっ、ん、ちゅぷっ、れろっ……あむっ……」

「っっ~~~~~」

 

 

潔子の返答はない。

口はもう自身のペニスで塞がってしまっている。

 

自分でもまず触らない場所。

一般的には入れる様な場所ではなく、出す場所。

少なからず羞恥心にも見舞われて誠也は身を捩らせるが、それでも何とか潔子の方に向いて言葉を紡いだ。

 

「そこ、は きた、きたない……、きたない、からっっ! あぅっ、んっっ!」

「……せいやに、きたないトコ、なんて、ない……。前も、言った……。あむっ……んっっ、んんっ、れろっ……」

 

いつか、聞いた言葉。

また誠也が口にしたので、潔子はこの時ばかりは口をペニスから外して、喘ぐ誠也を愛おしそうに見ながらもう一度伝える。

 

1度、2度とゆっくりと出し入れを続ける。

 

丁度、潔子自身がよく膣内に指を出し入れされているのを、やり返すかの様に。

入れられ、抜かれる……、入れられた時点で身体に電流が走る。大きく脈打つ。身体を思わず逸らせてしまう。

 

 

 

初めての経験だった。

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛ぅうぅっっ、――――ッむぐっっ!!」

 

 

 

 

誠也は思わず両手で口を押えた。

これまで以上。感じた事の無い津波が押し寄せてきて、それが意思に反して喘ぎ声となっていくのを感じたから。

 

潔子は、徐々に指を侵入させていく。

自身の愛液か誠也の精液か、若しくはその両方か。

 

本来外から入れる事の無い所が、それらの液により潤滑され、スムーズに奥へと進んでいった。

これまでで一番奥。丁度潔子の人差し指、第2関節部分を超えた辺り。

 

 

「れろっ、んっ、んっ、ちゅっ…… あむっ(ここ……?)」

 

 

入れた指を今度はゆっくりと折り曲げる。

丁度誠也のペニスがある前方へと。

 

 

「んんんんんっっ!!?」

 

 

すると、びくんっびくんっ! と誠也が数度跳ね上がったのを身体で感じた。

 

 

見つけた――――。

 

 

潔子は確信に至る。

今、この触れている部分の奥にある場所こそが、男性のGスポットとも呼べる前立腺。

 

 

潔子が熱心に勉学? に励んでいたのは【前立腺マッサージ】、と呼ばれるモノだった。

 

 

受ける快感は個人差にもよるので、一概には言えない。感じてほしい相手の様子を見ながらゆっくりと慣らせていくのが好ましく、嫌悪されない事が第一。

誠也はその全てをクリアしていた。

 

 

汚い、と口にしていたが、止めてほしい、とは一言もいってないし、何より 身体が悦んでいるのは潔子にも解るから。

 

 

 

 

 

 

 

「(私が、イってる時も……きっと、こんな感じ……??)」

 

 

潔子はリズミカルに指を、そして口を、使いながら誠也の様子を見る。

 

本当の意味で、誠也の気持ちが解った気がした。

 

 

「(……解る。解る気がする。こんなに、気持ちよくなってくれるのなら………、止めれないし、止まれないよね?)」

 

 

潔子は口を外し、竿の全体を一舐めすると、今度は左手でペニスを包み込み、ゆっくりと上下させてしごく。

最初は、ゆっくりだったのに……徐々に早く、そして強く。

 

 

「んんっ!? んっっ、だ、ダメっっ! きよっ、さっっ!」

 

 

ばっ、と誠也は手を伸ばしてきたが、潔子はその姿を見て微笑みを1つ入れると。

 

 

 

 

「大丈夫……。だして、良いから…………」

「っっ!?」

 

 

 

 

手を緩める気配は一切ない。

誠也はもう我慢する事が出来なかった。

いや、潔子に全てを委ねた。

 

解放された全てが、誠也のペニスの先から放出される。

 

 

 

 

 

 

「ぅあっ、ああっ、ああああああっっっっ!」

 

 

 

 

プッシャァァァ………………。

 

 

声を上げる度に、脈打つ事に放たれるナニカ。

それは、いつもの射精感じゃない。出された液も透明。精液とも小便とも違う。

だが、それを見たのは潔子のみだ。

 

 

 

「(でき……た。私にも、できた………!)」

 

 

 

最初は出来ない事も多い、と書かれていたが、最初から出来た事に潔子は思わず感動さえ覚える。

 

それと同時に、愛おしさ、狂おしい程の愛しさと共に達成感にも包まれていく。

 

潔子は 誠也から出てくるソレ(・・)を、心ゆくまで貪るのだった。

 

 

 

そして、2度、3度、4度……放たれて、漸く収まった。

 

 

 

だらしなく顔をゆがめている誠也は、そっと 両腕で表情隠す様に、顔面で交差させて顔に置いた。

 

 

 

「あっ、うっ……、す、すみません……、ご、ごめんなさい……、お、オレ……、オレ、こんなっ……」

 

 

 

