※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

赤ちゃんの誕生は喜ばしいことですが、あまり喜ばしくない赤ちゃんネタも置いていくスタイルです。安心してください。酷いですよ!

またお暇な時にでもお付き合いください。


この小さな命?に祝福を

俺は高校生勇者の佐藤和真。幸運の女神で愛する嫁のエリスとの間に第一子を授かった俺は、折角なのでウィズの店に育児製品コーナーを設けようと店内の視察を行っていた。視察をするのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてきたもう1人の嫁女神(アクア)に気付かなかった!

 

ガンッ!バシャッ!

 

「ごふっ!!」

 

俺はその駄女神に背後から抱きつかれ、棚にぶつかった拍子に謎の薬を浴びてしまい、目が覚めたら・・・

 

「体が縮んでしまっていた!」(裏声)

 

「こんな大変な状況を知られたら、両親と天界に要らぬ心配をかけてしまうわ!」

 

というアクアの助言というか隠蔽の提案を聞いた俺は、うちの両親ならむしろ真人間に育て直すとか言い出しかねない事も相まって、正体を隠すことにした。だが、そこに現れたエリスに対し、完全に赤ん坊になっていた俺を抱えたアクアは……

 

「こ、この子はその……そう!カズマさんとの赤ちゃんなの!」

 

「…………えっ…そんな……いつの間に…」

 

なんてトンデモない言い訳をかましやがった!マジでやってくれたなこの駄女神!マジ凹みしてるエリスへのフォローも必要だが、先ずお前は本気で辱めてやるからな!

 

「小さくなっても頭脳は同じ!情け容赦無しの平等主義!寝室は実質1つ!」(例のモノマネ)

 

……………………

 

「アクアちゃん!本当におめでとう!まさかもう産まれてただなんて、早く言ってくれれば良かったのに!」

 

「あ、ありがとうございます……そして、なんかすみません……」

 

「ばぶぅ」

 

出産報告の為に用意したパーティー会場。俺は16年ぶりの母の腕に抱かれ、小さくなった頭で思考を巡らせていた。ウィズが言うには、あの薬の効果は何もしなくても大体2日で切れるらしい。しかし、2日というのは思ったより長い。それは俺の体感的な話ではなく……

 

「ねぇエリスちゃん?エリスちゃんも勿論おめでたいと思っているからね?だから、そのお通夜みたいな顔は辞めましょ?ほら、エリスちゃんも抱っこしてみない?」

 

「アクア先輩に先を越された……そんな素振り無かったのに、私を応援するって言ってくれたのに……」ブツブツ

 

そう、エリスの精神的な意味だ。本当ならアクアに真実を伝えて欲しいのだが、如何せん言葉が発せないとそんな指示も出来ない。こんな事なら完全に赤ん坊になる前に、何か合図を決めておくべきだった。と言うかここまで縮むのは流石に予想外だぞ。○ナン君程度なら、近所の子供とか言って誤魔化せたのに……

 

「それにしても、まさかアクアが妊娠していたとは驚きましたよ。どうして言ってくれなかったんですか?」

 

「えっと……そう!女神の私はプロポーションが絶対に崩れないのよ!だから、自分でも妊娠には気付きにくくて……」

 

「なんですかそれ……私だけその加護貰ってないんですけど……」ブツブツ

 

いや、流石につわりとか色々とあるんじゃないのか?エリスもなんか吐き気を……いや、そう言えばコイツは年中吐いてたわ。妊娠中に呑んで吐くとか最低だけど、アクアなら普通にやりそうだもんな……

 

「ところでアクア、やはり出産は辛いのか?!嬉しいのに辛いと言うのはどんな気持ちだ?!」

 

いや出産は流石にそういうカテゴリーにしちゃ駄目だろ。お前はそもそも安産体型だし心配してないが……

 

「あぁ…そ、そこは水の女神だから……羊水をコントロールしてジャーって?」

 

いや排泄物じゃないんだからさ!お前それは流石にバレるだろ?!

