※この作品はR-18です。

5P erosuna4   作:夜叉五郎

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タイトルに偽りあり。エロなし。
中島君も出ますけど虚無(みつお)その1になります。


第11章 塔

<VELVET ROOM 2011年7月10日SUN 曇/晴 --:-->

 

「や、やっと戻られましたのね、主」

 

ボンテージ姿で目隠ししたマーガレットがベッドの天蓋から伸びた鎖に繋がれている。

 

「厳しい孤独の時間を乗り越え、新たな快感が私の中で芽生えつつあります」

 

拘束された格好で突き出されたままの尻は、引き締まっていて叩き甲斐がありそうだ。

 

「放置プレイ。このプレイもきっと主のお情けなのでしょう」

 

ベッドの上には鞭とロウソクが準備されており、これから起こる被虐の快感にマーガレットの女陰は見事に濡れていた。

 

「SM。ソフトなプレイは女の欲求を満たす愉悦となりえますが、過剰にハードにされると、刺しますわよ。あっ痛っダメっ」

 

小生意気なマーガレットを完全に屈服させるべく、鞭の音が鳴り響いた。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 9:00>

 

本当に唐突ではあるが、俺たちのクラスの担任、モロキンこと諸岡金四郎氏が死んだ。

この日の早朝、マンション屋上の給水塔の柵に吊るされているモロキンの死体が発見されたのだ。

 

この事件はTV各社で字幕速報までされ、朝から八十稲羽市は大騒ぎになっている。

三ヶ月前に発見された山野アナと同じように、空に近い場所にモロキンの死体が吊るされていた。

そのためマスコミは連続逆さ吊り殺人事件と騒ぎ立て始めている。

 

モロキンが日本代表の次期エースと目される一条の属するバスケ部の顧問だったことも、ニュースバリューを上げる一因となっていた。

一条も大変なことになるだろうな。

 

警察に対する風当たりも厳しい。

山野アナを殺した猟奇殺人犯を警察が野放しにしているために、また事件が起きてしまったという論調である。

だが俺から見るとどうにも腑に落ちない点がいくつもあった。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 13:00>

 

雪子と千枝と共に天城屋旅館のバイトを昼で上がり、りせと合流して四人で愛屋で昼食を取る。

りせは初めての愛屋来訪のためメニューを知らない。

千枝の強烈な推薦もあり、また同じ料理なら出てくるのも早いだろうと四人とも肉丼を注文する。

 

配膳されるまでの間、モロキン殺害の一件について意見を交わす。

 

「狙われるのは女の人だけじゃなかったの?それにTVにも出てないよね。モロキン」

 

「マヨナカテレビも最近は全然放送されてないよね」

 

千枝と雪子の言うとおりだ。

モロキンの死に方はこれまでの被害者とは一線を画している。

 

山野アナと何らかの関係がある、とは思えない。

TVで報道されてた人、ではない。

若くて綺麗な女性、ではない。

マヨナカテレビに出演、してない。

 

唯一の共通点はこの街の住人という点だけ。

 

「男の人でもいいなら結構前からTVに出まくってる一条くんが無事なのは何でよっ。もうとっくの昔に超有名人になってんじゃん。うー、わっかんないっ」

 

頭を抱えている千枝。

 

「いろいろヒントを掴んでたような気がしてたけど結局全部ハズレだったのかな。やっぱり無理なのかな。私達で犯人捕まえるなんて」

 

雪子が憂いた顔でつぶやく。

 

「何言ってるの!そもそも犯人探しは私達の大好きな悠先輩が始めたことなんでしょ!恋人の私たちが腰砕けになったらそれこそ恋人失格だよ!それでいいの!?」

 

りせ・・・。

 

「ちょ」

 

<ドンッ>

 

口を開こうとした瞬間、目の前に例のスペシャル肉丼が突然置かれる。

 

「・・・あいかちゃん、こんなの頼んでないよ」

 

「サービス。ほんとは雨の日にしか出さないスペシャルメニューだけど」

 

厨房を見るとおやじさんが2杯目に取り掛かろうとしていた。

まさか全員の肉丼がスペシャル肉丼にチェンジ・・・だと!?

 

「えーと、タダってことでいいんだよね」

 

「ううん。一人三千円」

 

「断る!」

 

頼んでない高額商品、しかも食べきれない量のものを黙って配膳。

そして金を取るのか?

なんてひどい店だ・・・。

 

この店、贔屓にするのはやめた方がいいかもしれんな。

最近は顔を合わせる都度、あいかちゃんにフェラされてしまっている気がするし!

 

というかこの娘、俺が困ったときやピンチのときには何故か必ず颯爽と現れるんだよな。

ある意味凄いスキル持ちだ。

 

今日もバイトの休憩中にミニバスケコート近くの自販機であいかちゃんと遭遇していた。

"リボンシトロン"を買おうとしたら小銭が無くて困っていたところだった。

それで俺はたった百円のために外でマーラ様を晒すはめになる。

 

俺のペルソナ液には百円の価値しかないのかっ!

あいかちゃんのお口に盛大に射出しつつ、心の中で密かに慟哭してしまっていた。

 

そんなこともあって今日はやたら好戦的な気分である。

断固としてこの無法に抗議。

小皿を用意してもらって四人で一つのスペシャル肉丼を分けることにする。

 

「ちぇっ。冷めないうちにどぞー」

 

「「「「・・・頂きます」」」」

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 13:30>

 

三ヶ月振りのスペシャル肉丼である。

やはりニクニクアブラアブラニクコメニクと量が半端ない。

 

「これすっごい量。私もう無理。悠先輩お願いー。私の分も食べて」

 

「私もあんまりお腹すいてないの。千枝、お願いしていいかな。ごめんね」

 

もともと小食なりせと雪子は普通の一人前でも食べきれないだろう。

結局やはり肉丼大好きの千枝と俺が丼の中の肉と米の大部分を消費することになる。

 

だがわずかな助勢と言えどもりせと雪子が手伝ってくれたのは大きかった。

ご飯が見えてくるタイミング、丼の底に箸が辿り着くまでにかかった時間は、千枝と二人で頑張った刻とは比べものにならないほど速い。

一人では手強いスペシャル肉丼も皆でかかれば怖くない。

 