誠也は恐らく漏らしてしまった、と思ったのだろう。

果てしない程の快感に、全て支配されていた筈だったが、その支配から僅かに解放されたのか、今度は思い返しながら中々に耐え難い羞恥が押し寄せてきた。

 

 

 

―――漏らしてしまった、それも潔子にかけてしまった。

 

 

 

そう考えただけで、どうにかなりそうだったが、潔子はそんな誠也を優しくキスをする。

 

 

「これで……お返し(・・・)も出来たね。……私も、こんな感じだったのかな……?」

「えっ……??」

 

 

誠也自身が、この現象の事をはっきり解ってないのは、言葉や仕草だけでも十分解る。

だから、潔子はしっかりと教える。恥ずかしい事なんかじゃない、と。自分が望んだ結果。……起きたのは最早 必然なのだと。

 

 

「読んだだけで、実際に見たワケじゃないケド……、これが前立腺マッサージからの、潮吹き。……男の子の、潮吹き……だって」

 

 

潔子はそういうと誠也の身体に抱き着いた。

誠也は果てた様だが、潔子自身はまだだ。これまでにない程乱れた愛する人を見て、より興奮した潔子だったが、流石にワンクッション置く事にした。

 

沢山イかされた時も確かにあったが、一番最初は、初体験時は とても優しくしてくれた事を潔子は忘れてない。

 

誠也を見て、如何とも形容し難い快感、Sの快感が登ってきたが……一先ず衝動は抑えた。

 

 

「しお、ふき……?」

「うん。……男の人も、潮吹きってあるんだって。……沢山イかされて、沢山いぢめられちゃった私の細やかな仕返し? 私も……潮吹き(コレ)ヤられちゃったしね」

「あ、ぅ………」

 

 

 

潔子はそっと誠也の唇にキスをした。

 

確かに、以前潔子の膣内を、陰核(クリトリス)の丁度内側辺り、Gスポットを中心に前戯していた時、愛撫していた時、潔子は潮吹きした事があった。

少しだけ、誠也も驚きを見せていたが、それだけ感じてくれた事が嬉しくて嬉しくて、そのまま続けたのを、朦朧とした意識の中で思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、誠也はまだまだ混乱の渦中だったが、一先ず収まりそうなので、潔子は誠也の身体を抱き枕にし、その鼓動と呼吸を身体全体で暫く感じる。

 

 

 

潔子とて性行為は 1週間ぶりだ。

 

 

 

 

誠也を攻める事ばかりで、自身はおあずけも同然だったので、直ぐにでもまた―――と思ったが、インターバルだ、と何とか我慢――――と、思っていたその時だ。

 

 

「っ!」

 

 

潔子の秘部……陰核(クリトリス)と膣内、両方、何かが触れられた。

 

何か、ではない。解らない訳がない。幾度も無く触れて触れられた愛する人の指。

 

つい先ほどまで、表情を隠す為に両腕を使っていた筈なのに、いつの間にか右手が下がっていた。

 

 

「きよこさん……、とても、切なそうな顔、してる」

「せ、せいや?」

「頑張って貰ったんだから。……応えなきゃ、男じゃない、よ」

「んんっ!?」

 

 

 

復活を果たした誠也は、潔子の唇を奪いながら 指を這わせ、攻めていく。

 

そして 暫くキスをした後 今度は器用に、滑らかに、そして気付いたら身体の位置が変わっていた。

 

誠也の上に乗っていた筈なのに、気付けば下に。……そして、誠也の顔が見えなくなったかと思えば、両足を上げられた。

 

流れる様な動きでVの字に開脚され、そして 止まる事は一切なく 寂しそうに切なそうに、ひくっ、ひくっ、と今か今か主が帰ってくるのを待っているかの様に動く膣口目掛けて、誠也の口が迫る。

 

 

 

「ひぅっ!?」

 

 

 

偶然か必然か、誠也が上げた喘ぎ声と全く同じ声が潔子の口から発せられた。

膨張している陰核(クリトリス)を、そして溢れ出んばかりの愛液をかき分けて膣内を、今度は誠也の舌で刺激をしていく。

 

 

「きよこ、さん、きよこさんっ」

「あっ、んんっ、んあっ、ひっ、んんんん!」

 

 

誠也は潔子を求め続け、本能のままに求め続けた。

潔子も、流石の誠也もまだ回復(リカバリー)までには時間がかかる……と半ば油断していた形だったので、覚悟? する前の強烈な快感に一気に昇天していく。

 

 

 

 

 

 

誠也は、その後も潔子を奉仕し続けた。

 

 

 

「そ、そこは……、ああ、あっ、んん! んああっっ!」

「きよこさん、にも……たくさん……。ん、んん、れろっ、んっ。ちゅっ、ちゅっ、れろっ……んん―――――」

 

 

 

自身にシてくれた分を返す……と潔子の――――アナルにもその勢いは留まる事なく到達し、舌を這わせていった。時には舌を押し当てて、内部にまで到達し 中と外 両方を舐り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――結果、誠也も潔子を数度イカせ、夢中になり過ぎて気付けなかったが、潔子にも潮も吹かせ………そして 交わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠也は、一晩で5度射精すると言う前代未聞(誠也にとって)の最高記録。

