ちょっと長いタイトルですが、ご想像の通り、ちょっとご挨拶に行く会です。
アクアと一夜を共にした翌朝、アクアは自慢気に俺の女アピールをしていた。
「カズマさんってば私に夢中で、もうアクア無しでは居られないってー」
ただ誇張が過ぎる。めぐみんもダクネスも分かってるようで、微笑ましく「そんな夢を見たの?」って顔でアクアを見ている。だから俺からの訂正はしない。食卓から離れてソファーを陣取る。
「アクアさんとカズマが…想像できないね」
自然と隣にクリスが座るようなった。ここにはいつもアクアが居た事を思えば、アイツが寂しいのも少しだけ分かる気がする。
「なんとも言えない感じだったけどな…」
「してる最中に喧嘩なんてしなかった?」
「……した」
「ふふ、ちょっと想像できるね」
クリスはニコニコしながら俺の話を聞いている。
「あと、怒られた。エリスとの事を秘密にしたからって」
「バレちゃってた?」
「エリスが幸せそうで分かったらしいぞ」
それをきっかけに俺がバラしたのは黙っておく。
「アタシってそんなに不幸そうだったのかな…」
「さぁ?俺はそうは思わなかったけど、今はどうだ?」
「今は凄く幸せ。カズマが隣に居るし」
多分、アクアみたいに人生楽しんでる奴には、エリスの人生はまだ色々もの足りなく見えるんだろう。と言うかクリスはもう愛情表現を隠さなくなったな。
「その違いに気付いたんだろうな。アイツは人生楽しんでるから」
「アクアさんは欲張りすぎじゃない?」
俺も少し前ならそう思っただろう。でも、今はクリスにこう言ってやる。
「クリスだってもっと欲張れよ。奥さんに我慢させるなんて、俺みたいな良い男がすることじゃないだろ?」
「あはは、何それ。カズマってそんな甲斐性を見せるタイプだった?」
「ハーレムなんて許して貰ったんだぞ。それくらいなんでも言えよ」
「分かった。何かを考えておくね?」
「おう」
クリスは無茶を言わないだろうし、これくらいの要求は受け入れても良いだろう。
「そうですかカズマ。それなら勿論、私の言うことも聞いてくれますよね?」
ただ、この爆裂娘の要求は正直受けたくなかった。今度は何を壊すつもりだろう。
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「マジでなんの作戦もねぇんだけど?」
めぐみんの頼み。それはご両親へのご挨拶。予定してたよ?してたけどさ…心の準備期間は必要だろ?
「これは戦術でどうにかするモノではないでしょう?大切なのは誠意です。私だって、カズマの資産と月々の収益くらいしか確認してませんよ?」
その両手には俺の収益を計算したであろう紙と、何処から買い集めたのか分からない大量の土産を抱えている。
「真っ先に買収で何とかしようとしてる奴にだけは、誠意なんて言葉は使って欲しくないね!」
全く誰の影響だ!まぁ俺だろうけど。
「誠意と言って、クリスにパンツの代金せしめた人が言いますか?」
「そんなことあったね。カズマ的にはアタシのパンツはいくらだったのかな?」
「申し訳ございませんでした!」
流れるように土下座を行う。
「私の父は何か作戦が必要だろうな…なんなら処刑もありえる…」
この後にはダクネスも控えているんだよな。胃が痛い。
「カズマさん!紅魔の里にいくなら、私の両親にもちゃんと説明をしてください!」
「そりゃ勿論…いくよ?」
ゆんゆんに関しては、もうしちゃったもんな。いや、やったことは黙っておこう。答えないのは嘘ではない、誠意の範囲だ。
「ゆんゆんの両親は反対しないと思います。族長の娘が英雄の血筋を取り入れた形になるわけですし、そもそもゆんゆんが普通の恋愛が出来ると思われてないでしょうし」
「ねぇめぐみん?私たちパーティーの仲間になったのよね?もう少しだけオブラートとかないの?」
「本音でぶつかれるのが真の仲間ではありませんか?」
「……めぐみん」