「こうやって皆で助け合えば、どんな難関でも突破することができる」

 

三人の愛しい女の子たちに訴えかける。

 

「うん、そうだよね。助け合えばいつかは答えにたどり着けるよね」

 

「うん、いつかきっと」

 

「うん、先輩!」

 

感ずるものがあったのだろう。

三人とも熱い目で応えてくれた。

俺の言いたいことを理解してくれたらしい。

 

「じゃあ今日はその難関だった雪子のアナルバージンを貰うんで。皆で協力して最高の夜にしよう」

 

「えええ、いつの間にかそっちの話!?」

 

「ポッ(赤)」

 

「えー、雪子先輩いいなー」

 

すでに千枝のアナルバージンは俺のマーラ様によって散らされている。

なかなかに甘美なアナルセックスであった。

次は雪子の番である。

 

ミミズ千匹・数の子天井な前の穴名器と違って雪子のアナルは実に慎ましやかだ。

千枝よりも拡張に時間がかかっていた。

昨日確認したらやっといい具合にほぐれていたのでもう大丈夫だろう。

 

ちなみにりせのアナルは現在絶賛拡張中である。

かなり柔軟なアナルをしているらしく、千枝のときよりも時間がかからなさそうだった。

すでに彼女はTVの中でのアナルセックスで絶頂を散々経験している。

そのことが現実のアナルに影響しているのかもしれない。

 

さてJUNESの薬局に浣腸液買いに行かないと。

米粒一つまで残らず食し、丼を綺麗にして席を立つ。

 

スペシャル肉丼一杯三千円。

四人で割れば一人辺り七百五十円。

コストパフォーマンスは良い、かもしんない。

 

「得るものが大きい戦いだった」

 

主にカロリー的な意味で。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 14:00>

 

JUNESに移動する。

買い物しながら会話をしていると自然とまたモロキンの件の話になる。

 

「ひょっとしてもうTVの世界で殺せないってわかったから、現実の世界で殺したのかな」

 

「それあるかも。悠、続けて三人も助けているんだし」

 

雪子の意見に千枝が賛同する。

確かに考えられる話だ。

だが・・・。

 

「どちらかと言うと模倣犯の線が強いんじゃないかな」

 

「模倣犯?」

 

「マネしたってこと?」

 

モロキンは教師以前に人として終わっていた。

指導が苛烈すぎて生徒との摩擦も絶えなかった。

噂では彼と合わなさ過ぎたせいで、ノイローゼで転校していった生徒までいたらしい。

 

「モロキンに恨みを持っていた人間が一件目の殺人に真似て彼を殺す。そしてその罪を最初の犯人に擦り付けようとしてる・・・ということも考えられる」

 

「なるほどー」

 

「うん。そう考えれば、TVの報道やマヨナカテレビに映ってないのに殺されたってことも説明が付くわ」

 

模倣犯だとしたら現場の遺留品やら指紋やらから足がつくはず。

完全に警察の領分でケリがつく話だ。

今回の事件に関しては当分様子見かな。

 

「悠せんぱーい!こっちー」

 

ん?

先程から姿が見えなくなっていたりせが俺を呼んでる。

なんだろう?

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 14:30>

 

「ううううう、堪らないー。すっごいツボに入ってるー」

 

りせがマッサージチェアで寛いでた。

 

「何やってんだ、りせ・・・」

 

「んんんんん、先輩も座ってみて。凄く気持ちいいのこれー」

 

あまりこういう器具を使ったことがなかったらしい。

最新型のマッサージチェアの性能の良さに驚いている。

 

「うちに一台買っちゃおっかなー。先輩のマンションにも一台置こうよ!」

 

最近のりせは普段の生活でも素の自分をさらけ出すようになっていた。

とても良い傾向だとは思うんだけど・・・。

 

やはり周りがついこの間までトップアイドルだったりせを放っておくわけもなく。

 

「"りせちー"だってよ!」

「うそっ"生りせちー"初めて見た!」

「写真撮っていいのかなー」

 

あっという間に周囲に人だかりが出来始める。

店の社員や売り子まで集まってきてるし。

みんなマッサージチェアで喘ぐりせの姿に見蕩れてた。

 

って、花村じゃないか!?

人だかりの中にエプロン着てバイト中のはずの花村の姿があった。

りせの側を離れて花村に近づく。

 

「バイト中に何やってるんだ花村。この人だかり、迷惑だから何とかしてくれ」

 

「おっ鳴上じゃん!すげーぞ、本当に"りせちー"だ!可愛すぎるだろ!」

 

どうやら"りせちー"しか目に入ってないようだ。

・・・小西先輩に言いつけようかな。

 

「り、りせちゃん、行こう!」

 

「ほら、みんな集まって来てるでしょ。迷惑だってば!」

 

「えー」

 

雪子と千枝がマッサージチェアからりせを引き剥がす。

りせは渋々二人に従い、タッタッタッとこちらに寄ってきた。

結果としてりせと花村の距離は一気に縮まり、花村が雄叫びをあげる。

 

「うおおおおおっ」

 

「あのー、こちらの方は?」

 

「・・・ああ、花村陽介。通称ジュネス王子。俺たちのクラスメイトだ」

 

仕方がない。

りせに花村のことを紹介する。

 

「えっ、な、何っ?お前らもう知り合い?ずっりぃー」

 

「ああ、いろいろあってな」

 

「へー先輩たちのお友達なんだ。じゃ〜あ〜。はじめまして!久慈川りせです!」

 

営業用のスマイル全開で挨拶するりせ。

さすがスーパーアイドル。

破壊力抜群な笑顔だった。

 

「ヤバッ可愛いぃ!今やっと実感したぜ!確かに本物の"りせちー"だっ!」

 

・・・まあ浮足立つ花村を責められないな。

今のりせはアイドルだった頃よりも男を誘う色香がより濃厚になっている。

大抵の男なら一発で虜になってしまうだろう。

 

