そろそろ大人気のアイリスにも暗躍して貰いましょう。暗躍って書き方をするのは、私の作品だからです。
と言う事で、またお暇な時にでもお付き合いください。
カズマさんのビジネスの中には、仲介業者と呼ばれるモノが存在します。例えば家を作るときに配管、土木、大工、鍛冶屋を連携させる工業ギルドのように、必要とされる能力を持つ会社や人材を紹介して、お客様の要望を叶えるサービスです。
「本日はアリスコーポレーションの仲介サービスをご利用いただきありがとうございます。カズマさんのご指名なので何事かと思ったのですが……まさかアイリス王女がお客様だなんて……」
「お久しぶりですセナさん。今日はお願いします」
普段ならば、私はそのような仲介の仕事はしていません。ですが、カズマさんがどうしてもと言うので来てみたところ、アイリス王女がお待ちだったと言うわけです。これほどのVIPのお相手は、確かに誰もやりたがりませんよね。
「しかし、アイリス様だけとは珍しいですね?クレアさんとレインさんは一緒ではないのですか?」
「あの二人は、お兄様の寵愛を得るために奔走しています。お父様がお兄様と密な関係を持てとうるさいのです。魔王軍に裏切られたら困るって……お兄様はそんな方ではないのに……」
えっ、それ王の勅命ってやつですよね?!焦らない国民は居ないと思いますよ?!と言うかあの二人まで狙ってるって……私も焦り始めましたけど?!
「あの…まさか私への依頼もその関係では……」
「そうです。セナさんには、お兄様と過ごす別宅をご用意して欲しいのです!」
「………えっ?」
まさか密会用の別宅を?!アイリス様は大人の階段を一気に飛び越えようとしているのでは?!
「快適な部屋に興味深い書物!二人で遊べるゲームにセンスのある家具!お兄様がずっと留まりたくなり、そして私を甘やかしたくなる!そんな場所を用意したいのです!自宅ではクレアが煩いですし、お兄様の家ではダクネスが煩いんですよ……」
あっ、良かった。もしいかがわしい部屋なんて作ろうものなら、私はクレアさんに斬られてました。
「分かりました。立地、構造、デザインなどなど、あらゆる面でカズマさんの好みを調査し、最高の場所をご用意します。アイリス様の純粋な愛、伝わるといいですね?」
「お願いします!お金に糸目はつけませんからね!」
待っていてくださいカズマさん!あなたの任せてくれた仕事を、私は完璧にこなします!そして、健全にアイリス様を愛してあげてくださいね!
………………………………
「という事なのですが、カズマさんの好みを教えてくださいませんか?」
そういう仕事を受けたとなれば、先ずはカズマさんの好みの把握です。やはり、最初はカズマさんの事を良く知る人に話を聞くべきでしょう。そう、アクア様です。
「えっ…なんで私なの?本人に聞けばいいじゃない?」
「そんなの聞いたら、私がお部屋にカズマさんを呼びたがってるみたいではないですか!それに、もしこれで私の部屋と真逆の事を言われたら、なんかショックですし……」
あと、意識しちゃうと色々と恥ずかしいですし……
「いや…あんたのオフィス兼自宅にはカズマさん週5で入り浸ってるでしょ…今更そんなの気にする?」
「仕事とプライベートは別なんです!まだ遊びに来てくれたのは2回だけなんですよ?!」
「週5で通う場所に、あえて遊びには行かないと思うけど……まぁ、聞かれたからには協力するけど、ちゃんと報酬はあるのよね?」
「まだ報酬は貰ってないので前金は無理です。ですが、謝礼用のシュワシュワ券でよろしければ、沢山用意がございますが?」
「私、実は匠の女神でもあった気がするのよね……3日で仕上げるわ!」
あぁ、良かった。流石はアクア様です。エリス様は緊張するので避けたのですが、アクア様もカズマさんの事では頼りになりますね。
「ではお願いします。デザインができたら呼んでください」
私は、部屋に飾る可愛い小物を買ってきます!
