※この作品はR-18です。

英雄特典のエリス様   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

エリスもそろそろ安定期。少しづつ冒険に参加したり、日々の生活にもまた活気が戻ってくる……て事になると不都合な人が数名居ます。そんなクソ迷惑で厄介な方をあえてネタにするのが私の作風です。

またお暇な時にでもお付き合いください。


この卑しき奴らに混乱を

エリス様の妊娠から、今日でちょうど3ヶ月が経とうとしています。母子ともに健康で、まさしく経過は良好と言えるでしょう。あと1月もすれば安定期となり、また賑やかな日々が戻ってくる。えぇ、戻ってきてしまうのです。

 

「刻限まであと1月ですか……」

 

「はい。エリス様の経過は良好、母子ともに健康そのものであり、安定期には予定通り入るだろうとの事です……」

 

カズマ様の手籠めにされる会。それは私とレイン様の2人だけで結成された秘密結社です。謀略、買収、薬物……時には権力やチートアイテムまで使い、ありとあらゆる方法でカズマ様と関係を持とうと画策してきた私達ですが、残念ながらもう時間が残されていないようです。エリス様が安定期に入れば、私達が付け入る隙などなくなってしまうので……

 

「そう言えば、先日の媚薬は効かなかったのですか?私に合う直前に飲ませたのであれば、今頃私はカズマ様の腕の中の筈なんですが……」

 

「栄養ドリンクと偽って飲ませましたよ。でも、独特の味だなって言っただけで終わりです。淫魔の力を持つカズマ様には、普通の媚薬なんて無理があったのでは?」

 

と言うか、その手の方法は私も散々試しましたし……

 

「ふむ……あれは跡取りの居ない貴族に無理やり濃いのを出させる薬で、原液で飲ませれば一撃必殺グマでも卒倒する劇薬のはず……やはり通常の薬品で攻めるのは難しいですか……」

 

「ちょっとレイン様?それ危うく私が国家転覆罪の犯人になる所だったのでは?!と言うか、流石にヤバ過ぎますよね!国の英雄になんてもん盛ってるんですか!」

 

「大丈夫ですよ。もしこれが事件になった場合、全ては魔王軍残党のしたことになりますから……うふふ」

 

「う、裏でなんの準備をしてたんですか……いや、聞いたら後が怖いので言わなくていいですけど……」

 

こうして手を組んでみて分かったことですが、実はこの方は相当ヤバい人です。結果のために手段を選ばず、笑顔でとんでもない事を提案します。恋する心は真っ直ぐなのに、ここまでやり方がひねくれるってあり得るんでしょうか……

 

「そう言えば天使様。最近はカズマ様がうちに遊びに来ないのですが、何かお忙しいことでもあるのですか?新嫁募集なら駆けつけますが?」

 

「最近はサキュバス店を全国展開するからと、各地でサキュバスの勧誘を頑張っているそうですよ。ただ、サキュバスなんてホイホイ見つかる筈もないので、あまり上手く行ってないようですが……」

 

と言うか、カズマ様が国の風俗王になりつつあるのは立場的に良いんでしょうかね?性犯罪も激減してるって話ですし、カズマ様の倫理観としては良いんでしょうけど、一応女神様の伴侶ですのに……

 

「淫魔ですか……勧誘ということは討伐は出来ない訳ですよね……そして、カズマ様の夜のお力は淫魔のスキルに依存し、まだレベルアップは可能と……」

 

こうして悪巧みをするレイン様は、いつも悪の女幹部みたいな顔をしています。英雄がアレで王女の側近がコレって、この国は立場ってものをもっと気にしなきゃ駄目だと思います。えぇ、嘆かわしいことです。

 

「ねぇ天使様?私、例の刻限を延長する妙案を思い付いたのですけど、お話を聞いていただけますか?」

 

「……詳しく聞きましょう!」

 

えっ?この悪巧みは立場的にいいのかって?えぇ、愛の為なら何でも許されるのが、私の天使としての倫理観なので!

