※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

遂に掴んだ幸せな日常。そんな日常を必死に守っているのは、陰ながら支えてくれる家臣たちの存在でした……と言うあらすじ詐欺でお送りするのは、遂に声が付いたアーネスと天使の正反対な忠臣ネタです。
GWに旅行してて更新が出来ず、すみませんでした。

久々の天使目線で騒がしくなりますが、またお暇な時にでもお付き合いください。


この幸福な日々に忠臣を

母親になる。それは全ての女性に与えられた尊き祝福であり、天使も、そして女神でさえも決して例外ではないのです。エリス様の妊娠ともなれば、明るいニュースとして世界を賑わせ、ちょっとしたベビーラッシュを生むのではと噂されている程です。と言っても、それには相手が必要で、結局私には無縁な話となっているのですが……

 

「はぁ……どうして私には交際相手が居ないのでしょう……カズマ様が相手なら、いっそ添え物感覚でも構わないと言うのに……」

 

時刻は深夜3時。値引きされた肴で1杯やるのが日課の私は、今日もギルドの一番奥の席を陣取っています。唯一不満があるとしたら、カズマ様の盗撮終わりがサキュバス店の仕事終わりに被っているので、このいけ好かない女悪魔に遭遇してしまうことでしょうか……

※盗撮は犯罪です。

 

「その添え物感覚で関係を持とうとする所が信用されねぇんだろ……まず常識から学び直したらどうだ?」

 

「なっ?!言いましたねこの悪魔!アニメで声が付いたからって調子に乗って!ちょい役の癖に生意気ですよ!」

 

「いやそれお前が言うなよ!お前は1話からずっと出てねぇじゃんか!」

 

えぇ、あれ以来まったく音沙汰ないですからね!ちょっとスタッフ〜、私のこと覚えてますか?!

 

「と言うか、貴女はカズマ様に相当良い条件で雇われている筈ですし、私のように借金がある訳でもないんですよね?なんでこんな安上がりな飲み方をしてるんですか?私への当て付けですか?」

 

「天使が悪魔に絡み酒すんなよ……あたしはそもそも肴はいらねぇタイプだからな。これは全部ちょむすけ様の分だ」

 

「なー♫」

 

このアーネスとか言う女悪魔の膝では、ウォルバク様の半身のちょむすけ様がブラッシングを受けています。この揺らがぬ忠誠だけは私と共感できる部分ではありますが、何故にこんな時間にブラッシングを……

 

「はっ!まさか誰も見てない所で実は可愛い演出を?!カズマ様の寵愛を受けようと、こうして読者向けのイメージ戦略を行っているのですか?!」

 

「そんな訳ねぇだろ……換毛期の猫は抜け毛が大変なんだ。このままウォルバク様やカズマ様、めぐみんの顔にくっついたら朝からくしゃみが止まらなくなるだろ?それを未然に防ぐために、こうして早朝にブラッシングをしているんだ。ほら、そろそろご褒美のご飯ですからねぇ?」

 

「な〜♪」

 

猫へのご褒美が私の酒の肴より豪華なのは納得いきませんが、こうして陰ながら主を支えるのは私と共通する部分があります。それに、言われてみれば私も生え変わりの時期でした……

 

「そういえば、私達の換羽期もそろそろですね。まぁ天使の羽はその優れた権能で高く売れますから、抜けた羽を億劫に感じたことは無いんですけど!」

 

「天使って換羽期あるのかよ……確かに天使の羽なんて凄い魔法効果が乗りそうなもんではあるが、具体的にどんな効果があるんだ?」

 

「高級羽毛に負けない断熱性と保温性、更に撥水性もあり軽くて丈夫です。そして、なんと丸洗いも出来ます」

 

これにはジャパネットも白旗ですよ!まぁ、私の羽だけ何故かアヒルと同価格なんですけど!写真つけたら値段下がったんですけど!