そこは嬉しそうにする所じゃないぞゆんゆん。両親もこれくらいチョロかったら良いのに…
「では、行きましょう!まずはゆんゆんの実家でリハーサルです!」
「ちょっと?!リハーサルってなによ!本番!凄く大事な本番だから!」
紅魔の二人が先人を切る。これから人生の大切な選択を迫られると言うのに、あいつらには不安なんて無いようだ。
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「ようこそカズマさん。この前の戦いで我々紅魔の評価は天井知らずです!最近は一族ごと英雄のような扱いですよ!」
訪ねると言う連絡はしておいたが、まさかこのような形で歓迎されるとは……すごく言い出し辛い。今回は俺とゆんゆんだけで訪れたのに、この前の戦いで武勇を得た事の方が重要らしい。
「それは何よりです。あ、これ手土産です。ただ、本日の本題は他にありまして……」
族長は、微塵も真面目な話だとは思っていないらしい。切り出しにくい。と言うか既婚者に助言貰えば良かった。
「ほう、ちょっとお高めの手土産、うちの娘と隣り合って座っている事から推測するなら、娘をくれと言う挨拶ですかな?なーんて!うちの娘がカズマさんになど」
ボケが当たると言うのは気まずいと思うが、と言うか娘に恋人が出来る事をギャグとして扱って良いのかとか、思うところはいくつかあるが、これはチャンスだ。今は乗っからせて貰おう。
「いえ!その通りです!ゆんゆんを俺にください!」
「……しょう、じゃない!本気ですか?!」
「お父さん今一瞬、本気じゃなくて正気を疑わなかった?!」
「今は見逃してくれ。話が進まない」
気持ちは分かるが、片手でゆんゆんを止める。と言うか、ひろぽんさんの気持ちもちょっとわかる。
「私は理解ある父親のつもりです。友達がい…少ないゆんゆんが、本気で愛する人に出会えたと言うのなら、私に反対する理由はありません」
「今、友達が居ないって言いそうにならなかった?!」
「よし、ゆんゆん。親父さんのゆんゆんに対する認識は今後変えていこう?今はちゃんと話しをしような?」
じゃないと話が終わらない。
「わかりました……聞いてお父さん!私はカズマさんのモノになるけど、カズマさんのモノになるのは私だけじゃないの!」
ゆんゆんは、一番大切で重い部分を初っぱなにぶちこんだ。やっぱ一撃目にライトオブセイバー使う子は違う。
「……は?」
ひろぽんさんは、一瞬だけ何かを考え込み、そして深刻な顔で俺と向き合った。
「カズマさんは、何人も妻を娶るつもりであり。その中にうちの娘が居ると、そう言う訳ですか?」
「はい」
「…流石はカズマさんだ。男の夢を平然と、この若さで…」
少しだけ、共感できる部分があったらしい。俺も他人の話なら羨ましいとしか思わないだろう。
「しかしゆんゆんはそれで良いのか?結婚相手は自分で選ぶべきだとは思う。しかし、カズマさんとのそれは普通の結婚とは違う。それでも、カズマさんの側に居たいのか?」
ゆんゆんの本音は俺には分からない。俺はその意思を無視なんて出来ない。だから、これはゆんゆんが決めるべき話だ。
「私にとって一番大切な普通は、結婚相手は一番好きな人であること、だから私はカズマさんの側に居たい」
俺の不安なんて一掃するゆんゆんの真っ直ぐな意見。やばい、俺が泣きそう。
「そうか。ゆんゆんがそこまでカズマさんを愛しているなら、認めるしかないだろう…他に居ないだろうし、娘を面倒くさがらない人は…カズマさん、うちの娘を、幸せにしてやってください!」
「はい。俺も全力で…」
「ねぇ待って!お父さんは私をなんだと思ってるの?!」
「……ちょっと御一人様が上手くなりすぎた娘だなと」
「それボッチじゃないのよー!!」
何はともあれ、ひろぽんさんが娘の幸せは娘に決めさせると言うスタンスで良かった。俺の責任は重大だが、これからの親子関係に亀裂は起こらないだろう。今の会話で発生した亀裂は、そのうち癒されるはずだ。少なくとも、俺は悪くない。
