※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

正月のネタを何も考えておらず、なにかあったほうが良いかなって思ってたらこんなタイミングです。昨年はアレがなくて寂しかったので、今回はこんなのご用意しました。

またお暇な時にでもお付き合いください。


この愚かな冒険者に笑禁を……前編

大晦日。それは年の境い目。別に嫌でも年は変わるもので、そこに特別な意味を見出す必要は本来ない。だが、ソレを良い機会と考え、今一度自分を改めることも必要ではないか……

 

「って、思うだけだったら良かったのになぁ……」

 

「えぇ…これ絶対にアレだもんね…」

 

謎の日本語で書かれた招待状を貰った俺達は、白い試着室前で待機させられていた。まぁ、それだけなら嫌な予感はしない。この日本語で書かれた「ここで待て」が、嫌な予感しかしないのだ。

 

「あの、なんでカズマとアクアは嫌そうな顔をしているのですか?」

 

「そうだぞ?さっきまで日本のイベントに誘われたと喜んでいたじゃないか?なぜ今更警戒するんだ?」

 

「日本には、嬉しくない伝統っていうのもあるんだよ……」

 

俺達に届いた招待状は、俺、アクア、めぐみん、ダクネスに宛てられたものだ。しかし、この招待状を配達人に受け取った時、何故か誰も家に居なかったのである。不思議なこともあると思っていたのだが、その理由も多分これなのだ。

 

「あ、遅くなってすみません皆さん。本日は私、サトウエリスが案内人を務めさせて頂きます。これから24時間、日本文化を楽しんでくださいね!」

 

そんな俺達の前に現れたのは、予想を裏切ってエリスだった。この嫌がらせはバニルの企画だと思っていたのに、なんでエリスが手を貸しているんだろうか?

 

「これエリスがやんの?俺はてっきり、天使かバニルの奴が出てくると思ってたのに……」

 

「天使は今日、そちら側なんです。だって、この企画って天界の発案ですし……」

 

あ、なんかそう言われると納得する。あの神々ってこういうの好きそうだもん!

 

「と言う事で、皆さんにはまず林間学校にふさわしい服に着替えてもらいます。そこから企画が始まりますので、くれぐれも……笑わないでくださいね」

 

あぁやっぱり!見覚えあると思ったもん!これ絶対にろくな目に合わないやつだもん!

 

「あの、新年を迎えるのに笑わないと言うのは、一体どういう意味があるんですか?」

 

「それはやはり、新年を迎えるにあたり気を引き締めるとか、心を強く持つとかそう云う話なのではないのか?」

 

「詳しい理由は私も知らないのですが、これは日本伝統の試練だそうです。笑うとお仕置きされちゃいますが、24時間頑張ればお年玉がありますので、なるべく笑わずに頑張ってくださいね」

 

あっ、エリスも詳細知らないんだ……誰だよ企画した天界の奴!

 

「ほぅ、日本にも変わった文化があるのですね?中々に興味深いです」

 

「まぁ、そのような伝統を持って発展した国なら、ここから学ぶことも多いだろう。さて、早く着替えてしまおう!」

 

「うぅ、気が乗らない…帰ってシュワシュワ飲みたい…」

 

「諦めろアクア。流石に天界は敵に回せない…」

 

だがせめて、俺に集中攻撃が来ませんように!

 

…………………

 

「では、カズマさんから出てきてください」

 

「いや、そんな勿体振られてもいつもの緑のジャージなんだけど…と言うか私物なんだけど…」

 

神様の企画なのに、専用の衣装とかは用意してくれない。アクアのやらかしも補填してくれないし、実は神様ってお金が無いのかも知れない……

 

「カズマさんはジャージか裸のイメージしかないと天界では言われてますから、それは外せないのかと……」

 

「おい裸は知らないぞ!もう屋敷は覗けないはずだよな?!と言うか冒険にも興味持って!」

 

「野外でも構わず迫るからでは……」

 

「……すみません」

 

くそぅ!笑ってないのに叩かれた気分だ!