※無駄な抵抗
…………………………
「……これは、馬小屋ですね?」
「えぇ、アクアさんのご依頼でカズマ様のご自宅に作らせていただきました。いやはや、生涯最後に英雄の為の馬小屋を作れるなんて、これは実に名誉な事。こんな老いぼれに声をかけてくださるなんて、アクア様はお優しい方です」
翌日、アクアさんの呼び出しでカズマさんの自宅に来た私は、何故か馬小屋を見せられています。ですが、カズマさんは乗馬スキルはあってもお尻が痛いからと馬に乗るのを嫌います。そして、無駄に高い機密性に、まるで寝具のようにフカフカに仕上げられた牧草……つまりこれは馬小屋ではなく、馬小屋に見立てた人の家!
「どうやら気付いたようねセナ……そうよ!これがカズマさんの求める場所!私達が寝食を共にした馬小屋よ!」
「いやなんでそんなものを?!しかも勝手に作っちゃってるじゃないですか!まだデザイン段階だって伝えましたよね?!」
しかし、この馬小屋とは思えない洗練された内部構造。見た目のボロい印象はあくまで演出であり、その強度と構造はかなり本格的です。そして、それを二人だけで組み上げる建築スキル。やはり、余計なことさせると一級品という評価は間違いありません。それにこの老人、ノコギリ一つでトレントを瞬殺していた伝説の大工、鋸引きのゲンに違いありません。恐らくその人選も偶然ではないのでしょう……
※ただの飲み仲間
「まったく、何を迷う必要があるというのかしら!カズマさんが求める場所はまさにこれなの!つまり、アイリスの依頼はこれで完了なのよ!あっ、ゲンさんもお疲れ様!このシュワシュワ券で一杯やって?」
「えぇ、ではまた酒場で」
あのアクアさん、なぜ完全にやり遂げた顔をしているのですか?私には説明がないんですが?!
「すみません。これがアイリス様の望みと言われましても……流石に意味が分かりません。説明して貰えますか?」
そもそもこれ、カズマさんが求めてますかね?
「カズマさんと私が過ごした馬小屋は、今では成り上がりたい冒険者の聖地。一泊1万エリスの高級宿になったのに予約が一杯で、今では馬でさえ一年待ちなの……これでは思い出の場所を訪れたくても、私達に入る隙はないのよ……」
「………馬小屋なんですよね?」
なんで馬小屋がそんなことに…この街はまるごと頭悪いんですか…
「アクアさん。干し草のベッドって意外と快適ですね!」
「えっ?アイリス王女?!ちょっとアクアさん!王女様を干し草に寝かせないでくださいよ!そもそもこれになんの意味があるんですか?!」
まぁ、ちょっと子供心を刺激されるのは分かりますけど……
「はぁ…ここまで言っても分からないの?カズマさんと楽しい時間を過ごしたいと言うのなら、このデザインは絶対に外せないわ。だって、カズマさんがこの世界に来てからの最初の宿であり、私と二人きりで過ごした思い出の場所なのだから!」
「た、確かに一番側に居たのはアクアさん!まさに人生のパートナーだった二人の楽しい思い出を再現すれば、カズマさんとの距離が急接近してもおかしくは……」
(アクアぁ!)(ふざけんなよ!この駄女神!)(女神チェーンジ!)(ちくしょー!またやりやがったな!)
あれ?なんか泣き顔とキレ顔しか思い出せないのですが?美しい思い出は?
「おっ?セナさんお疲れ様です。こんなところで何してるんですか?」
「あぁ、カズマさん。実はカズマさんの為に馬小屋をとアクアさんが……」
「見てみてカズマさん!懐かしいでしょ?二人で過ごした馬小屋を再現したのよ!」
「………えっ?馬飼うの?俺は馬苦手なんだけど…」
まぁ、普通はそんな反応ですよね。馬小屋ですし?
