「さあ、着いたわよ」
私と紫は、魔理沙が突入した謎の城に着いた。外から見ると外観は思ったより大きい。少なくとも紅魔館位の広さはありそうだ。
「中の広さは紅魔館の比ではないわよ。何と言っても無限だからね。」
紫はまるで私の思考を読んだかの如くそう言ってきた。
「何、アンタ、私の思考まで読めるわけ?」
「違うわよ。ただ何となくそう思ってるだろうなと思って言ってみただけ。さあ、中に入るわよ」
紫が手をかざすと、城の一部の空間が歪んだようにグニャリと曲がった。そして、その中には無数の目玉のような模様が浮かんでいる。
「…ホントにあんたを信用して良いんでしょうね、紫」
霊夢と紫にはこれまでに様々な因縁がある。霊夢が紫を信じきれないのも無理からぬ事だった。
「私の誇りに懸けて誓うわ、霊夢。もし裏切ったら、私を封印しても構わない」
紫は堂々と言い放った。紫は異変を起こしさえすれど、自身の誇りを捨てるタイプではない。霊夢はそれを知っていた。今までの経験から。
「…分かったわ、中に入りましょう」
霊夢と紫は、謎の無限城へと突入した。
中に入ってみると、そこは幻想郷とはかけ離れた様子をしていた。
まず目につくのは、螺旋状にどこまでも上に伸びている階段だ。その階段に沿って、城は円状の、塔の様な形を模していた。中は赤と黒の色で構成されていて、おどろおどろしい様子を醸し出している。これまで様々な異変を経験して来た霊夢も、これには少し萎縮してしまった。
城の中の様子に霊夢がたじろいでいると、紫はすっと顎に手を当てて考え込んでいた。
「うーん、やっぱりダメみたいね」
「ダメって、何が?」
「ちょっと霊夢、飛ぼうとしてみて」
「飛ぶ?ああ、階段をわざわざ登るのはめんどくさいからね」
そこまで言って、霊夢はいつものように飛ぼうとした。だが…
「あれ?」
飛べないのだ。いつものように。
「やっぱり、私の考えは正しかったようね」
紫は確信を持った風に言い放った。
「人間にしか入れないのよ。この無限城は」
「じゃあ、レミリアが入れなかったのも…」
「レミリアが吸血鬼だからね。入口が現れないのは、人間ではないからよ」
「それで、レミリアが入れなくて、魔理沙や私は入れたのね。あれ、でも何でアンタは入れるの。人間じゃないくせに」
「私はまあ、理の外側にいるからね。格の違いってやつかしら」
「で、理の外側にいるあんたでも、城の中では飛べないと」
「まあ、どうやらそうみたいね。二人で階段を登っていくしか無いわね」
「魔理沙が危ないんだから、急ぐわよ」
「はいはい、それじゃあ行きましょうか、霊夢」
今回はここまでです。読んで頂き感謝です。