南方に新国家が建国された。
国名はドルガルドン。
湿地帯が多く、常に霧に覆われた密林の中にその環境を物ともしない屈強な男が統べる謎に包まれた不気味な国だ。
ドルガルドンの特徴として、兵力が圧倒的強力であることが一つ挙げられた。
その秘密は、人間の兵力ではなくドゥーゼ卿の魔術や、召喚によって呼び出されたアンデッド族、魔獣たちの持つところによる。
そして、何よりも指導者であるオーガ・グレンデルという圧倒的な個の力を持った強さがこの国の強さの象徴でありそのものだった。
歴史こそ浅いが、軍事力もそれを示す実績も高く、この国との繋がりを持つことも含め新たな国交相手として周囲の国も注目していた。
そんな中、ドルガルドンに救援の依頼をしてきたのがかの帝国。
宗教色が強い帝国として、明らかに異端としか見られないようなドルガルドンの国に対しての救援依頼は、傍から見てもわかるほど帝国の疲労と国力の低下を露呈させてしまっていた。
それを鑑みても、帝国の援軍救援は国柄からすれば暴挙に等しい行為とも言えるであろうことは帝国の事情に聡くなくても想像に難くない。
その決断を下したことに、グレンデルは肝の据わった女だと関心を示していた。
「救援か…向こうには英雄がいるんじゃないのか?夜明けの五姫星が復活したと聞いたぞ」
ドゥーゼ卿とグレンデルは帝国からの救援依頼について会合を行い、向い合せに座りながら親書を近くに放った。
帝国と言えば、国の象徴たる皇帝の腹心たる英雄たちと言えば音に聞こえる評判、グレンデルは股ぐらに座った女越しにドゥーゼ卿へと視線を向ける。
「それだけでは難しいでしょうな。それに、本当の英雄は違う意味で死にました。さらに彼女らは悪魔にはほぼ無敵ですが、対人間では無敵とは言えません」
ドゥーゼ卿もまた、股ぐらに女を座させながらグレンデルと向かい合い、救援を求めてきた帝国について説明をする。
その姿は以前と比べると若々しさを取り戻しており、精気を吸った精力に満ちた姿はこのくに、ドルガルドンの成り立ちをも示していた。
「なるほど」
「しかもアンティオキア公国もバカではない。アンティオキア公国も英雄がいます。しかも強いうえに頭も回る男…オニールがおります。」
納得したような言葉を吐き、更に帝国の内部情勢や軍事力についてを説明するドゥーゼ卿へとグレンデルは会話の中で出てくる人物への興味を示す。
「ほう…俺よりも強いか?」
「剣技では五分です。しかし筋力や体力、魔法が効かない肉体など総合的にはグレンデル殿が圧倒的です。でも彼の強さは個の強さではなく軍略や戦局の読み、さらに勝つためなら一騎打ちの約束も平気で破り、集団で襲いますし、正々堂々など鼻から思っておりません。さらに約束を破ったことで不名誉になるのを防ぐために見届け人も殺すようです」
これから相対すことになるであろう人物の評価に、グレンデルは寧ろその徹底した卑劣さに好感すら持ったようでにたりと笑みを深めた。
「ほう、そちらに肩入れしたくなるな」
「炎の千人切りが勝てないのはそこです。勝つためには何でもする性格に苦戦しているようです」
「炎の千人切り・シュナイダーか」
しかし、グレンデルの興味はすぐに別の者にうつった。
件の夜明けの五姫星の一角、燃えるような赤髪に屈強な肉体を持った元傭兵の女戦士、炎の千人斬り。
「それにしてもあの大悪魔ブロッケンフリューデを倒し、覚めない夢から起きるとは」
「…ということは夢の中の調教は無駄で、肉体は元に戻っているということか?」
シュナイダーの噂はその戦力だけではなく、彼女の経験してきた戦のこともグレンデルやドゥーゼ卿には周知のことであった。
夢の中で延々と性的な調教を加えられ、乳狂いにされたという噂も知ってのことだった。
グレンデルの興味はその身体や、彼女の身に起きたことも含めてのことで笑みが性的な期待にも歪む。
「正確には少し違いますが、概ねその認識で正しいです。しかし脳は違います、脳は全部覚えています。記憶には刻み込まれていますね。その苦悩も関係あるのか、向こうの英雄よりも力は上であるはずなのに勝てていません」