「明日から私も先輩たちと同じ八十神高校に通うことになりました。よろしくね、花村先輩!」

 

「"りせちー"と同じ学校!キタぜっ!俺のバラ色青春時代!」

 

んー、まあいっか。

すっごい怖い笑みを浮かべた小西先輩が向こうから近付いてきてるんだけど。

そっとしておこう。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 15:00>

 

三人娘たちが浣腸液を買いに薬局に行ってる間、夕飯の食材の買い出しにあたる。

 

唐突だが沢庵が食べたくなった。

昼間食べたスペシャル肉丼の付け合わせの沢庵がやたら美味かったせいだろう。

油っぽい肉丼の中で一服の清涼剤的な役割を果たしていたあの味が忘れられない。

 

漬け物売り場に行くと"いなかたくあん"は残りニ個。

両方買うべきか少し迷うが一個だけ手に取る。

 

さて次は・・・。

 

「あれ、悠君?」

 

精肉売場で偶然千里さんに出会う。

相変わらず綺麗な人である。

妊娠六ヶ月目でお腹の方が目立ち始めている。

 

「夕飯の買い物ですか?」

 

「ええ、菜々子も一緒よ。あら?菜々子、どこ行ったのかしら」

 

あたりを見回しても菜々子ちゃんの姿は見えない。

最近何かとこの街は物騒だ。

小さな子どもを一人にするのは極力避けるべきだ。

 

「ちょっと探してきますね」

 

千里さんを置いて売り場を回る。

菜々子ちゃんはどこだろう。

 

あ、あれは!

 

先ほどの漬物売り場に菜々子ちゃんの姿が。

その側には俺と同じくらいの年代の男が立っている。

 

あの男、どこかで見たことがあるような・・・。

雪子のストーカー!

いけない!

 

怯えている菜々子ちゃんに手を出そうとしていたので、素早く近づき間に割り込む。

 

「お兄ちゃん」

 

「この子に何か?」

 

静かに威嚇する。

男の死んだ魚のような目を睨みつける。

 

「なんだよお前。あ・・・、お、お前、ゆきこの・・・。くっ」

 

男も俺のことを思い出したようだ。

男は脱兎のごとく逃げていった。

奴を追うべきだがすがりついてくる菜々子ちゃんを置いてはいけない。

 

「大丈夫かい?」

 

「うん、ありがとう、お兄ちゃん」

 

頭を撫でてやると菜々子ちゃんは微笑んでくれた。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 15:10>

 

菜々子ちゃんを千里さんのところまで連れて行く。

 

「こらっ、一人で歩き回ったらダメでしょ」

 

「ごめんなさい、お母さん」

 

菜々子ちゃんは叔父さんの好物の"いなかたくあん"を取りに行っていたようだ。

あいにく残っていた最後の一つを先程の男に持ってかれたらしい。

あいつ、今度会ったらタダじゃ済まさん!

 

仕方ない。

先ほど籠に入れていたもう一つの"いなかたくあん"を取り出し、菜々子ちゃんに渡す。

 

「えー、いいのー、お兄ちゃん!」

 

花が咲いたように目を輝かせて笑う菜々子ちゃん。

うんうん、いいんだよ。

その笑顔が見れただけでお兄ちゃんは十分さ。

 

「悠ーっ、買い物まだ終わってないの?」

 

千枝?

浣腸薬を購入し終わり、食品売り場まで降りてきたらしい。

もちろん雪子とりせも一緒だ。

 

「あー、りせちーだ!」

 

菜々子ちゃんが嬉しそうに声をあげる。

 

「あの、この子は?」

 

「ああ俺のいとこ・・・、いや妹、かな」

 

雪子の質問を受けて、みんなに菜々子ちゃんを紹介する。

 

「へー、悠先輩のいとこかー。可愛いー。こんにちは!りせだよ!あなたのお名前は?」

 

「堂島菜々子です!」

 

菜々子ちゃんの目がキラキラしている。

さすが久慈川りせ。

 

「悠君。私のことは紹介してくれないの?」

 

千里さんが好奇心に満ちた目で催促してくる。

おっといけない。

 

「こちら堂島千里さん。俺の叔母にあたる人。凄くお世話になってる」

 

「ど、どうも。里中千枝です。はじめまして」

 

「天城雪子と申します。よろしくお願いします」

 

「久慈川りせです。あの、悠先輩の親戚の方ってことは、もしかして堂島刑事の・・・」

 

「ええ、堂島の妻です。皆さんはじめまして」

 

にこやかに答える千里さん。

 

「凄いわね。とっても綺麗な娘ばかり。芸能人の方まで。皆さん、悠君のお友達なのね?」

 

「「「はい!」」」

 

「フフフ、モテモテね。悠君」

 

軽く肘で突付いてくる。

い、居づらい。

 

「ご、ごめんみんな。荷物を運ぶの手伝いたいから一旦ここで解散しよう。後でりせの家の前で待ち合わせってことで」

 

モロキンの件で叔父さんは当分忙しいだろう。

千里さんの相手をする時間がなかなか取れないはずだ。

せめてこんなときくらい俺が手伝ってあげないと!

 

「いいなー」

 

「何ヶ月目なんですか?」

 

「菜々子ちゃん、楽しみだね!」

 

「うん!菜々子、弟が欲しいの!」

 

「こら。それは神様が決めることよ。六ヶ月目なの。やっとつわりも収まってきて大分楽になってきたわ」

 

俺の決意も何のその。

女の子たちが俺そっちのけで盛り上がってる。

千里さんのお腹を見つめる女子陣のキラキラ光った目が怖い。

いつか私も!という思いがヒシヒシと伝わってくる。

焦るな、ドウドウ。

 

「そうだ。皆さん、今度悠君と一緒にうちに遊びにいらっしゃいませんか?」

 

「千里さん!?」

 

「「「行きます!」」」

 

「わーい」

 

なぜか全員引き連れて堂島邸を訪問する約束までさせられてしまった。

ほわほわと夢想中な三人娘たちと一旦別れ、千里さんと菜々子ちゃんに連れ添って堂島邸まで買い物袋を運ぶ。

道中の千里さんの追求に戦々恐々となった。

さすがに正直に三人全員とお付き合いしていますとは言えず、終始しどろもどろな対応となる。

 

「あの人みたいに女の子をマンションに連れ込むなーとまでは言わないけれど。ケジメを付けるときはきちんとしないとダメよ。じゃないと・・・刺されるわ。ウフッ」

 

こ、怖いことを言う。

肝に銘じます。

三人全員幸せにしてみせます!