「違うわよ!入ってみてよ!寝てみてよ!私との日々を思い出してみれば、自然と笑顔になれるはずだから!」
「………えっ?普通に嫌だけど?」
「えっ……」
あっ、アクアさんが白く……
「馬小屋の思い出なんて、ジャージ燃やされたり、二人で凍死しかけたり、楽しい思い出なんざ全然ないだろ?しかも、干し草のベッドじゃ何度馬の糞に嫌な思いをしたか……」
「それも今となってはいい思い出でしょ?!辛い過去があって今があるんだから!それを思い出して浸ってみてよ!」
「嫌だよ!完全に出遅れじゃんかあれ!そもそも死にかけた思い出に浸りたいやつなんて居ない!」
「うぅ…私達だけの思い出なのに…二人きりの…大切な思い出の場所なのに……」グスグス
うわぁ…これは流石に堪えますって……アクアさんマジ泣きですよ……
「カズマさん、流石にアクアさんが可哀想です。このまま泣かれると近所迷惑ですし、少しは優しくしてください」(小声)
「えぇ……じゃあ、少しだけ頑張りますよ……」
全く、この人は本当に容赦が無くて困ります。エリス様には優しいのに……
「おいアクア。俺は今のあの馬小屋には一切の価値を見出してない。何故なら、俺にとって重要なのはお前だけだからだ!」
「へっ?!い、いきなり何よ!それで機嫌が治ると思わないでよね!」ニヤニヤ
いやチョロい。アクアさん凄くチョロい。もう8割は治りましたよ。
「良く考えてもみろよ?馬小屋では辛い思いばかりして、お前は全然笑ってなかったろ?俺にとって大切な思い出は、お前が笑顔でなきゃ成立しないんだ!」
「か、カジュマさぁーん!」ガバッ!
何このカズマさんイケメンです!たまに出るこのイケメンっぷりはなんなのですか!アクアさんがただの可愛い女の子になってますよ!
※エリスに色々と言うつもりで、日本の漫画から用意した。
「これからも俺達は一緒だ。ちゃんと隣で笑っててくれるよな?」
「うん!」
「楽しい事は分かち合って、嫌なことなんて飲んで忘れちまおうぜ?」
「うん!」
「冷蔵庫の高級シュワシュワ飲んじゃったけど、アクアは許してくれるよな?」
「うん!!ん?」
………えっ、いま笑った?!凄い悪い顔して笑いましたよ!カズマさん、貴方は今人として最低なことしてますよ!なについでに悪事の誤魔化しに走ってるんですか!
「残念です……お兄様は、私と一緒に干し草のベッドには寝てくれないようで……」
シュバッ!
「馬鹿だなアイリス。お兄ちゃんはアイリスが居れば、何処へだって行くぞ?」
「お兄様!」
「え?あれ?嫌な思い出があるって……」
そして変わり身が早い!アクアさんには文句言ってた癖に、アイリス様の誘いには即寝ましたよ!アクアさんの表情筋が死んでますよ!
「でも、ここは肌寒いから屋敷に入ろうな?俺がココアを煎れてやるからな?」
「ココア!お兄様の煎れるのはとても甘くて好きです!マシュマロもお願いします!」
「おう!任せとけ!」
そして、結局直ぐに用済みになる馬小屋。アクアさんは………
「違うもん…あれは照れてるだけだもん…夜には優しく慰めてくれるもん……」グスンッ
「……アクアさん。取り敢えず屋敷に入りましょう。カズマさんが心配しますよ?」
「………うん」
でも、この仕事はまた最初からですか……
__________
「はぁ……まさかこんなにも難航するなんて…」
カズマさんの好きな場所大作戦は、思ったよりも難航を極めています。それも仕方ありません。カズマさんが好む場所を奥様方に聞いた答えが……
「寝室ですね」「リビングのソファーです」「台所だろうか」「割とどこでも」「書斎の端っこかな」「お店のカウンター下でしょうか」「お風呂かしら」「告解室です」
「カズマさんは猫か何かですか?!なんですかその統一感のない独特過ぎる答えは!」
※なんの場所か分かった人は、この作品に毒されています。
「仕方ありません。それならばいっそ、魔法で閉じ込めてしまうのはいかがでしょう?」
「いや何言ってるんですかアイリス様?!犯罪ですよそれ!」
難航しすぎて、遂にアイリス様がおかしく?!