 

「では、次はアクア先輩。どうぞ!」

 

「いや、どうぞって言われてもジャージなんですけど……水色でカズマさんと同じデザインのジャージなんですけど!女神には相応しい衣装とかあるでしょ?!」

 

満を持してみたいな引っ張り方をしたのに、アクアの服も結局ジャージ。やっぱり神様ってお金がないのだろうか……

 

「いえ、アクア先輩のジャージは魔法が込められた特別性との事です。水と聖ダメージを8割カットして、しかも着用者が死ななきゃ脱がされない魔法で守られているそうです。ただ、物理防御は半分になるそうなので、使い所は少し悩みますが……」

 

「いやそれ呪いだから!元から水も聖も効かないわよ!これただ脱げなくて物理防御半減しただけじゃない!なんてもん着せるの?!」

 

うわぁ…これからしばかれるのに防御半減はキツイ。これ絶対用意した側にアクアのこと嫌いなやついるだろ……

 

「では、次はめぐみんさんですね!」

 

「あの…私のはどう見てもサイズが合わないのですが…と言うか胸がダボダボなのは嫌がらせですか……」

 

「ええっと…そちらはウォルバクさんが9歳の頃のお古で……えっ…」

 

「「「9歳?!」」」

 

いや馬鹿な!C?いやDはあるぞ?!

 

「わ、わぁ…ピッタリですぅ……」

 

「「ぶっ!」」

 

しまった!ついめぐみんの反応に耐えられず!

 

デデーン!アクア、カズマ、アウトー!

「えっ?なんかバニルの声の後に真っ黒な人が走ってきたのですが?!二人がアウトって…」

 

スパァン!!

「「いったぁ!!」」

 

これ予想より全然痛いじゃん!柔らかい棒なのに、フルスイングされたら超痛いじゃん!

 

「えっ…何故か尻をしばいていきましたよ?!まさか笑うとこんなことに?!」

 

「はい。これが日本の伝統芸なのです。なので、頑張って笑わないようにしてくださいね?」

 

「イカれた伝統芸が飛び出しましたよ?!ダクネス帰りましょう!これは日本を知る二人に任せて、私達は……ぷっ…」

 

試着室のカーテンを開けためぐみんが、何故か即座に吹き出してしまった。まぁ、それも仕方無いだろう。最後のオチに身構えていた俺も、危うく吹き出しそうだったからな。その「ららてぃーな」って書かれた体操服+ブルマには……

 

デデーン!めぐみん、アウトー!

 

スパァン!

「痛い!ダクネスの見た目に負けないほど痛いです!」

 

「おいやめろ!こっちを巻き込むんじゃない!私だってこんなの…くぅ!」

 

俺、生まれてはじめてコイツが羨ましくなったわ。あぁなりたくはないけど……

 

「では、準備ができたので林間学校に行きましょう。近くですが移動は馬車が用意してありますよ」

 

「ちょっとエリス!まだ天使が来てないわよ?こういうのは人が多いほうが攻撃が分散するから、あの子が来てからいきましょうよ?!」

 

「お前それ、女神の発言として大丈夫か……」

 

まぁ、本当に今更だけど……

 

「私の事ならお構いなく。もうここに居ます」

 

ガサガサ…

「うわぁ!茂みが立ち上がった?!」

 

「違いますよ?!これはサバイバルゲームとかで定番のギリースーツです!楽しい林間学校とは言え、自然界の中で生き残るには迷彩率は高いほうが良いと渡されまして……」

 

「紛らわしいんだよ!まぁ、笑い難い要素で助かったけども……」

 

でも、せめて危険だけは無しの方向でお願いしたい。この企画が地獄なのに、戦闘まで一緒にとかやってられないぞ……

 

「ほら、御者のセレナさんがお待ちです。皆様馬車に乗ってくださいね?」

 

「「「「はーい」」」」

 

はぁ、ここから先は逃げ道なしか……最悪テレポートを使う手もあるが、逃げたらもう一回とか企画されそうだし……

 

「あっ、他にも乗客の方が居ますので、なおのこと笑っては駄目ですよ?」

 

「えぇ…それ絶対に仕掛け人じゃない…いきなり変顔とかしないわよね?」

 

「だとしたら、ダストとかキースとかを警戒しとけば……」

 

「あっ、どうも……」

 

偶然乗り合わせた客、魔王の娘。

 

「「「「「ブーッ!」」」」」

 

デデーン!全員アウトー!