 

「水の女神って結構万能なのだな?」

 

「アクアちゃんが産婆さんしたら、みんな安産で産めそうね?」

 

うん、ダクネスと母さんが素直で良かった。いや馬鹿って言ったほうが正確だけどな。取り敢えず、アクアはちょっと黙らせるか……

 

「あ〜、まぁま〜!」

 

「あら?ママのところに戻りたいの?」

 

「へっ?今まさにママの所にいるのに?」

 

いや馬鹿なの?!お前が俺を自分の子って言ったんじゃねぇか!即日忘れてんじゃねぇぞ?!

 

「アクアちゃんの義理のママは私だけど、この子が求めるママはアクアちゃんでしょ?ほら、ちゃんと抱っこしてあげて?」

 

「あっ、私ったらつい……」

 

よし、何とかアクアの所に戻りはした。あとはここからどうやって指示をするかだが、取り敢えず二人になる必要があるな。こういう時は、取り敢えず母乳を欲しがってる感じで……掴む!

 

「あ〜、あう!」

 

むぎゅっ

 

「んっ…ちょっとぉ…その身体で求められても、流石に無理だと思うんですけど……」

 

いやそんな訳ねぇだろ?!この流れで母乳だと気付け!お前なんでそれで母親役で誤魔化そうとしたの?!

 

「アクアちゃん、この子はお腹が空いているみたいよ?ほら、お母さんとしてご飯をあげなきゃ!」

 

「そ、そうだったわね!よしよ〜し……取り敢えずローストビーフで良い?」

 

「「「えっ?!」」」「ばぶっ?!」

 

いや良いわけねぇだろ!乳飲み子になに肉汁与えようとしてんのお前?!俺だって知らない奴が見たら虐待だぞ?!

 

「えっ……女神の子って、いきなりお肉いけるの?」

 

「い、イケる子は……イケるかしら……」

 

いや、イケたやつは赤ん坊として扱っちゃ駄目だろ!と言うか哺乳類じゃないよそれ!

 

「先輩。カズマさんの子に意地悪しちゃ駄目ですよ?ほら、早くミルクをあげて来てくださいね?」

 

「あっ…うん……そうします……」

 

あっ、この目が笑ってない笑顔はそろそろヤバイ!エリスをどうにかしないとマジでヤバい!!

 

……………………………

 

「ねぇ、このままだとエリスが本格的にヤバイ事になりそうなんですけど……」

 

「あう……」

 

会場を抜け出してきた俺とアクアは、エリスのヤバい状況に頭を悩ませていた。俺の正体さえ伝えられれば、エリスは元に戻るのだろう。だが、いかんせんその方法がないと言うか、先ずコミュニケーションの方法がないとどうしようもないと言うか……

 

「ウィズが中和剤を作ってくれてるけど、それも何時になるか分かんないし……いっそエリスにだけバラした方が良いのかしら?」

 

「う〜!」

 

そうだアクア!ここに来て遂に人並みの知能指数になったな!エリスはお前の事を売ったりしないから、エリスには素直に話そう!エリスの事だけなんとかなれば、後のことは後々でも大丈夫だから!

 

「ん〜、やっぱり分かんないから辞めとこう……カズマさんに怒られるの嫌だし……」

 

「あぅ?!」

 

いやなんでこんな時ばかり聞き分けが良いんだよ!いけよ!そこは馬鹿丸出しで喋っちまえよ!そっちのほうが好都合だから!

 

「あっ、そうよ!カズマさんって手話とか出来ないの?!」

 

「あう!」

 

おぉ!良く思いついたなアクア!俺達冒険者は音を出したくない時にはハンドサインを使うもんな!これならきっと伝わるはずだよな!!

 

「あ〜、う〜!」フリフリ

 

「…………なにこれ可愛い!」

 

むぎゅー!

いやハンドサイン見て?!

 

「ばぶっ、あ〜!!」

 

「あっ、ごめんね?今度は邪魔しないから、お遊戯会を最後まで見せてね?」

 

お遊戯会?!いや、今は我慢だ!俺の正体を知ってるのがアクアだけの今、俺はもうコイツにすがるしかない!くそぅ!バニルかウィズに代わってもらえば良かった!