 

…………………………………………

 

『○月☓日。最近、娼婦とのプレイにマンネリ化を感じる。いや、決して彼女らは悪くないんだ。ちゃんと出すもの出しているし、昨晩も3回戦も頑張った。だが、童貞の時に夢見ていた「少し舐めただけででちゃったの?」「あら、まだ一往復なのに…お漏らししちゃったね…」ってくらいの経験はまだない。折角のファンタジー世界なのだし、そういうファンタジーも叶えたいじゃないか!と言うことで、今日はサキュバスでも召喚してみようと思う。こっちには悪魔封印の魔導具もあることだし、下手な対価は取られないだろう。ぐふふ、今から今夜が楽しみだ……』

 

「うん、こりゃ間違いなくここら辺に居るわ。凄い不本意な理由で……」

 

天使の持ってきた古ぼけた日記の情報を元に、俺達は紅魔の里へとやってきた。なんでも淫魔が封じられているとのことだが、確かにコイツ案件ならありえなくもない。だが、流石にそろそろ言っても良いだろう。お前は今からでも地獄に堕ちろと……

 

「求めるだけ求めて気に食わなければ封印だと?これだから人間はクソなんだ!カズマ様のように誠実に答えられないなら、最初から求める権利など無いと知れ!」

 

「全くだ!コイツが地獄に堕ちていれば、俺様が性根を叩き直してやる所だ!」

 

ほら、受け入れ先もあるみたいだぞ?まぁ、流石に転生してたら可哀想だけど……

 

「アーネスさんとホーストさんって、カズマさんに対して妄信的過ぎないかな……カズマさんもまぁまぁクズだと思うけど……」

 

まぁまぁクズってオブラートの意味有る?!まぁ、強く否定は出来ないけどさ!

 

「人間ってのは、本来欲望に忠実なもんだろ?それを聖人振って包み隠すペテン師の方が、あたしは信用できねぇけどな?」

 

「その点カズマ様は欲望に忠実ではあるが、他者にも契約にも誠実だ。契約に書いてあることは徹底して守るし、悪魔も人も関係ねぇ!」

 

「でも、書いてない事はどんな汚いこともするよね?」

 

「「それは書いてないのだから、契約違反ではないだろう?」」

 

「あぁ……まぁそうなんだけど…ん〜…」

 

悪魔の独特の価値観を前にしては、流石のあるえも頭を悩ませるしかないらしい。クエスト中なのに緊張感も何もないが、たまにはこんな日があっても良いだろう。珍しく天使がパーティーの提案なんてするから警戒したが、たまには良い提案をするじゃないか。

 

「エリスは身重で、ダクネスはその護衛、アクアはサキュバスが怖がるから留守番。必要なのはあくまで土地勘と封印への理解だから、紅魔の子達と私が居れば良い………まぁ、言われてみれば理に適ってるわよね?」

 

「そりゃそうなんだけど……アイツが正論言うと逆に怖いよな…」

 

今ではウォルバクも認めるこのパーティーだが、最初は「魔法職ばかりでバランスが悪い」なんて不安の方が大きかった。しかし、運用するとこれが最適解だったと分かる。空から索敵できる悪魔の2人に、千里眼と敵感知が使える俺。的確で無慈悲な一撃必殺を連発するこいつらには、先手が打てればそもそも防御も回避も回復も必要ないのだ。良いよなチート種族!俺にもその魔力をくれ!

 

「さてめぐみん、目的地はそろそろか?」

 

「えぇ、地図上ではそろそろなのですが……やはり私がセミを取ってた頃にはこんな建物は無かったかと……」

 

「やっぱりそうか……」

 

ただ、この遠征で1つだけ気になっているのが、めぐみんの記憶との相違である。天使の持ち込んだ地図の内容が、何故かめぐみんの記憶と一致しないのだ。でも、人間界の全てを観測できる天使がそんなミスをするはずも無く、実際に見せられた観測魔法でも確かにそこに建物があった。つまり、めぐみんの見覚えのない目的地は、今は確かに存在することになる。

 

「めぐみんの記憶違いじゃないの?ほら、私の名前も良く忘れてたし……」

 

「人の事を痴呆のように言わないでください!あれは仲の良い友達にやる愛情表現なのです。そもそも母の名前にそっくりなゆんゆんの名前を忘れるなんて、普通に考えてあり得ませんよ?」