 

「いやいや今のは笑いとかじゃなく……いったぁ!」スパァン!

 

「何で居るのよ?!なんで魔王の娘が……痛いぃ!」スパァン!

 

「に、日本の伝統とは、魔王軍さえも巻き込むと……いったい!」スパァン!

 

「と言うか、魔王の娘も暇ではないだろうに……はぁん!」スパァン!

 

「しかもめちゃくちゃ緊張してるのがまた……いっつぅ!」スパァン!

 

本家は年末特別企画だからやりたい事は分かる。でも、それにしたって魔王の娘は流石にVIPにも程があるだろ?!どうやって連れてきたんだよ!

 

「ウォルバクに連れてこられたのは時はどんな催しかと思ったが、お前らも大変なんだな……」

 

そして同情された!そう思うなら手を貸すな!

 

「ねぇ、あんた本当に何しに来たの?!まさかここでやり合おうって言うんじゃ……」

 

「いいえ?貴方達の泣きっ面を見たから私は帰るわよ?じゃあね?」

 

「えぇ…そんな軽い感じなのかよ……」

 

マジで本家レベルじゃん……

 

「全員乗ったな?それじゃ出発するぞ。それ!」

 

パシンッ!

 

パシンパシン!

 

「あれ?すみません!お客様の中に高名なアクシズ教のプリーストはおられませんか?そちらの馬の具合が悪いようで……」

 

「あぁ、うちの馬を使ったのね……アクシズ教は馬でも熱心だから、他宗教の人の命令はそう簡単には……ぶふっ!」

 

デデーン!アクア、アウトー!

 

「あぁー!!」スパァン!

 

「どうしたアクア!なんで馬を見て叩かれ……」

 

馬車を降りて馬の前へ降り立ったアクアの元へ、慌てて俺と天使も駆けつける。まさか馬にまで細工なんて……

 

「ひ、ひひーん…はぁはぁ…」パシーン!

※馬の着ぐるみを着たゼスタ

 

「「ぶっ!」」

 

デデーン!カズマ、アマツカ、アウトー!

 

スパァン!

「「いったぁ!!」」

 

いや、これマジで尻は無事でいられるか?!

 

…………………………

 

「ヤバい…まだ移動開始しただけなのにヤバい……」ヒリヒリ

 

「本当ですよ……アクア様がゼスタ様にパワードなんてかけるから……あの「えっ?これマジで私が馬車引くの?!」って顔を見てしまったじゃないですか……」ヒリヒリ

 

「んん!思い出させないでよ!代わりの馬が居るとは知らなかったし……」ヒリヒリ

 

「とんでもない企画ですが、アクアの発想もとんでもないですね…」

 

「くっ!私なら支援など不要なのに……」

 

ゼスタから普通の馬にシフトした馬車は、目的地に向けて進んでいく。ゼスタが叩かれる度にセレナも笑っていたが、やはり叩かれるのは俺達だけらしい。この企画、見てる分には最高なのにな……

 

「えぇ、皆さん。朝ごはんを食べる暇も無かったと思いますので、こちらで車内販売を利用したいと思います」

 

「車内販売って言っても、そんなの何処にも居ないわよ……」

 

「と言うか馬車で聞いたことないですけどね……」

 

ガラガラ……

「んっ?なんか馬車が隣に……このままだとぶつかるぞ?!」

 

ガタンッ!