 

「ばぶっ!あー!」ピコピコ

 

「ふむふむ……ふへへ……」

 

取り敢えずアクアにも分かる基本となるサインを組み合わせているが、ハンドサインには手話のように細かな情報を伝えるものがない。しかし、この『仲間、神、プリースト、信頼、真実、伝える』のサインなら間違いなく意図は伝わるはず!そう、アクアがハンドサインをちゃんと覚えていればだが……

 

「なるほど分かったわ……仲間の神プリーストがつまり私で、そんな私に真実の信頼を伝えたいって事ね……ありがとう、私も信頼してるわよカズマさん!」ビッ!

 

いやそのサムズアップをやめろ!全く伝わってねぇから辞めろ!ちゃんと単語を全部拾えてるのに、伝言ゲームで0点だすって逆に凄いぞ!

 

「でも、それじゃ私の独断で動いても良いって事かしら?それなら、取り敢えず行き遅れの愛の女神にマウントでも取りに……」

 

いやせめて信頼に答えるような選択肢を出してくれない?!信じた瞬間裏切るの辞めない?!

 

「はっ?!誰か来たわ!カズマさん、ごめんね!」

 

ふにゅっ

「んぐっ?!」

 

頭の悪いアクアへの意思疎通方法を考えていたら、顔面に突然胸を押し付けられた。どうやら誰かが部屋に入ってきたようだ。別に無理に授乳中って事にしなくても良いのだが、そんな所まで考えが及ばなかったらしい。まったく馬鹿な女神だぜ。今回ばかりはそれも許す!なんか美味しい気がするから許す!

 

「アクア、子供の様子は……って、まだ授乳中か?」

 

「あ、あらセレナ!どうしたの?セレナもミルクあげる?」

 

「いやあたしは出ねぇし……と言うか、カズマの事で少し聞きたくてな?」

 

おっ?まさかセレナの奴、俺の事に気付いたのか?だとしたらむしろそっちの方が好都合だ。セレナは間違いなく、アクアよりは賢い!褒め言葉になるかは一考の余地があるが!

 

「カズマが居ないって話なんだけどよ。レジーナ様が言うには街の中で反応が消えたって言うんだよ。移動なら移動で追えるし、テレポート先なら仲間の神たちが全部把握しているって言うし……」

 

おい。俺のプライバシーはマジでどこいった?マジでそろそろ訴えてやろうか?!神様だろうと法廷に呼ぶぞ!

 

「なぁ?本当はカズマになんかあったんだろ?アクアにしか告げないで居なくなった理由って奴がさ?」

 

「えっと……それはその……ど、どうしようカズマさん?」

 

いやどうしようも何も伝える手がねぇよ。まず授乳を辞めてくれないと…………んっ?むしろコレはチャンスなのでは?!

 

「えっ、えっとね?別にそんな大事じゃ…·んっ!ちょっと?!赤ん坊の癖にそんな舌使いは……あっ!」

 

よし!舌と唇なら自然に動かせる!聞けセレナ!お前ならこれに気付くはずだ!

 

「んっ…あっ…ちょっ!…ん〜はぁ〜…ん〜!…あっ、あっ、あんっ!」

 

「さ、流石に授乳でそんな事に……あっ、まさか今のはモールス信号か?!SOSって伝えたのか?!」

 

やだ素敵!セレナってばマジ有能諜報員!これ一発で伝わるとかコ○ン君超えたんじゃね?!

 

「へっ?モールスって……んっ!」

 

「アクア!いいからされるままに声を出せ!この赤ん坊、あたしに何かを伝える気だ!!」

 

よし、良いぞセレナ!後はエリスに伝言を頼むだけだ!

 

「そ、そんなこと言われても……んっ!あっ……んー!」

 

「か、ず、ま、は……カズマは?!」

 

おぉ!凄いぞ完璧じゃないか!良し、このまま一気に……あっ…

 

「おいアクア!続きは……アクア?!」

 

「あうぅ…もう…らめぇ……」ビクンビクン

 

しまったぁ!セレナの前で喘がされた興奮で、普段より早く逝きやがった!これじゃモールスが送れない!

 

「くそっ!こうなりゃあたしの胸で……いや、それじゃあたしがモールスを読めない!仕方ねえ、こうなりゃ代わりを用意するしねぇか!待ってろ赤ん坊!」

 

いや、別にセレナの指でも咥えさせてくれれば、モールスは通じると思うんだが……何で知能指数がいきなり下がるんだあいつ?まぁ、連続で味見が出来るのは歓迎だけどな!