「なるほどな…」
英雄と呼ばれるにふさわしいのは何も力だけではない、真っ直ぐすぎるほどの精神もまた彼女の美徳であり、そしてオニールに勝つことのできない理由で弱点でもあるということに得心する。
「それに何より、いい牝だ…」
水晶を見つめながら、グレンデルはシュナイダーの容姿を舐め回すように見つめ舌なめずりをして品定めをする。
「ガタイもおっぱいもデカいしな…それに覚めない夢から起きるとは興味が尽きない」
グレンデルは、戦への興味よりも寧ろ今回救援を要請してきた帝国の中にいる一人の牝に対して強い好奇心を向けていた。
寧ろ、彼女がいなければ帝国の救援要請を断って、攻め込んでやろうとでも言うかの言うような笑みを浮かべる。
「そうですね。大柄な女ですし、グレンデル殿にピッタリの牝かと」
そう言うと、ドゥーゼ卿はグレンデルへ一つの道具を手渡す。
「これは?」
「身体変化の魔導具です。これを使えば、透明のヒマワリのような花の触手が出てきて、それが胸を覆い、愛撫し…使えば使うほど、胸の感度、大きさが上がっていきます」
「ほう…面白そうだな」
ドゥーゼの手渡した魔道具に、新たなおもちゃでも手にしたかのように愉快そうに笑みを浮かべるグレンデル。
「さて、そろそろ外してやるか」
股ぐらの上で、計略の話をしているというのに腰を振っている女の口についた猿轡と目隠しを外してやる。
「あっぁおあおああああーーーーっ!!!イグっ!いぐぅうううーーーっ!!!」
目隠しと猿轡をされると、声が出せなかった分を吐き出すように、室内に艶声が響き渡る。
ドゥーゼ卿もそれに習い、股ぐらの上で腰を振りたくる牝の顔を覆っていたものを外した。
「あおおおぉぉぉーーーーっ!!あおっ!イグイグ!イッグウゥーーーっ!」
二人は今後の計略を話している最中、お飾りのドルガルドンの象徴の二人の牝、テレーズとエロイーズを野太く勃起したペニスで突き上げ犯し楽しんでいたのだ。
テレーズとエロイーズも、それを当たり前のように受け入れ嬉しそうな笑みを浮かべ舌を突き出し牝獣の咆哮をあげ、ペニスを美味しそうに膣で貪りしゃぶってみっともなく肉付きのいい尻をたぱんたぱん、と振りたくり叩きつけて楽しんでいる。
腰を突き上げ、牝肉を味わいながら最高の戦士にして最高の女をどう堕としてやろうかとグレンデルの計略が始まろうとしていた。
明らかに今回のアンティオキア公国はいつもと攻めの体制が違った。
いつもの戦場での動きと違い、大胆な攻めをして来ず良く言えば慎重だがどこか決定打に欠けて二の足を踏んでいるようだった。
帝国側としてはありがたいことではあるが、罠の可能性を考えれば迂闊に攻め込むわけにもいかず様子見のし合いをしているような膠着状態。
そんな中でも、自分の長年の勘に基づき単騎がけで攻め込むのは件の夜明けの五姫星、炎の千人切りの異名で呼ばれるシュナイダーだった。
紅蓮の髪を靡かせ、屈強で靭やかな褐色の肉体を肉食獣のように走らせていく。
後方支援は仲間たちに任せ、単独で次々と攻めあぐねているアンティオキアの兵士たちをなぎ倒していく。
嵐のような攻めをしながらも、それでもシュナイダーも一人の人間。
動けば体力を消費し、段々と肉体も疲弊してだんだんと動きも思考も鈍りを覚え始めてきた。
「くっ…!流石に一人じゃここらが潮時か…!」
単騎で攻め入るようなことをしていても、功に焦る新兵とは違う長年の経験は引き際を冷静に見極めさせ、一度退却を考えたところで逆にアンティオキア側が陣を退き始めていた。
「何だ…?急に引き上げ始めやがった」
何かを警戒したような動きで、引き下がっていく動きにシュナイダーが目を向けると丘の上に突然大量の旗が現れる。
そして、姿を見せたのは大量の魔獣と兵士たちだった。
屈強な兵士たちは陣形を組み、一気にアンティオキア軍を押し込む。
「くっ!こいつらがドルガルドンの軍勢!なんて強さだ…!」
アンティオキアは突然現れた帝国の友軍の強大さ、力強さに為す術なく押し返されて一気に退却せざるを得なかった。
「あれが、あたしたちの救援を頼んだ連中か…。」