走ってる馬車を横付け?!これはまさか……

 

「なに?!山賊か何かなの?!」

 

「くそっ!全員戦闘準備を、相手は……」

 

「あっどうも車内販売です!」

 

突撃型車内販売員、レイン。

 

「いや何してんの?!」

 

「車内販売は車外から来ないわよ!」

 

「ギャグのつもりかも知れませんが、やり方が危険過ぎて笑えませんよ?!」

 

「レイン殿!何故こんな馬鹿なことを引き受けたのですか?!」

 

「こんなことしても、愛される個性は得られませんよ!」

 

「ちょっと天使様?!その生々しい野次は辞めてください!私だってやりたくてやってません!でも、これから辛い思いをする皆さんの為に、最高の朝食を用意してあげたくて……」

 

あぁ、もうこの人選だとオチが読める。後ろにあるデカい岡持ちの中には、きっと馬鹿みたいに生クリームが詰め込まれているんだろう。予想ができれば、ある程度耐える事も可能だ。

 

「なんて、私がこう言えば間違いなくパンケーキを思い浮かべ、そして朝には重いだなんだと皆さんは文句を言うのです。えぇ分かっています。私だってそんなに愚かではありません……」

 

「それに今気付く地点で、貴女は相当愚かだと思うけど……」

 

それをアクアが言うなよ。お前も相当だからな?

 

「ということで!生クリームの乗ってないパンケーキをお持ちしました!」ドヤァ!

 

「いやドヤられても困る!むしろ、なんでそこに至るのにこんなに時間かかったんだよ?!」

 

有り難いことには違いないんだけどさ!

 

「ということで海藻の天使様!この厚焼きフカフカのパンケーキをご賞味ください!」

 

「そんな有難みのないジョブチェンジはしてませんよ!まぁ、この厚みを生み出したのは素晴らしい進歩ですから、そこは高く評価しま……」

 

ぷぴー……

えっ?なにそのパンケーキ?切れないっていうか、もはや食い物でも無いじゃん!音のなる玩具じゃん!

 

「……………」

 

ぷぴー、ぷぷぷっ、ぷぴーぴー※Fantastic Dreamerのリズム

 

「「「「……ふふっ」」」」

 

デデーン!アクア、カズマ、めぐみん、ダクネス、アウトー!

 

「あっ!この野郎……いたぁ!」スパァン!

 

「あんたね!それは絶対に駄目な……痛い!」スパァン!

 

「くっ!流石にそれは裏切りで……あぁー!」スパァン!

 

「私達は仲間じゃなかったのか……くふぅ!」スパァン!

 

確かに本家でも度々やるけど!お前そんなんだから万年天使止まりなんだぞ!

 

「ふぅ…これで私の領地は今年いっぱい豊作です。ありがとうございました!あっ、ちゃんと食べられるパンケーキと、生クリーム2リットル置いていきますね!」

 

「いや結局それかよ!っていうか撤退早いな!」

 

「あと、なんか豊作がどうこう言ってたけど……これ本当に神々の企画だったら何されるか分からないわね……」

 

「まぁ、今年はもう終わるし、その程度の対価ならそこまでエグいことはしないだろ……と言うか真冬に豊作ってなんだよ…」

 

でもその対価でこんなに恥をかいて、レインもまぁまぁ被害者だよな……

 

…………………

 

「はぁ…やっと着いたわね……」

 

「ずっと気を張ってたから、無駄に疲れましたね……」

 

レインの襲撃から30分、俺達はついに目的の場所に到達した。と言っても、そこは何の変哲もないキャンプ場。仕掛け人は現れるだろうが、大掛かりな罠はないだろう。取り敢えずそれだけでも安心だ。

 

「さて、取り敢えず林間学校の先生に挨拶に行きましょう。厳しいですが、とても優秀な方です。失礼のないようにお願いしますね?」

 

「林間学校の先生って誰だよ……妥当な所だとミツルギとかかな?」

 

「もう誰でも良いですよ……性格が悪い人じゃない事を祈りましょう……」

 

悪くなくても、企画的に何かしてくると思うんだけどな……

 

………………

 

「このヒヨッコ!そんなことでこの新兵トレーニングを卒業出来ると思ってるのか!」

 

林間学校の鬼教官、シエロ

 

「し、しかし!流石に手刀で薪割りは……」

 

林間学校参加の新兵、ミツルギ 

 

「甘えるな!」

 

パァン!