 

「完全に寝具向けの特性じゃねぇか?!そこは聖なる力とか宿らせとけよ!もっと天使要素入れとけよ!」

 

「そんな都合のいいファンタジー要素を求められましても……流石に夢を見過ぎでは?」

 

「天使が夢とファンタジー否定すんな!お前の存在が夢とファンタジーの塊のくせに!」

 

確かにそこは否定できませんけど、やっぱり現実は厳しいものなんです。羽根の副収入にも、ちゃんと税金引かれますしね……

 

………………………

 

「あぁ〜、つい飲み過ぎてしまいました……アクア様式嘔吐術が発動しそうです……うぷっ」

 

時刻は早朝5時前。私は定まらない視線とおぼつかない足取りで、何とか拠点としているウィズ様のお店を目指しています。普段ならこんなに酔うことはないのですが、悪魔にキープされた哀れなウイスキーを救うにはこうする他無かったのです。仕方ない。これはもう天使として仕方ないのです。

 

「おいマジで辞めろ。夢もファンタジー要素も出てこねぇ癖に、なんでそんな汚えもんばっかり出そうとすんだよ……人の酒まで飲み干しやがって、お前本当に天使かよ……」

 

「何を当たり前の事を……この羽が見えないので?」

 

「もう羽毛布団の材料にしか見えねぇよ………」

 

私達は馬鹿な言い合いをしながら、気が付けば宿屋街に辿り着きました。普段ならここで各々の帰路に着くのが日課なのですが、今日はちょっとだけ様子が違いました。

 

「……飛ぶぞ?」

 

「へっ?なんでいきなり長州力のモノマネを…ひゃう!」

 

バサッ!

悪魔の手に首根っこを捕まれ、私は空へと引き上げられました。本当なら即座に文句でも言ってやるところですが、今の私はキレてません。飛んだ理由が目の前のそれなら、こうなることも納得だからです。

 

「か、カズマさん……早くこちらへ………」

 

「おう、誰にも見られて無いよな?」

 

「だ、大丈夫だと思います……」

パタン

 

早朝の宿屋街に外装を羽織って現れた私達の主と、それを自分の宿に招き入れるローブを着た女性の陰。あのやり取りを見る限り、これはきっとカズマ様にとっても知られたくない光景の筈。であれば、我々は秘密裏に動くのが正解でしょう。この女悪魔も、どうやら私と同意見のようです。

 

「見たな?」

 

「えぇ、カズマ様が2人、女性が3人部屋に入りましたね……」

 

「余計なもんまで見えてんじゃねぇか!早く酔いを覚ませよ!お前ら体内の毒も浄化できんだろ!」

 

「はいはい分かりましたよ……まったく、お酒が勿体無いですね……」

 

「それほぼあたしの酒な?!」

 

天使や神の身体は、その精神状態により浄化作用を強めることが出来ます。具体的に言うと、清き信仰の前ではフグ毒は下剤程度の毒性に、オトナ帝国○逆襲を見たあとは水の如し無毒と出来るのです。まぁ、作品により個人差はありますが、オトナ帝国はガチです。

 

「ふむ……あれはセキュリティのしっかりしたお高めの宿ですね。中央エントランスから分岐するので、どの部屋に入ったか分かりません。灯りの付いた部屋はないので、雨戸を閉めている部屋か、はたまた暗い中でお楽しみか……」

 

ちなみに私は、明るい部屋でカズマさんのイキ顔をガン見しながら注がれたいタイプです。叶わぬ夢ですが!

 

「お楽しみって……お前本当に天使かよ?でも、あたしの前でカズマ様をたぶらかすとはいい度胸だ。お前らは人々の行いを見守っているんだろ?だったらあの部屋の中も見られるよな?」

 

「我々の見守るの意味を履き違えないで頂きたいですが、まぁ観測用水晶があるので可能です。ただ、音漏れの危険があるのでお部屋をお借りしても?」

 

「あぁ、あたしの部屋はすぐ近くだ。そこで犯人を確認するとしようか…」

 

…………………………

 

「くっ!まさか冷暖房付きの2LDK浴室トイレ別とは!なんでこんなにも格差が!」

 

