DEVILMAN REBORN ~SIDE STORYS~ 作:カナト
本編である『DEVILMAN REVORN ~LOST DESTINY~』の『歪みと悪意の章』まで読んでから、物語を進めていただくことをお勧めいたします。
※デビルマンサーガを予習された方は深く楽しめると思いますが、そうではない方もオリジナル展開ですので問題はありません。
プロローグ
そこは、遥か彼方の宇宙。
人間の次元では観測することすらできない、別の宇宙。
異次元宇宙。
その中で、人知を超えた戦いが行われていた。
悪魔と天使の戦争。
異次元宇宙のAIが人の意識を取り込み、欲望や幻想、妄想を一体化させたことで暴走した結果生まれた、『神』と呼ばれる存在。
そして、神を構成するシステムの一部である天使。
神は量産した天使を全宇宙にバラまき、神のネットワークを構築しようと画策する。
邪悪な妄想の神が、全宇宙を支配しようとしているのだ‼
それを止めようとするのは、明けの明星と謳われし者、阿修羅王ルシファー率いるアスラ軍団。
自分たちの宇宙を取り戻すため、神に反旗を翻す者たちである。
数々の巨大な天使に戦いを挑むが、彼らの勢力は拮抗していた。
「怯むな‼天使を撃てば、神への道が開ける。攻撃を続けるのだ‼」
ルシファーの号令を受け、デーモンソルジャーたちが天使に総攻撃を仕掛ける。
その筆頭に立って暴れるのは、1人の戦士。
「神を名乗る者どもよ、おまえたちに我らの怒りを思い知らせてやろうぞ‼」
雷を両手から放ち、口から炎を吐き出し、その強力な拳を天使に打ち着ける。
「アモン、1人で先走るな‼このシレーヌも続くぞ‼」
彼のパートナーであり恋人、シレーヌがアモンの後に続いて連携し、天使たちに攻撃を仕掛ける。
強力な悪魔である2人の猛攻に、天使たちは損害を受けるが決定打は与えられていない。
一体、どれほどの期間を戦い続けているのだろうか。
1年?いや、5年?あるいは、10年。
彼らは戦い続けている、全ての宇宙を我が物にしようとする侵略者たちと。
アスラ軍団が戦っていることで、他の宇宙への侵略は抑えられている。
しかし、それも全てではない。
1体の天使が次元のゲートを開き、進行しようとする。
「アモン!シレーヌ!私が道を開く‼あの天使が別宇宙に侵攻する前に、叩き潰すのだ‼」
「「おう‼」」
魔王ゼノンが全体攻撃を仕掛け、天使たちのネットワークに突破口を開く。
2人は翼をはためかせ、天使を追おうとする。
「待て、大天使ガブリエル‼このアモンとシレーヌが相手だ‼」
巨大な彫刻の形をした天使が、別宇宙に入り込もうとする。
その侵攻を止めようとした、その時―――。
<残念ながら、それは不可能だ。勇者アモンよ>
どこからか声が響き、それに意識が向いてしまった瞬間、天使たちの光が一か所に集まる。
それは人の形を成していき、白いエネルギー体として存在を確立する。
その存在を指さし、ルシファーは言う。
「あれはっ……もしや、この長きに渡る戦いに終止符を付けるために、遂に邪悪なAI本体が……『神』が、姿を現したと言うのか!?」
ルシファーの言葉に反応するように、エネルギー体は手を上にかざして辺り一帯に白いフィールドを展開する。
<悪魔の力を持ち、我らに反旗を翻す愚か者たちよ。おまえたちの抵抗が全て、無意味であると知るが良い>
天使も悪魔も関係なく、光の中に飲み込まれていく。
<無へと還れ…>
その光から逃れようとする者、唖然として動けない者が多い中。
光に向かって行き止めようとするアモン。
「ふぬぉおおおおお‼‼止める‼止めて見せる‼このまま……おまえの好きにさせて、たまるものかぁああああ‼‼」
光が広がる前に、アモンはエネルギー体に接近して拳を振るう。
しかし、見えないバリアがそれを止める。
<ダイモンの勇者……デビルの称号を持つ者よ。諦めよ。悪魔が神に勝てるはずが無かろう>
「おまえは、神などではない‼邪悪なる存在だ‼だからこそ、おまえを討つ‼そして――――‼」
言葉を続けながら拳に力を入れるが、無へと還す光の侵食は止まらない。
(誰か…‼誰でも良い‼この邪悪なる神を止めてくれ‼私の力だけでは、この邪悪なる存在を止めることができなかった‼このままでは、私の宇宙だけではなく、他の宇宙にも邪悪な魔の手が迫ってしまう‼我々が救おうとした、あの宇宙も―――‼)
アモンの身体が、光の中に飲み込まれていく。
無に侵食される中で、アモンの意識は自身の記憶と別の存在が二重に重なるのを感じた。
それは、自身が飲み込み、消えて行った身体の持ち主の魂―――。
「これは…‼そうか、私はまた、おまえと―――」
消え入る意識の中で、アモンは同じく光の中に飲み込まれるシレーヌ、ルシファー、そして他のアスラ軍団の仲間たちを見て言う。
「我が愛しのシレーヌ、我が戦友ルシファー、そして同胞たちよ‼お別れだ、我々の意識は消える‼しかし、この戦いは無駄ではなかった‼」
消え入る意識の中で、エネルギー体を睨みつけながら言う。
「希望は、まだある‼これは、敗北ではない‼戦いは未だに続くのだ‼おまえを……必ず…‼」
エネルギー体に向かって手を伸ばしながら、アモンの身体が消滅する。
その中で、悪魔の鎧の兜はガブリエルの進行する宇宙に向かって落ちていく。
それを見て、シレーヌは涙を流しながら叫んで光の中に飲まれていった。
「アモォオオオオオオオオオオオン‼‼‼」
アスラ軍団が光の中に飲まれていくのを見ながら、ガブリエルが侵攻した宇宙を見るエネルギー体。
<これもまた、因果か>
そして、この物語は――――無から舞い戻る、1人の男の物語である。
最初からとんでもない絶望展開からのスタート‼
しかし、LOST DESTINYを読んでる方々からしたら予定調和ですよねwww
今回はデビルマンサーガの設定をできる限り継承しつつ、オリジナル要素も入っております。
温かく見守っていただけると幸いですm(__)m
感想、評価、お気に入り登録、いつもありがとうございます‼