「す、すみません!サー!」

 

「触らせるな!」

 

ズドォン!!

「ごふっ!これは…不条理です…サー…」

 

「「「「ぷっ」」」」

 

デデーン!アクア、めぐみん、ダクネス、アマツカ、アウトー!

 

「なによ手刀って……いったぁー!」スパァン!

 

「なんでカズマは平気なのですか……痛い!」スパァン!

 

「いや、シエロのあれ笑えないレベルで痛いからな……」

 

最初に飛び込んできた光景は、軍服を着たシエロに無茶なシゴキを受けるジャージ姿のミツルギだった。まぁ、多分台本があるのだろう。じゃなきゃシエロが自分からミツルギを殴るはずがない。

 

「シエロさん。新しい生徒をお連れしました」

 

「エリス様!お疲れ様です。以降は私が引き継ぎますので、奥で休まれてください!」

 

「奥って、森の奥しか見えないのですが……」

 

「ぶふっ!」

 

デデーン!カズマ、アウトー!

 

「あんた、エリスに関しては本当に警戒心0よね……」

 

「いや、エリスがボケるとか予想が……いたぁー!」スパァン!

 

いや天然かも知れないけどさ!シエロも含めて!

 

「よく来たなヒヨッコ共!ここは貴様らを鍛え抜く為の修練の場だ!甘えた考えは捨て、人のレベルになるまでは適当に略称で呼ぶ!良いなクズ!」

 

「それもう悪口なんだけど?!」

 

「いや事実よね」「事実です」「事実だな」「まぁ、最後のマが無くなっただけですからね」

 

「クズマもあだ名ではないんだが?!」

 

でも、ツッコミでボケかき消せたのは好都合だ。後はこいつらのアダ名を乗り切れれば……

 

「お前は……水!」

 

「いやそうだけど!そうだけどその言い方は違くない!」

 

「お前は羽!」

 

「羽だけ?!」

 

「爆裂!」

 

「むしろご褒美です!」

 

「お前は……ララティーナ!」

 

「「「「ぷっ!」」」」

デデーン!カズマ、アクア、めぐみん、アマツカ、アウトー!

 

いやそれ本名!

 

「おい何を笑っているんだ!私の名前がそんなにおかしいか?!」

 

「いや違うんだって!この流れで本名は予想外で……いたぁ!」スパァン!

 

「だからって笑うやつがあるか?!」

 

くそっ!企画側に本家を良く知ってる奴が居るな!嫌な手を使ってくる!

 

「あ、あの!遅れてしまってすみません!」

 

遅れてきた新兵、エーリカ。

 

「おい!貴様なぜ遅刻した!まずその説明をしてみろ!」

 

「すみません!前髪が決まらなくて!」

 

「ふざけるな!」

 

パァン!

「なぜ僕?!」

 

「「くふっ」」

デデーン!めぐみん、ダクネス、アウトー!

 

エーリカに怒っているシエロのビンタが、何故かミツルギを襲う。企画を知っていればあるあるなのだが、初見の2人にこれは耐えられなかったようだ。まぁ、普通に考えたらあり得ないもんな……

 

「よく考えたら、私達は普段からこんな目にあっていますが……痛い!」スパァン!

 

「他人が遭遇してて笑うなと言われると……はぁん!」スパァン!