悪魔は狙われるという意味では理解出来ますが、まさかこんな高セキュリティの優良物件に住んでいるなんて……私の仮住まいより高水準にも程があります!ウィズ様はもっとリッチーの自覚を持って良い部屋に……住めるほど稼いでないですね……

 

「部屋だけでスゲー悪感情出てんなお前……それで仕事に悪影響だすなよ?」

 

「安心してください。こんな悪感情は日常茶飯事です。仕事はちゃんとこなします!けっ!」

 

「お前、いつもどんな職場環境で仕事してんだよ……」

 

労働環境に差はありますが、私達のやるべきことは同じです。エリス様の敵となるか、ウォルバク様の敵となるかの違いだけで、私達は主の敵を打ち倒すのみなのです。えぇ、今更新規参入とかクレア様以外……あ、考えたら死にたくなる……

 

「一応確認ですが、真実を知った貴女は何をするのですか?悪魔らしく、邪魔者の彼女を消すつもりで?」

 

「その女がカズマ様をたぶらかす女狐なら、悪いが実力行使で消えてもらうつもりだ。やり方はどうあれ、お前も目的は同じだろ?」

 

「嫌ですね。我々は血を見る方法は取りませんよ?」

 

「奇遇だな。あたしも血は見ない方法だ」

 

この悪魔は随分と人間っぽいと思っていましたが、その根底は間違いなく悪魔のようです。仕える主人の為になら、それ以外の人などどうでも良いのでしょう。まぁ、蘇生を容易に行う私達に、そんなことは言われたくないと思いますけどね。

 

「それなら、せめて彼女が我々の敵でない事を祈るとしましょう。心無い悪魔を敵に回すのは、流石に気の毒ですからね……さぁ、繋がりますよ!」

 

なんて、結局こういうのは勘違いのケースが大半ですし、アレだけ嫁がいてまさか新規参入なんてことは無いでしょう。でも、疑わしきを調べるのが私達の仕事で……

 

『はぁはぁ……カズマさんの凄かったです……こんなの知ったら、またお願いしたくなっちゃいます……』

 

『俺としては大歓迎だけど、お前はそれでいいのか?』

 

『ほ、本当は駄目なんですけど……』

 

うん、どうしましょう。限りなく言い訳の出来ないアウトが来ちゃったんですが?シーツに包まったエイミー様と、ツヤツヤになってそれを眺めるカズマ様の構図って、どう見ても事後にしか見えないのですが?!

 

「よしやれ天使!」

 

「いや無理ですよ!天界式実力行使「カズマさんの本気8連セッ○ス映像を見せて心を折る作戦」は抱かれた後では効果を発揮しません!」

 

というか、何しれっと自分の手を汚さない方法選んでるんですかこの悪魔は!

 

「こ、殺しは容認しませんが、貴女の実力行使は使えないのですか?」

 

「あぁ、カズマ様が乗り気では「普段ダラダラしてるウォルバク様のチート級プロポーションを比較対象にして女性としての尊厳を徹底的に破壊する作戦」は使えないんだよ……」

 

あっ、エイミー様の命は取り敢えず大丈夫そうですね!でも、それエリス様にやったら本気で病みそうなので、エリス様には辞めてくださいね!

 

「所で天使、あの獣人は知り合いか?」

 

「えぇ、彼女は獣人族のエイミー様です。職業は賢者で野菜売りを生業とするカズマ様の友人です。今までお二人の関係に恋愛要素は無かったので、今回の件は裏で糸を引いているものが居るのでしょう……」

 

「くっ!カズマ様にそんな魔の手が忍び寄っていたとは!あたしがもっと側に居れば……」

 

「後はまぁ、カズマ様にケモナー性癖があったとか……」

 

「くそっ!獣要素が目だけのあたしじゃ駄目なのか!」

 

あれ?この悪魔って実は結構お馬鹿なのでは?さっきから発言がポンコツですし、ここらでちょっと格の差を見せておきますか!