 

「そこは仲良しだからじゃないの?!」

 

まぁそれが愛情表現かはさて置き……俺としてもめぐみんが記憶違いをしているとは思えない。雨の日も晴れの日も、セミが旬(?)なら毎日セミ取りをしてためぐみんだ。そんな遺跡が近くにあったなら、間違いなく秘密基地にでもしていたはずだ。

 

「おっ!ありましたぜカズマの旦那!古代遺跡の入口です!」

 

「う、嘘だろ……これメッチャ古代遺跡じゃん!」

 

「はい!間違いなく古代遺跡です!」

 

そんな疑い半分の俺達の目に飛び込んできたのは、石を積み上げて作られた地下への入口。そう、まさに古代遺跡の代表的な形状。なのだが……

 

「なぁ?紅魔の里の古代遺跡って、こんな古臭い感じだったっけ?」

 

まぁ、それはそれで古代遺跡って何だっけって話になるんだが……

 

「いいや、ここら辺の古代遺跡は基本的に金属製で、こんな古臭いデザインではないね。こんなに軟弱な石の構造では、そもそもめぐみんの日課に耐えられないだろう?」

 

「まぁ、そもそも普通の建築物は爆裂魔法には耐えられないけどな……」

 

「そうなのですよね。王都の方の遺跡は軟弱で………」

 

……王都の方の遺跡?

 

「おい、めぐみん。王都の遺跡がなんだって?」

 

「いえ、私は何も……」

 

嘘つけ目が泳いでんぞ!そう言えば王都から身に覚えのない請求があったけど、アレの犯人はこいつだったのか!

 

「アーネス、取り押さえろ」

 

「はっ!」

 

ガシッ!

まるで俺の命令を先読みしていたかのように、即座にめぐみんを羽交い締めにするアーネス。流石は出来る女悪魔。望まれれば何でも確実に答えてくれる。これは赤ちゃん出来るようになる日も近いかも知れない。

 

「ちょっ!辞めるのですアーネス!貴女とカズマはあくまで従業員契約で戦闘員じゃないですよね?!悪魔が個人的感情で人に危害を加えるのですか?!」

 

「それに関しちゃ、あたしはお前に金を騙し取られて殺されてるわけだろ?なんならこのまま火口に捨ててもお互い様だと思うが……」

 

「あ、いや……それに関してはその……すみませんでした……」

 

えっ、めぐみん何してんの!その金の話は俺も知らないぞ?!

 

「しかし、ウォルバク様の信者に手荒い真似をするのは私も本意ではありません。カズマ様、この後いかがなさるおつもりで?」

 

「そうだな。反省するまでそのまま固定しといてくれ。暴れたら更にキツく羽交い締めにすれば良いから」

 

「はぁ……こんなのが罰になるなど……ってメチャクチャ悪感情出てる?!」

 

だろうな。めぐみんの後頭部に当たっているのは、ロリっ子の念願であろう柔らか巨乳だ。そんな露骨にぷにぷにされれば、嫌でも意識してしまうだろうよ。

 

「くっ!こんな辱めを受けるくらいなら、多少危険を犯してでも………後頭部ヘッドバッド!!」

 

ふよんっ

「ちくしょーー!この悪魔がーー!!」

 

「いや、あたしなんもしてねぇんだけど……」

 

そうだな。むしろ優しく包み込んでくれたくらいだしな。

 

「流石はカズマの旦那だ。一切の攻撃を加えずにここまでの精神的ダメージを与えるなんて……溢れ出る悪感情が半端じゃねぇ……」

 

「あ、悪魔はアレに憧れるのかい……私達はドン引きなんだけど……」

 

あるえ、それ無意識にその悪感情を煽ってるお前が言う事じゃないぞ?風呂の時間が被ると、たまにめぐみん泣いてるからな?

 

「よ〜し!折角だからこのまま突撃だアーネス!めぐみんを盾に進め!」

 

「はい!先陣は任せてください!」

 

「お、降ろしてください!前より後ろが不快だから降ろしてください!もう十分に反省しましたから!あぁ!柔らかくていい匂いがします!畜生!!」

 

ははははは!絶対駄目です!