 

「神々は皆様のことをこうやって楽しんでいるのですね……」

 

「ねぇ、そいつらが笑う度に尻をしばいて良いかしら?そいつらには相応の罰が必要だと思うわ」

 

「今回ばかりは俺もそうしてやりたい。と言うか直接叩きたい……」

 

こういう企画を、二度と思い付かないように……

 

………………

 

「貴様らよく聞け!ここは比較的安全ではあるが、過酷な自然の中である事に変わりはない!まずは水と火と食料を手に入れ、危険な夜に備えるんだ!」

 

シエロのキャラ付けは鬼軍曹みたいだが、それでも林間学校と言う主題は守るらしい。むしろ、鬼のようなトレーニングを課されたら、多分笑顔なんて二度と出ない。そっちの方が好都合な気さえする。

 

「と言う事で、ミチルは薪割りを続けろ!お前らは全員食材の確保だ!昼食に魚を釣ってこい!!ほらクズ、貴様は竿を持て!股間の竿ばかり持ってないでな!」

 

「「「「「ぶーー!!」」」」」

 

デデーン!全員、アウトー!

 

「おまっ!下ネタはアクセルハーツ的に不味いって……いったぁ!!」スパァン!

 

「ずるいわよ!シエロがそんなこと言うのは不意打ちにも程が……痛い!」スパァン!

 

「えっ!なんでリアちゃん?!これ台本通りで……はぅん!」スパァン!

 

「流石に断れ!!」

 

あっ、黒子じゃなくリーダーから制裁が……

 

………………………

 

「しかし、こんな穴場の釣りスポットがあるとはな……良しヒット!」

 

「流石はカズマさんよね。水の女神の私より釣るなんて……」

 

シエロの指示により釣りに来た俺たちだが、笑いと関係ない部分はとても親切な対応がされていた。モンスター避けの魔法陣が各所に設置され、この川も流れが緩やかで、しかも足場が整備されとても釣りがしやすい。今度普通にキャンプに来よう。

 

「まぁ、二期の頃にはエンディング用にいつも人数分釣ってたもんな……」

 

「ぶふっ!」

 

デデーン!アマツカ、アウトー!

 

「いやいや!毎回釣るって………いったぁ!」スパァン!

 

「「「「?」」」」

 

「えっ…マジなのですか?!あれ収録じゃなかったんですか?!」

 

そんな便利なシステムはこの世界にはない。科学の発展はこれからだ。

 

「ねぇアクアさん、私にも釣りを教えてくれないかな?」

 

「あら、エーリカは釣りが苦手なのかしら?それなら私が教えてあげるわ!」

 

エーリカのやつは巻き込まれたって感じで、多分あの遅刻だけでネタが尽きたのだろう。まったく笑いを取りに来ないし、用意した釣りにも積極的では……

 

「竿の握り方を教えてってリーンに聞いたら、「や、優しくって所までしか知らなくて…後はカズマの嫁達に聞いて……」って言われちゃって!」

 

「「「ぶふっ!」」」

 

デデーン!アクア、ダクネス、アマツカ、アウトー!

 

「その聞き方は不味いわ……痛い!」スパァン!

 

「勘違いを生むって……ハァン!」スパァン!

 

「それを勘違いする我々も駄目な気が……いったぁ!」スパァン!

 

アクセルハーツにそういうの言わせてる奴には、後で抗議しよう。

 

「じゃあ気を取り直して、この深場のポイントを……」

 

「あぁ!アクアさんハチが!えいっ!」

 

「ちょっ?!」

 

ドンッ!……ボチャン!

ここで?!ここで仕掛けてしかも川に落とした?!そもそも真冬にハチが理由?!

 

「……ふふふっ」

 

デデーン!アマツカ、アウトー!

 

「……お前、今のは完全に人として駄目な理由で笑ったよな?」

 

「いえ……決してそんな……痛い!!」スパァン!

 

水の女神だから溺れはしないだろうが、それでも浮いてこないのはおかしい。まさか、川底に頭をぶつけたりなんて……

 

ザパーン!

「おぉ!アクア無事で……えっ?」

 

なんか、薄着でビッシャビシャに濡れたリアが、簀巻きのアクアを連れて出てきたんだけど?!