 

………………………

 

「なるほど。ウィズの薬で……」

 

「ぴっぴー(あぁ、伝わってくれて何よりだ)」

※以下、ベビーカズマはモールスで会話しています

 

アクア、ウォルバク、ダクネス、あるえ、ゆんゆんの尊い犠牲により、笛ラムネと言う意思疎通ツールを手に入れた俺は、セレナとは確実なコミュニケーションが取れるようになった。いやぁ、本当に苦労したなぁ〜。

 

「ことの経緯と要求は理解したんだが、なんで最初に笛を要求しなかったんだよ……最初に笛を用意してれば、少なくともあるえとゆんゆんは犠牲にならなかったろ?」

 

「…ば、ばぶぅ?」キュルン

 

「あっ!てめぇ分かってて楽しんでやがったな?!赤ん坊の可愛い顔で誤魔化そうとしてんじゃねぇよ!」

 

仕方ないだろ!あんなドリンクバーが用意されたらそりゃ飲むって!この身体だとあいつらのボリューム感が更にヤバいんだぞ?!抗える男なんて居ないから!

 

「おい。ならなんで私だけ咥える段階で拒否をしたのか聞こうじゃないか。この赤ん坊がカズマだと分かった以上、全員授乳なんて出来ないことは分かってましたよね?!」

 

いや、だって吸うにも突起が必要だし?

 

「お、落ち着けめぐみん!今は赤ん坊だから!それマジの虐待になるから!」

 

「ばぶぅ?」キュルン

 

「くぅ、可愛い!こめっこの影響で叱れません!」

 

おっ、それは良いこと聞いたな。子供が生まれたら、子供経由で馬鹿なこと辞めさせよ!

 

………………………

 

「それで、エリスには事実を伝えるとして……なんで両親にはバレたくないんだよ?」

 

めぐみんにダウンした仲間達を運んで貰い、俺とセレナは今後について話をしている。それにしても、通じ合えるって本当に素晴らしい。言葉というだけでなく、意思疎通と言う意味で!

 

「ぷぴーぷー(うちの親は、赤ん坊になった俺を真人間に育て直すとか言いかねないヤバい親だぞ?)」

 

「いや確かに言いそうだけどよ……モールスを打つ赤ん坊にはヤバイなんざ言われたくないと思うぞ?」

 

それは仕方ないだろ?他に方法もないし!

 

「ぷぴぴ(あと、あんまり心配はかけたくないんだよ。1度死んで泣かせてるし、まだこの世界のヤバさを理解してないしさ?)」

 

「………そうかよ。まっ!そう言うことならあたしに任せな!偽装に嘘に口八町!あたしが絶対にバレないようにフォローしてやるよ!」

 

「ぷぴっ!(おう!頼りにさせて貰うぜ!)」

 

まぁ、それをプリーストが言うのはどうかと思うけどな……

 

……………………

 

「えっと……なんか一気に人が減った気がするんだけど、なんかあったの?」

 

「安心してくださいお義母様、皆さんはちょっと妊活に向かっただけですから!」

 

「皆そんなに熱心なの?!と言うかエリスちゃんもどうしちゃったの?!さっきとテンションが全然違うじゃない!」

 

昼の会食を何とか乗り切った俺達は、そのままアクセルの冒険者ギルドに向かっている。職場環境の確認と言う大義名分の元、親父と弟がギルドを見たいと言い出したそうだ。分かる。男子なら一度は憧れる世界だもんな。しかし、それにしてもエリスの抱っこはマジで落ち着く。これがマジ女神の包容力か……

 

「やはりバニー服の遊び人とか、全身タイツの僧侶とか居るのだろうか……」

 

「センスが古いよ父さん。そこはやっぱり、セクシーな女盗賊じゃない?」

 

うん、マジで血って争えないのな。親父と弟の脳内って、ほぼ俺と同じだもん……

 

「まったく、うちの男どもは馬鹿丸出しで困るわ!ねぇエリスちゃん?」

 

「大丈夫ですよお義母様!エッチなのは子孫を残す生命として健全な証ですから!ねぇ、貴方もそう思いますよね?」

 

「あぅ!」

 