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月10日SUN 曇/晴 16:00>

 

堂島邸に千里さんと菜々子ちゃんを送ってから、打ち合わせどおり丸久豆腐店に向かう。

 

「ん?」

 

店の前で千枝たち三人と小柄な女性が対峙していた。

 

白い半袖のブラウスにタイトなパンツ。

小柄なのに巨乳。

いつぞやの探偵さんだった。

 

前にコニシ酒店の前で見かけた時より髪型が若干変わってる。

前はベリーショートくらいの長さだったが今はショート気味になっていた。

随分髪が伸びるのが速いんだな。

 

相変わらず化粧っ気がなかった。

だが髪型と胸元の豊かさのおかげで誰がどう見ても可憐な女の子である。

 

「おそろいですね」

 

「君は確か」

 

「天城雪子さんに次いで既に久慈川りせさんも懐柔済み、ということですか」

 

挑発的な言動と視線。

慣れない女物の服を着てオタオタしていた彼女は既にいないようだ。

この二ヶ月弱で大分慣れたのだろう。

 

そして彼女の懐柔済みという言動。

雪子とりせにはそれぞれ一晩だけ行き先が不明になった日がある。

そのことを直斗は掴んでいるようだ。

 

警察は今も雪子とりせのプチ失踪に気づいていないはず。

天城屋旅館の従業員やりせのお婆ちゃんに独自に聞き込みでもしたのだろう。

まあ探偵ならそれぐらいはな。

 

「そういえば自己紹介がまだでしたね。ぼくっ、オホンッ・・・私は白鐘直斗」

 

「探偵、だろ?」

 

「・・・おや、もう知っていましたか。そうです。私は警察に協力して例の殺人事件について調べています」

 

警察が探偵に協力を依頼する、だって?

それって有り得るのか?

東京の探偵ってことは少なくとも現場の判断じゃないよな。

 

「一つお願いがあります。今この街で起こっている事件について皆さんの見解を聞かせて欲しいんです」

 

「私たちに答えられる範囲でなら」

 

得体の知れない少女のヒタヒタと迫ってくるような言動。

応じる雪子の声も硬い。

 

「今回の事件の被害者、諸岡金四郎さん。通称モロキン先生。あなた達三人のクラスの担任教師ですよね」

 

「それがどうかした?」

 

今更な確認に反発する千枝。

 

「最初の殺人の後に襲われた小西早紀さんと同じ学校の人間。"バスケ王子"として一躍有名になった一条康さん属するバスケ部顧問。世間じゃもっぱらそればかりですが、そこは全く重要じゃない。もっと重要な点がおかしいとは思いませんか?」

 

「何よ!何が言いたいのよ!」

 

りせの苛立ちもわかる。

これも尋問のテクニックなのだろうが迂遠過ぎる。

欠伸が出そうだ。

 

「諸岡さんはTVに出るのをとても嫌っていた。一条康さん絡みのマスコミの攻勢を全て邪険に追い返していたと聞きます。つまり彼の姿は一切TVで報道されてない。どういうことでしょうね」

 

この娘は俺達と同じ観点で事件を追っていることを当の俺達にアピールしに来たのだ。

何故そんなことをするのか。

つまりは・・・。

 

「さあな。俺たちに聞くよりも、警察の対策本部にその点についてどう考えてるか聞いた方がいい」

 

「・・・」

 

何も反応を見せないことが答えだった。

やっぱりこの娘、現場の捜査官からハブられてるんだろう。

そして警察はマヨナカテレビの存在をただのオカルトチックな噂話として端から無視している、と。

 

「まあいいでしょう。とにかく私は探偵としてクライアントの依頼に迅速に対処したい。事件解決の糸口を探るために皆さんにも注目しています。では今日の所はこれで」

 

あっさりと引き下がり踵を返す白鐘直斗。

今回の来訪は俺たちを揺さぶることが目的である以上、もうここにいる意味は無いのだろう。

だが俺の方は彼女に告げなければならないことがあった。

 

「ちょっと待ってくれ」

 

「・・・何です?」

 

白鐘直斗を呼び止め、改めて彼女の全身を舐めるように観察する。

 

「髪も伸ばし始めたのか。その方がいい。そうだな。君にはロングヘアが似合うよ。【後ろ髪は腰のあたりまで伸ばそう】」

 

「・・・なっ!?い、言われなくとも、そのつもりでした!」

 

「あと現代社会において僕っ子の希少価値は大変高い。絶滅危惧種と言っていいほどだ。【無理に私って言う必要は無い】」

 

「・・・何を言ってるんですかっあなたは!ぼ、僕は不愉快だ!失礼する!」

 

先ほどの冷徹な応対から一変、白皙の美貌を朱に染めて美少女探偵は大股で去っていく。

 

うんうん。

その反応、とっても可愛いな。

それにカツカツと歩く度にゆさゆさと揺れる胸部。

あの乳には男のロマンが詰まってる。

 

ハッ!?

 

「「「ジーッ」」」

 

三人とも、そんなジト目で俺を見るのは止めてくれ。

そんなに彼女が羨ましいならいっぱい揉んで育ててあげるから!