 

………………………………………

 

『○月△日。俺の精を対価にサキュバスを召喚した。召喚自体は容易だったが、俺の望むプレイを全部叶えるには一生分の精を寄越せとか言って来やがった。馬鹿野郎!先に全部くれてやったら気持ち良く射精できないだろうが!これだから下半身に脳の付いた連中は困るんだ!取り敢えず、コイツはこの金属容器に封印して、話の分かるサキュバスに当たるまでチェンジしてやる!』

 

「いや、下半身に脳って………」

 

「「「お前が言うな!!」」」

 

日記の続きにサキュバス封印の手がかりがないかと読み進めた所。ヒントより先に人間の汚い部分を垣間見ることになった。やっぱりコイツは色々と駄目だ。天界には転生者の選定について、もっと厳格にすべきだと意見しておこう。

 

「しかし金属の容器ですか……遺跡は狭いのですぐに見つかりそうですが、随分と適当な書き方ですね?」

 

「変な名前を付けられるより全然良いじゃない。めぐみんならなんて呼ぶつもりなの?」

 

「封印装置めたりん」

 

ダサっ!あるえ以外全員の顔がダサいって顔しちゃうくらいダサい!!

 

「おい、私のセンスに何か文句でもあるなら聞こうじゃないか?金属製ってワードだけでは、私のセンスが掻き立てられないのです!」

 

「それ、ワードの数の問題じゃねぇだろ……」

 

「あたしはこんなダセェ奴に負けたのか……」

 

「どうしよう……友達が馬鹿にされてるのに、私なんか安心しちゃってる……嫌な子かな……」

 

「気にすんなよ。今までが不遇だっただけだ。悪魔的にもアレはねぇ!」

 

「なにをぉ〜?!」

 

本当、ゆんゆんは生まれる場所を間違えたよな……

 

「ほら、そんな遊んでないで早くサキュバスを探しましょうよ?一段落したら紅魔の里で温泉宿行くんだからね?」

 

「そうだったね。赤き甲殻の王が私達を待っているんだ。仕事は早いほうが良いね!」

 

ウォルバクとあるえがやたらやる気だと思っていたが、どうやらこいつ等は霜降り赤蟹付きの高級宿を予約したらしい。仕事の経費だからって好きに使いやがって、今夜は身体で払わせてやる!

 

「しかし、金属製の容器なんて沢山ありますよ?水筒にヤカンに鍋、お菓子の入っていた缶に、茶葉を入れる缶まで……」

 

「何でも作れるからって、身近な金属製品を大量生産してるからな。そりゃ確かに便利だろうけど、それで金属容器なんて説明が雑過ぎで……」

 

いやちょっと待て?ここにあるのはどれも見覚えがある金属製品ばかりだ。日本人ならあえて名前を伏せる必要なんて無い。もしこっちの世界の言葉に翻訳が出来ないとしたら………そもそもこっちの世界に無いものって事になるんじゃないか?!

 

「そうか!多分封印されてるケースは、この世界じゃまだ売られて……」

 

「あったけど?」

 

…………えっ?

 

「自信満々に推理してて言い難かったのだけど、マジックアイテムなら魔力で探せるかなって………」

 

「………先に言ってくれます?」

 

カッコつけた俺が馬鹿みたいだから!

 

「しかし、これは確かに金属の容器としか説明できませんね。鍋にしては異様な厚みがありますし、部分的に鉄ではない材料も使われています。湯気が逃げるような穴があるので、加熱調理に使うのは間違いないと思いますが……」

 

「いやいや、このまま火にかけるには不便そうだし、小櫃のような保温器具だったりするんじゃないかな?どこかに置けるように足が付いているし」

 

めぐみんとあるえの推理は、中々良い所を着いている。電気式の調理器具がないこの世界では、と言うか稲作が盛んでないこの国では馴染みがないのは当然だ。これは日本家庭の必須アイテム、電気炊飯器である。

 