「えっ……本当に突然どうしたの……まさか、やばいお薬とかキメてないわよね……」

 

セレナとレジーナの連携により、遂に真実を知ったエリス。アクアの嘘が余程ショックだったのか、なんかもう反動で絶好調である。まぁ、それが天啓により行われた為に、母にはエリスが突然ハイになったように見えている事だろう。これに関しては、まぁ後々フォローすれば良いか。

 

……………

 

「いらっしゃいませ!冒険者ギルドへようこそ!空いてる席へ……えっ?!エリス様の子供、もう産まれちゃったんですか?!」

 

冒険者ギルドに着いて早々、エリスの元へルナさんが駆け寄ってきた。女神の出産なんて大ニュースだし、そりゃ気になるのは分かる。そして、親父と弟がその揺れる乳が気になるのも分かる。

 

「いえ、私達の子はまだお腹の中ですよ。この子は預かっているだけです」

 

「そうなんですか?でもこの子、どことなくカズマさんに似ているような……」

 

「えぇ…それは間違いなく……同一の遺伝子なので……」

 

エリスが実情を知っていると、やはり色々と話が早い。この街でエリスを疑うなんて輩は居ないし、何より下手なことを言わないからな。いや、それにしてもルナさんのボリュームは半端ない。この身体で落ちたら、そのまま飲み込まれそうな谷間をしてやがる。

 

「ふぅ……何と言うかもうお父さん満足だわ。店員さんだけでも十分過ぎるよ。ここで飲めるなら接待も大歓迎だよ」

 

「いや本当に異世界最高だよね。発電機と家電さえ持ち込めるなら、僕も今すぐに移住したいくらいさ」

 

「すみません受付さん。あの馬鹿二人にドラゴン討伐か闇の魔法使い討伐のクエストをお願いします」

 

「えぇっと……流石に駆け出しの街にそんなヤバイものは無いのですが……なんと言うか、やっぱりカズマさんの血筋なんですね……」

 

この会話で俺を連想するの辞めてくれません?!いや自覚はあるんですけどね!

 

「へぇ〜。カズマに似ていても、赤ん坊なら可愛いものね?」

 

「メリッサさん!貴女、確か人の子供は嫌いなんじゃ……」

 

ルナさんの声を聞き付けたメリッサが、何故かエリスの目の前に立った。こいつはガキが嫌いだと思っていたが、なんか凄い見てくる。まさか、ここまで小さいと小動物判定だったりするのだろうか…

 

「うるさい餓鬼は嫌いよ。私はただカズマの子供がどんな顔をしているか気になっただけ……ふふっ、良かったわね?あんな間抜け面に似なくて……」

 

「ええっと……えぇ……」

 

ぷにぷに

ご機嫌で俺の頬をぷにぷにしているメリッサを見る限り、こいつは間違いなく子供も可愛いと認識しているようだ。だってこれ本人だもの。何をどう考えても生き写しだもの。子供って部分に補正がなきゃ、そんな評価にはならない筈だ。と言うか、執拗なツンツンが鬱陶しい!

 

つんつん……ガシッ

「あら、お姉さんを捕まえるなんて、坊やは見所がありそうね?」

 

えっ、誰こいつ?なんか凄い純粋そうな顔で微笑んでるんだけど?!女を武器にしてたメリッサとは思えないんだけど?!

 

「えっと……そんなに気に入ったなら、抱っこしてみます?」

 

「ばぶっ?!」

 

ちょっ、正気かエリス?!メリッサが子供の扱いなんて出来るはずがないだろ!これで落とされでもしたら俺が大怪我するんだが?!

 

「じゃあ、ちょっとだけ……」

 

しおらしい?!いや、でもこいつの動物の愛し方は過剰だし、抱かれてからワシャワシャされたりする可能性も……

 

ふわっ…

「あら、貴方って意外と重いのね……ふふ…」

 

えっ?誰この優しい美人!あのメリッサがこんな天使のような顔するってある?!いやゴメン!天使よりは日頃から可愛いです!でも、本当に誰ですか?!