「それはそれとして、子供は当然この里の長になるわけですし、そこら辺を決めておきたくてですね?」
「あっはい」
この後、世継ぎの話だとか、滅多に帰らないゆんゆんの里帰りの件だとか、ゆんゆんを貰う話よりも長い契約の話が始まった。親父さん、この機会を約束の取り付けに利用したな。やはり族長はやり手だ。
「また、なるべく頻繁に顔を見せに来てくれたまえ」
「はい。また何かあればお尋ねします」
「跡取りも期待しているよ?」
「ちょっと!お父さん!?」
実は満更でもないのだろうが、流石に実の父に言われると嫌らしい。まぁお年頃だもんな。
「それとね。カズマくん」
「はい」
「我が名はひろぽん!紅魔の族長にして上級魔法を操るもの!いつか孫と共に里に繁栄をもたらすもの!」
やり忘れたからって、今やるのか…
「そして、誰よりもゆんゆんの幸せを願うものだ」
ひろぽんさんは、途中で「いつものポーズ」を辞め、見たことない真面目な顔で俺に頭を下げた。ゆんゆんが恥ずかしがった里のお約束を捨てて、ゆんゆんの望む形で俺に意思を伝えた。
「…必ず幸せにします」
いろいろ不安はあるが、俺に返せる精一杯の返事はこれしかない。
「ゆんゆん、カズマくんと一緒に幸せになるんだよ」
「…うん…お父さん…ありがとう」
ゆんゆんの眼から涙が溢れた。紅魔でも、時に真面目な空気を作ることがあるらしい。俺は父の胸で泣くゆんゆんが落ち着くまで、そっと隣で待つことにした。
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「ゆんゆんが円満解決ですか…族長の娘なのに簡単に行くとは、やはりボッチだからですか?」
合流しためぐみんに報告をすると、最初の言葉がこれだった。
「親父さんは、ゆんゆんが望む幸せを尊重してくれたよ」
「そうよ!ちょっと私への認識を話し合う必要はあるけどね!」
俺とゆんゆんは一部表現を濁すものの、上手くいった事を報告する。
「認識って……ボッチとは思われてたのね…」
残念ながらアクアには即座にバレた。気を取り直し、次に向かうのはめぐみんの家だ。町の外れに取りあえず徒歩で移動する。
「ねぇ、なんでこんな村の外れに住んでるの?人が嫌いなの?」
そう言えばクリスは初めて来るんだったな。
「父はたまに危険な魔道具を作るので、仕事柄人里から離れているんです」
「あぁ、なるほど」
しばらくすると見えてくる、アクアに馬小屋扱いされためぐみん宅。
「…ねぇ?魔道具爆発したっぽいよ?あの家だよね?」
クリスが心配そうな声をあげる。そうか、ボロすぎて初めて見る人にはそう見えなくもないな…
「あ、ボロボロなのは元からです」
「あぁ!お姉ちゃん!」
こめっこが俺たちを見付けて声をあげる。
「こめっこ、お父さんはいますか?」
「今は忙しいんだって!冷やして混ぜるだけの機械が売れてて、今度は暖めて混ぜる機械を作るって頑張ってるの」
「ウィズがソフトクリームマシンを頼んだ職人って、まさか……」
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「いやー、まさかカズマさんが設計者だったとは!大変でしたが、良い稼ぎになりましたよ!して、今日は新しいビジネスの話ですかな?」
「本当カズマさん?私としても、最近はちゃんと3食こめっこに食べさせる事が出来てとても助かってますよ」
ご両親は俺がソフトクリームマシンの設計者であることを知ると、仕事の方に食いついた。そう言う方々ですもんね。
「いえ、今日はご挨拶と言いますか、取りあえずこれ、手土産です」
「「え?!」」
ご両親の目の色が変わった。
「こめっこは駄目だ!こんなに積まれてもこめっこは!」
「私で勘弁してください!人妻ですがまだ頑張りますから!こめっこは見逃してください!」
「なんで食べ物で家族を奪われる前提なんですか?!」
この両親は色々大丈夫だろうか?