「これは米を炊き、更に保温する専用の調理器具だな。こっちじゃ土鍋を使っているが、米を頻繁に食う日本じゃ必須アイテムだ。一流メーカーの炊飯器だと、料理レベル10の俺より美味しい米が炊けるぞ」

 

「おぉ!つまりこれが有れば、実家のごはんも素晴らしいご馳走に……」

 

「めぐみんちのご飯に関しては、まずシャバシャバにするのを辞めてからだろ……」

 

味以前の問題だからそれ。1対30って農薬とかのレベルだぞ……

 

「しかし、思ったよりあっさり片付きそうだね。遺跡に住み着いた魔物か、遺跡を守るゴーレムでも居るかと思ったけど、不思議なくらい何も居ないじゃないか……」

 

「ひょっとして、誰かが私達に陰ながら手を貸しているとかかしら?それとも、別の目的を持つ先客が居たとか?」

 

「まぁ、何にせよ俺達の目的はこっちだからな。今回はエリスの加護が働いて、ラッキーって事にしとこうぜ?」

 

「まぁ、確かにその可能性も否定は出来ませんが……」

 

俺だって色々と気になることはあるが、優先すべきはサキュバス達の保護だ。真実の追求なんて始めたら、あるえがワクワクして首を突っ込むに決まっている。悪いが、それは俺の知らない所でお願いしたい。

 

「それじゃ、サキュバスの封印を解いて帰るぞ!今回ばかりはサキュバスは被害者だ。全員、何があっても攻撃はするなよ?」

 

「それは、カズマの旦那が危ないって状況でもですか?」

 

「当然だろ。人の身勝手に振り回されたサキュバス相手に、武力行使は絶対に駄目だ。それに、俺がサキュバスに遅れを取るはず無いだろ?傷付けずに制圧するくらい余裕さ!」

 

「さ、流石はカズマの旦那!なんて懐が深いんだ……」

 

ふふふ、もっと褒めてくれても良いんだぞホースト。今回は珍しく強気に出られる淫魔が相手だからな!

 

「ちなみに、もし勧誘中にグレムリン等の下級悪魔が襲ってきたら私達はどうするんだい?」

 

「それは全力で助けてくれ」

 

「グレムリンの方が下級悪魔なのにですか?!」

 

そこはほら!戦い方が違うからね!

 

「では、早速封印を解くとしよう。多分この『淫魔封じ』って書かれた御札を剥がせば良いんだよね?」

 

「色々と危ないネタが見え隠れしてる気がしなくもないが、多分札を剥がして蓋を開ければ良いんだと思うぞ。まぁ、中からどんな淫魔が飛び出すか分からないから、一応警戒はしたほうが良いと思うけど……」

 

と言っても、俺はこいつらよりサキュバスのほうが心配だけどな。どう考えても紅魔族の方が強いだろうし……

 

「では、早速ご対面と行こうじゃないか!」

 

パカッ……シュボッ!

あのおっさんの力がイメージに依存するチート能力だからなのか、やはりこの封印方法は○封波だ。御札を剥がして封印が解かれると、そこには謎の煙が立ち込める。そりゃイメージが勝手に形になるのなら分からなくもないが、それにしたって集英社のネタは流石にヤバいだろ………

 

「あれ、ここは?」

 

「おっ、良かった無事だったか!変なおっさんに捕まって大変だったみたいだけど、俺達は平和的に……えっ?」

 

広がる煙は例の演出であり、その範囲に意味はないと思っていた。そして魔○波っぽい封印方法から、中に入っているのは1人だと俺は勘違いしていたのだ。この転生者が作るものが、そんな低スペックな筈が無いと言うのに……

 

「男?」「男だわ!」「精気に満ちてて!」「しかも若い!」「最高のご馳走じゃない!」

 

「いやちょっと待って!流石にこの数は死ぬ!10とか20ならまだ何とかなるけど、流石に30近く居たら死ぬ!」

 

煙の中から溢れ出たのは、完全に発情した顔をしている大量の淫魔達。これは流石に予想してないし、もはやスキルとかテクニックとかでどうにか出来る数じゃない!捕まったら取り押さえられ、成す術なく……一応半数は返り討ちに出来ると思うが……最終的に絞り殺されてしまう!