「監禁するのではありません。ゲームが好きなお兄様の為、ゲームをクリアしないと出られない部屋を作るのです!そうすれば一緒に協力して楽しめ、しかも二人の時間が過ごせるのです!」
「なるほど。そういうゲームとなればカズマさんは乗ってくる可能性が高いですね。外側のデザインは遊技場のような感じにして、内部の仕組みはウィズさんとウォルバクさんを頼りましょう。安全で楽しいダンジョン作りといったところですね!」
良かった。この方法ならば、アイリス様のご要望が叶えられそうです。カズマさんも気に入るでしょうし、そのうち私も使わせてもらいましょう!
「お題は自由に書き換えられるようにお願いしますね!」
「はい!そこも抜かりなく、飽きることのない仕様にさせていただきます!」
さぁ、早速取り掛かりますよ!
…………数日後…………
「あぁ、遂に完成したのですね!」
「はい!これがアイリス様の求めた簡易的かつ安全なダンジョン……通称「〇〇しないと出られない部屋」です!」
※日本人の皆様にはオチが見えていると思いますが、もうしばらくお付き合いください。
「と言う事で、先ずは内見を致しましょう。マスターキーはウォルバクさんとウィズさんが制作中なので、扉は閉じてはダメですよ?」
「そうですね。この専用のお題用紙には、もうお兄様としたいことが書かれています。これはその…セナさんとするわけにはいきませんし…」モジモジ
そんなに頬を赤らめて何をお願いするのでしょう。カズマさんもアイリス様は大切にしていますし、やはりキスをしたいとかそういうのでしょうか。甘酸っぱいですね……
※なお、セナさんはキス未経験である
「悪用防止で用意したお題用紙ですが、これは例のチョーカーの技術を応用しているそうです。かなり本気で叶えないと達成にはならないので、下手なことは書かないでくださいね?」
「大丈夫です!お兄様なら間違いなく叶えてくれますから!」
カズマさんはこれ程の信頼を向けられているんですね。本当に……なんでこんな良い子のアイリス様があんなのに?
「あ、アイリス様!ここにおいででしたか!」
「どうしたのですかレイン?そんなに慌てて…」
「王の勅命に焦ったクレアが暴走しているのです!衛兵に本気のクレアを止められるものなど居らず、なんとかお力添えを頂きたく馳せ参じました!」
「そんな、クレアが?!」「クレアさんが?!……んっ?」
あれ?あの人割と普段から暴走気味のような気がするのですが……
「ここに居たかレイン!さぁ、その理性を破壊する精力増強薬をこちらに寄越せ!流石にそれは野獣を解き放つことになるぞ!」
「えっ?なんでクレアさんはウェディングドレスを?!と言うか、暴走してるのはクレアさんだけじゃないですよね?!」
いや、確かにウエディングドレスを着て迫るつもりだったのなら、それも相当な暴走だとは思うのですが……
「私には、レインの方が暴走しているように見えますが……お兄様相手になんてものを……」
「いえその…流石のカズマ様も、これなら直前で逃げたりしないかなって……」
多分それ、上手く行っても一生後悔するほどの恥をかかされますよ?と言うか、王様の勅命が予想外の混乱を招いていますね……
「まぁ良い。見たところここは入り口が1つのようだ。ここを閉じればレインに逃げ場は……」
「「あぁ、だめぇ!!」」
「へっ?」
バタン!