 

「そう言えば、昨晩は珍しくカズマ様が外出していました。しかし、飲み仲間は夜間クエスト。セレナ様とウィズ様は急患の治療をしていた……·つまり、嫁の所には行っていないのです。そこで何かあったと考えるのが自然です!」

※名推理のように語っていますが、ストーカーが調べた事実を語っているだけです。

 

「さ、昨晩はあたしと一緒に居たんだが、特に不審な点はなかったと思うぞ……」

 

成程、昨晩はサキュバス店の仕事。つまり必ず一人になる店からの帰り道を狙ったと言うわけですね。どうやら今回の犯人はカズマ様の予定を知る身内と言うことで間違いないでしょう。あっ、今回は私じゃないですよ?予想ではレイン様が怪しいと思います!

 

「帰宅するまでずっと一緒と言うわけでは無いのでしょう?丁度ここに録画した水晶がありますから、カズマ様の昨晩の行動を確認するとしましょうか……貴女が一緒に居たのは何時までで?」

 

「えっ……た、多分だが……深夜0時くらいだろうか……」

 

何と言う激務!営業時間の都合かも知れませんが、まだ若いのに日付を跨ぐまで働くなんて……全てポンコツな仲間のせいに違いありません!アクア様と私が交代すべきです!まぁ、取り敢えず今は確認ですが!

 

ポチッ

 

『あぁん!カズマ様の凄いです!子宮が、あたしの身体に子宮が出来ちゃ

います!』

 

『くっ!そんなこと言いながら腰振りやがってエロ悪魔め!なら子宮も再現してみろよ!思いっきり孕ませてやるからな!』

 

『さ、流石にそれはウォルバク様に申し訳が……あっ、あっ…らめぇ!』

 

…………えっと、カズマ様の行動記録を悪魔と確認していたら、突然その悪魔がカズマ様に激しく抱かれている映像を見せられていました。何を言っているか分からないと思いますが、私にも意味が分かりません!

 

「す、少しばかり時間感覚がズレていたようだが、カズマ様の性欲発散はあたしの業務の1つでな。まぁ、無性の悪魔には意味のない行為だが、カズマ様に望まれれば応じていると言うわけだ……」

 

「くっ、そうでした!本来無性の貴女にとって、男女の営みなどただ欲を満たす行為………それを渇望する私に見せ付け、本当に必要な悪感情を手にしようって魂胆ですね!」

 

やっぱり悪魔なんて嫌いです!営みを覗くのは嫌いではありませんが、幸せな光景を見せ付けられるとやっぱり腹が立ちます!

 

「ま、まぁな!でも悪感情は十分に貰ったし、今はカズマ様に何があったのか調べる方を優先しよう!ほら、早く映像を送れ!お前の精神が病む前に送れ!」

 

あれ?なんか顔がめっちゃ赤いですよこの悪魔。まさか予想外に自分の抱かれていた時間が長かっただけで、普通に羞恥心があるのでは………

 

「……と、取り敢えず1時間送りますね?」

 

「いや待て!1時間ではまだカズマ様が帰宅していない可能性が高い!あたしには羞恥心などないし、むしろ悪感情が食えるので構わないが、お前の精神が先に限界を……」

 

はいはい早送り。

ぽちっ

 

『あぁん!カズマさまぁ!もっとぉ!もっと愛してください!今だけは、ただ貴方の女として愛してください!』

 

『ちゃんと愛してるさ!こんな良い女が従順に尽くしてくれるなんて、惚れないほうが無茶だからな!』

 

『はぁん!女の子になっちゃいますぅ!そんなこと言われたら、魂まで完全に女の子になっちゃいます!カズマさま好きぃ好きぃ!』

 

えっ、何この人すげー甘えてるじゃないですか!なんなら3回戦目のエリス様くらい甘えてますよ!全然性処理感がないですよ?!