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月11日MON 曇 8:30>

 

HRが始まるまで右斜めの座席の雪子のお尻を眺めて待つ。

今日の雪子は少しやつれた様子で陰媚なオーラを纏っており、とても妖艶である。

後ろの処女を俺に捧げたことで雪子の美しさがさらに磨かれたようだ。

 

昨日の雪子の悶絶振りは凄かった。

初めてのアナルセックスに雪子は乱れに乱れた。

じっくり待った甲斐があったというものだ。

雪子のあられもない痴態を思い返してほくそ笑む。

 

「ねえ、モロキンの吊るされてたってマジ?」

「マジらしいよ。友達が警察が死体下ろしてるとこ見たって言ってた」

「あの"りせちー"が一年に転校してきたってマジかよっ」

「歩いてるとこ見たぜ。すげー可愛かったー」

 

教室の中はやはりモロキンとりせの噂で持ちきりだ。

噂ではモロキン、りせの写真集を商店街の本屋で購入してたらしい。

哀れモロキン。

生きていれば生りせに会えたのに。

 

<ガラガラッ>

 

「おはよーう。みんなもう聞いてると思うけどー諸岡先生亡くなっちゃいました。びっくりよねー。それでー今日から二年二組の担任になった柏木典子です。うふっよろしくね」

 

胸元の大きく開いたボディコン(死語)を着た、アラフォーのおばさんが胸を揺らしながら教室に入ってきた。

こっちに向けてウィンクしてくる。

うっ、は、吐きそうになる。

 

「諸岡先生が突然いなくなって悲しいのはわかるけどー、来週から期末テストよお。わからないとこがあって個人授業希望する男子はー、どんどんあたしのとこにキ・テ・ネッ」

 

モロキンと同じくらい生徒から忌避されている先生の登場にクラスの皆のテンションもダダ下がりである。

 

「モロキンから柏木って最悪なコンボ技だろっ。教頭俺達に恨みでもあんのかよっ」

 

花村のセリフに賛同せざるを得ない。

 

「・・・ある意味、豊富な人材だな」

 

何故か先程から俺にばかり色目を使ってくる柏木典子。

イラッと来る。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月11日MON 曇 16:00>

 

りせを待って四人で下校する。

花村は例によって小西先輩のところである。

 

「もうやんなっちゃう。転校早々テストって最悪ー」

 

転校初日のりせ。

群がってくるクラスメイトたちから抜け出すのに大分苦労したようだ。

今も遠目から多くの生徒がりせの様子を伺ってる。

 

「あ、あははは、そうだねー。とりあえず早くここから移動しよ」

 

「どうしたの千枝?何か変よ」

 

トップアイドルだったりせにとっては日常茶飯事だろう。

俺もモブキャラたちの視線など端から無視してる。

雪子は周囲からの注目自体に気付いてない。

千枝だけが動揺していた。

 

千枝に押される形で校門に向かう。

 

「ゆきこ」

 

門の手前でふらふらと現れた人影が雪子に声を掛けてくる。

 

「え?」

 

突然の名前を呼ばれ戸惑っている雪子。

声を掛けてきたのは変なトレーナーにジーンズを着た不審者。

昨日の菜々子ちゃんの"いなかたくわん"を奪った男だ。

 

「お前はっ」

 

とっさに動こうとするが俺より雪子の隣にいた千枝の方が速かった。

雪子に近こうとする男の前に千枝が割って入る。

 

「なぁゆきこ。俺の世界に来いよ」

 

「雪子になんの用!?」

 

「どけよブス!邪魔なんだよー。ゆきこ、俺と来たいよなー。なー」

 

千枝に邪魔されて男が子供のように喚いている。

当の雪子の反応はと言うと・・・。

 

「・・・ブスですって?あんた今千枝のことブスって言った?」

 

<ゴゴゴゴゴゴゴゴッ>

 

「え、雪子?」

 

なんか凄いSEが鳴ってるんですけど・・・。

雪子を庇ってる千枝も恐れをなしてる。

 

「取り消しなさい!千枝がブスなわけないじゃないっ!この唐変木!」

 

「ゆ、ゆきこ、いきなりなんだよっ」

 

突如豹変した雪子の一喝に男は混乱している。

 

「あーそうなんだー。あなたがストーカーね。へー、ストーカーてこういう顔してるんだー。死んだ魚みたいな目をしてる。プッくくっ、キモーい」

 

「雪子ってば・・・」

 

雪子の追い込みに庇ってる千枝も若干ひき気味である。

 

「お、お前も俺をバカにするのか!?ふざけんな!ふざけんなよ!!」

 

男は煽り耐性が皆無のようだ。

激昂して辺りの注目を集めてしまっている。

今にもキーボードをクラッシュしそうな勢いだ。

 

下校時間である。

あたりには下校中の生徒がいっぱいだ。

 

もともと天城越え挑戦イベントは八十神高校の名物である。

さらに今日は久慈川りせまでいるのだ。

遠巻きにもの凄い数の生徒が集まり始めていた。

 

これ以上見せ物になるつもりはない。

ケリを付けるべく千枝を抑えて前に出る。

 

「【それ以上近づくな】」

 

「・・・お前ぇ、お前だお前ぇ!お前はゆきこの何なんだよ!」

 

「彼氏」

 

<<オーッ>>

 

俺の毅然とした態度にギャラリーから感心の声が漏れる。

 

「・・・は?」

 

「だから恋人」

 

「う、嘘だ!」

 

「いや、本当」

 

純然たる事実を淡々と告げ、男に迫る。

 

「ハハ、ハハハ、そ、そんなこと、あるわけ、無いだろ。ゆきこが男と付き合ってるなんて。なぁ、ゆきこ」

 

追い詰められ、男は縋るように雪子に答えを求める。

 

「そうさ、ゆきこは処女に決まってる。なぁ処女なんだろ。俺以外の男に躰を許したりなんて、するわけないよなぁ!」

 

「えっとー、そのー。ポッ(赤)」

 

顔を赤らめて恥ずかしそうに俯く雪子。

その態度が全てを雄弁に語っていた。

 

<<オオーッ>>

 

あまりにもバレバレな雪子の反応にギャラリーから動揺の声が上がる。

 

「ううー、ううううー、嘘だと言ってよー、ゆきこーっ」

 

泣きそうになってる男に止めの一撃をくれてやる。

 

「はっきり言おう。雪子に処女の穴なんてもう存在しない」

 

ドドーン。

 

<<オオオーッ>>

 