 

「私はアクアではありません……この湖の……女神です…くしゅんっ!」プルプル

 

凍える湖?の女神、リア。

 

「いや先ずここ川だし、今にも凍え死にそうだし、流石にその仕事は断っても良かったんじゃないか…」

 

「ひ、引き受けた以上はプロとしてやり遂げる!次の仕事を繋げるために!何より、こんな特番は初めてだからな!」

 

シエロのイメージ崩壊も駄目だけど、お前が死んだらそれこそ大事件だろうに……あと、これはパチもんだぞ?

 

「取り敢えず『脱水』『乾燥』!」

 

「あっ…ありがとう……そう言う洗濯スキルって、結構便利なんだな…」

 

「まぁ、そうじゃ無きゃ取ってないし?」

 

と言うか、水抜いただけじゃキツくないか?その薄手の生地の女神服は……

 

「では本題です………貴方が落としたのは、この呑んだくれで暴走気味で頭の悪くて大変扱いにくいけど可愛い水の女神ですか?」

 

「ちょっ!そんな笑いの取り方は酷くない?!私最近はちゃんとしてるもん!ねぇカズマさん?!」

 

「その呑んだくれで暴走気味で頭の悪くて大変扱いにくいけど可愛いと見せかけて女の魅力が度々無くなって気付いたらウーパールーパーでも飼っている気持ちになる水の女神です」

 

「なんでよぉ?!」

 

「「ぷっ」」

 

デデーン!ダクネス、アマツカ、アウトー!

 

「ふ、二人の仲睦まじさを見ていたらつい……はぁん!」スパァン!

 

「も、元上司の泣き顔…いえ、私もダクネス様と同じで………いっっったぁ!!!なんか威力が違う?!」スッッパアァァン!!

 

あ、あの黒子の筋肉は武神様かな……

 

「なんと正直な若者でしょう。では、貴方には選択肢を与えましょう。まず、この今までのアクアを連れて帰るか……」

 

「おいおい。例えどんなに問題があっても、俺はアクアを見捨てたりしないぞ」

 

「か、かじゅまさん……」

 

まぁ、アクアにこういう事を言うのは恥ずかしいのだが、神々が見てるならちゃんと証明してやらないとな……

 

「または、このアクアさんの服を着せられて恥じているエリス様を……」

 

「うぅ…先輩の服、スカートが短くて…」モジモジ

 

「あっすいませんソッチで」

 

「「「ぶふっ!」」」

 

デデーン!めぐみん、ダクネス、アマツカ、アウトー!

 

「なんでよー!!」

 

これに関してはマジでごめん!なんか勝手に口から漏れた!

 

「こ、この男は本当に……痛い!お尻がぁ!!」スパァン!

 

「くっ!なんて羨ま…最低な……ひゃん!」スパァン!

 

「エリス様の恥じらい顔相手では仕方な……いったぁ!でもさっきのよりだいぶマシ!」スパァン!

 

悪いなお前ら……でも、そんなことより可愛いエリスが優先だから!

 

「じゃ、お持ち帰ります!」

 

「ま、間違いなく神々が見てますから……今それは流石に……」

 

「大丈夫だエリス…あいつらもどうせ綺麗どころのファンだから、俺達はテレポートで帰ろう。そして、あいつらが頑張っている間、覗かれない家で二人っきりの熱い時間を………」

 

デデーン!カズマ、人としてアウトー!

 

「おい待て!流石にそれは不条理……いってぇ!」スパァン!

 

「まぁ、彼女らの魅力もカズマ様ありきですから、多分逃してくれないかと……」

 

畜生!神様なんて嫌いだ!というか、コレ無事で帰れるのか?!

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

酷い作品専門の私ですが、もうR-18を無視してネタに突っ切る話を1つ、と言いつつ後半に続きます。

また不定期更新ですが、お暇な時にでもお付き合いください。
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