 

「これ、身体を差し出すって言うか自分から望んで抱かれてません?」

 

「ちがっ!これはカズマ様が盛り上がるからそう演じているだけで!決してあたしに性欲や羞恥心なんてものは無くてだな!」

 

『まったく、アーネスは本当に性欲が強くなったよな?昼間に暴走しない程度に出したってのに、まだ欲しいのかよ?』

 

『だってぇ……職場じゃ恥ずかしくて大きな声出せないんですもん……思い切り抱いてもらないと満足できない身体にしたの、カズマ様じゃないですかぁ……』

 

映像の自分がその設定を完全否定してますが?そして本人が泣きそうな顔で赤くなっていますが?!こんな見事な自爆見たことないですよ!まぁ、この映像に腹が立つ事に変わりは無いのですが!!

 

「つ、強がってすみません……本当は性欲も羞恥心もあります……カズマ様とウォルバク様以外には見られたくないので、可能ならもっと先まで送ってください……」

 

「はぁ……別にそんな無駄に強がらなくても、私だって貴女が女としての幸福な光景なんざ見たくありませんよ。悪感情で分かるでしょう?」

 

「そ、それはそうだが……お前はあたしに嫌がらせする為なら自己犠牲の精神を出しそうだし、これを弱みにイジられたら腹立つし……」

 

「貴女は天使をなんだと思っているのですか……ほら、もう1時間送りますよ。カズマ様に何があったのか、ちゃんと見逃さないようにしてくださいね?」

 

「そ、そうだな……私達の目的はそっちだものな!あと1時間もあれば、あたしの夜伽も終わっているはずだ!」

 

まぁ、この件はそのうち腹いせにイジり倒しますけど……はい、1時間送り。

 

『ねぇカズマ様。今日の夜伽は如何でしたか?』

 

『あぁ、今日も最高だったよ。ベッドでもこんなに尽くしてくれるなんて、アーネスは本当に忠臣だな。もう7回くらいお願いしたいくらいさ』

 

『さ、流石にもう駄目ですよ。お気持ちは嬉しいですが、明日のお仕事が出来なくなっちゃいますから……』スリスリ

 

いやこれ夜伽ですか?尽くすタイプの彼女みたいなノリで接してますけど……というか私のストレスがもう限界間近なんですけど?!

 

「貴女、本当に悪魔なんですよね?性別無いんですよね?と言うか性処理って感じもまったく無いのですが……」

 

「し、仕方ないだろ!あれに穿かれたら本当に堕ちるから!お前もされたら分かるから!」

 

「嫌味ですか?!私だって穿かれたいですが?!」

 

「あ、ごめん……半年くらい生きられそうな悪感情は流石にごめん……」

 

まぁ、何はともあれやっと終わったようです。なんか殺意のわくピロートークしてますが、それも今は見なかった事にしましょう。えぇ、そのうち死ぬほど弄り倒しますけど!

 

「ほら、カズマ様が帰るまで1時間送りますよ。ちゃんと映像に集中してください」

 

「さ、流石にもう大丈夫だと思うから……やってくれ」

 

いや、やっぱり2時間送っておきましょうか。そこから巻き戻す方がダメージ少なそうですし、どうせこの悪魔は長々と甘えてそうですし………はい再生。

 

『はぁん……そんな甘く突かれたら、また激しいのが欲しくなっちゃいますよ…』

 

『自分から跨ってよく言うよな……ほら、本当はもっと欲しいんだろ?』

 

『ほ、欲しい…です…もっと、もっとぉ…あぁん!』

 

「いやマジでいい加減にして貰えます?!第2ラウンド始まってるじゃないですか!」

 

「あ、あれぇ……」

 

結局朝までコースでしたし!

 

………………

 

「結局なんの収穫もなく、ただNTRビデオを見せられただけじゃないですか…なんの罰ゲームなんですかこれ…」

 

この悪魔の身体を存分堪能したカズマ様は、そのままテレポートで帰宅していきました。えぇ、何と言うか完全に無駄骨って奴です。何なら胃に穴が空きそうです。

 

「と、取り敢えず飲むヨーグルトを用意したから飲んでくれ…カズマ様が言うには、これは胃に優しい飲み物だそうだ……」

 

私の前にヨーグルトを差し出すこの悪魔は、何故か本当に申し訳無さそうな顔をしています。少なくとも、私の知る悪魔はこんな顔はしません。やはり、この子は明らかに人間くさいです。

 

「………貴女、本当に悪魔らしくないですね?バニル常務はそんなフォロー絶対にしませんよ?」

 

なんなら、ここで胃に来る豚骨ラーメンとか出しますよあの人?