 

「あのおっさん何回チェンジしてんだよ!ホースト、ウォルバクを連れて紅魔の里へ飛べ!最悪里まで逃げ込むから、里で迎撃準備を頼む!」

 

「了解です!旦那、ご武運を!」

 

「ちゃんと準備して待ってるから!必ず帰って来なさいよ!」

 

よし、取り敢えず最悪の保険は用意して、体力に不安のあるウォルバクは逃した。こっから先は……

 

「お前らは俺と走れ!逃げながら打開策を考えるぞ!」

 

「ちょっ、結局いつものそれですか?!」

 

「さっきまで格好良かったのに、保険をかけただけでノープランって事ですか?!」

 

「美女の群れから逃げる勇者か……これはこれでネタになるかな……」カリカリ

 

「逃げたわ!」「追いかけるわよ皆!」「逃しちゃ駄目だからね!」

 

流石にこれは仕方ないだろ!こんなの予想してねぇし!だからって焼き払う訳にもいかないし!でもオーク達の時より全然気分は良い!やっぱり可愛いって正義だな!

 

「おや?あの淫魔達、何かの魔術で冷静さを欠いているだけで、魔力が枯渇している訳ではないようですね?恐らくコレは………」

 

「どうせ例のおっさんの仕業だろうな!くそっ!お前ら絶対に淫魔に攻撃はするなよ!あの淫魔達は完全に被害者だ!」

 

「そんなことを言われても!」

 

「話が通じない相手にどうしろと?!」

 

「モテ男ネタかと思ったらゾンビパニックだったか……でもこれはこれで……」カリカリ

 

そんなの俺が知りたいわ!と言うか、対策を練るにも原因が分からないんじゃどうしようもない!何とかしてサキュバスが狂ってる理由が分かれば……

 

「そうだアーネス!お前は上位悪魔で無性別だったよな?お前なら狙われる理由が無いわけだし、暴走の原因を調べられるんじゃないか?!」

 

「おぉ!言われてみればその通りです!奴らが精気を求めるなら、あたしは眼中に無いはず!戦闘力なら負けませんし、ちょっと接近して調べてみます!」

 

「頼む!」

 

これでもし原因が何か分かれば、こっちには魔法の天才が3人居る。ウォルバクなんてチートも居るわけだし、最悪紅魔の里までおびき寄せてしまえば何とでも出来るはずだ!今日は本当にこのパーティーで良かった!

 

「アーネスさんって無性なんだ……」

 

「何処をどう見ても女子にしか見えないのですけどね……」

 

「まぁ、女の子なら安全なんじゃないかな……レズのサキュバスさえ居なきゃ……」

 

「そういうフラグになる事を言うなよ!淫魔は精気を求めてるんだから、無性のアーネスは安全で……」

 

「ひゃうっ?!や、辞めろお前達!そ、そこは……くぅ!」

 

えっ、何これ襲われてる?!まさか、精気の感知機能さえ狂わされてるのか?!

 

「おい!あるえが変なフラグ立てるからだぞ?!レズがどうこうなんて言うから、マジでレズサキュバスが集まってるじゃんか!」

 

「知らないよ?!中には何名か居るって聞いただけだし、そもそも凄い数に襲われてるじゃないか!流石にレズ率高過ぎるよ!」

 

「だとしてもおかしい!精気を求めて暴走してるなら、無性のアーネスが襲われる筈は……」

 

いやちょっと待て?精気が詰まってるからサキュバスは精液を求めるんだよな?って事は、別にアーネスが精気を生産して無くても良いのでは……

 

「そ、そこは駄目だ!……そこにはカズマ様の……んんっ!」

 

「じゅるり………この悪魔、腹の中にタップリと男の精を溜め込んでるじゃない……」

 

「しかもかなり濃いわね……胸や足にまでたっぷり男の匂いが染み付いてるし……男の匂いに染められるのが好きなのかしら?」

 

「ふふふ、無性のくせにとんだ淫売悪魔ね?尻の穴にまで溜め込んで……1滴残らず吸い出してあげる……じゅぷっ」

 

「や、辞めろぉ……それはあたしがカズマ様に愛された証で……んんっ!……お前らなんかに……はぁん!」

ビクンビクン!