やってしまいましたぁ!!
「クレア!レイン!ここは特別に作られたゲームルームなのです!ドアを閉めたら最後、そのゲームを攻略しなければ中からは出られないのですよ!」
「「なんですって?!」」
「しかも今はお題のない状態で、コレでは外から開けてもらわないと出られないのです!」
どうしましょう!何となくこんなことになる予感はしてましたが、まさかカズマさん不在時にこんな事になるとは予想外ですよ!
「くっ!すみませんアイリス様!こちらのお部屋は……後で必ず直します!」
スパァン!
なんて速い剣撃!まるで刀身がないかのような……
ズダンッ!
あっ、本当に刀身無くなりましたね。折れた刀身が床に刺さりましたもん。
「私の剣が折れただと?!どんな硬度なのだこの壁は?!」
「カズマさんの用意した日本の技術を用いた合金に、紅魔の職人の方が調子に乗って魔力強化を施したものです」
「「そんな迷惑な奴らを組ませるな(ないでください)!」」
それ、今の貴女達には言われたくないです……
「アイリス様。先程お題が無いとか仰ってましたが、今から簡単なお題を記載することは出来ないのですか?もし可能なら、クレアが深く反省して頭を丸めると書けば私達は出られるのでは?」
「おいレイン!お前自分を棚に上げ過ぎだろ!流石の私もそれは許容できんぞ!!」
いや、ウェディングドレスで凄まれましても……
「そもそもクレアがドアを閉めなきゃこうはなっていません!貴女には反省の意志はないのですか!」
「それをお前が言うな!」
この二人、こうして見るとカズマさんとめぐみんさんみたいですよね。馬鹿をやらかして怒られ、欲望のまま行動して怒られ、なんか凄いデジャヴュです……
「しかし、記載済みとは言えアイリス様はお題の用紙を持っているのですよね?それを私達でクリア出来れば……」
ぴらっ
『一回で3度絶頂するほどの濃厚なキス』
あっ、無理です。と言うかキスは正解なのに想定した100倍の難易度が付加されてました。これ人類に可能ですか?
「アイリス様、流石にこれは……」
「なんですか?!良いではないですかキスくらい!どうせ他の皆さんは4Pとかしてるんですよ!紅魔族や女神の食べ比べとかしてるんですよ!」
「流石にそこまではしてないと思いますよ?!」
※してます
「いけませんアイリス様!カズマにそんな行為を許すなど、下手すれば妊娠しますよ!」
「キスでは妊娠しません!もうそんな子供扱いは辞めてください!」
いやぁ、カズマさんならやりかねませんけどね…キスで妊娠も……
「アイリス様!クレア!落ち着きなさい!今は仲間内で争っている場合ではありません!理性的な行動が求められる時ですよ!」
確かに正論なのですが、理性を破壊する薬を作ってた人に言われると納得できませんね……
「取り敢えず状況は理解しました。それならば私に妙案があります!」
「レインさんがポンコツだと知る前だったら素直に信用できたのですが……それ本当に妙案ですか?」
「し、失礼な!恋愛は経験値不足ゆえにから回ることもありますが、私は知性を買われてアイリス様の側近を務めているのです!クレアと違ってポンコツではありません!」
いや、ポンコツで無ければそんな薬作りませんよね?
「おいレイン!今日は随分と私を馬鹿にしてくれるな!良いだろう。まずはその妙案とやらを聞こうじゃないか!」
「えぇ勿論です!まずクレア、貴女はアイリス様の用意したお題は分かっていますね?」
「無論だ。一度のキスで続けて3回イキたいということだろう!ですよね?アイリス様!」
「クレアは、そういうところが恋愛に向かないのだと思います……」カアァ
そうですね。この人デリカシー皆無ですからね……
「まぁ良いでしょう。ですがこのお題、一見すると知識の少ないムッツリ童貞のエロ妄想のようなモノにみえますが…」
「うぅ…レインまでぇ…」
いやレインさんもデリカシーが無い!アイリス様の純正培養を意識するあまり、側近の人選が偏り過ぎてます!いや、アイリス様の要望もぶっ飛んでますけどね?!