全てのルートで天城越えが完了済み。

完璧な俺の勝利宣言にギャラリーから驚愕の声が巻き起こる。

当の雪子は頬を真赤に染め、カバンを後ろ手にモゾモゾとお尻を抑えてる。

昨日の初めてのアナルセックスの衝撃を思い出してしまったのだろう。

 

天地神明に誓って嘘は言っていない。

 

雪子の躰で俺が触れていないところは一切ない。

穴という穴に俺のペルソナ液は注がれており、鼻や耳も例外ではなかった。

もともと顔射の流れで鼻の穴はペルソナ液塗れになっている。

それにりせのセンター就任と刻を同じくして、二人で合わせ耳コキという新ジャンルを開拓した千枝と雪子は天才だと思う。

 

「うう、ビッチが!娼婦にでもなってろ!」

 

もう完全に涙目の男が捨て台詞を残して逃げてった。

フッ、勝った。

 

「あいつ、丸久に来たことある。お豆腐売ってる私に"暴走族は群れないと何もできない"とか全然関係無い話をずーっとしてたっけ」

 

走り去っていくストーカー男の背中を見ていると、りせが側に近寄ってきて情報提供してくれた。

一番面倒な客だな、それ。

アイドルヲタの中にもたまにいる典型的なコミュ症人間のようだ。

 

「あれってヤバいタイプだよ~。真性ってやつ。雪子先輩、気を付けた方がいいと思う」

 

「・・・私は悠の方が心配だわ。あんな堂々と宣言して。雪子を狙ってた男子にいつか刺されるんじゃないの」

 

ん、何か言ったか千枝?

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月12日TUE 雨 23:00>

 

りせは安全日だそうで泊まっていくらしい。

4Pを心ゆくまで楽しんで一休み。

千枝と雪子はベッドの端の方で絡まって寝ており、トリを勤めたりせは俺のすぐ側で瞑れてた。

 

まだマヨナカテレビの時間までしばらくある。

暇つぶしにスマホで"@ちゃんねる"の芸能板のりせちースレを見る。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

291:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:00:52 ID:apLXBHpA

りせちーが引退なんて嘘に決まってる。信じねーぞ。

 

292:名無しの腐ったみつを:2011/07/12(火) 23:00:58 ID:9uB03I2o

稲羽市の連続逆さ吊り殺人事件の犯人は俺だ。

全部俺がやった。

――――――――――――――――――――――――――――――

 

ん?

変なのが湧いてるな。

犯行自供ならバカッターでしてろ。

 

更新ボタンをタップ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

293:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:01:08 ID:aapPpKeC

犯人ktkr、通報しますた。

 

294:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:01:15 ID:Hn3zQg4f

成りすまし乙

――――――――――――――――――――――――――――――

 

いちいち反応するなよ。

スレが荒れる。

 

仕方がない。

俺が流れを戻してやろう。

 

ふとすぐ横で眠るりせの腰が目に入ってくる。

りせのぷっくりとしたお尻からスリムな腰に至る魅惑の曲線。

天下を取った腰である。

 

その秘唇からは俺のペルソナ液がドロリと垂れており、ひたすらエロい光景だ。

千枝と雪子の分までりせの中に注いだものなー。

 

そうだ。

 

「り・せ・ちー・の・腰・に・つ・い・て・語・ろ・う・ぜ・・・・っと」

 

ポチッとな。

書き込み完了。

 

スマホ片手にりせの側に横たわり、りせの腰のラインを撫でまわす。

その滑らかな肌の感触を楽しみながら、スレッドの行方を追う。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

307:名無しの腐ったきつね:2011/07/12(火) 23:02:22 ID:7aRukAm1

そんなことより、りせちーの腰について語ろうぜ。

 

308:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:02:28 ID:XgHBWzdi

りせちー is オワコン

 

309:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:02:32 ID:DN47bFcp

>292

マジ、マジモンかい?

 

310:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:02:48 ID:Y73HJhCH

>292

早まるな、吊るしちゃダメだ、、ってもう吊るしてるのか。

――――――――――――――――――――――――――――――

 

以降292を煽る書き込みばかりとなる。

ダメだ。

誰もりせの腰について語ってくれないじゃないか。

 

それどころかどんどん292弄りが激しくなってくる。

どこかにこのスレへのリンクが貼られたらしい。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

335:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:05:41 ID:DN47bFcp

292シカトかよ

 

336:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:05:51 ID:kIRik0Ds

■一般人の認識

 

ガンバム:安室とシャーがたたかう話

エバ:パチンコ、そうりゅうが可愛い

ミクロス:歌う

ジアス:何それ

ボトムズ:アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、

もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。

その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。

作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。

その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。

 

337:名無しの腐ったみかん:2011/07/12(火) 23:05:59 ID:DN47bFcp

>336

誤爆乙

 

338:名無しの腐ったみつを:2011/07/12(火) 23:06:10 ID:9uB03I2o

 

だったら今から証明してやる!!!!!!!!!!!!!!!!!

――――――――――――――――――――――――――――――

 

スレを閉じようと思ったら292がキレ芸を見せて去ってった。

以降、292を見た者は誰もいない。

あっけなく犯罪宣言に関するレスは収束する。

 

さて、りせの腰について改めて語ろう。

とりあえずりせをオワコン呼ばわりした奴は屋上な。

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月18日MON 晴 13:00>

 

海の日である。

明日から期末テストのため例の如く禁欲生活に突入中である。

久しぶりに一人で過ごす休日。

バイクで外に出る。

 

一軒目の用事は空振りに終わった。

気分転換に市立図書館に寄って勉強することにする。

 

「そこっ【静かにしろ!】」

 

やたら煩いガキ共がいたので硬派に注意。

すると隣の席で勉強していた中学生の男子から礼を言われた。

 

「ありがとうございます」

 

少年は一人のようだ。

少しだけ言葉を交わす。

 

「休みなのに友達と遊びに行かないのか?」

 

尋ねてみる。

 

「周りはバカばかりでつまらないですから」

 

そっけなく曰われる。

人生の先輩として少しだけ助言。

 

「良かったじゃないか。彼女を作るなら自分よりバカな方が楽だ」

 