「これは…スルメだぞ?!完全なつまみ!そして酒が何本も!!」
「こちらには食材と…ハンドクリームまで!お湯が出ないうちの台所事情まで察して……やだ、カズマさんになら私…」
「めぐみん、お前の家族は色々大丈夫か?」
ゆいゆいさんとか特に、お金の話で簡単に愛想を尽かしてしまいそうだぞ。
「夏が過ぎたら冬ごもりの準備ですからね。安定した収入のない我が家には、保存が利く食材たちは重宝するんです」
「これ、お菓子だよ!しかもこんなに沢山!」
「こめっこは、沢山食べて大きくなるんですよ?」
「うん!私、ゆんゆんみたいに立派になるの!」
おっと、それは姉的には良いのか?
「こめっこちゃん。私って立派なの?」
ちょっと嬉しそうなゆんゆん。そう言えばゆんゆんは命の恩人だったな。
「うん!お母さんとお姉ちゃんよりお胸が大きいもん!」
そっちか。真っ直ぐな笑顔で言い放つこめっこの周りに、なんとも言えない空気が流れている。
「……こめっこ、私とお母さんは脂肪が無いのです。つまり、デブ!な要因が無いんです。これは大切な事ですよ」
「そうだよ。体脂肪なんて必要最低限で十分だよ!あんなもの無駄な重りだよ!」
めぐみんとクリスが謎の共闘を…俺もそれに関してはフォローしよう。スレンダーなのも魅力のひとつなのだから。
「こめっこ、女の人の魅力は胸だけで決まらないんだ。ゆいゆいさんはスレンダーで美人だろ?」
「でも、お兄ちゃんはシルビアって人のお胸に釣られて付いて行ったんでしょ?」
「誰か!俺のフォローをお願いします!」
誰だよ教えた奴は!
「そんなことないわ、こめっこ。カズマさんは、ゆいゆいさんに誘惑されても鼻の下伸ばして付いていくもの」
「おいアクア?それはフォローか?!フォローだと思ってるのか?!」
「やだ…やっぱり私なの…どうしよう。カズマさんは嫌いじゃないけど…」
「母さん?!家庭を捨てないで!」
「お母さん!なんでそんな女の顔してるんですか!家庭が壊れます!そもそも、カズマは私のですからね!」
「え?それじゃあ娘と一緒に…やだカズマさんてば鬼畜」
「違いますから!俺はそんな性欲の化身じゃないですから!」
今日もめぐみんファミリーはとても賑やかです。
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「なんだ、娘を貰いにですか。前回差し上げたと思って送り出しましたよ?」
「今更よね?むしろ爆裂魔法しか使えない娘を返品される方を恐れてましたし…」
めぐみんの家庭はめぐみんに対して信用が無いようだ。やはり爆裂魔法を使うからだろうか…
「はい!カズマ帰りましょう!ここへの用は済みました!」
「待て!ちゃんと内情をだな!」
「チッ!」
めぐみんは話を切り上げて帰ろうとするが、ハーレムの件を伝えないとフェアではない。
「で、うちの娘は第何夫人なんですか?」
「「「え?」」」
ゆいゆいさんの発言に、全員が目を丸くしている。
「あら、違いました?新しい女性が増えてますし、全員が自然とカズマさんの側に行こうとしてますので」
大人の女性とはこんなに察しが良いのだろうか。
「あぁ、そう言えば私のカズマに色目を使う女に困っているって手紙にあったな…」
ひょいざぶろーさんの発言に、めぐみんは目をそらしている。
「そんなの可愛い見栄ですよ。美人なアクアさんもグラマーなダクネスさんも居るんですよ?うちの娘に勝ち目があるとでも?」
そして容赦がないゆいゆいさん。貴方の娘ですよ?