 

「それはまた極端な例だな……まぁ、堕ちたとは言え女神に仕え、女神に復帰した今でもウォルバク様へ尽くし、更には人間の英雄に雇われている身だ。悪魔の中では異端だろうな」

 

悪魔に異端とか言われても、各々が好き放題やっていて、基準と呼べるものなんてない気がします。それなら、ダスト様とカズマ様の方が人として異端です。

※こいつは天使として異端です。

 

「でも、種族なんて個性の一部だって、カズマ様は言ってくれた。上級悪魔とか関係なく、ただあたしに側にいて欲しいってウォルバク様は言ってくれた。そんな二人に仕えてりゃ、もう種族とかどうでも良くなるだろ?」

 

「あぁ、それで無性の悪魔なのに性欲に塗れて喘ぎまくっているんですね?」

 

「おい待て。いまあたし相当良いこと言う流れだったよな?なんでそこでさっきの話をイジるんだよ!お前本当に天使かよ?!」

 

いや、だって貴女の感動トークとか私は得しませんし?それに、お二人の偉大さは良く知ってますよ。ずっと見てきたんですから……

 

「それなら、さっさとカズマ様の浮気理由を調べますよ。エイミー様が奥方に入るより先に、エリス様の方が良いと思わせなければなりませんからね?」

 

「それならウォルバク様の方が上だろうけどな!………でも、今だけは手を貸してやるよ。共通の敵を知るためにな?」

 

まさか悪魔と肩を並べる日が来るなんて、流石の私も予想外でした。でも、何故かこの悪魔の事は信じられる気がするのです。大切な人に幸せになって欲しいと願うその心に、きっと種族なんて関係ないのですから………

 

……………………………

 

「えっ、毛玉を取っていただけなんですか?!」

 

「おぅ。なんか獣人族の中じゃ、毛玉は寝癖より恥ずかしいらしくてさ?エリスの髪を手入する為に取った理容師スキルを使って欲しいって頼まれたんだよ。バレないように早朝にな。と言うか、お前のそれはエイミーのコスプレか?」

 

な、なんて紛らわしい事を!カズマ様がケモナー属性に目覚めたと結論付け、折角ドすけべワンワンコスチュームをご用意して馳せ参じたと言うのに!これではまた空回りしただけではないですか!

 

「ちょっと天使、また貴女宛の請求書がこっちに来てるのですが?住所不定なのに天界で通販するとか……えっ?なんですかそのコスプレ衣装?!」

 

「え、エリス様?!こ、これは違うのです!これはあくまでエリス様の為、カズマ様のケモナー部分を満たすべく着ている服で……」

 

「いや、お前が何着ても別に欲情はしないんだが……ケモ服で10点足しても0点何だけど……」

 

「それはシンプルに傷付きます!まさかのマイナススタートですか?!」

 

いや、でもマイナスでもたった10ならまだ可能性は……あれを使えばまだ可能性は!

 

「そうですか〜。貴女は主が禁欲中なのに、眼の前でその旦那に愛されようとしたんですか〜」

 

「いや違……くはないんですけど!これは新たな妻が参入しない為の処置でして!決して自分の欲望を優先した訳じゃ!」

 

「すみませ〜ん!天使様に快楽天の天界支部より、PCパーツのお届けで〜す!」

 

いや馬鹿なんですか?!そりゃ媚薬頼んだのは私ですけど!この世界でPCパーツで誤魔化すのは無理がありますよね?!と言うか店の名前をまず何とかしなさいよ!!

 

「…………天使、向こうでお話しましょうか?」

 

「………はい」

 

くそぅ!またこのパターンですか!