魔獣の混成軍は異形その物であったが、何よりもよりもアンティオキア軍を蹂躙するような強さに、シュナイダーは目を奪われていた。
中でも、その戦闘でまるで虫けらでも蹴散らすかのような圧倒的な力で敵兵たちを吹き飛ばしていくグレンデルの強さにシュナイダーは目を離せないでいた。
その屈強かつ強大な肉体から振るわれる剣戟はまるで嵐のように暴風を巻き起こし、アンティオキア軍を軽々と蹴散らしていった。
「くっ!退け!退けー!」
グレンデル率いる魔獣軍の強力な軍勢に、思わずアンティオキア軍は一気に退却して波が引くようにして去って行った。
「大丈夫か?」
グレンデルはアンティオキア軍の退却を追うことはせず、友軍である単騎駆けしていたシュナイダーの元へと向かい、手を差し出して助け起こす。
「あぁ…助かった。」
手を取るとシュナイダーはそれだけで目の前の男の実力を推し量る。
無骨で、女にしては大きな手を持つ自分よりも遥かに大きな手は彼の持つ巨大な剣を軽々と振り回すことに説得力のある強大な力を感じる。
間違いなく強い、人間性はともかく技巧や剣士としての実力を認めているアンティオキア公国の英雄、オニールよりも。
シュナイダーは、目の前のまるで巨岩を思わせるような体躯を持つ友軍を率いる男の力を認め、自分に足りないものを持っているのは彼なのかもしれないと思い始めていた。
オニールに、そしてアンティオキアに勝つには目の前の男から学ぶ事がある。
シュナイダーは自分を助け起こすその手に、その力に強い興味を持っていた。
それがグレンデルの狙いとも知らずに。
ドルガルドンの魔獣混成軍の援軍によって、アンティオキア軍の前線を大きく退けることに成功するとシュナイダーは彼らと共に一旦拠点へと戻ってきていた。
そんな中、シュナイダーはグレンデルにある申し出をしにきた。
「なあ、頼む。あたしの修行相手になってくれないか?」
シュナイダーが目の当たりにした強さ、それはドルガルドンという国の武力ではなくそれを統率する男一人の圧倒的な力量だった。
剣技の技量の高さ、それを十二分に振るうための強靭な肉体。
女の身でありながら、男相手にでさえ決して負ける事のない強者たるシュナイダーは男性を含めても自分より強い男などそうそう巡り合ったことなどない。
グレンデルは、そんな自分にとって初めて出会った明確な自分よりも格上の存在。
「面倒をかけちまうから報酬も勿論払う、あたしが今以上に高みに登るためにはアンタの強さが必要なんだ、頼む。」
シュナイダーはグレンデルの前に立つと深々と頭を下げた。
「見上げた女だな、そこまで強さを求めるか。」
グレンデルはニヤリと笑みを浮かべると、相手の強さを求める気持ちを認めるような言葉を口にする。
「いいだろう、ただし報酬は俺の求める物以外認めんぞ。」
「ああ、なんでも言ってくれ。あたしに用意出来るもんならなんでもいい。」
グレンデルの快諾の言葉に顔をあげるシュナイダーは、国の立場もあって自由に動かす事のできる財源もかなり余裕があった。
しかし、グレンデルの求める報酬は彼女の考えている物とはまるで性質の違う物だった。
「では、修行の期間中は修行後に必ずセックスさせろ、それが報酬だ。」
自分の女としての体を要求する言葉にシュナイダーは一瞬あっけに取られるが、すぐにその意味を理解して顔を真っ赤にした。
「な、何言ってやがる…!」
ある程度の高額な金品程度だと思っていたが、自分の体に性的な興味を向けられると知って羞恥に熱が上がり、肌が上気する。
途端に、グレンデルの自分の胸や股間、太ももに注がれる視線に羞恥を覚え体を無意識に腕で隠し、内腿をすり合わせてしまう。
「金には困っていないのでな、それよりもお前に興味がある。お前とヤりたい、それが俺の求める報酬だ。」
ムードもかけらもない、しかし男らしくストレートな性的な要求にシュナイダーは恥ずかしさを増してより顔を赤くしてしまう。
普段ならふざけるなと罵倒して切り捨てるように断っていたところだが、助けてもらった恩もあるため無碍にすることはできなかった。