「待て母さん!新しい女の子を見れば、うちの娘にも勝ち目があると思わないか?」
ひょいざぶろーさんはクリスの方を見て、名推理とばかりに誇らしげな顔をしている。
「…そう言われると確かに。やはりこめっこも?!」
勝手に俺をロリコン認定しないで欲しい。
「ねぇめぐみん?めぐみんの家族への手土産は無かった事にしようか」
「そうですね。持ち帰りましょうか」
ロリと並べられたクリスとめぐみんはお怒りです。
「か、カズマさんは誠実で内面を見る人だからな!うちの娘と強い信頼があっての事だと俺は思っていたさ!女は見た目じゃないぞ母さん!」
酒を確保してゆいゆいさんを売り渡すひょいざぶろーさん。俺はこうはなるまい。
「あらあら、あなたから言い出したのに本当にしょうがない人ね。カズマさん、人妻も加えてくれるかしら?こめっこは渡せませんけど、私ならカズマさんを満足させる為に頑張りますよ?」
「いえ、その……ゆいゆいさんは凄く美人ですからお気持ちは嬉しいのですが…」
「あら本当?どうしましょう…この年でもう一人産んじゃおうかしら」
冗談だとは思うが、美人に言い寄られたら男は無力だ。
「母さん悪かった!俺を捨てないでくれ!こめっこも、お父さんと一緒が良いよな?!」
自業自得だが、ひょいざぶろーさんの声が悲痛だ。
「アクアのお姉ちゃんも、ゆんゆんも居るんだよね?お母さんが行くなら、私もカズマさんちの子になる!」
「そんな?!」
俺はこんな父親にはならないぞ。娘とも仲良くしよう。
「馬鹿なことは辞めてください。カズマは私のです!お母さんはちゃんとお父さんを叱って、こめっこを立派に育ててください」
「もう、めぐみんたら、もう少しお父さんを反省させても良かったでしょ?」
「これ以上はカズマが本気にしますよ?良いんですか?カズマは手が早いですよ?」
「おい!俺をなんだと思ってるんだ!」
流石に人妻だと分かれば行かんわ。
「ゆいゆいさんの冗談にデレデレだったじゃない…迫られたら断れないでしょ?」
アクアの指摘は嫌なところをついてくる。
「それは…ゆいゆいさんは美人だからドギマギしただけでだな!相手が不幸になるようなら俺は手を出したりしない!」
多分。きっと。おそらく。いや、でも相手から来たし?
「顔が緩んでますよ…カズマは私の母親でも良いんですか?」
「カズマさん…私じゃ駄目ですか?」(上目遣い)
「何一つ問題ありません」(イケボ)
しまった!なんて狡猾な罠だ!こんなん断れる男いねぇよ!
「ほらほら!お母さんまだまだイケるじゃない?めぐみんより愛されちゃうかも?」
「本気ですか?!カズマは親子丼でもする気ですか?!」
「やだ、カズマさん…二人一緒なんて…えっち」
「その、そろそろ本当に困るって言うか…周りの目が痛いって言うか…」
魔性の母親は駄目だ。背徳と色気が色々ヤバい。
「もう!お母さんは女の顔をやめろー!!私のカズマに色目を使うなー!!」
「ゆいゆい!俺が悪かった!俺を捨てないでくれー!」
めぐみんとひょいざぶろーさんが居なかったら、俺はどうなってしまっていただろう。
「…あの、クリスさん?背中をつねるのやめてくれませんか?」
「アタシはそんな手広く認めたつもりはないよ?わかってるよね?」
「……はい」
クリスのやきもちって攻撃力高いな。これがギャップ萌えか?あと物理的にも攻撃力高い。
「こめっこちゃん、ちょっと」
ゆんゆんがこめっこに何かを吹き込んでいる。
「お父さんとお母さんが仲良くしないなら、わたしだけカズマさんちの子になります!」
「「すみませんでした!」」
こめっこの鶴の一声で俺を巻き込んだ夫婦喧嘩は幕を閉じた。ゆんゆんは本当に優秀だ。
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「では、私の嫁入りに反対はしないんですね?」
「父親としては複雑だ。でもな、このパーティーはもう家族になってるじゃないか、引き裂くなんて出来っこないだろう?」
酒への欲望で家族を手放しかけた人の言うことではない。
「本音を言えば娘だけ愛してあげて欲しいですが、多分本命は銀髪の子でしょうし、娘がどうしてもカズマさんじゃなきゃ嫌、カズマさん好き好きってなってしまっているので、これはもうカズマさんにお願いするしか無いかなって」
「母さん、本命なんて何処から判断したんだ?」
「カズマさんが一番気にかけていたでしょ?」
大人の女性はやはり鋭い。
「良いんです!今の一番はクリスだろうと、私が追い抜いて返り咲くんですから!」
あれ?結構バレバレだっのだろうか?