「一度のキスと言うのは、唇を触れている限り継続されるのです。つまり、キスした状態で唇を離さなければ………」
「何時間経とうが、一回は一回?!」
「そうです!つまり多少キスが下手でもチャンスは無限にあるのです!」
「さ、流石はレイン!変な薬を作ってもその知性は揺らぎませんね!」
あぁ、アイリス様まで……貴方達キスしたこと無いんですか?どんなにチャンスがあっても、常人では絶対に無理なこと書いてますからね?
※セナも経験はありません
「………レインさんの作戦は理解しました。で、それは誰がやるのですか?私にはそんな技術はありませんよ?」
「あぁ、それはクレアがやります。最近さくらんぼのヘタを結べるようになったと自慢してましたので」
「ふっ!確かに私の女子力の成長は、この所留まるところを知らないからな!カレーだけではなくシチューも作れるようになったし、ここでその成果を披露してやろう!」
あぁ…それルーが変わっただけのやつ……
「ということですので、後はクレアに任せて私達はお茶でも飲んで待ちましょう……」
「ははは!任せておくがいい!ここで華麗に名誉挽回とさせてもらう!」
………あれ?さっきから反応が変だとは思ってましたが、まさかこの流れで一番重要な事に、この二人は気付いていないのでは?!
「あの、当たり前ですがキスは一人では出来ませんよね?その相手は……」
「「………あっ」」
いや、あっでは無いですよね?!そこ一番重要ですよね?!
「えっと、私はクレアとレインが勝手に何とかすると思っていたのですが……違うのですか?」
「違いますよ?!あぁ、なんでそんな当たり前の事に気付かなかったのでしょう……何故か私、冷静さを欠いているようです……」
ふむ、流石にこんな低レベルな見落としはレインさんらしくありません。別にカズマさんが居るわけでもないのに、こんな失敗をするとなれば……
「………ちなみになのですが、先程話題になった理性を破壊する程の精力剤というのは、気化しても有効だったりしますか?」
「えっ?えぇ…軍馬繁殖用の薬を使用しているので、気化しても十分な効果が発揮されるかと……」
それ人に使って良いやつですか?!いえ、今はその話をしている場合ではありません!多分原因はそれなんです。だって………
「あの…セナさん?私には何がなんだか分からないのですが?教えてくれますか?」
不味い可愛い!私、アイリス様が可愛過ぎて必要ない事まで手取り足取り教えたくなります!これはもう間違いなく薬の影響です!私はロリコンではない筈なのに!
「レインさんのカバンから漏れてるそれ……件の精力剤じゃないのかと……」
「あっ?!えっと………そう、ですね……中で割れてますね………」
…………………あれ?これ予想外にヤバい流れでは?
ダンダンダン!
「出して!誰が出して下さい!襲われます!ロリコンのクレアに性的に襲われてしまいます!誰でも良いからドアを開けてください!!」
「落ち着いて下さいアイリス様!大丈夫です!私の理性はまだ全然大丈夫です!ほら、頭を冷やすためにお風呂にでも入りましょう!洗って差し上げますので!」ハァハァ
「「駄目っぽいじゃないですか!」」
あぁ…こんなことになるのなら……
「私も法的に脅して、関係を持っておけば良かったです……」
「セナさんも大変なことになってます!!」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
行動力ヤバい系ヒロイン最後の一枠。そろそろ本格的に動きます。必要なものは理由と大義名分のみ、最後の敵はカズマの理性です。ということで、ここから数話ほどアイリスサイドの話が続きます。ご安心ください。ちゃんと酷いです。
またセレナと合わせて不定期ですが、お暇な時にでもお付き合いください。