しかも、その相手は初めて出会った自分よりも剣技でも力でも武力でも勝る男だ。
こんな男、そうそう出会う事など出来ないであろうしこのチャンスを逃せば自分をより高みに登らせてくれるような力を持った男とは出会えないどころか、そもそも存在すらしていないかもしれない。
絶対に彼との稽古は望むところ、特に今の帝国はアンティオキア公国という敵と自らも絶対に勝つとは言えないオニールという英雄が敵対する状況。
戦線が長引けば相手も手段を選ばなくなって来るであろうし、複数人での包囲攻撃や夜襲不意打ちなど、卑怯な手段を取って来ることも予想できた。
そうなれば、被害は自分や自軍だけでなく町や民を襲うかもしれない。
そう考えると、強さの近道を象徴するグレンデルへの申し出を棄却してしまうわけにはいかなかった。
そして何より、目の前の身の丈は見上げるほどで屈強な肉体を持つ男から性的な感心を向けられているということに決して嫌悪感は感じていなかった。
逞しく隆起した胸板に筋骨隆々とした腕、素手で戦っても並の男など容易に蹴散らしてしまうであろう事が想像に難くない強さ。
そんな強い雄にセックスを求められた事で、無意識に頭の中でグレンデルとのセックスを想像してしまった。
獣のような腕で自分がいくら抵抗しようともビクともせずに抱きしめ拘束し、雄臭い獣臭を撒き散らしながら力強いピストンで自分の膣をかき混ぜるのだろうと想像すると余計に顔が真っ赤になってしまい、思わず顔を振って熱を払い、冷静さを取り戻す。
夢の中の以前の調教のせいで、肉の快感に以前は精神が引きずられてしまい快楽へと溺れていたが今はその逆の状況だった。
犯され、蹂躙された記憶に刻まれた経験と調教による快楽を思い出すことで精神に体が引きずられていくのを感じてしまう。
しかし、とは言え体を簡単に許してしまうのは…と考えると快活で男勝りでありながらも、意外と乙女な思考を持ったシュナイダーは貞操観念が強く、強さを求めるためとは言え簡単にその申し出を受け入れる事が出来なかった。
どうしても目の前のこの男に、その強さに近づきたい。
グレンデルに稽古をつけてもらえれば、間違いなく今よりも自分は確実に強くなることが出来ると確信していた。
そして、無意識に眼の前の男を見てシュナイダーは算段を立てていた。
女の身でありながらも長身な自分をゆうに超える身の丈、鍛え上げられた肉体ならば自分の体さえも軽々と持ち上げてセックスをするんだろう。
しかも、報酬として女の体を求めるということは間違いなくセックスのテクニックにも自信があるに違いない。
強さを手に入れられるだけでなく、毎晩とんでもない快楽を与えてくれるかもしれないと無意識に計算してしまっていたのだ。
以前なら稽古をつけてもらう代わりに体を許すなど唾棄するようなことだというのに。
脱却し、乗り越えたとは言え調教の影響は確実に脳に刻まれておりその欲求と刻印がグレンデルとのセックスを想像するだけでムズムズと快楽への誘惑が沸き起こる。
(これは、強くなるため…剣を極めるため…)
そんな言い訳をしながら、ぐらぐらと意識が傾きそうになっていた。
「な、なんとか金や財宝で勘弁しちゃくれないか?流石に体ってのはよ…礼はあくまで金だけだ」
「なら、この話は無しだな。」
シュナイダーは、ゆらぎそうになるのを必死に踏みとどまって丁重に断るが、グレンデルはその申し出をあっさりと蹴ってその場を去ってしまっていった。
それ以降、ドルガルドン軍は積極的に戦線に参加し拮抗していたアンティオキア軍との力を大きく押し戻していく。
グレンデルは勇猛果敢に敵陣へ攻め込み、数日ごとにどんどん領土を取り戻していくことに成功した。
シュナイダーはそれを傍らで見ており、日々沸き起こるある考えに傾倒していく。
そしてある日、真っ赤な炎のような髪を隠すようにフードを被った人物がグレンデルの屋敷へと入っていった。
「あ、後は…」
グレンデルの屋敷を訪れたのはシュナイダーだった。
人目を避け、誰にも見つからないようにしたフードを外して姿を表すと先日の要求を条件づけで飲むということを申し入れに来たのだ。