「え?」

 

「【周りのバカの中で一番可愛い娘に一生懸命勉強を教えてあげなさい】」

 

「・・・」

 

「テストでその娘の成績が上がったら思い切って告白するんだ。【必ず成功する】」

 

少年が黙ってしまったので勉強(復習)に戻る。

かなり捗った。

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月23日SAT 曇 13:00>

 

一週間に渡る期末テストがやっと終わった。

千枝、雪子、りせと一緒に四人でJUNESのフードコートに移動。

昼食を取る。

 

「英語のテストってほんと意味わかんないっ。あたしハワイとかグァムとか日本語通じるとこしか行く気ないしっ」

 

「そういう問題じゃないでしょ」

 

りせの理不尽な物言いに千枝が突っ込む。

基本相方の雪子もボケ担当なので、最近ツッコミ役の千枝が忙しい。

大変だな千枝。

 

なんてどうでもいいことを考えていたら、りせから俺のテストの出来を聞かれる。

 

「ねぇ、先輩はテストの調子どうだった?」

 

「いつもどおり、かな」

 

「つまりまた一位ってことよね・・・」

 

「うわっ、さすが先輩」

 

千枝の呟きを受けてりせが尊敬の目で見てくる。

この世界に来てから頭の回転が明らかに早くなった。

ステータスが関係しているのだろうか。

 

しかし・・・。

このテーブルだけ大分目立ってるな。

男の俺一人に美少女三人。

これがハーレム状態ってやつか。

 

フッ。

 

「どうしたの?」

 

思わず零れた笑みを雪子に見られる。

 

「いや、こんな風に綺麗な女の子たちを侍らせてお茶してたら、モロキンが頭沸騰させて怒鳴り込んできそうだなって」

 

僅か三ヶ月間の付き合いだったが、強烈な印象を残していったモロキン。

事件から二週間経っただけで既に懐かしさを感じる。

果たして彼の死は回避可能だったのだろうか。

 

「モロキンかー。強烈にうざかったよね」

 

「私も実は苦手だった。好きだった人なんているのかしら」

 

「ただ犯罪は犯罪だ。これ以上時間が掛かるようなら、犯人は俺が捕まえるしかないか・・・」

 

TVのニュースを見る限り、第二の殺人についても警察の捜査は行き詰まっているようだ。

堂島さんには悪いが警察というのは無能の集まりなんだろうか。

 

「その心配は不要です」

 

いきなりの割り込み。

 

「警察の捜査でとある人物の容疑が固まったと聞きました。最早あなた方の出番はない」

 

振り返るとそこには白鐘直斗がいた。

相変わらず胸が目立ってる。

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月23日SAT 曇 13:30>

 

「とある人物?いったい誰なの?」

 

千枝が白鐘直斗に問う。

 

「容疑者は僕達と同じ高校生らしいですよ。残念ながら名前までは・・・。探偵と言えど一般人であることに変わりはありませんしね」

 

「犯人は高校生・・・」

 

驚く雪子。

だが俺はその直斗の言葉で犯人像が明確になる。

 

「そうか。やっぱり久保がモロキン殺しの犯人か」

 

「悠、久保って誰?」

 

千枝が興味津々で食いついてきた。

 

「この前、学校の校門で雪子に声を掛けてきたストーカーのあいつだよ」

 

「えっと、そんなことあったっけ?」

 

・・・雪子は相変わらずだなー。

記憶から完全消去してやがる。

 

「久保美津雄。八十神高校に昔在籍してたらしい。モロキンと激しく衝突して学校を追い出されてる。動機としては十分だろ。ちなみに十日ほど前から行方不明」

 

「あの一人で喋っちゃう系のアレな人?先輩すごーい!テスト中もちゃんと捜査進めてたんだね。でー、本職の探偵さんの調査はどこまで進んでたのかな?」

 

りせが俺に抱きつきながら直斗を挑発する。

 

「クッ」

 

久保美津雄までは辿り着けてなかった直斗が歯噛みする。

悔し紛れに挑発を返してきた。

 

「お見事、と言っておきましょう。ただ容疑者が見つかった以上、あなた方の遊びもこれでおしまいでしょうね」

 

「遊び、か。本物の人生がかかった随分シビアなゲームだな」

 

「なにか?」

 

「いや、いいさ。ただ見つかったのはモロキン殺しの犯人だろ。山野アナの件はまだ解決してない」

 

「・・・なぜ、そう思われるんですか?」

 

「あいつが連続殺人事件の犯人だとしたら、雪子が今こうして無事でいられるはずがないってことさ」

 

TVの中に入れられた被害者は雪子が三人目。

仮に奴が雪子の拉致に成功したとしたら。

間違いなくTVの中ではなく久保の部屋に閉じ込められ、散々に犯されまくっていたことだろう。

 

「なるほど〜、確かにそうだわ」

 

「私も。自分があんな奴に拐かされたなんて信じられないし」

 

千枝とりせは納得の相槌だが直斗の目がギラリと光る。

 

「どういう意味です?」

 

直斗は久保が雪子にご執心だったことを知らない。

食いついてくるのも仕方ない。

だが一々説明するのも面倒だ。

 

「なに、こっちの話さ」

 

適当にごまかす。

 

「・・・つまり、その久保という人物は模倣犯だと言いたいんですか?」

 

「そのとおり。で、探偵の君はこんなとこで何してるんだ?犯人わかったからもういらないって警察に追い出されたのか?」

 

「・・・」

 

反応がない。

図星だったようだな。

 

「容疑者が固まった以上、もう僕の役目は終わりと判断されたようです。・・・女の子としての僕にしか興味を持たれないというのは、探偵として寂しいですね。もう慣れましたけど」

 

直斗は俯いて淋しげな表情を浮かべている。

どうやら警察では探偵として扱われず、アイドル的な扱いを受けてしまっていたらしい。

居辛くなって事件の終了に託つけて警察から逃げ出してきたのか。

 

これは少し厳しいことを言った方が良さそうだ。

 

「本当に有能なら年齢とか性別なんて関係ないさ」

 

直斗がハッとこっちを見る。

 