 

俺の精液が狙われてた!これがロリーサの恐れていた事態か!取り敢えずアーネスは回収しないと、このままではサキュバスにNTRれてしまう!

 

「契約を元に、我が召喚に応えよアーネス!」

 

ポンッ……ガシッ

「お、お手を煩わせて……申し訳ありません……」ビクンビクン

 

「今のは俺が悪かった!そこまで気が回らなくてごめん!そして、初めての召喚がこんな感じでごめん!」

 

召喚魔法でアーネスを呼び出し、その身体を抱えて再び走り出す。なんてエロ可哀想な事になってしまったんだアーネス。また沢山慰めるから許してくれ!あと、ちょっとレズNTRに興奮してごめん!

 

「仕方ない……こうなったら余ってるスキルポイントで淫魔スキルを上げて、あのサキュバスを全員まとめて堕とすしか………」

 

「それは絶対に駄目です!今でさえ壊されそうだと言うのに、そんなことしたら人の手に負えなくなりますよ?!」

 

「私としてもそれは困るよ!手加減されても色々と溢れ出てしまうのに、これ以上メチャクチャにされたら引き返せなくなるよ!」

 

「わ、私は別にそれでも良いかなって……」

 

「「サキュバスは黙って!!」」

 

「二人共酷い!私そんなにエッチじゃないもん!!」

 

ゆんゆんは間違いなくエッチだろ?!しかし、この状況はマジでそれしか解決案が浮かばない。被害者のサキュバスを攻撃する訳にもいかず、だからって野放しにすれば討伐されてしまう。こんなの選択の余地なんて無いだろ!

 

「ご無事ですかカズマ様!」

 

「天使!どうしてお前がここに?!」

 

「宴会だけ参加しようと待ち伏せていたら、大量のサキュバスに襲われているとお聞きしまして……秘策のアイテムをお持ちしたところです!」

 

なんて最高のタイミング!コイツがこんなに頼もしいなんて初めてだぞ!やっばりエリスの加護が効いているのでは?!

 

「助かったぜ天使!何を持ってきたんだ?サキュバスの再封印アイテムとかか?」

 

「サキュバスを傷付けず、かつ友好的に籠絡するには、やはり身体に分からせるのが一番です!そこで、淫魔スキル習得用のスキルポーションと、淫魔にも有効な媚薬をお持しました!」

 

「「「「………えっ?」」」」

 

よりによってそれ?!

 

「ほ、他にもっとマシなのは無かったのですか!サキュバスの再封印アイテムとか、安全に気絶させるアイテムとか!」

 

「めぐみんさん。カズマ様はサキュバスとの共存を心から願っているお方です。我々天使としても、叶うなら争いなど無い方が良いのは明白……それならば、暴力より快楽で分かり会える方が、より幸福ではありませんか?」

 

「そ、それは確かにそうですけど……」

 

いやおかしい!天界の総意がどうかは知らないが、お前は逆恨みでアーネスに魔法撃つじゃん!そんな悪魔と歩み寄る考えなんて、お前個人には微塵もないだろ?!

 

「それに、淫魔のスキルはレベルを上げるだけ夜の回数も増える訳ですよ。早く子供が欲しい皆様にとって、コレはまさしくメリットしかありません!さぁ、早くスキルを習得しましょう!淫魔の皆さんもお待ちですから!」

 

「回数って……まさかお前!何時までも相手にされないからって、こんな手の込んだ罠まで用意したのか?!余剰分がお前に向くなんてありえないのに?!」

 

「なっ、何を馬鹿な!私がカズマ様を罠に掛けるなんてありえませんよ!でも余剰分が私に向かないって言うのは訂正なさい!いつか実る予定ですから!」

 

ごめん天使。それに関しては多分無理。お前だけはどうしてもヒロインに見えないんだ。ペットのウーパールーパーくらいの感覚なんだ。

 

「あの……天使様の持ってる薬ってスキルポーションと何でしたっけ?」

 

「淫魔にも有効な媚薬ですが?」

 

「淫魔に有効って、どうやって確認したんですか?普通の媚薬は淫魔には効きませんよね?」

 

「そ、それはその………ゆ、友人の淫魔にお願いして……」

 

それ完全にダウトだろ?!お前を見ると悪魔じゃなくても結構な方々が警戒するのに、媚薬を試してくれる奴いるか?!