シュナイダーは、セックスを報酬として受け入れる代わりに膣出しはしない、セックスの時間は必ず決めて守る、自分の拒否するようなことはしない、そして剣の修行は真面目にやることなど細かく条件を出していたのだ。
(こんなことを求めるだなんてな…)
シュナイダーはあの日、グレンデルの要求を拒んでからという物の毎日のように過去の調教の淫夢を見るようになっていたのだ。
変化させられた肉体は所詮夢の中の物で、現在は正常に戻っているとは言え精神ばかりはそうは行かない。
記憶の中に激しく焼け付くほどの快楽の調教と堕落した快楽の刻印は脳髄にまでしみついており、夢の中で淫夢として再現されることで肉体をそこへ引きずり戻すようにして己の心を削っていた。
シュナイダーは、そんな記憶と過去を振り払うために最高の剣士になるという己の夢を叶えるために修行の旅に出ていたが、戦のために仲間たちの元へと戻ってきた。
グレンデルからの誘いを断り、深夜に焚き火をしながら野営をしていると眠ることが出来ないことに体を抱きしめ、必死に堪えるように体を震わせていた。
夜になると、その闇のせいかそれともグレンデルという圧倒的な存在感を放つ雄を目の当たりにしたからか、調教を受けていた時の屈辱とそして快感を思い出してしまっていたのだ。
特に、自分の弱点でありそれを見抜いた相手に執拗に調教され続けていた胸が疼いてしかたなく甘いしびれが切なく体を刺激し、誘惑するようであった。
快感の影で、まるでこちらをあざ笑うかのように脳裏によぎるのは己を夢の中で延々と調教陵辱し続けたあの男の顔、そして自分の体をまさぐり、ねぶり、犯しつくした触手の姿。
それをまた振り払うようにして頭を振るが、思い出さないようにと意識すればするほどにあの甘美な快感がより記憶に蘇り、無意識に手が自分の胸や股間に這おうとする。
そして、またフッと我にかえっては手を止めてを繰り返し、葛藤しながらも無理やり眠ってしまおうとその場で強引に体を横たえる。
『お前はあの快楽を忘れられない…どんなに強がってもお前はただの牝、ただの乳奴隷だ…』
まるで、そんな姿に語りかけるかのような死んだはずのあの悪魔の声が聞こえてきて、幻聴だとわかっているのにシュナイダーは自分を守るかのように言葉を弱々しくはねつける。
「あたしは……そんな女じゃない」
呟くような声を漏らし、ゆっくりと目を閉じ、体が疲労から眠気を誘いゆっくりと夢の中へと落ちていく。
しかし、そこにシュナイダーの求める安息はなかった。
『あーっ!!あーっ!あーっ!あーっ!!』
眠っているはずの自分が意識を取り戻すと、そこではあの日の大悪魔ブロッケンフリューデによる触手責めされる光景がリフレインされる。
舌を突き出しだらしなく牝叫をあげ、乳首をみっともなくビンビンに勃起させてしまいながら触れられる前から膣をぐしょぐしょに濡らしてまるで失禁したように股の下を水浸しにしてしまう。
どれだけ強がっていても、夢の中で触手が一番弱く一番いじられるのが好きなボリュームのある乳房を触れて攻められるだけで狂わされ、乳アクメ地獄に堕ちていく。
その夢は、彼女の記憶ではなく実はグレンデルの手によって協力しているドゥーゼの魔術によるものではあるが、シュナイダーがそれに気づくはずもない。
眠るたび、淫夢を見てしまうのは自分が無意識下でそれを求めているのではないか、そんな勘違いすらしてしまいそうであった。
寝ても覚めても安息の場はなく、常に快楽の誘惑にさらされ続けるシュナイダーは如何に強靭な精神を持っていたとしても日に日に弱ってしまっていた。
そんなシュナイダーを尻目に、グレンデルの快進撃は破竹の勢いで進んでいきシュナイダーの弱っていく精神とは対象的に次々と帝国の領地を取り戻していった。
アンティオキア軍によって征服されていた領地が戻って来るたびに、国民たちは喜び共に戦う帝国軍もグレンデルを始め、ドルガルドンを尊敬と畏怖の眼差しで見るようになっていく。