「それに今の時代、逆に女の方が有利な点が多い。君が女としての自分の魅力を使いこなせていないだけだ。【魅力的な女に見えるよう、スカートでも履いて出直して来い!】」

 

「・・・うっ。いいでしょうっ!必ずあなたを見返してやります!」

 

いきり立って大股で帰っていく直斗。

彼女の心情を表すように胸元がプルンプルンと揺れていた。

すれ違う男性たちの目線が釘付けである。

 

さっそく女磨きに余念がないようで、大変結構だった。

 

直斗が去り、各々の口から不満が漏れる。

 

「モロキン殺しの犯人が捕まっても、まだまだ終わりじゃないんだね。はぁー」

 

「事件なんて早く解決すればいいのにー。りせはもっと悠先輩とイチャイチャしたーい」

 

千枝とりせの二人はもう事件なんて懲りごりという体である。

 

「私達がこうやって集まることももう無いのかな。もう一人女の子が増えそうだし。今度からあっちのテーブル使わないと」

 

雪子は何か他の心配をしているようだ。

もう一人って誰のことだろう?

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月26日TUE 雨 8:15>

 

今日が終われば夏休み!

普通なら晴れやかな気分で登校するはずが、あいにくの天気。

シトシトと雨が降る中、いつもの四人で登校する。

 

「なんか容疑者固まったらしいぜ」

「なーんだ。じゃ捕まるのか」

 

すでに噂は広まってるらしい。

すれ違う登校中の生徒たちから残念そうな声が聞える。

なんだかんだ言って面白がっていた奴らが多かったらしい。

 

久保が八十神高校に姿を表していたのは警察も掴んでいるようだ。

校門のところに普段はいない警官が警邏で立っていた。

 

「先輩。私、後ろでするのって癖になっちゃいそう」

 

そんな中、りせが側に寄ってきて恥ずかしげに告白してくる。

 

昨日、期末テストの結果が発表された。

学年1位はまた俺。

そのご褒美として、三人を代表してりせのアナルバージンがプレゼントされたのである。

りせは昨日が初体験にも拘わらずアナルセックスの魅力にどっぷりと填まったようだ。

 

「あーあー、これであたしらにできることって」

 

「もう何もないんだよね」

 

千枝と雪子の言うとおり、三人とも口、前、後ろと3つのバージン全てを俺に捧げ終わったことになる。

すっごく充実はしてるけれど、どこかうら寂しいものがあるのも確かだ。

だけどまだ俺は三人から貰っていないものがある。

 

「まだだ」

 

「先輩?」「うん?」「え?」

 

「まだ皆の一番大事な子宮が残ってる」

 

金銭面での不安はない。

既に三人分の出産費用と数年間の生活費に相当する額は十分に確保出来ていた。

 

TVの中でシャドウを倒すと、あいつらはお金を落としてく。

毎晩シャドウを狩りまくっているため、かなりの金額が溜まっていた。

銀行で本物か確かめてみたら全部本物。

どうやら現実世界で無くしたり見つからなくなったお金は、全てTVの世界側に移動しているらしい。

 

問題はタイミングである。

今すぐにでも彼女たちの子宮を俺の種で中古にしてやりたい。

だがまだ彼女たちは在学中である。

そして俺も来年の春にはこの街を去らなければならないのだ。

 

最低でも高校を卒業するまで待つ必要があった。

先は長いがそれが返って励みになるだろう。

 

「少し先の話になるけど、基礎体温は忘れずにチェックしておこう」

 

「「「はい!」」」

 

俺達は決意も新たにハーレムセックスに耽ることを誓い合った。

 

 

 

 

 

<YU SIDE 2011年7月27日WED 曇 0:00>

 

<クククッ、みんな僕のこと童貞だと思ってるんだろ。エロゲマニアの割れ厨だとバカにしてるんだろ。アハハハ。だったら捕まえてみなよ!>

 

マヨナカテレビに久保美津雄が映る。

そうくるかー。

 

「チュパ、チュパ、チュパ、ううん?この人誰だっけー」

 

俺のペルソナをしゃぶっていた雪子が呆けた顔でテレビに目を向ける。

 

「ああ、気にしなくていいよ」

 

「うん・・・。あーん、モグ、モグ」

 

やっぱ助けなきゃダメかな。

 

ダメだよなー。

仕方ない!

夏休みの宿題はさっさと済ませてしまうに限る。

 

「よし、イクぞ!雪子!」

 

<ジュッポ、ジュッポ、ジュッポッ>

 

「ん、ん、んーーーーっ!」

 

<ドクッドクッ>

 

「んんん、ちゅーー」

 

雪子に直飲みできっちり最後まで吸い出させる。

 

「ふぅ。ありがとう雪子。すっきりしたよ。そろそろ行かないと」

 

「んん、いってらっひゃいー」

 

雪子が口唇愛撫を優先した結果、マヨナカテレビはとうに終わっていた。

口元からペルソナ液を垂らしてトリップ中の雪子に見送られ、何も映っていない画面に脚を踏み入れる。

 

 

 

<SYSOP 2011年7月27日WED 晴 --:-->

 

中島秀は学年で一番可愛い女の子に勉強を教え、見事彼女をゲットします。

中島秀は勉強を人に教えることで自分の理解もより深まり、さらに成績がよくなります。

中島秀の彼女があまりに可愛かったため、中島秀の母親も大いに満足し、親子仲も良好になります。

中島秀は成績が上がり、彼女が可愛く、母親との折り合いもついたことで自信に満ち溢れ、天才転校生の登場にも微塵も動揺しません。

中島秀は人にものを教えることに喜びを覚え、自主的に学校の先生となる道を選び、鳴上悠との絆を必要としなくなります。

塔のアルカナが消滅しました。




一条がマヨナカテレビに出ないのは、普通に全国区のTVで取り上げられまくっていていたから。
情報が飽和し過ぎてしまい、稲羽市民が食傷気味となっていたため、にしといて下さい。

そして"すた丼"のオシンコは何故あんなに美味いのか。味噌汁の具はもちろんモヤシで。
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