 

「カズマ様、これは間違いなくクロですよね?」

 

「クロだろうな。まぁ証拠は無いんだが……」

 

でも、石造り古代遺跡に半端な内容の日記。俺の残弾を無駄に増やそうとして画策してたのは、ほぼ間違いないだろうな……

 

「そんな事より、眼の前の飢えた淫魔達を救う方が重要ですよ!いや本当なら私が天使として救ってあげたいんですがね?私では精気を生産することが出来ないので………」

 

「『パラライズ』」

 

「ひぎゃ!」

 

必死に言い訳をする天使に向かって、アーネスの麻痺魔法が放たれる。そして懐から水風船を取り出すと、それを天使の前にゆっくりと押し付けた。いや、あれは水風船ではなく……

 

「以前カズマ様が避妊具なるものを試作してな。これは耐久試験で使用したもので、中には2回分の精液が詰まっている。さて、これをお前の上で破裂させたら、淫魔達はどうなると思う?」

 

「に、2回分で300ccくらいありそうなのが先ず気になりますが…そんなのかけられたら、淫魔に群がられて大変な事になりますよね?!」

 

俺の出したものを脅しに使われ、興奮と危機感の入り混じった顔をする天使。一応弁明しておくが、前日ゆんゆんとして無きゃもっと出た。えっ、そうじゃない?!

 

「魔力切れを起こしていなければ、本来淫魔は話がわかる種族だ。この媚薬の解毒薬を用意してくるから、それまではお前が献身的に相手してやれ。なぁ、このクソ淫売天使が!」

 

パシャッ!

「ひゃう!ま、まだ清らかなこの身体になんて事を……あぁん!この淫魔共!神聖な私の身体に舌を這わせるなんて……あっそこは駄目で……はぁん!」

 

元より神気が少ないからなのか、それとも発情した淫魔は気にもしないのか……聖なる存在である筈の天使の身体は、あっと言う間に淫魔達の餌と化してしまった。かけられたら精液を舐め取られるだけでは済まず、弄ぶために下半身に奉仕する淫魔まで現れる始末だ。これはまさしく酒池肉林。まさに男の夢の光景なのだが……

 

「し、舌を入れるのは辞めてぇ……そこはまだ誰にも許してない所で……あぁん!後ろの穴も駄目ぇ……み、見ないでカズマさま……こんな私を見ないでぇ!」

 

これで息子が無反応なのだから、ある意味天使は凄いと思う。

 

「そうだな!確かに見てても得しないし、俺達は旅館でのんびりと解毒薬を用意してくるよ。そんな訳だから、頑張れ天使!」

 

「えっ?!いやそれは流石におかしい!これはムラムラして私を抱きたくなる流れですよ!そんなクールな顔して立ち去る状況じゃ……んんっ!ほ、ほんとにそこはだめぇ!」

 

その後、俺達が霜降り赤蟹と温泉を楽しんでから天使のもとに戻ると、自然に落ち着いた淫魔達が天使を介抱していた。全ての原因は天使なのに、本当に淫魔と天使は立場を交換すれば良いと思う。ということで、本日より心優しい淫魔30名が入社となった。ちなみに……

 

「あっ!ゆんゆん先輩!お疲れ様です!」

 

「「「「「お疲れ様です!」」」」」

 

「せ、先輩じゃないですから!」

 

ゆんゆん淫魔説はより信憑性を増している。

 




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

天使に濡れ場がないと言うメッセージがあり、何となく濡れ場を押し込んでみました。酷くてすみません。
残念ですが天使は約束されしネタキャラなのでヒロインにはなりません。ファンの皆様(そんなの居ないやろ)ごめんね!

また不定期更新ではありますが、お暇な時にでもお付き合いください。
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