潔子自身も覚えている範囲内ではあるが、4度は間違いなく達した。

 

 

 

 

 

 

 

それは 勝ち負けがあるとするなら、初めて潔子が誠也に勝った瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

 

 

 

「「っっ~~~~」」

 

 

ぱちっ、と互いが同時に目を開いた。そして、目が合った。

 

昨夜の事を意識が覚醒したと同時に思い出したのか、見悶える潔子。

そして、火神も同様だ。

 

顔を合わせると、互いが顔を真っ赤にさせている。

ボっ! と擬音の1つや2つつけてあげたい程に。

 

 

暫く身悶えた後、誠也はそっと口にした。

 

 

「今日、休みで……良かったです」

「そう、ね」

 

 

精も根も尽き果てる……とはこの事を言うのだろうか。

心地良い脱力感ではあるものの、本日練習です! 等言われたら大変だ。……明日にも尾を引きそうだが、兎も角本日は休みで良かった。

 

 

「ちょっと、自重した方が良い……でしょうか?」

「………バカ。そんなこと、聞かないでよ。………………そんなこと、言わないでよ」

「は、はい…………」

 

 

誠也は、初めてイキ過ぎる事を体験した。

とても幸せだった。信じられない程の快感だった。今も疲れているが心地よかった。

でも、確かに……これを何度も何度も、となれば 潔子だって……と思ったのだが、潔子は返事を返さず、誠也の唇を自身の唇で塞ぐ。

 

 

 

 

―――潔子が、本当に嫌な訳が無い。誠也がしてくれている事を潔子もしたい。……そして負けたくない、と言う負けず嫌いも合わさった結果なのだから。

 

 

 

 

このキスで全てを伝える。

伝える事が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――でも、やっぱり 生活に支障をきたすワケにはいかないので、昨夜の様な激しさは なるべく休日を狙って……と言うことに落ち着くのだった。

 

 

 

 

 

因みに、潔子はエッチ中……、前立腺マッサージの時の台詞は大体、勉強した淫語をかなり練習した演技だったとの事。

 

誠也は、真に迫るものがあったので、ちょっぴり疑っていたが……。

 

身を悶えさせながら、捩らせながら、顔を真っ赤にさせて言う潔子を見て、一先ず納得するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時が少し流れ―――。

 

 

 

「誠也! トライアウト受かったぞ! ジャッカルだーっ!! ひっさしぶりに一緒に出来るなぁっ!!」

「はは……久しぶりって。ブラジル(向こう)から 帰ってきた時もそーだけど、何ならブラジルに居た時も一緒にバレーやってたじゃん。中学ん時のノリで。ちょっとだけど」

「そーなんじゃないんですーーー!! 同じチームだな! っていう意味なんですーーー!! ってか、高校以来何だから、もっと嬉しそうにしてくれても良いだろーーーっ!!」

「ははっ、そーいう気持ち、全部翔陽が全面的に出してるみたいだから、オレは良いかな? って」

 

【MSBY】

株式会社ムスビイ。

「個の努力で人を結ぶ」を基本理念とする。

日本の自動車部品メーカー。

 

 

そして、勿論【Vリーグ Division1】

 

日本のトップを争うバレーチームのある企業だ。

 

 

その名も―――ムスビイ ブラックジャッカル。

 

 

日向も火神も所属するチームである。

 

 

 

 

「誠ちゃんも家庭内事情(・・・・・)が解決して、色々絶好調みたいだし、次の試合、凄いの期待してるね」

「うんうん、そーだな。んで、勿論、お礼つってたコラボ動画。忘れんなよ?」

「わ、解ってるよ。……その、ユキ? あんまり大きな声で言わないでくれた方が助かるんだけど……」

 

 

 

家庭内事情……その結果? については 勿論 あの日相談に乗ってくれた2人には報告済みである。(当然、事細かな詳細は省いているが)

 

日向は疎外感を感じていた様だが、妄りに話す事じゃない、と言うワケで黙っているし、黙ってもらっている。お礼はコラボ動画、動画出演。

孤爪にも了承してもらっているから気兼ねなく出演する事に決めているのだ。

勿論、これも日向には今は(・・)黙っている。

 

 

 

何故なら――――今は、それよりも考える事はある筈だから。

日向には。……勿論、火神もそうだ。

 

 

 

次のブラックジャッカルの対戦相手。

 

2018‐2019 シーズンの初戦の相手はもう決まっている。

 

日向が帰ってきて直ぐにシーズンの初戦があのチーム(・・・・・)とは……。

 

 

 

「……運命(・・)って 以前は否定しまくってたケド………、これはそう思わざるを得ない、って感じだよなぁ」

 

 

 

 

 

もうじき、いよいよ始まるVリーグ。

 

 

火神は、戻ってきたこの騒がしい事極まれりな日向(親友)と共に―――――ラスボス(あの男)と再び対峙する事を心待ちにするのだった。

 

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