 

…………………………

 

「はぁ……なんでエリス様の為に行動しているのに、私にはお溢れも何もないんですか……どうせカズマ様は連戦するんですから、一発こっちにくれてもいいじゃないですか……」

 

結局叱られて薬も没収され、私はただ損をして終わるという最低の結末を迎えました。そりゃ飲まなきゃやってられません。えぇ、お金は無いので教会のお神酒で肴無しですが!

 

「いや、だからそう言うやり方が駄目なんだと思うぞ……まぁ、今回はあたしの勘違いが招いた事だし、肴は奢ってやるから元気だせよ」

 

「うぅ……悪魔の言葉がこんなに身にしみるなんて……すみません。舟盛り1つ……」

 

「いや遠慮とかねぇのかお前……まぁ、良いけどよ……」

 

私の前に座るこの悪魔は、やはり普通の悪魔とは違う気がします。小っ恥ずかしいので言いませんが、今の私は友情さえ感じているのです。まぁ、それはきっと向こうも同じでしょう。そうでなきゃ、私の神格の前に出て来てまで慰めるなんてしてくれないでしょう。ふふっ、今日はカズマ様との妄想で神格少なめで良かったです。

※元から出てません

 

「しかし、悪魔が天使に施して良いのですか?また異端扱いを受けますよ?」

 

「構わねぇよ。女神エリスかウォルバク様かの違いはあるが、あたしらって結局目的は同じことになるだろ?仲間は、悪魔以外でも探せるからな」

 

えっ?何この恥ずい悪魔!いや嬉しくないわけじゃないですけど!でも凄くむず痒いです!

 

「まぁ、あくまで協力関係なら結んであげますよ。私たちが争うなんて、カズマ様は望まない筈ですから……」

 

「あぁ…今はそれで構わねぇよ……」

 

ふふっ、たまにはこの世界でも良いことがあるみたいです。まぁあくまで協力関係ですが?同じ立場の友が出来るのはとても喜ばしい事で……

 

『あ!アーネス聞こえる?!』

 

「は、はい!お呼びでしょうかウォルバク様!あ、しかし今は……」

 

「続けて構いませんよ。我々の志が同じであるなら、主からの連絡は何より優先すべきですからね?」

 

こういうところが私と共通していて親しみが持てるのですね。まぁ、立場と役職ではエリス様の方が偉大で便利なのは間違いないのですがね!!

 

『アーネスが用意した犬耳と尻尾なんだけどね?私は自前の黒猫耳のほうが可愛いから、これはアーネスに着けようってカズマが言ってるの。それで、実は今ちょっと良いホテルなんだけど……』

 

「ふぇ?!お、お誘いは大変嬉しいのですが、今はタイミングが……」

 

あぁ成程。彼女は私と同じ事を主にしたんですね。それなら、私のやることは決まっています。

 

「行ってきてください。私は貴女の奢ってくれた肴で一杯やってますから……」

 

「す、すまない!この埋め合わせは必ずするから!」

 

私の手元に1万エリスを置いて、この悪魔は走り出しました。私はそんな友の後ろ姿に向かって……

 

「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」

 

ドォン!

「危なっ!おい、さっきまでの流れでこれはねぇだろ?!良い感じに友情さえ芽生えそうな流れだったろ?!」

 

「うっせぇですよ!自分ばっかり幸せになりやがって!邪悪な悪魔はここで退治してやります!」

 

「てめぇの本性が一番邪悪じゃねぇか?!お前マジでそう言う所だからな!」

 

天使と悪魔の関係とは、やはり宿命であるべきなのでしょう。これはもう運命が言ってるから間違いありません!

 

…………………………

 

「拘置所って、意外と快適ですよね……」

 

「あの、あなた本当に天使なんですよね……」

 

えぇ、種族としては間違いないです!




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

ウォルバクのサブと同時でこっちが疎かになってしまい申し訳ありません。妊娠中は危険なクエストのネタとか入れられないので、ちょっとネタの選定中です。

また不定期ですが、お暇な時にでもお付き合いください。
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