「それでこそ私の娘。私も手伝ってあげるから頑張ってね?」
「お母さんは何をいったい何を手伝うんですか…」
呆れるめぐみんと、不覚にもドキッとした俺。
「……じー」
そして、俺を監視するクリス。
「…なにか?」
「人妻にイヤらしい目を向けないで」
「…無実です」
「本当に?」
実はゆんゆんとウィズは不味かったのでは無かろうか?でもゆんゆんの時はクリスも乗り気だったよな?
「エリス様に誓って」
「うぅ、それなんかズルい!」
信仰は裏切らないのだ。今度から多用しよう。
「しかし、カズマが一番好きなのはエリス様なんだろ?こんなにクリスを気にかけていても、さらに上がいるとなれば…」
「なにそれ!初耳なんですけど?」
ダクネスとアクアが乗っかってきた。その入れ知恵はクリスなので、信憑性は高い。まぁ実質一位ですよ。同率と言うか同一ですが。
「まさか!エリス様にちょっと似てるからってクリスが好きとか言わないだろうな?!それは人として最低だぞ!」
「そんなわけねぇだろ!良い女だろうがクリスは!」
「えっと、その……ありがとう」
とっさの反撃でちょっとやらかした。クリスは満更でも無さそうだが。
「あらあらカズマさん。じゃあ、うちの娘はどうなんですか?」
これ、答えない訳には行かない流れですよね。
「……めぐみんは、実は甘え上手でとても可愛い子だと思ってます」
「よりにもよって両親の前でそれですか!?他にもあったでしょ恥ずかしくないやつが!普通に尊敬されるやつが!」
折角なので、クリスのパンツの件もあるし、めぐみんに仕返ししてやろう。
「前に泊めてもらった時も、甘えん坊なめぐみんに危うく理性が消し飛ぶところでした。それに、一緒にお風呂に入ってくる積極性もめぐみんの魅力だと思ってます」
「なに言ってるんですか!?羞恥プレイですか?!もう嫌がらせじゃないですか!」
「そうか……めぐみんはカズマさんには甘えん坊なのか…苦労かけてたからな…私達にそんな面を見せたのは何年前の話だろうか…」
親父さんは感慨深い表情だ。
「お父さんも深掘りしない!」
「良いじゃない。甘える娘はいつまでも可愛いものよ?ほら、お母さんですよー」
そんなやり取りを見て、アクアがしんみりとしている。
「ねぇカズマさん。家族って…なんか良いわね」
「今それを言うのはなんか違う気もするが、そうだな…俺達には家族が居ないからな」
「なんかこう言うの憧れるよね」
アクア、クリス、俺は少しだけセンチメンタルになる。少しだけ、親孝行できなかった事を後悔した。
「何を言っとるんだカズマくん!これだけ奥さんを貰うんだろ?子供なんて出来たら、毎日騒がしくて敵わんさ!」
ひょいざぶろーさんはめぐみんから逃げて俺の側に来た。
「でも、それが不思議と嫌じゃないんだ。家族って言うのは不思議だよな」
「…俺には酒で奥さんを売ろうとする方が不思議ですが」
このおっさんはいい話を作れる状況ではないだろうに。
「時に、男は間違えるものさ…」
「貴方は色々間違えすぎです」
「……はい、すみません」
来客時には夫をたてようとするが、きっと普段は尻に敷かれているんだろう。
「今日は泊まっていくでしょう?今ならお夕飯もちゃんとしたモノが出せますから、ゆっくりいってくださいね?」
「お母さんは普通の料理できるんですか?」
「まぁ失礼しちゃう!茹でるくらい出来ます!」
「カズマ手伝ってください!せっかくの食材がクタクタに茹でられて無駄になります!」
どうやら今日はめぐみんの家に泊まる事になりそうだ。嫌な予感はするが、きっと大丈夫。ゆいゆいさんも変なことはしないだろう。
しないよな?
お付き合い頂きありがとうございます。
また遅い更新ですが、今後ともお願いします。