そして、そんな圧倒的な力を振るうグレンデルの活躍を間近で見ていたシュナイダーは更に眼の前の男への強さに、力に憧れを抱くようになっていた。
自分も近づきたい、この男の傍らにいきたい。
かつて描いた世界最高の剣士の夢、その理想をまさに体現していると言ってもいいのがグレンデルの何者をも寄せ付けない、王者たる強さ。
自分の理想がここにある、とシュナイダーはグレンデルの戦いを見るたびに思い始める。
そして、それに加えて収まることのない毎夜の淫夢により体の疼きはどんどん強くなっていく。
特に、最も弱い肉感的な乳房は一日ごとにどんどんハリが出てきて、まるで自分をもっとかまって欲しいと訴えるようになっていた。
しかし、過去の記憶による誘惑に従って自慰をしてしまえばそれは過去の自分に敗北したことにほかならない、とシュナイダーは考えていた。
ギリギリの一線で常に踏みとどまり、無意識に手を伸ばそうとする自慰の手を止めては快楽への欲求が余計に高まっていき、また自慰をしそうになっては止める。
そんな毎日の繰り返しは、精神を徐々に蝕んでいく。
過去には勿論、今の自分にだって負けたくない、気丈で負けず嫌いなシュナイダーは揺れる精神の合間で今の自分に足りない強さ、それを持っているグレンデルを求める事を決意してしまうのだった。
「あ、後は……。」
そんな決意を持って屋敷を訪れたシュナイダーも、グレンデルを前にすると我慢していた快楽への誘いが一気に吹き出すような想いであった。
あくまでもこれは修行を受け、目の前の男の強さを自分の物とするための犠牲であり報酬である、それを言い聞かせるかのように細かい条件を幾つも挙げていくシュナイダーであったが、だんだんとそれも尽きてきたのかそれ以上言葉が続かず口をつぐんでしまう。
これだけ細かい条件をつければ、いくらグレンデルでも断って折衷案に彼を満足させるような条件を出してくるかもしれない。
だから断ってほしい、そうすればこの快楽への誘惑に打ち勝てるはず。
シュナイダーの心の底には、そんな願望とも言えるような算段があった。
しかし、裏を返せば今の条件をグレンデルが全て飲んでさえしまえば自分は目の前の男に抱かれることになってしまう。
自分よりも遥かに強く、自分が思い描いていた理想の体現者である男に。
屈強で、長身な自分ですら見上げるほどの逞しい体躯を持つ男に抱かれてしまうのだ。
これ以上、もし条件を言わなければ…そう思うと何か言わなければ、と思うのだが口から続く言葉が出てこない。
無言になってしまうシュナイダーを見ると、グレンデルもまた無言で彼女に近づいてきて見下ろし間近で見つめてくる。
並の男であれば、自分は大柄で可愛げの無い逞しい女であるはずなのにグレンデルを前にしてしまえば、小柄でか弱い乙女でしかない。
体を比較することで自分が牝であることをついつい自覚してしまいそうになる。
真っ直ぐに見つめてくる力強い視線に、シュナイダーはつい視線をそらしてしまった。
「条件はそれで全てだな?」
「……あ…」
シュナイダーがそれ以上言葉を紡ぐことがないのに、グレンデルはニヤリと笑みを浮かべて触れ合いそうな距離で見下ろしながら確認するように尋ねると、弱々しい声が漏れる。
何か付け足さなければ、他になにか無いだろうか。
必死に考えるが、もうシュナイダーの頭には何も浮かんでこない。
何より、もう避けることが出来ない眼の前の男とのセックスを想像してしまうと牝としての本能が彼女の思考を停止させてしまっていた。
張っていた乳房は更にボリュームを増し、気を抜いてしまえば一気に膣から愛液が吹き出してしまいそうな未知の快楽への期待、シュナイダーの意識を支配しているのはもうそれだけだった。
頷く事も、肯定の言葉を返すこともしないがグレンデルは笑みを深める。
「否定しないならば肯定と受け取るぞ。」
その言葉に、シュナイダーは思わず胸を期待に疼かせてしまう。
最高の剣士になる夢へと大きく近づくことが出来る、という彼女の目的を達成出来る期待、そして…眼の前の男とセックスをする期待。