 

「うふふ。メリッサさん、凄く優しい顔してますよ?やっぱり、小さな命って愛おしいですよね?」

 

「ち、ちがうわよ!この子が笑うから釣られただけで、別に私は……子供なんか……」

 

「あぅ?」

 

「………うちの子にしていい?」

 

「それは流石に駄目ですよ?!」

 

うん、流石にそれは困る。と言うか、こいつなんか変なものでも食ってないか?

 

「メリッサさん!僕、実はその赤ちゃんと同じDNAを持ってまして!よろしければ僕と家庭を築いてはみませんか?!」

 

「あらそう?それなら、生まれ変わった赤ん坊の姿で判断するから、一度死んできてくれる?」

 

「くっ!取り付く島もないなんて……」

 

いや普段からねぇよ?言い方の優しさの違いで、大抵いつもそんな感じだぞ?でも、今ので確信は持てた。こいつやっぱりメリッサだったわ。やっぱり赤ん坊は可愛い判定みたいだわ!

 

「ねぇねぇメリッサさん!次は私に抱かせて!」「その次は私ね!」「ちょっと!順番に並びなさいよ!」

 

「あらあら、冒険者は無法者だって聞いてて心配だったけど。子供をこんなに大切にしてくれるなら安心だわ。本当に、カズマは良い仲間に恵まれたのね……」

 

「そうだね母さん。こんなにも温かい場所でなら、きっと優しい子に育つよ……」

 

冒険者達の温かい反応に、うちの両親は心から安堵しているようだ。その優しい笑顔を見ると思い出す。俺は、この二人にちゃんと愛されていたんだって………

 

「カズマも環境が違えば違ったのかしら……」

 

「どうかな……育て直したらマシになるかな……」

 

いや本当にそういうところが息子に伝わるんだよ。まぁ、今はそんな親も許すよ。このおっぱい桃源郷に免じてな!

 

「次は私ね!」「今度は私よ!」「そして吾輩〜!」

 

………んっ、なんでここにバニルが?!

 

「いやはや、お楽しみのところ申し訳ない。一応あの薬の全容が分かったので説明させて頂こうと思ってな?」

 

えっ、それ今なの?どう考えても今じゃなくない?!言葉は発せないけど、お前絶対にわかってるよね?!

 

「そんな顔をするな。あの薬、名前は寵愛の霊薬と言ってな。その名の通り、人に愛される効果がある。だが、愛されるために手段を問わぬ故に、その身を最も愛される姿に……そう、愛くるしい赤子に変えてしまう薬である……」

 

うわぁ……作ったやつ愛に飢え過ぎだろ……

 

「そして、その効果は愛されれば解除され、次に誰かに抱き上げられればその場で効果が切れる所であった訳だ。つまり、吾輩は救世主と言っても過言ではない……」

 

えっ?なにそれ危な!これはギリギリセーフって事じゃないか!助かったぞバニル!これに関してはマジで助かったぞ!

 

「いやいや、礼には及ばん。吾輩はただ、男性が怖くとも愛されたい、そんな幼気な少女の味方であるだけよ。ほら、救世主の手より受け取るが良い……これが殴っても許される赤子であるぞ……」

 

ぽすっ

「……えっ?」

 

「ばぶっ?!」

 

俺の身体を包む感触が、バニルの硬い身体から再び柔らかな女性のものへと変わる。いや、ちょっと女の子にしては硬いんだよな。鍛え抜かれた筋肉とかでさ……あっ、なんか身体が!

 

ポンッ!

「えぇ!か、カズマさん?!」

 

「よ、よおシエロ……皆の愛で赤ちゃんから戻れたんだが、これって感動のシーンには……」

 

「…………なるとでも?」

 

「あっ、やっぱり?…ごふぅ!!」

 

ズダァン!

赤ん坊から元の身体に戻った俺の顔面に、シエロの全力の拳が刺さる。いや、そりゃ全力で殴りたくもなるだろうよ。涎掛けしか身に着けてない男をお姫様抱っこさせられれば、俺だって殴りたくなるもん。あっ、それと母さん。俺の日々のこう言う事態、多分育て方の問題じゃないと思うよ……




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

赤ちゃんは愛されるもの。カズマさんも偶には愛されるもの。最初のアレは金曜ロードショーの告知見たからです。すんません!ちなみに、まだ佐藤家は帰らないです!

また不定期ですが、お暇な時にでもお付き合いください。
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