シュナイダーは、己の本分と本能の欲求が同時に満たされることにそれを喜んでいいのか、それとも受け入れがたいと言い跳ねればいいのかわからなくなってしまっていた。
しかし、そんなシュナイダーの心が落ち着くのを待つことなくグレンデルは目の前で腰巻きを外す。
シュナイダーの目の前に、すでにガチガチに勃起して反り返り、天井へとそそり立つ巨大なペニスを見せつけたのだ。
「あ…♥」
卑猥な調教を夢の中で受けてきたシュナイダーでも見たことがない、あまりにも巨大すぎる人間の規格を遥かに超えたそれが目の前に晒された瞬間、シュナイダーの口から漏れ出た声は怯えでも、恐怖でも、嫌悪でもない。
牝が、優秀な雄を見つけたときに出すような甘い悦びの声だった。
顕になった巨大なペニスからは、濃厚な汗と精子の混じった雄の香りを強烈に漂わせシュナイダーは頭がクラクラするような性臭に意識を朦朧とさせてしまう。
こんな巨大なペニスが今から、容赦なく毎日のように犯すのだ。
ドキドキ、と胸を高鳴らせ乳首が服の下で勃起してしまうことを感じながら目の前のペニスから目を離すことが出来ずにいると、グレンデルは仁王立ちで腕を組みペニスを見せつけながら腰を前後に軽く振ってペニスを揺すって見せる。
ブルンブルンッと、芯の通ったペニスが揺れるのを見るとシュナイダーは心の中で甘い吐息を漏らす。
(…なんて、男らしいんだよ…絶対強ぇ…)
男らしく、強いペニス。
それは、自分が剣士として憧れた最強の男にふさわしいペニスで、持っていてほしいと無自覚に考えていたペニスよりも遥かに理想の形だった。
「契約の証に俺のチンポにキスをしろ。」
グレンデルは、自分のペニスにシュナイダーの意識が集中しているのを見透かしたかのようにニヤリと笑みを浮かべると、修行に付き合う代わりに先程シュナイダーが出した条件を全て飲み、そして修行中はセックスをし続ける。
そんな、契約を完了させるために儀式として牝が雄に隷属する証、本来ならば屈辱的な行為でしかないそれを自らするように命じた。
ペニスへのキス、それは牝が雄の強さに屈服し、自分はあなたに敵わない。
だから、ペニスへも大事な唇を捧げるという卑猥で牝の尊厳を完全に無視したような儀式。
シュナイダーも、本来の自分であれば絶対に拒否したであろうことは想像にかたくはないが、最早体の疼きが限界に達し、想像していたよりも更に強者たる存在感を示すようなペニスを見せつけられて正常な判断を下せずにいた。
「…わかった、契約だ…。」
シュナイダーはひざまずくと、ペニスに顔を近づけていく。
(ああ、ダメだ…キスしちまったら本当に…。)
顔を近づけると、その巨大なペニスはビクンビクンと脈を打ち濃厚でむせ返るような雄臭をムンムンと漂わせているのを感じる。
少しずつ顔を近づけるだけでも、雄の匂いが濃くなっていくのにゴクンと生唾を飲み干した。
(……これは、剣を極めるためだ…)
「んっ…ちゅ…。」
ゆっくりとグレンデルのペニスに手を添え、カリの高い傘の張った巨大な亀頭へと唇をねっとり吸い付かせてしまう。
「修行期間中は、あんたとセックスし続ける…。」
ペニスへの口づけ、そして体を許しセックスを認める誓いの言葉を口にしてしまうと頭の中でなにかが弾けた気がした。
しかし、それが何なのかは今のシュナイダーの想像することのできないところ。
だが、グレンデルはすでに確信していた。
この瞬間、シュナイダーはもう決して後戻りすることができないところに足を突っ込んでしまった。
もう、目の前の牝が自分の牝になるということは変えることの出来ない運命だと
これはbc8c3zがあらすじ・設定を作り、それを烏丸飛鳥先生に書いてもらった綾守竜樹先生の白の烙印と鈴木忍先生のトランスプリンセスのクロスオーバー作品です。
感想があれば励みになりますのでお書きください。
またアンケートだけでもいただけたら今後の参考になりますので入れてください。
綾守竜樹ファンサイトも作りましたのでそちらもご覧いただければ幸いです。
https://ben1986.sakura.ne.jp/ben1986.sakura.ne.jp/
よろしくお願いします。